M&Aの着手金とは?無料になる?相場や支払いの注意点まとめ
- M&Aの着手金とは?
- M&Aの着手金はいくら?無料のケースもある?
- M&Aの着手金支払いの注意点とは?
M&A仲介会社などに依頼する場合、着手金などの手数料がいくらかかるのか気になりますよね。
M&Aの着手金については、M&A仲介会社によって異なります。
着手金が無料の場合もあれば、案件の規模によって数百万円かかる場合もあります。
この記事では、M&Aの着手金の意義、相場、支払いの注意点などについてまとめています。
現在、M&Aによる事業承継をご検討中の経営者の方など、是非ご参考になさってください。
目次
M&Aの着手金とは?
M&Aの着手金とは?
M&Aの着手金とは、M&AアドバイザリーやM&A仲介会社に業務を依頼する際に支払う手数料です。
M&Aの成否に関わらず発生する費用であり、M&Aの初期費用として支払われます。
M&Aの着手金の相場は?無料にもなる?
M&Aの着手金の相場は、案件の規模や難易度によって異なります。
一般にいわれるところでは、M&Aの着手金の相場は数十万円から数百万円程度です。
とはいえ、近年では、着手金無料のM&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社も増えています。
M&Aマッチングサイトであれば、登録料無料で利用できるケースも多いでしょう。
M&Aで着手金が必要とされる理由は?
一般に着手金とは、これから委託する業務の活動費にあてる目的で支払う費用、いわばファイトマネーです。
ファイナンシャルアドバイザー(FA)やM&A仲介会社は、M&Aの成功に向けて、企業価値評価、買い手候補の探索など必要な業務をおこないます。
これらの業務には、高度な専門知識と経験が必要であり、人件費や資料作成費用などのコストがかかります。
M&Aの着手金は、これらのコストの対価として必要になります。
M&Aの専門家に依頼できること
- 企業価値評価
- 買い手候補の探索
- ノンネームシート・企業概要書の作成
- デューデリジェンス(DD)
- 条件交渉
- 各種契約書の作成(基本合意書・株式譲渡契約書など)
etc.
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企業価値評価のために着手金が必要
M&Aの仲介契約などを結ぶと、企業価値評価(バリュエーション)に着手してもらうことになるでしょう。
企業価値評価とは、売り手企業の価値を評価することです。
M&Aでは、対価と引き換えに会社売却をおこなうことになります。企業価値評価は、企業の現状を見える化し、磨き上げをおこない、高額売却を目指すための足がかりとなるものです。
中小企業のM&Aにおいては多くの場合、M&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社、公認会計士などの有資格者が、企業価値評価をおこなうことになります。
企業価値評価には、専門的な知識と経験が必要になるため、通常、手数料がかかります。
着手金を支払えば企業価値評価までおこなってくれるケースもあれば、オプションとして一定の手数料を支払って企業価値評価を依頼するというパターンもあるでしょう。
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M&Aの買い手探しのために着手金が必要
M&Aの仲介契約などを結ぶと、その後、買い手探しに着手してもらうことが多いでしょう。
M&Aを成功させるためには、適切な買い手を見つけることが重要です。
M&A仲介会社は、独自のネットワークを活用して買い手候補を探してくれます。この買い手探しのためのネットワークの構築や維持には、一定のコストがかかっています。
また、実際に買い手探しのために、M&A仲介会社は、ノンネームシートや企業概要書を作成します。
これらの書類には、売り手企業の魅力を伝えるため、無用な情報漏洩をしないように注意しながら、できる限り詳しい情報を載せられるよう、内容に工夫を凝らす必要があります。
このような労力が必要となるため、買い手探しに着手する段階から、着手金が必要になるケースも多いです。
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M&A成約までの契約処理などのため着手金が必要
M&Aの仲介契約などを結ぶと、その後、交渉や各種契約書の作成などのサポートを受けられることが多いでしょう。
M&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社は、売り手側または買い手側の代理人として、もしくは双方の仲立ちとしてサポートすることになります。
一般的な条項を網羅した契約書の書式なども準備してくれるケースが多いでしょう。
M&Aの仲介契約などを締結した場合、きめ細やかなサポートをうけることになるため、活動費用として着手金が必要になることも多いものです。
裏を返せば着手金無料でこれらのサービスを受けることができれば、かなりお得といえそうです。
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M&Aの着手金の注意点
M&Aの着手金は基本的に返金されない
着手金は一度支払ったら返金してもらえないため、無駄にならないように注意する必要があります。
着手金を支払う前に、そのM&A仲介会社などを利用しても大丈夫かどうかについて、もう一度検討してみましょう。
また、とりあえず相談をしてみたいというニーズであれば、無料相談を実施していたり、着手金無料のM&A仲介サービスを利用したりするほうが向いています。
注意事項
- 着手金を支払う前に、M&A仲介会社を吟味する
- 無料相談などを活用する
etc.
