M&A仲介とは?FAとの違い、M&Aでの役割を解説!
- M&A仲介とは?
- FA・アドバイザリーとの違いは?
- M&A仲介は実際に何をしてくれるの?
このような疑問をお持ちではありませんか。
会社売却や事業売却などをしたいと考えていても、自身で買い手を見つけるのは困難な場合が多いです。そこで便利なサービスが、M&A仲介です。
この記事では、M&A仲介について、その仕組みを解説していきます。最後に登録料無料で買い手を探せるサービスについてもご紹介します。ぜひ最後までお読みください。
目次
M&A仲介とは?
M&Aとは?
M&Aとは、Mergers and Acquisitions(合併と買収)の略称です。2つ以上の企業が1つになったり、ある企業が他の企業を買収したりすることを指します。
M&Aには大規模なものから、同族企業の事業売却などの小規模なものまで、様々な形態があります。
しかしすべてのM&Aに共通する要素としては、売り手と買い手が存在することです。
スムーズなM&Aができるかどうかは、売り手と買い手をつなぐ適切な仲介役がいるかどうかも重要になるでしょう。
M&A仲介とは?
M&A仲介とは、売り手企業と買い手企業の間でM&Aを成立させるために、仲介業者が間に立ち、双方の条件調整や交渉をサポートするサービスのことです。
M&Aは複雑な手続きを伴うため、専門的な知識や経験がなければ、スムーズに進めることは困難です。
また、根本的な問題として、会社売却をしたいと思っても、自身で買い手を見つけることが困難という問題があります。
そこで、M&Aの譲渡先を探したいと判断した場合、M&Aの仲介業者、融資を受けている銀行や地域の商工会議所などに相談し、成約までサポートしてもらうという流れがよくあるパターンです。
M&A仲介の方法としても、さまざまな種類があります。
売り手と買い手の仲立ちをするかたちで仲介する方式(両手取引)、売り手と買い手のいずれかの専属アドバイザーとなる方式(片手取引)、売り手と買い手のマッチングに重きをおいた方式(プラットフォームの提供)などです。
M&Aのニーズとは?
M&Aの一例として会社売却を例にとってみると、売り手としては、新事業立ち上げの資金を確保したい、早期リタイア後の生活資金にあてたいなどの目的を持っているケースが多いです。
ほかにも、昨今では、突然の不幸により親御さんの株式を相続したけれども、ご自身では会社運営が困難という方が、会社売却をご検討されるケースもよくあります。
ご自身の代で会社を解散させてしまうのは、とても苦しい選択です。しかしM&Aをおこなえば、経営手腕のある第三者の手によって、ご親族が立ち上げた事業を存続させられる可能性がでてきます。
一方、会社売却について、買い手側からみれば買収ということになります。事業拡大や事業多角化などの目的で、買い手にはM&Aのニーズがあることも事実です。
ですが売り手と買い手が出会えなければ、M&Aは成立しません。M&A仲介は、M&Aのニーズをかなえるために役立つツールになるものです。
関連記事
M&A仲介とFAとの違い
M&Aの成功には、専門的な知識と経験を持つパートナーの存在が不可欠です。
M&A仲介は、売り手と買い手の双方と契約を締結し、双方の利益を考慮しながらM&A成立を目指す専門家です。情報収集や相手先との交渉など、M&A全般の業務をサポートし、費用は成功報酬型が一般的です。
FAはM&Aアドバイザリーの一種と定義されることが多いです。
M&Aアドバイザリーとは、売手または買手のどちらか一方と契約を締結し、その側の利益の最大化を目指す専門家のことです。
FAとして活動する会社としては、外資系銀行、銀行、証券会社等が挙げられます。
M&AにおけるFAは、戦略策定や財務評価など、専門的なアドバイスを行います。報酬に加え、顧問料などを受け取るケースもあります。
M&A仲介とFAはどちらにすべき?
M&A仲介は、双方の利益を調整しながら円滑なM&Aを進めたい場合に適しています。一つの業者が両当事者を調整するため、成約までのスピードが速いのも特徴です。
一方、FAは、より専門的なアドバイスを求め、自社の利益を最大化したい場合に適しています。
M&A仲介 | FA | |
---|---|---|
担当 | 売り手・買い手の両方 | 売り手・買い手のどちらか |
成約まで | スピード速い | 時間がかかる |
M&A仲介を利用するメリット
買い手探しを効率よく進められる
M&A仲介会社は、長年にわたって培ってきた豊富なネットワークを活用し、自社のニーズに合致した買い手企業を効率的に探し出すことができます。
次の3つのポイントが特に大きなメリットとなるでしょう。
幅広い候補先・非公開案件
M&A仲介会社は、公開情報には掲載されていない潜在的な買い手企業を含め、幅広い候補先を紹介してくれます。自社だけで買い手を探す場合と比べて、より多くの選択肢を検討できるでしょう。
非公開案件は、市場に出回る前にM&A仲介会社を通じて紹介されることが多く、競争が少なく有利な条件で交渉を進められる可能性があります。
的確なマッチング
M&A仲介会社は、売り手企業の事業内容、経営理念、財務状況などを詳細に分析し、最適なM&Aになるようマッチングします。単に規模や業種だけでなく、企業文化や経営陣の相性なども考慮してくれる業者もいるでしょう。
迅速な対応
M&A仲介会社は、買い手企業とのパイプを活かして、迅速な面談や情報交換の場をセッティングしてくれます。自力で買い手候補と連絡を取る場合と比べて、関係構築にかかる時間を大幅に短縮できるでしょう。
関連記事
企業価値を正しく評価してくれる
M&A仲介は、M&Aの専門知識と経験に基づいて、企業価値を客観的に評価し、適正な価格でのM&Aを実現します。
企業価値評価(バリュエーション)には、類似会社比準法、DCF法などがありますが、いずれも計算が複雑であり、専門的な知識・ノウハウが求められます。
他にも、財務状況や業界動向の分析などを行う必要があるため、自社の企業価値を正しく算出したいのであれば、M&A仲介会社を利用することをおすすめします。
関連記事
各種契約書の作成を代行してくれる
M&A仲介会社は、弁護士などの専門家と連携し、これらの契約書の作成を代行します。契約書の内容を詳細に確認し、企業にとって不利な条項を排除することで、契約上のリスクを回避することができるでしょう。
関連記事
難しい交渉をスムーズに進めてくれる
M&A交渉は、複雑で難航するケースが多くあります。M&A仲介会社は、売り手と買い手の希望や条件などを丁寧に調整し、双方が納得できる条件で交渉を進めてくれます。
ただし、業者によっては迅速な成約を重視するあまり、希望通りではない条件での契約を強く勧めてくる場合もあるようです。話し合いや相談が進まないようであれば、別の専門家に相談して、契約の条件が妥当か確認するべきでしょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自分で対応 | 仲介手数料がかからない | 買い手が見つからない M&Aの手続きが複雑で難しい |
M&A仲介会社 | 全国規模で買い手探し サポートしてもらえる | サービスに応じて仲介手数料が高額 |
関連記事
M&A仲介の流れは?
