借地権の相続税評価はいくら?計算方法と相続時の注意点をわかりやすく解説

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親が地主から土地を借りて家を建てていた場合、その「借地権」も相続財産のひとつとなり、原則として相続税の課税対象です。

借地権の相続税評価額は、借地権の種類や権利金の支払い、地代の金額などによって計算方法が異なります。

普通借地権の場合は、代表的な計算方法として「自用地評価額×借地権割合」で評価します。借地権割合は、国税庁の路線価図で確認できます。

地代を支払わずに土地を借りている使用貸借の場合、借地権の評価額は原則0円です。

この記事では、借地権の相続税評価額の計算方法を具体的な計算例を交えながらわかりやすく解説します。

普通借地権・定期借地権・使用貸借の違いや相続時の注意点についても整理していますので、ご自身の状況に照らし合わせながらお読みください。

※本記事の情報は2026年時点の税制をもとに作成しています。税法は改正される場合があるため、実際の申告にあたっては税理士などの専門家にご相談ください。

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目次

借地権は相続税の課税対象|種類を紹介

借地権は相続税の課税対象になる

借地権は、土地の所有権と同様に相続財産として扱われ、相続税の課税対象になります。

借地権とは、他人の土地を借りて建物を建てるために使う「土地の利用権」のことです(借地借家法2条1号)。土地そのものを所有しているわけではありませんが、その土地を使える権利には経済的な価値があるため、相続税の課税対象となるのです。

たとえば、親が地主(土地の所有者)に地代を払いながら土地を借り、そこに自宅を建てて住んでいた場合、親が持っていたのは「借地権」という財産であり、相続税の課税対象となります。

相続が発生した場合、借地権の評価額を正しく計算して、相続税申告に含める必要があります。

借地権の主な種類

借地権にはいくつかの種類があり、種類によって相続税評価の方法が異なります。まず自分の状況がどれに当てはまるか確認しましょう。

種類概要相続税評価
普通借地権契約更新が原則認められる借地権。最も一般的。原則として課税対象。評価額あり
定期借地権契約期間が満了すると更新なく終了する借地権課税対象。残存期間等に応じた評価
一時使用目的の借地権一時使用目的でなされ、更新なく終了する借地権課税対象。雑種地の賃借権の評価方法をもとに判断
使用貸借(無償使用)地代を払わず無償で土地を借りる場合借地権の評価は原則ゼロ

「地代を払っているかどうか」が大きな判断ポイントのひとつです。

ただし、名目上の地代がなくても、他の形で実質的な対価を負担している場合などは、個別に判断が必要です。

逆に、地代の支払いがある場合でも、直ちに賃貸借(借地権)と判断されるわけではありません。

実際に、親子間で固定資産税等を上回る金額が「地代」名目で18年間支払われていた事案でも、契約書や権利金の授受がないことなどから、賃貸借ではなく使用貸借と判断された裁決例があります(平成29年1月17日裁決)。

地代の名目や金額だけで借地権の有無が決まるわけではなく、契約内容や支払いの実態を総合的に見て判断される点に注意が必要です。

相続税評価上は、使用貸借であれば借地権は原則として評価しません(ゼロ)が、該当性の確認が必要です。

ご自身のケースが使用貸借に当たるかどうか判断に迷う場合や、借地権の評価に不安がある方は、無料相談をご利用ください。

借地権の相続税評価額の計算方法

相続税評価額の基本的な考え方

相続税評価額とは、相続税を計算するための財産の価値のことで、国税庁が定めたルールに基づいて算出します。

算出方法については、財産評価基本通達に記載されています。

不動産の場合、実際の売買価格(時価)ではなく、路線価などをもとにした独自の評価方法を使います。

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借地権の相続税評価額の計算式|自用地評価額と借地権割合

借地権(普通借地権)の相続税評価額は、次の計算式で求めます。

借地権の相続税評価額

自用地評価額 × 借地権割合

  • 自用地評価額
    その土地を自分で所有して使っていると仮定した場合の評価額(路線価 × 面積などで計算)
  • 借地権割合
    土地の価値のうち借地権が占める割合(国税庁が地域ごとに設定)

