業務災害に遭ったら弁護士に依頼しよう|弁護士に依頼するメリットとは? | 事故慰謝料解決ナビ

業務災害に遭ったら弁護士に依頼しよう|弁護士に依頼するメリットとは?

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業務災害に遭ったら弁護士に依頼しよう!

業務災害に遭ってしまったら、弁護士に一度ご相談ください。
満足のいく労災保険の適用を受けるには、正確な知識とスピードが求められます。

また、労災の適用を受けたとしても、労災保険から支払われる給付は被った損害の一部に過ぎないことが多いです。たとえば、会社に労災の原因があった場合に請求できる慰謝料は、労災保険から支給されないので、損害賠償請求しなければ手にすることはできません

しかしながら、このような慰謝料の存在を知らず、労災保険の給付だけで解決したと思っている方も少なくありません。

この記事では、業務災害に遭ってしまった方が弁護士に頼むメリット、労災保険からもらえる給付内容、保険給付に不服がある場合の争い方、会社に対する多額の賠償請求事例などをご紹介します。

業務災害を弁護士に頼むメリット

業務災害に遭ったら、弁護士に依頼した方がいいのかよくわからないというお悩みは多いです。
そこで、業務災害を弁護士に頼むメリットを3つに分けて簡単に解説していきます。

労災保険の申請を弁護士がサポート

労災保険給付は給付内容が充実しており、その内容を充分に理解した上で正しく利用することで、労働者が受けた被害をカバーできるものとなっています。

しかし、労災保険給付の申請に際しては、専門用語が並んだ一読難解な書類を準備しなければなりません。さらに、2年ないし5年で給付金の請求権が時効にかかってしまう点にも注意が必要です。

このような労災保険給付の申請に関する専門的な知識がないと、受けられる給付も受けられなくなってしまうばかりか、手続きそのものが負担に感じることもあるでしょう。

労災保険に対して正確かつ迅速に給付申請を行うには、労災に詳しい法律の専門家に相談することをおすすめします。

後遺障害の労災申請も弁護士がいれば安心

労災保険給付を申請するなかで、特に後遺症が残ったようなケースでは、弁護士がいればさらに安心して申請を任せることができるでしょう。

後遺症の症状が後遺障害であると認定されることで、後遺障害に関する労災保険給付(障害補償給付)を受けとることができるようになります。
ただし、労災保険給付を申請したからといって、かならず認定されるものではありません。後遺症の症状が後遺障害に該当することを適切に証明する必要があります。

申請に際しては、後遺障害に該当することを適切に証明できるよう、診断書や医学的な資料を戦略的に準備しておく必要があります。もし、自分一人で申請をする場合、このような資料集めも自分で行う必要があり、後遺症が残った体では負担が大きいことでしょう。

弁護士がついていれば、後遺障害認定の可能性が高まる申請のサポートやアドバイスが受けられます

会社との交渉を弁護士が代理する

労災保険給付は給付内容が充実しているとはいえ、労災が起こった原因が会社にある場合は十分とはいえません。労災が起こった原因が会社にある場合に、補償として不十分な項目として主にあげられるのが「慰謝料」です。

慰謝料は労災保険の給付内容には含まれていないので、会社に損害賠償請求しなければ手にすることができません。

慰謝料の請求は、まず会社との話し合いによる示談交渉から始めることが多いでしょう。労災の示談交渉そのものについては、関連記事『労災事故の示談交渉|示談の方法と解決までの流れ』にて解説していますので、あわせてご確認ください。

ただし、ご自身だけで会社とやり取りする場合、雇う側と雇われる側という立場の違いで交渉しにくいのは明らかです。

あなたの代わりに弁護士が代理人として介入することで、会社との交渉を一任することができます。法律の専門家である弁護士が話を進めていくことで、会社も強固な態度を取りづらくなり、請求を認めてくれる可能性が高まるでしょう。