①M&A仲介会社に相談
まずは、売り手企業や買い手企業が、M&Aを検討している旨を、仲介会社に相談します。
なお、相談料が無料とは限らないので、仲介会社に必ず確認してから、相談をおこないましょう。
②M&A仲介会社が買い手候補を探してマッチング
仲介会社が、売り手企業と買い手企業のニーズを整理し、双方の条件に合致する相手を探します。
具体的な企業名をふせたノンネームシートを見ながら、M&Aの相手として適切かどうかを吟味していきます。
なおM&A仲介会社が、ノンネームシートを作成してくれることも多いです。
興味のある企業があればオファーし、マッチングすれば面談をセッティングしてもらえます。
③交渉
売り手企業と買い手企業との間で、価格や条件など交渉をすすめます。
売り手側から企業価値の評価方法を用いて相場を出したり、買い手側からデューデリジェンスの結果を引き合いに出されたりして、売却価格の交渉をおこなっていきます。
そのほか会社売却にともなう条件について、詳細に交渉をおこなっていきます。
M&A仲介会社がついていれば、必要なサポートしてくれるでしょう。交渉に先んじて、企業の秘密が漏れないように「秘密保持契約」を締結することについてのサポートなども、期待できます。
④契約締結
詳細条件の交渉が完了したら、売り手企業と買い手企業がM&A契約を締結します。
M&A仲介会社がついている場合、契約書のひな型などを準備してくれることが多いでしょう。
⑤クロージング
M&A契約に基づき、売り手企業から買い手企業への株式や事業の譲渡などをおこないます。
M&A仲介業者がついている場合、クロージングの手続きについてもアドバイスをもらえる可能性が高いでしょう。
関連記事
M&A仲介会社を利用する場合の費用・手数料は?
相談料
相談料は、M&Aに関する相談を行う際に支払う手数料です。
無料相談の場合がほとんどですが、仲介会社によっては、数万円程度の相談料が発生する場合もあります。
着手金
着手金は、M&A仲介会社と業務委託契約を締結する時に支払う手数料です。実際にM&Aプロセスに入る前に、売り手企業の情報をまとめた資料を作ったり、企業価値の評価をしたりするために必要となります。
M&A仲介の着手金は、業者によっては無料の場合もありますが、具体的な案件により金額は変動します。
M&A仲介の着手金は50万円から500万円程度が一般的な相場です。ただし、案件が成約しなかった場合でも着手金は返金されません。
関連記事
中間報酬
中間報酬は、売り手企業と買い手企業が基本合意書を締結した時点で支払われる費用です。必要ない場合もありますが、成功報酬の10%から30%前後が必要となるケースもあります。成約しない場合、中間報酬は一般的に返金されません。
月額報酬(リテイナーフィー)
月額報酬(リテイナーフィー)は、M&A仲介会社に支払う月々の固定手数料です。月額報酬を採用している仲介会社を利用する場合には、M&A成約までの期間、毎月費用を支払わなければなりません。
成功報酬
成功報酬は、M&Aの最終契約締結後に支払われる費用であり、通常は取引金額に基づいてレーマン方式を使用して算定されます。
レーマン方式とは
レーマン方式は、特殊な計算方法のことで、取引価格が上昇するにつれて手数料率が減少していく方式のことです。
売却額の範囲に応じて、1~5%の間で、手数料の割合が変わります。
基準となる金額が10億円の場合、5億円までの部分の手数料は5%で2,500万円となります。
5億から10億円までの部分手数料は4%で、2,000万円となります。
この場合、それぞれの合計4,500万円がレーマン方式によって計算された手数料となります。
基準となる金額 | 手数料率 |
---|---|
5億円以下の部分 | 5% |
5億円超10億円以下の部分 | 4% |
10億円超50億円以下の部分 | 3% |
50億円超100億円以下の部分 | 2% |
100億円超の部分 | 1% |
M&A仲介で悩んだら・・・
M&A仲介を使うべきか、FAやアドバイザリーを使うべきかは、会社の規模や業種、状況などによって変わります。
しかし、なるべく早く会社売却を成功させたいという希望があるなら、仲介会社に相談するべきでしょう。
仲介会社によって報酬体系などは全く違うので、自社に適した仲介会社を選ぶため、複数社に登録して無料相談を受けるところから始めましょう。