シンプルな式ですが、「自用地評価額」と「借地権割合」それぞれの求め方を正しく把握することが重要です。以下で詳しく説明します。

自用地評価額の計算方法

自用地評価額の計算方法には、土地の所在地によって「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があります。

方式適用地域計算方法
路線価方式市街地など(主に都市部)路線価(1㎡あたりの評価額)× 面積 × 補正率
倍率方式路線価が設定されていない地域固定資産税評価額 × 評価倍率

路線価や評価倍率は、国税庁が公開している「路線価図・評価倍率表」確認可能であり、路線価は主に市街地などの道路に面した宅地について設定されています。

郊外や農村部など路線価が設定されていない地域では、倍率方式によるため評価倍率を利用しましょう。

固定資産税評価額は、市区町村の窓口で借地権者として取得できる、土地の固定資産評価証明書から確認することが可能です。

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相続税における路線価の調べ方と計算方法【土地の評価額がわかる】

借地権割合とは

借地権割合とは、土地の評価額全体(自用地評価額)のうち、借地権が占める割合のことです。

国税庁が地域ごとに、90%から30%まで10%刻みの7段階で借地権割合を設定しており、路線価地域では路線価図のA(90%)〜G(30%)の記号で、それ以外の地域では評価倍率表の数値で確認できます。

アルファベット借地権割合
A90%
B80%
C70%
D60%
E50%
F40%
G30%

たとえば、借地権割合が60%の地域(「D」と表記)であれば、自用地評価額3,000万円の土地の借地権評価額は「3,000万円 × 60% = 1,800万円」となります。

普通借地権の相続税評価方法

普通借地権の原則的な評価方法

普通借地権では、都市部を中心に権利金の授受があるケースが多く、その場合は原則的な借地権評価を行います。

評価方法は前述のとおりです。

借地権の相続税評価額(財産評価基本通達27)

自用地評価額 × 借地権割合

借地権上の建物を賃貸している場合の評価方法

普通借地権の対象となっている土地に建物が建てられ、その建物が賃貸物件として利用されている場合は、貸家建付借地権として評価されます。

貸家建付借地権の評価方法は以下の通りです。

貸家建付借地権の相続税評価額(財産評価基本通達28)

借地権価額×(1−借家権割合×賃貸割合)

借家権割合は全国一律30%であり、賃貸割合とは賃貸している部分の床面積の割合のことです。

たとえば、同じ床面積の部屋が10室あるアパートで、7室が貸し出されており、残り3室が空室の場合、賃貸割合は70%となります。

権利金の支払いがない普通借地権の評価方法

普通借地権の設定時に権利金が支払われていない場合は、地代の水準や契約内容などによって借地権の評価方法が異なります。

使用貸借に該当するかどうか、相当の地代が支払われているかどうかなどによって取扱いが変わるため、財産評価基本通達等に基づいて個別に判断します。

地代の状況一般的な取扱い
なし使用貸借といえるため借地権の評価は原則0円
固定資産税・都市計画税(固定資産税等)に相当する金額以下の地代を支払っている使用貸借といえるため借地権の評価は原則0円
通常の地代を支払っている原則的評価(自用地評価額×借地権割合)
相当の地代に満たない地代を支払っている差額分の調整を行った評価額
相当の地代の支払いあり借地権の評価額は0円

「相当の地代」とは、「当該土地の自用地としての価額の過去3年の平均額×6%程度」の地代をいいます。

相当の地代の支払いがなされている場合には、借地人が土地の価値に見合った地代を支払っているため、借地人の権利としての利益が残らないといえることから、借地権の相続税評価額は0円となるのです。

相当の地代に満たない地代を支払っている場合の、相続税評価額の算出方法は以下の通りになります。

相当の地代に満たない地代を支払っている場合の、相続税評価額

  • 自用地評価額×借地権割合×(1−(実際に支払っている地代の年額−通常の地代の年額)÷(相当の地代の年額−通常の地代の年額))