何より、自分だけで交渉する場合に感じる精神的負担から解放されるのも、弁護士に依頼するメリットのひとつです。

徹底的な損害賠償請求で最大限の補償獲得を目指す

労災の原因が会社にある場合に請求できる代表的なものとしてあげられるのが慰謝料だということは先述した通りです。
慰謝料とは事故の被害による精神的苦痛に対する補償のことで、傷害に対する入通院慰謝料・後遺障害に対する後遺障害慰謝料・死亡に対する死亡慰謝料に分けられます。

労災保険給付の対象外である「慰謝料」は会社に対して損害賠償請求しなければ受け取ることはできません。

また、慰謝料の他にも会社に請求できるものがあります。たとえば、労災保険の休業補償給付で不十分な「休業損害」です。

というのも、労災保険からもらえる休業補償給付は、仕事を休業したことで減額することになった収入の60%程度の補償となっています。
残り40%の補償については、休業損害として会社に対して損害賠償請求しなければ受け取ることができません。

(ちなみに、労災保険からは収入の20%程度の補償となる休業特別支給金ももらえます。つまり、労災保険による休業補償給付60%・休業特別支給金20%と、損害賠償請求による休業損害40%を合計して最大120%分を手にできる可能性があります。)

さらに、被災した時に壊れた眼鏡などの「物損」に関しても労災保険給付の対象外なので、会社に対して請求することになるでしょう。

このように、弁護士であれば、労災保険の給付で何が補償されて、何が補償されないのかを明確にすることができます。

さらに、補償に漏れのないよう丁寧に会社に対して損害賠償請求し、最大限の補償が得られるよう尽力してくれることを弁護士には期待できるでしょう。

弁護士による労災トラブルへの対処法と事例

労災に遭ってしまった後には、思わぬトラブルが続くことも少なくありません。

主に問題となるのは、労災保険給付の申請をした結果、労働基準監督署長から不支給とする決定がされてしまうケースや、後遺症がひどく会社や加害者に対して慰謝料を求めたいケース、労災事故に遭ったのちに会社から不当に解雇されてしまうケースなどです。

労災保険の決定に不服なら行政訴訟

(不)支給決定に不服がある場合には、労働基準監督署長を相手取って、その決定処分の取り消しを求める行政訴訟を提起することができます。

取消訴訟の提起は、その前に労働者災害補償保険審査官に審査請求(労働基準監督署長による決定があったことを知った日の翌日から3ヶ月以内)をして、その裁決が出た後でなければならないので、前段階から経験のある専門家の知見が必要となります。

また、(不)支給決定に対する取消訴訟には出訴期間の制限があり、審査請求に対する裁決があったことを知った日から6ヶ月を過ぎてしまうと原則として提訴できなくなってしまうので、訴訟の準備のためのスピードも求められます。

これらは、専門家でないと相当困難なものなので、いち早く弁護士に相談することをおすすめします。

安全配慮義務違反は民事訴訟で損害賠償請求

労災が支給されなかった場合のみならず、労災が支給された場合でも、別途民法上の責任を問うことは可能です。具体的には、会社や加害者に対して損害賠償請求などの民事訴訟を提起できます。

使用者には、労働契約法5条によって、労働者の安全や健康の確保のために労働環境を整備する義務(安全配慮義務)が課されているのです。

たとえば、上司が部下に対してパワハラをしていることを黙認していたり、過労死ライン(1月当たりの残業時間が80時間)を超えた長時間労働が常態化していたり、最近では、職場で新型コロナウイルス対策をしていなかったり、などといった事情があると安全配慮義務違反になる可能性があります。

安全配慮義務違反によって労働者が損害を被ったケースでは、高額な賠償金が認められる傾向にあり、特に、重い後遺障害が残った場合や亡くなってしまった場合では、数千万円から1億円を超える賠償金の支払いが認められる可能性もあるのです。

慰謝料などの損害賠償請求においては安全配慮義務違反の有無が重要になります。安全配慮義務違反の判断基準は関連記事で詳しく解説中です。

社員によるパワハラに対する慰謝料請求

職場の上司などからパワハラを受けて精神疾患を患った場合や、会社を辞めざるを得なくなった場合、パワハラを行った上司に対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。さらには、会社に対しても使用者責任を追及して損害賠償請求をすることができるケースもあるでしょう。