着手金を含むM&A手数料の事前確認
M&Aアドバイザリー会社やM&A仲介会社によって、着手金の有無や金額、成功報酬との関係、支払い方法など、M&A手数料体系は異なります。
契約前に、以下の項目を必ず確認しましょう。
確認事項(一例)
- M&Aの実務を依頼するときにかかる手数料の内訳
- 着手金や成功報酬などの金額
- 支払い時期や支払い方法
etc.
M&Aの着手金でよくある質問
Q1.M&Aで必要になる手数料は?
着手金のほかに、中間報酬、成功報酬、月額報酬などがあります。
M&A仲介会社ごとに報酬体系は異なるため、契約前に必ず確認するようにしてください。
中間報酬の概要・目安
中間報酬は、M&Aの交渉中に基本合意を締結した際に、支払う手数料です。
M&Aが成約した場合に支払う成功報酬の10%~30%程度に設定されていることが多い印象です。
ただしその後、M&Aが成約に至らなかった場合でも、返金してもらえないのが通常です。
成功報酬の概要・目安
成功報酬は、M&Aが完全に成約に至った場合に、支払う手数料です。
取引金額をもとにレーマン方式という方法で、成功報酬が算出されることも多いでしょう。
取引金額が5000万円までの部分は10%、5000万円から1億円までの部分は5%、1億円から5億円までは4%など、各段階に応じて成功報酬の手数料率が定まっているのがレーマン方式です。
月額報酬の概要・目安
月額報酬は、M&Aの買い手探しなどを仲介会社に依頼した場合に、月ごとに支払う手数料です。
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Q2.M&Aの流れを教えてください
M&Aのおおまかな流れについては、以下のようなものになります。
M&Aの検討・準備段階→交渉段階→クロージングの段階の3段階を経て、M&A成立となります。
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Q3.成功報酬のみでM&Aを進められる?
完全成功報酬制の場合、M&Aの着手金などの手数料は不要です。
M&Aが成約した段階ではじめて、成功報酬という手数料が発生します。
M&Aが成約に至らなければ、手数料を支払わなくて済みます。
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Q4.M&Aの着手金無料のメリットは?
M&Aの着手金が無料の場合、初期費用をおさえられるというメリットがあります。
また、M&Aが成約に至らなければ費用はかからないという点も、着手金無料のメリットといえます。
手数料無料のメリット
- 初期費用をおさえられる
- M&Aが成約に至らなければ費用はかからない
etc.
Q5.M&Aの着手金無料のデメリットは?
M&Aの着手金が無料の場合のデメリットは、着手金が無料である分、成功報酬が高くなる可能性があることです。
また、すべての専門家が着手金無料で対応してくれるわけではありません。
そのため、着手金無料にこだわることで、M&A実務を依頼できる専門家の選択肢が限られるおそれがある点も、デメリットといえるでしょう。
手数料無料のデメリット
- 成功報酬が高くなる可能性
- M&Aを依頼できる専門家が限られるおそれ
etc.
まとめ
M&Aの着手金は、M&Aの専門家に、実務を依頼する際に支払う手数料のことです。
依頼するM&Aの仲介会社やアドバイザリーによって、手数料の料金体系が異なります。
M&Aの着手金が無料になるかどうかは、依頼先によって異なります。
着手金無料だからお得、有料だから損とは一概には言えません。しっかりと情報収集を行い、自分に合ったM&A仲介会社を選ぶことが重要です。