リベンジポルノ被害の相談窓口は?ネットに裸の写真が晒されたときの対策

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リベンジポルノ被害相談窓口はどこ?

リベンジポルノとは、元交際相手や元配偶者が別れたことに対する腹いせに、裸の画像や性的な動画などを本人の同意なくインターネットなどを使って公開する行為をいいます。

悪質なものでは、モザイク加工を行わず、被害者の実名や住所などの個人情報を含めて公開するケースもあります。

インターネット上に拡散してしまった画像や動画をすべて削除することは非常に困難であるため、適切な対処が必要です。

本記事では、リベンジポルノの被害に遭った場合における相談窓口や、加害者を訴える法的手段、リベンジポルノ画像の削除方法などを解説しています。

リベンジポルノされたときの相談窓口

リベンジポルノの被害に遭うと、自身の性的な画像や動画がネット上に拡散されてしまうという大きな被害を受ける恐れがあります。

被害に対してどういった対応を取りたいのかで相談先は様々です。相談する際には、掲載されたサイトや投稿のURL、投稿者のアカウント名やSNSのID、リベンジポルノ画像のスクリーンショットなどを保存しておきましょう。

また相手から何らかのメッセージが送られてきた場合には、そのメッセージのスクリーンショットも保存しておいてください。

警察|相手に刑事処分を望む場合の相談先

リベンジポルノの相談先のひとつが警察です。

警察は被害者の訴えを受けて、リベンジポルノについての捜査を開始します。警察相談専用電話(#9110)のほか、性犯罪被害相談電話(#8103)も各都道府県からつながる全国共通のダイヤル番号です。

警察に被害届を提出したい、告訴状を提出して刑事処分を求めたいという場合は、本記事内「警察に被害を訴えて逮捕や刑事処分を求める」もあわせてお読みください。

弁護士|相手への法的対応を取りたい場合の相談先

リベンジポルノの相談先としては弁護士も有効です。

とくに相手に対する損害賠償請求もしたいと考えている場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。弁護士を立てることで相手と直接連絡を取る必要もなくなりますし、相手から心無い言葉をかけられる心配もいりません。

また今後の嫌がらせやつきまといを防ぐために、どういった請求をおこなうべきかの助言も受けられます。

刑事事件として訴える場合にも、弁護士を立てておくことで最適な対応のアドバイスが受けられるでしょう。

人権相談の窓口|リベンジポルノされたかもという不安の相談先

リベンジポルノの被害相談について、法務省は人権相談の窓口を設けています。以下に相談窓口の一例を示します。

  • みんなの人権110番
  • 女性の人権ホットライン
  • こどもの人権110番
  • インターネット人権相談
  • SNS(LINE)人権相談

相談窓口によって受付時間が異なる点には留意してください。

リベンジポルノ被害でどんなことを訴えることができる?

リベンジポルノの被害については刑事面・民意面の両方で権利侵害を訴えることができます。

リベンジポルノで問題となる犯罪

リベンジポルノにより自分のわいせつな画像や動画をインターネットにばらまかれた場合、加害者には、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(リベンジポルノ防止法)における次のような刑法上の罪が成立する可能性があります。

  • 私事性的画像記録の提供罪(1年以下の懲役または30万円以下の罰金)
  • 私的性的画像記録の公表罪(3年以下の懲役または50万円以下の罰金)

この他にも名誉毀損罪が成立する可能性もあるでしょう。

また、加害者から、画像をばらまかない、削除することを条件に復縁や金銭の支払いを要求された場合、強要罪、恐喝罪などが成立することもあります。

リベンジポルノは民事上の賠償請求も可能

リベンジポルノの被害については、民法709条に基づいた損害賠償請求も可能です。具体的には、リベンジポルノの被害によって被った精神的苦痛に対する慰謝料の請求をしていきます。

リベンジポルノの慰謝料相場は一般的には50万円~100万円程度といわれますが、具体的な金額は動画や画像がどの程度拡散されたのか、行為の悪質性などを考慮して決まるものです。

関連記事では慰謝料相場や増額となりうる事情、損害賠償請求の流れについて基本事項を解説しています。損害賠償請求を検討している方はあわせてお読みください。

リベンジポルノ被害にはどんな対応がとれる?