労働者がパワハラを受けていると発覚した場合には、会社は安全配慮義務の一内容として、直ちにその事実関係を調査し、場合によっては加害者の懲戒や再発防止措置を採らなければなりません。

もしも会社が職場でのハラスメントを認識しつつ、被害労働者が会社を休まざるを得なくなるといった損害が生じた場合には、会社に対して、慰謝料に加えて働けなくなった分の逸失利益の請求等もあわせて行うことができます。

多額の賠償が認められた事例

労災保険では、慰謝料が補償されていません。逸失利益については労災保険から障害(補償)給付・遺族(補償)給付といった内容で一部カバーされているものの、その額が大きくなることが見込まれるような場合には、弁護士に依頼することをお勧めします。

ここでは、過去の裁判例で実際に認められた高額な賠償金の支払いが認められた事例を簡単に紹介します。

電通事件(東京地裁判決平成8年3月28日)

  • 約1億2,600万円(最高裁まで争われた後、東京高裁での差し戻し審にて1億6,800万円で和解)

大手広告代理店の社員が1か月あたり147時間もの長時間労働によって鬱病に罹患した後自殺したことについて、会社に安全配慮義務違反が認められた事例です。

オタフクソース事件(広島地裁判決平成12年5月18日)

  • 約1億1,000万円

食品メーカーの製造工場で、夏場の異常な高温多湿な状態での勤務が続き、何度も人員や環境の整備を申し出たにもかかわらず会社から拒絶されその後自殺したことについて、会社に安全配慮義務違反が認められた事例です。

天辻鋼球製作所事件(大阪地裁判決平成20年4月28日)

  • 約1億9,000万円

先天性の脳動静脈奇形(AVM)の基礎疾患を持っていた社員が、長時間労働が続き、就労中に小脳出血・水頭症を発症し、反昏睡・全介助の状態になり障害等級1級となったことについて、会社に使用者責任が認められた事例です。

このように、会社側に安全配慮義務違反が認められたケースで、労働者が亡くなってしまった場合には、高額な賠償金の支払いを命じる判決が出ています。

また、労働者に重い後遺症が残ってしまった場合にも、交通事故の障害等級に応じた慰謝料算定基準を参考にして数百万~数千万の慰謝料が認められるケースが多いです。

そもそも業務災害とは?

業務災害とは、「労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡」のことをいいます。(労働者災害補償保険法7条1項1号

簡単にいえば、労働者が、仕事のせいで、怪我や病気をしてしまったり後遺症が残ったり亡くなってしまうことです。

業務災害に該当するかどうかは、主に、怪我や病気や後遺症や死亡が「業務上」生じたといえるかどうかが問題になります。

以下、簡単な例を挙げてみます。

業務災害の典型例

例えば、トラック運転手が配達業務中に、交通事故に遭って骨折してしまった場合には、業務上の負傷に該当し、業務災害に遭ったとして、労災保険の適用対象になります。

他にも、高所作業員が作業中に転落して亡くなってしまった場合には、業務上の死亡に該当し、業務災害に遭ったとして、労災保険の適用対象になります。                           

業務災害の累積型事例

また、最近では、会社での長時間労働やパワハラが原因で鬱病になってしまい、会社を休まざるを得なくなったというケースや、その鬱病が原因で自殺してしまったというケースでも、労働災害に該当すると判断される事例が増えています。

過労死等による自殺については、かつては、労働者災害補償保険法12条の2の2第1項が規定するところの「故意による死亡」に該当するとして給付制限がされるケースが多かったのですが、昨今の労働環境整備の推進や労働者の救済といった観点から、労働災害として扱うケースが増えていきました。

