税務署からの「相続税についてのお尋ね」への対応は?届く時期や確率・基準も解説

更新日:

「相続税についてのお尋ね」という書類が税務署から届いて、不安になっている方も多いのではないでしょうか。

「相続税についてのお尋ね」は、相続税申告が必要な可能性がある場合に届くことがあります。相続財産について正確に記載し、相続税申告の必要性を確認しなければ、あとで税務調査を受けることになったり、申告漏れでペナルティを受けたりする可能性があります。

また、「相続税についてのお尋ね」が来ないからといって、相続税申告が不要とは限らない点にも要注意です。

この記事では、税務署からのお尋ねとは何か、どのような基準でどの時期に届くのか、どう回答すればよいのかをわかりやすく解説します。

※本記事の情報は2026年時点の税制をもとに作成しています。税法は改正される場合があるため、実際の申告にあたっては税理士などの専門家にご相談ください。

「相続税についてのお尋ね」とは?

「相続税についてのお尋ね」の内容と目的

「相続税についてのお尋ね」とは、税務署が相続税申告が必要な可能性があると判断した相続人に送る書類です。

「相続税についてのお尋ね」の書類には被相続人や相続人、相続財産などの情報を記入する欄があり、流れに沿って埋めていくと最終的に相続税の申告が必要かどうか目安がわかるようになっています。

なお、書類の名称は「相続税についてのお尋ね(お伺い)」や「相続についてのご案内」など、税務署によって異なることがあります。

「相続税についてのお尋ね」は税務調査ではない

「相続税についてのお尋ね」と「税務調査」は別物です。

先述の通り、「相続税についてのお尋ね」は相続税申告の必要性を確認する意図で送られるものです。

一方、税務調査ではすでに相続税申告の期限が過ぎた事案について、申告漏れや誤りはないかを確認するためのものです。

お尋ね税務調査
性質任意の照会・確認国税通則法に基づく質問検査権による調査
法的強制力一般に任意の照会として送付されることが多い
直ちに回答義務・罰則がある性質のものとは限らない
一定の協力義務が問題となり得る
(令状による強制捜索とは別)
実施方法書面でのやりとり税務署員が来訪・質問
目的申告の要否の確認申告内容の正確性の確認

「相続税についてのお尋ね」が届いたからといって、その時点で何か誤りや問題があるわけではないことがほとんどです。

また、お尋ねが届いても、税務調査が来ることを意味するわけではないのでまずは落ち着いて内容を確認しましょう。

お尋ねが届く基準は?どんな場合に送られてくる?

「相続税についてのお尋ね」が届く基準

税務署は、以下のような情報を把握できます。

  • 不動産の保有状況:固定資産税の課税情報や登記情報から把握
  • 過去の確定申告・収入状況:所得申告や株取引などから把握
  • 生命保険の受取情報:保険会社から税務署に提出される「支払調書」から把握

こうした情報から、相続税の申告が必要な可能性はあるかを基準とし、可能性があると判断されると「相続税についてのお尋ね」が送られます。

なお、相続税の申告が必要になるのは、課税遺産総額が基礎控除を超える場合です。

相続税の基礎控除

3,000万円+600万円×法定相続人の数

  • 相続放棄した人も、法定相続人の数に含められます
  • 養子がいる場合、実子がいれば1人まで、いなければ2人まで法定相続人の数に含められます

「お尋ねが来ない=相続税申告は不要」ではない

「相続税についてのお尋ね」が届かなくても、相続税申告は不要ということではありません。

お尋ねが来ないからとそのまま相続税申告をせずにいると、あとから税務調査が入る可能性があります。

なお、例えば2024年に実施された税務調査(実地調査)のうち、申告漏れなどのミスが指摘された割合は約82%です。

相続税申告が必要なのにしていなかった場合、延滞税が発生し、無申告加算税が課されることもあります。「相続税についてのお尋ね」が届くかどうかにかかわらず、相続税申告の必要性は事前によく確認しておきましょう。

関連記事

「相続税についてのお尋ね」が来る時期や確率は?

お尋ねが来る時期は申告期限の数か月前~申告期限後が多い

「相続税についてのお尋ね」が届くタイミングは、申告期限(被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内)の数か月前から申告期限前後が多いとされています。

ただし、お尋ねが届く時期は一律ではなく、税務署の情報収集・照合状況や管轄署の運用、個別の事情によって前後します。

相続税申告の期限から数年後に届くこともあり、この場合はすでに申告が済んでいれば問題ありませんが、未申告の場合は、速やかに対応が必要です。

関連記事

相続税の申告期限はいつまで?10か月の計算方法と遅れた際のリスク

お尋ねが来る確率について正確な統計はない

お尋ねの送付件数・割合について正確な公表統計はなく、税務署の運用や把握している情報の内容によっても異なるため、一概に確率を示すことはできません。

ただし、不動産のように額の大きな相続財産があるなど遺産総額が大きくなる場合は特に、「相続税についてのお尋ね」が来る可能性が高くなる傾向にあるでしょう。

お尋ねへの回答方法・必要書類・提出期限

回答に必要な書類の準備

「相続税についてのお尋ね」が届いたら、一般的に以下の情報・書類をもとに回答書を作成します。

  • 被相続人の氏名・死亡日・住所
  • 法定相続人の一覧(続柄・氏名)
  • 相続財産の種類や金額(不動産、預貯金、保険金など)
  • 債務(借入金・未払い医療費など)の状況
  • 葬式費用の概算