リベンジポルノの削除依頼をおこなう

リベンジポルノの削除依頼をおこなうことも方法のひとつです。

削除依頼の方法としては、サイト運営者や管理者に削除依頼をおこなう方法、セーファーインターネット協会に削除依頼を要請する方法、裁判所への手続きで削除を命じてもらう方法があります。

リベンジポルノの場合はサイト運営側も削除に応じてくる可能性はあります。ただし、サイトごとの削除申請ルールに則った対応が必要になるので、ネットトラブルに詳しい弁護士に任せることも検討してください。

リベンジポルノの削除依頼については、関連記事『リベンジポルノを削除したい。ネット画像・動画への対処法と削除依頼窓口』でも詳しく解説しています。

特定・損害賠償請求をおこなう

リベンジポルノの被害者は、加害者に対して民法709条に基づいた損害賠償請求を行うことが可能です。損害賠償請求においては、被害者の精神的苦痛を慰謝料として請求できます。

具体的には、画像の流出が肖像権・プライバシー権などを侵害する違法な行為であることを根拠として慰謝料の請求を行えるでしょう。

自分のわいせつな画像をインターネットにばらまかれた場合の加害者に対する損害賠償請求は、以下の方法で行うことができます。

  1. 加害者に直接、損害賠償請求の内容を記載した書面を送付する。
  2. 加害者が損害賠償に応じる場合は、示談交渉を行う。
  3. 示談交渉がまとまらない場合は、民事調停や裁判所を利用することも検討する。

なお、弁護士を立てることで示談交渉を任せることもできます。相手と直接連絡を取るリスクも考えられるので、弁護士への相談と依頼も検討していきましょう。

画像の削除も要求するべき

また、損害賠償請求と同時に加害者が所持している被害者の性的な画像や動画の削除についても要求すべきでしょう。

損害賠償請求を行う際には、以下の点に注意が必要です。

  • 損害の発生と加害者の責任を裏付ける証拠を収集する。
  • 請求内容を慎重に検討する。
  • 加害者との関係や、交渉の進め方などをよく検討する。

画像や動画を流出させた相手がわからない場合には、間違いなく相手がその画像や動画をアップロードしたという証拠を確保するために、発信者情報開示請求という手続きを行う必要があります。

損害賠償請求は、弁護士に依頼することで、よりスムーズに進めることが可能でしょう。

特に、裁判所を利用する場合には、裁判手続きを適切に進めるために、専門家である弁護士へ依頼すべきです。

警察に被害を訴えて逮捕や刑事処分を求める

自分のわいせつな画像や動画をインターネット上に流出させられた場合、リベンジポルノ防止法違反や刑法の恐喝罪・強要罪などに該当するとして警察に対応をお願いできます。

具体的には、以下のような手順となります。

  1. 管轄の警察署に被害届を提出する。
  2. 警察の捜査の結果、事件性が認められると、書類送検される。
  3. 検察官が起訴するかどうかを判断し、起訴された場合、刑事裁判が開かれる。

リベンジポルノ防止法違反であるとして刑事告訴する場合には、告訴状を提出して告訴を行って下さい。

被害届や告訴状の提出は弁護士に依頼することもできます。弁護士は、被害届や告訴状の作成、警察の捜査への対応を適切に行ってくれるでしょう。

関連記事『ネットトラブル・誹謗中傷で被害届が出せるケース・刑事告訴を解説』も参考にして、警察への被害申告や弁護士への相談を検討しましょう。

ネットストーカーの被害にあっている方向けの関連記事『ネットストーカーされている…相談先と対処法は?弁護士ができる法的サポート』もあわせて参考にしてください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

現在、相談窓口を鋭意準備中です。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。