労災保険制度とは

それでは、労災保険制度とは、そもそもどのような仕組みで、どのような給付金がもらえるのでしょうか。

労災保険制度の概要

労災保険制度とは、労働者災害補償保険法に基づいて政府によって運用されている保険です。目的は労働者災害補償保険法1条で次のように述べられています。

  1. 業務上の事由または通勤による労働者の負傷・疾病・障害・死亡等に対して迅速・公正な保護をするため必要な保険給付をおこなう
  2. 負傷・疾病にかかった労働者の社会復帰の促進、当該労働者およびその遺族の救護、労働者の安全および衛生の確保などを図る

保険への加入手続きや保険料の支払いは会社が行うこととなっているので、労働者には一切の負担がありません。

労災保険からもらえるお金

労災認定されると給付されうるお金として以下のようなものがあります。

療養(補償)給付

治療のための費用を負担する給付金です。労災病院や労災指定医療機関にかかれば、無料で治療を受けることができます。それ以外の病院では、被災者が一度立て替えた後で実費の給付を受ける流れです。

休業(補償)給付

療養のため労働することができない間に、直近3ヶ月の1日当たりの平均賃金(給付基礎日額)の80%相当額の支給を受けられます。

なお、通勤災害の休業給付に関しては、給付を受けるまでに待期期間がありますので、注意してください。

傷病(補償)給付

療養開始後1年6ヶ月経っても傷病の症状が固定せず、かつ傷病等級1~3級に該当する場合に、休業(補償)給付が打ち切られる代わりにもらえる年金です。等級に応じて、給付基礎額の245日分~313日分が支給されます。

障害(補償)給付

傷病の症状が固定して障害(後遺症)が残った場合に、障害等級に応じて年金又は一時金が支払われる仕組みです。1~7級で給付基礎日額の313日~131日分の年金が、8~14級で給付基礎日額の503日分~56日分の一時金が給付されます。

介護(補償)給付

障害(補償)年金又は傷病(補償)年金の受給権者であって、神経系統・胸腹部臓器の機能もしくは精神について一定の障害等級・傷病等級に該当している方が、現に介護を受けている場合に、介護に要する費用を給付するものです。

給付額は、常時介護・随時介護の別によって最高限度額と最低保障額が決められています。

遺族(補償)給付

被災労働者が死亡したときに一定の親族に対して給付され、年金型のものと一時金型のものがあります。

葬祭料(葬祭給付)

被災労働者が死亡したときに葬儀を行う人に対して、葬祭料を支給するものです。給付額は、次のいずれか高い方となります。

  • 給付基礎日額の30日分に31万5千円を加えた額
  • 給付基礎日額の60日分の額

二次健康診断等給付

直近の定期健康診断(一次健康診断)等の結果、規定された項目すべてに異常の所見がみられた場合に、脳血管・心臓の状態を把握するための二次健康診断及び、脳・心臓疾患の発症を予防するための特定保健指導を1年度に1回無料で受けることができます。

これらの給付金がもらえるかどうかはそれぞれに細かい基準があり、また、併給ができるものとできないものも分かれているなど少々複雑になっているので、専門家に相談することをおすすめします。

労災保険とは別に損害賠償請求も可能

仮に労災保険から自分の被害の程度に相当する分の保険給付をもらえたとしても、さらに会社や加害者に対して損害賠償請求できます。

そうなった場合には、新たな証拠の収集・保全など、裁判の準備をする必要があります。

たとえば、労災保険の補償内容に慰謝料はありません。慰謝料の請求は、会社や加害者の責任を問い、請求することになります。

損害賠償請求を検討するなら弁護士に相談しよう

労災が会社の落ち度に起因するものならば、労災保険制度を充分に活用することだけではなく、別途慰謝料等の損害賠償を請求できる可能性があります。

労災事故の補償問題では、正確さとスピードの両方が必要です。そして労災認定後に慰謝料などの損害倍賠償請求を行うならば、専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。

労災で重い後遺障害が残ったりご家族を亡くされたりして、損害賠償請求を検討している場合は、アトム法律事務所の無料相談をご活用ください。無料相談の予約受付は、24時間いつでも対応中です。

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アトム法律事務所 岡野武志弁護士

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点