離婚のタイミングはいつがいい?有利な時期を解説

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離婚のタイミング

離婚を検討している方の中には、今すぐに別れたいという方だけでなく、どのタイミングで離婚すれば良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

いつ離婚をするかは夫婦の自由ですが、統計を見てみると、離婚の時期やタイミングにはある程度の傾向があります。また、金銭的に有利な離婚タイミングもあります。

この記事では、離婚をする人が多いタイミングや、離婚におすすめのタイミングを紹介します。

離婚が多いタイミングはいつ?

離婚が多い時期は何月?

「令和4年度 離婚に関する統計の概況」によると、1年の中で最も離婚が多いのは3月です。

特に、子どもの有無で比べると、子持ち夫婦の方が3月に離婚する割合が高いです。

3月に離婚する子持ち夫婦が多い理由のひとつは、子どもの学校生活に与える影響を最小限にするためであると考えられます。

令和4年度 離婚に関する統計の概況より

離婚が多いのは結婚何年目?

同じく「令和4年度 離婚に関する統計の概況」から、同居期間別の離婚件数を見てみると、同居期間5年未満が最も多く、2番目に多いのが5~10年未満です。

同居期間が10年未満で離婚した夫婦が約半数を占めていることが分かります。

このことから、基本的には婚姻期間が短い夫婦ほど離婚しやすいと考えられます。

令和4年度 離婚に関する統計の概況より

離婚までにどのくらい別居しているの?

別居を始めてから離婚までの期間は、1年未満が最も多く全体の82.8%で、次いで1~5年未満が11.7%です。

令和4年度 離婚に関する統計の概況より

さらに、「協議離婚に関する実態調査結果の概要」によると、協議離婚をした夫婦の半数以上が別居を経ずに離婚していることが分かります。

令和2年度法務省委託調査研究 協議離婚に関する実態調査結果の概要

このように、別居なし、または1年未満という、短い別居期間で離婚をしている夫婦が多いようです。

離婚するタイミングはいつ?

子どもの進学や就職のタイミング

子どもに配慮して離婚の時期を決める夫婦は多いです。

離婚に伴って子どもの苗字が変わったり転校することになると、親が離婚したことが分かり、子どもが注目を浴びてしまう可能性があります。また、学用品の名札の付け替えなどの手間もかかります。

進学や就職で周りの環境が変わるタイミングで離婚をすれば、子どもへの影響を最小限に抑えることができるでしょう。

また、子どもの学費や生活費を配偶者に負担してもらうために、子どもが学校を卒業するのを待ってから離婚に踏み切るケースもあります。

子どもが結婚を控えているなら挙式後に

自分たちの子どもが結婚を控えている場合は、結婚式が終わってから離婚するのが良いでしょう。

結婚を目前に両親が離婚してしまうと、2人を両家顔合わせや結婚式に呼ぶべきかなど、子どもに気を遣わせてしまう可能性があります。

不倫夫を泳がせるという選択肢も

相手の不倫・浮気に気づいても、すぐに離婚を突きつけず、泳がせておいた方が良い場合もあります。

不倫を理由に離婚したり、不貞慰謝料を請求するなら、肉体関係があったことの証拠が必要です。例えば、不倫相手と2人でラブホテルに入っていく様子を写した写真や、肉体関係を匂わせるメッセージなどが有効です。

不倫に気づかないふりをしている間に決定的な証拠を集めて、しっかりと慰謝料を受け取って離婚するというのも一つの選択肢です。

すぐにでも離婚した方が良いケース

DVやモラハラで心身に危険が及んでいたり、子どもが虐待を受けているような場合は、すぐにでも離婚した方が良いケースです。

暴力などの問題は、時が経てば解決するものではありません。我慢して同居し続けるメリットはほとんどないでしょう。

すぐに離婚することが難しくても、まずはご自身や子どもの身を守るために、別居を始めることをおすすめします。

離婚するのは何月がいい?

