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爆発事故による賠償はどうなる?問題となる責任の内容や所在を解説

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爆発事故による賠償はどうなる?問題となる責任の内容や所在を解説

この記事でわかること

  • 爆発事故が起きた場合、多くの死傷者が出る可能性がある
  • 爆発事故では、債務不履行にもとづく損害賠償責任や不法行為にもとづく損害賠償責任が問題となる
  • 爆発事故で支払われる賠償金の額は、数十億に上ることが少なくない

2020年7月に福島県郡山市で起きた、飲食店の爆発事故は記憶に新しいところです。

爆発事故に巻き込まれると大怪我を負う可能性が高く、最悪の場合だと死に至るケースもあります。このような場合、被害者としては、自己の被害を回復するために、然るべき相手に対して損害賠償請求をしたいと考えるのが自然でしょう。

そのためには、爆発事故の原因に応じて、加害者となるべき者を見極めるとともに、損害額などについて知っておくことが大切です。

今回は、爆発事故による損害の賠償についてわかりやすく解説します。

爆発事故の事例

爆発事故は、人の生命をも奪う凄惨な事故の一つだといえるでしょう。

これまでにも、以下のように多数の死傷者を出した爆発事故が起きています。

福知山花火大会で起きた露店爆発事故

2013年8月、京都府福知山市で行われた花火大会の会場で露店が爆発するという事故が発生しました。この事故により、花火見物客3名が死亡し、その他59名が重軽傷を負いました。

この爆発事故は、ガソリン携行缶の内圧が上昇していたことが原因となって発生したものと見られています。

不動産業者で起きた爆発事故

2018年12月、不動産業者の店舗(札幌市内)が入居するビルで爆発事故が発生しました。幸い死者は出なかったものの、50名以上の人が重軽傷を負いました。

この爆発事故は、同店舗の従業員による除菌消臭スプレーの廃棄処理が原因となって発生したものとみられています。

郡山市にある飲食店で起きた爆発事故

2020年7月、郡山の市街地内に所在する飲食店において大きな爆発事故が発生しました。この事故により、男性1名が死亡し、その他約20名が重軽傷を負いました。

この事故は、配管の腐食部分からガス漏れを起こして店内に充満したことが爆発を引き起こした原因だと見られています。もっとも、未だはっきりとした原因はわからず、その究明が続けられています。

爆発事故により発生する責任の内容

爆発事故は甚大な被害をもたらす可能性が高いです。

そのため、事故に遭遇して被害を受けた者は、加害者に対して責任追及をしていくことが一般的になっています。

それでは、この場合、誰がどのような責任を負うことになるのでしょうか。

債務不履行にもとづく損害賠償責任

大学内で行われた実験に起因して爆発事故が発生した場合や、工場内で爆発事故が発生したような場合に問題となるのが、債務不履行にもとづく損害賠償責任です。

大学や企業は、学生や従業員に対して、「安全配慮義務」という義務を負っています。学生や従業員が安全・健康に学生生活や作業を行うことができるよう、大学や企業は配慮しなければなりません。

そのため、爆発事故の発生が予見できたような場合に、未然に事故を防止する措置を講じていなかったような場合は、大学や企業側に安全配慮義務違反があったと判断される可能性があります。

また、実験で扱う化学薬品の危険性やその実験手順を知らない学生に対して、何ら注意や説明を与えることなく実験させた結果、爆発事故が発生した場合には大学に安全配慮義務違反があったと認められる可能性が高いです。

この点は、工場で作業する作業員についても同じことが言えます。

安全配慮義務違反が認められれば、被害を受けた学生や作業員は、大学や企業に対して損害賠償責任を追及することが可能になるのです。

不法行為にもとづく損害賠償責任

福知山花火大会や郡山の飲食店で起きた事故のように、事故の原因を作出した者が被害者から見て第三者である場合には、不法行為にもとづく損害賠償責任が問題となります。

不法行為責任が成立するといえるためには、加害者に「故意または過失」が認められることが必要です。

この点、福知山花火大会を例にとって見てみると、野外で行われる花火大会には、主催者をはじめ露店出店者など多くの関係者が存在します。

各関係者は、それぞれの立場にもとづいて、花火大会が安全に行われるよう一定の注意義務を負っています。そのため、このような注意義務に違反すると「過失」があったと判断され、損害賠償責任を負う可能性があるのです。

また、郡山の飲食店を例にとってみると、飲食店では花火大会とは異なり、飲食店内で利用者が安全に飲食できるように、飲食店の施設や設備などの安全性を確保しなければなりません。

典型例としてあげられる、点検業者による定期点検を例に考えてみましょう。たとえば、定期点検を怠っていることが判明した場合には、飲食店や点検業者に「過失」もしくは「重過失」が認められる可能性が高く、その場合、飲食店や点検業者は損害賠償責任を負うことになります。

2021年12月、郡山市が飲食店をチェーン展開する本部のフランチャイザーやその加盟店であるフランチャイジーの店舗経営者、店舗改修工事の請負業者、建物所有者、ガス供給者、ガス管点検業者に対して提訴したことを公表しました。このことからわかるように、責任を負うことになる者は複数になることが一般的なのです。

爆発事故と賠償金の額

爆発事故による被害の程度はさまざまです。

爆発事故によって支払われる賠償金は、被害の程度によって異なるため、相場のようなものは存在しません。

最後に、今回取り上げた3つの事例を参考に、賠償金額の目安を見ていきたいと思いますが、以下でわかるように、いずれの事例においても、加害者が負担することとなる賠償金額は数十億に上ります。

福知山花火大会の事例

福知山花火大会で起きた爆発事故では、3名の死者、約60名の重軽傷者という被害を出しました。

事故が発生したのは2013年8月ですが、そこから約5年後の2018年3月、花火大会の実行委員会が事故の死傷者57名すべてと示談交渉が成立したと発表しています。

賠償金の具体的な金額は明らかにされていませんが、被害の大きさからして、数十億円に及んだと考えても何ら不思議ではありません。

不動産業者の事例

不動産業者で起きた爆発事故では、約50名の重傷者、物的被害が建物41棟、車両32台に及びました。

この事故で不動産業者が負担した賠償金は、被害者への賠償金と建物の復旧費用などを合わせて10億円を超える金額となっています。

郡山飲食店の事例

先に見たとおり、郡山市は2021年12月27日に、飲食店の運営会社など6社に対して損害賠償を求める訴訟を起こしたと発表しています。この訴訟で請求している金額は約600万円となっています。

なぜ、これほど低額かというと、この訴訟で郡山市が賠償を求めているのは、被害者に対する災害見舞金や避難所の運営費用、周辺の清掃費用だからです。

事故発生から約1年半が経った現在でも、原因究明が続いているため、責任の所在を確定できずにいます。

なお、郡山消防本部によれば、人的被害のほか物的被害が周辺の建物232棟、車両57台とされており、これらを含めた損害額は約12億円に上るようです。

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点