税務署から送られてくる書類に記入欄が設けられているケースが多く、それに沿って記入するのが基本的な流れです。

なお、ここで回答する財産に漏れや誤りがあると、流れに沿って記入しても相続税申告の必要性を正しく判断できません。

見落としている財産はないか、各財産の評価額は正しいか、慎重に確認しながら進めましょう。税理士に相談することもおすすめです。

関連記事

相続税の課税対象が一覧でわかる!課税対象外の財産も解説

提出期限と提出方法

お尋ねには、回答の期限が指定されていることがほとんどです。届いた書類に記載された期日を確認し、期限内に税務署へ回答書を返送または持参してください。

「相続税についてのお尋ね」への記載内容から、相続税申告が必要だと判明した場合には、期限内に相続税申告をしましょう。

相続税申告の期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内です。

相続税申告の方法については、関連記事『相続税申告のやり方・申告方法を解説|手続きの流れや期限を網羅』を参考にしてみてください。

相続税の相続税の無料相談

お尋ねを無視・放置するとどうなる?税務調査との関係

無視・放置は税務調査のリスクを高める

お尋ねへの回答は一般に任意の照会として扱われます。

法律上、回答義務が定められた書類ではないため、回答しなかったことでただちにペナルティなどが生じることはありません。
しかし、無視・放置することで税務調査に発展する可能性があります。

税務署側から見ると、お尋ねを送ったにもかかわらず回答がない場合、税務署が申告の要否を確認できず、追加照会や調査対応につながることがあります。税務署員が直接訪問する「税務調査」に切り替わる可能性も出てきます。

相続税申告が不要な場合でも、お尋ねが届いたなら、税務署側は「相続税申告が必要な可能性がある」と判断していると考えられます。回答を通して申告不要であることを伝えておくほうが安心です。

虚偽の回答も危険

「相続税についてのお尋ね」の回答書自体には、間違った内容を記載したことに対する直接の罰則はありません。

しかし、意図的に嘘の回答をして財産を隠し、のちに税務調査で判明した場合、悪質な仮装・隠蔽行為とみなされ、最も重いペナルティである「重加算税」が課されるリスクが高くなります。

相続税の相続税の無料相談

お尋ねが届いたら税理士に相談すべき理由

相続財産の評価は専門知識が必要

「相続税についてのお尋ね」への回答では、相続財産の総額を正確に把握することが欠かせません。

しかし、財産の評価は、専門的な知識がなければ難しいことも多いです。
例えば不動産は購入時の価格や相続発生時の市場価格がそのまま相続税評価額となるのではなく、所定の方法によって評価額を確認・算出しなければなりません。

評価を誤ったまま「申告不要」と回答してしまった場合、後から税務調査で申告漏れを指摘されるリスクがあるので、専門家である税理士に相談することがおすすめです。

関連記事

不動産の相続税評価額とは?土地・建物の計算方法をわかりやすく解説

申告が必要な場合は期限管理も重要

相続税の申告期限は被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内ですが、それまでの間、相続税申告以外にもやるべき手続きが多くあります。

すべての手続きを期限までに滞りなく進めるためにも、税理士のサポートを受ける方が良いでしょう。

被相続人が亡くなった後の手続きについては、関連記事『死亡後の手続きの優先順位は?役所・銀行・相続手続きが分かる【チェックリスト付き】』にてご確認ください。

税務署への対応も任せられる

税理士に依頼すれば、お尋ねへの回答内容の確認から申告書の作成・提出まで一括してサポートを受けることができます。もし税務調査に発展した場合も、税理士が立会人として対応することが可能です。

相談先をどこにすべきか迷っている方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事

相続税の相談窓口はどこにする?内容別の窓口と選び方

まとめ|「相続税についてのお尋ね」が届いたら早めに対応を

「相続税についてのお尋ね」は、税務署が相続税申告の必要性を確認するために送付する書類であり、税務調査ではありません。

しかし、届いた場合は相続税申告が必要な可能性があるため、内容を確認して適切に対応することが大切です。

相続税の申告義務は、課税遺産総額が基礎控除額を超えるかどうかで判断されます。回答する際は、預貯金や不動産、生命保険金などの財産を漏れなく把握し、正確に記載することが重要です。

財産評価や申告の要否の判断に不安がある場合は、税理士へ相談し、期限内に適切な対応を進めましょう。

なお、お尋ねが届かない場合でも、相続税申告が不要とは限らない点に要注意です。

弁護士アイコン

監修者情報

アトムグループ 協力税理士

相続税に強い税理士を探す

エリアを選ぶ

選択項目:

なし

相談内容を選ぶ

こだわり条件を選ぶ

現在営業中お電話つながります。

24時間/無料相談予約

電話をかける