子どもの進級・進学に合わせて3月

子どもを連れて離婚する場合、苗字が変わったり引っ越したりすると、少なからず学校生活に影響が出てしまいます。

3月に離婚をすれば、子どもが新学期を迎えるのに合わせて新生活をスタートすることができます

ただし、子どもの苗字を変えるには、離婚届を提出した後に家庭裁判所で許可を得る必要があります。多くの場合、裁判所での手続きはその日のうちに終わりますが、余裕を持って離婚を成立させる必要があるでしょう。

夏休み中に引っ越しをするなら7~8月

子どもが夏休みのうちに引っ越しを済ませるなら、7~8月の離婚がおすすめです。

また、8月は普段仕事で忙しい方も、まとまった夏休みを取って離婚の手続きができる時期でもあります。

女性におすすめの離婚の時期は12月

12月に離婚届を提出すると、女性側に税制上のメリットがあります。1年の間で2番目に離婚件数が多いのが12月なのには、このような税金の事情が影響しているのかもしれません。

離婚後に子どもを養育する女性は、一定の要件を満たせば寡婦控除ひとり親控除を受けられます。寡婦控除やひとり親控除の基準日が12月31日であるため、12月31日までに離婚すれば、その1年分の所得に控除が適用されます

1月以降に離婚すると、前年の分は控除を受けることができないため、12月中の離婚がお得です。

ただし、年末調整に間に合わなかった場合、控除を受けるには確定申告が必要です。また、年末は役所の窓口なども混雑します。年内に離婚を成立させるためには、余裕を持って手続きされることをおすすめします。

男性におすすめの離婚の時期は1月

妻を扶養していた男性は、1月以降に離婚をすると税制上のメリットがあります

所得税法では、その年の12月31日の状況を基準に配偶者控除や扶養控除などの計算をします。したがって、12月中に離婚をしてしまうと、1年分の控除を受けられなくなってしまいます。男性にとっては、年明け以降の離婚の方がメリットが大きいことになります。

離婚を切り出すタイミングはいつ?

離婚を切り出すのは証拠が揃ってから

裁判で離婚を認めさせたり、慰謝料を請求するために、不貞行為やDV、モラハラなどの証拠が必要になる場合があります。

相手に離婚の意思を伝えた後に証拠を確保しようとしても、証拠を消されてしまう恐れがあります。したがって、離婚を切り出す前に証拠集めをしておきましょう

不倫相手とホテルに入っていく様子を写した写真や、暴力によって負った傷の診断書などが代表例です。

また、適切な額の財産分与を受け取るためにも、相手が保有している財産の証拠が必要になります。例えば、銀行の通帳や不動産登記簿などが挙げられます。

離婚したいタイミングの半年以上前に切り出す

協議離婚の場合、離婚届さえ提出すれば手続きは終わるのですが、それまでの間に夫婦で話し合って離婚条件を決める必要があります。

話し合う内容は、親権、養育費、面会交流、慰謝料、財産分与など多岐に渡り、交渉に時間がかかってしまう可能性があります。

また、離婚調停を申し立てた場合、調停が終了するまでに半年程度かかることが多いようです。

相手がなかなか離婚に応じてくれない可能性も考えると、離婚したいと思っているタイミングより半年以上前に離婚を切り出すのが理想的です。

なお、離婚裁判の平均審理期間は14.7か月となっており、裁判で離婚を目指すには1年以上かかってしまう場合が多いようです。裁判で離婚を目指す場合は、相当な時間がかかることを覚悟しておく必要があるでしょう。

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スムーズに離婚したいなら弁護士に相談

希望するタイミングで離婚を成立させるためには、なるべく裁判に持ち込まないことが重要です。

互いの意見が激しくぶつかっており、どちらも譲らないというケースでは、裁判まで進んで離婚が長引く可能性があります。そうなる前に、弁護士に依頼して交渉を任せてしまった方が、スムーズに離婚できる可能性が高まります。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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