※「通常の地代」とは「その地域において通常の賃貸借契約に基づいて通常支払われる地代」

なお、権利金の授受がない借地では、地代の金額だけで評価方法が決まるわけではありません。契約内容や権利金の有無、相当の地代に該当するかどうかなどを踏まえて総合的に判断されます。

権利金も地代も支払われていない完全に無償の貸し借りは、対価性がないため使用貸借に該当し、借地権の評価額は原則0円となります(国税庁「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」)。

「通常の地代」「相当の地代の取扱い」は、国税庁「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」に基づきます。

その他の借地権の相続税評価方法

定期借地権の評価

定期借地権は、契約期間が満了すると更新されずに終了する借地権です(借地借家法22~24条)。

契約残存期間が短くなるほど権利の価値が下がるため、評価方法が普通借地権と異なります。

定期借地権の評価は、定期借地権の類型(一般定期借地権・事業用定期借地権・建物譲渡特約付借地権など)や契約内容(権利金の有無、地代水準、残存期間等)により算定方法が異なり、残存期間だけで一律に決まるものではありません。

国税庁の財産評価基本通達等に基づき個別に算定します。

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定期借地権の相続税評価とは?借地権・底地ごとの計算方法を解説

一時使用目的の借地権の評価

土地に一時的に建物を建てて利用したい場合の借地権です(借地借家法25条)。目的の期間が経過すれば、原則として更新されずに契約は終了となります。

一時使用目的の借地権は、地上権に準ずる権利と評価することが相当であるかどうかにより、評価方法が異なります。

賃借権の登記がされている、設定の対価として権利金や一時金の支払いのある、堅固な構築物の所有を目的としているといった事情がある場合は、地上権に準ずる権利と評価されることが多いでしょう。

一時使用目的の相続税評価額

  • 地上権に準ずる権利と評価される場合
    その土地の自用地評価額×法定地上権割合と借地権割合とのいずれか低い割合
  • 地上権に準ずる権利と評価されない場合
    その土地の自用地評価額×法定地上権割合×1/2

法定地上権割合とは、残存期間に応じて異なり、具体的な割合は以下の通りです(相続税法第23条)。

残存期間割合
10年以下5%
10年超~15年以下10%
15年超~20年以下20%
20年超~25年以下30%
25年超~30年以下及び存続期間の定めのないもの40%
30年超~35年以下50%
35年超~40年以下60%
40年超~45年以下70%
45年超~50年以下80%
50年超90%

使用貸借(無償使用)の評価

親族間などで地代を払わず土地を無償で借りている「使用貸借」の場合、借地権の評価額は原則としてゼロです。

使用貸借は借地借家法の適用対象外となり、民法の規律に従います。

使用貸借では借地借家法による強力な保護が受けられず、返還時期は契約の目的・期間・当事者の合意等により左右されます。

相続税評価上は、使用貸借に係る使用権の価額は零として取り扱われます。

この場合、土地所有者側では、土地は「自用地評価額」のままで評価され、借地権の控除は受けられません。

借地権の設定時に権利金を支払う慣行がある地域であっても、使用貸借であれば借地権の評価額はゼロとして扱われます(国税庁「使用貸借に係る土地についての相続税及び贈与税の取扱いについて」)。

ご自身の状況が使用貸借に当たるかどうか不明な場合は、相続に強い弁護士や税理士に確認することをおすすめします。

借地権の相続税評価額の具体的な計算例

実際の数字を使って、借地権の相続税評価額を計算してみましょう。

計算例(1)路線価方式での借地権の相続税評価額

前提条件

  • 土地の面積:150㎡
  • 路線価:400,000円/㎡(路線価図に「400C」と記載)
  • 借地権割合:C=70%
  • 補正なし

計算手順

  1. 自用地評価額を計算する
    自用地評価額 = 400,000円 × 150㎡ = 6,000万円
  2. 借地権の相続税評価額を計算する
    借地権評価額 = 6,000万円 × 70% = 4,200万円

この場合、借地権の相続税評価額は4,200万円となります。

計算例(2)借地権割合が低い地域での借地権の相続税評価額

前提条件

  • 土地の面積:200㎡
  • 路線価:150,000円/㎡(路線価図に「150F」と記載)
  • 借地権割合:F=40%
  • 補正なし

計算手順

  1. 自用地評価額を計算する
    自用地評価額 = 150,000円 × 200㎡ = 3,000万円
  2. 借地権の相続税評価額を計算する
    借地権評価額 = 3,000万円 × 40% = 1,200万円

この場合、借地権の相続税評価額は1,200万円となります。

借地権の相続税額はいくらになるのか

借地権の相続税評価額と相続税額は別物

借地権の相続税評価額が計算できたとしても、それがそのまま相続税の納税額になるわけではありません。

相続税額は、すべての相続財産の評価額を合計し、債務などを差し引いた正味の遺産額から基礎控除を差し引いて、課税遺産総額を求めます。この課税遺産総額を法定相続分で分けて税率を適用し、相続税の総額を計算したうえで、実際の取得割合に応じて各人の税額を決めます。

借地権の評価額は、あくまでも相続財産全体の一部です。

相続税額の計算の流れ(概要)

相続税額の計算は、大きく次のような流れで行います。

  1. 相続財産(借地権・預貯金・不動産など)をすべて洗い出す
  2. 各財産の相続税評価額を計算する
  3. 正味の遺産額(評価額の合計に生前贈与加算などを加え、非課税財産・借金・葬式費用などを差し引いた額)から基礎控除(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)を差し引く
  4. 課税遺産総額を法定相続分で按分し、税率を適用して相続税総額を計算する
  5. 各相続人の取得割合に応じて税額を按分する

相続税の計算方法の全体像については、関連記事『相続税の計算方法をわかりやすく解説!概算の早見表や節税できる制度も』で詳しく解説しています。

具体例で相続税いくらになるかを確認

前述の「相続税額の計算の流れ(概要)」の5つのステップに沿って、借地権評価額(4,200万円)を含む具体例で実際に相続税額を計算してみましょう。

実際の財産構成や相続人の人数によって相続税額は大きく変わります。

家族構成や遺産総額に応じた相続税額目安を知りたい方は、こちらの早見表をご覧ください。あわせて、ご自身の条件で計算したい方は相続税計算機もご利用ください。

前提条件

項目内容
借地権の相続税評価額4,200万円
その他の財産
(預貯金など)
計3,800万円
債務無し
法定相続人配偶者と子2人
(合計3人)

1.〜2.相続財産を洗い出し、評価額を計算する

各財産の評価額は前提条件のとおりのため、ここでは省略します。

前提条件より、財産の合計は4,200万円+3,800万円=8,000万円です。

3.正味の遺産額から基礎控除を差し引く

今回の相続財産には債務がないので、1.~2.より正味の遺産額は8,000万円とわかります。

前提条件より、法定相続人が3人なので

基礎控除額

=3,000万円 + 600万円 × 3人

=4,800万円

課税遺産総額

=正味の遺産額ー基礎控除額

=8,000万円 - 4,800万円

=3,200万円

4.課税遺産総額を法定相続分で按分し、税率を適用して相続税総額を計算する

今回の法定相続分は配偶者1/2、子1/4ずつになります

  • 配偶者:3,200万円 × 1/2 = 1,600万円
  • 子(1人あたり):3,200万円 × 1/4 = 800万円

それぞれの取得金額に応じた税率と控除額を適用します(速算表抜粋)。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%―
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
  • 配偶者の税額:1,600万円 × 15% - 50万円 = 190万円
  • 子の税額(1人あたり):800万円 × 10% = 80万円

相続税の総額=190万円+80万円+80万円=350万円

5.各相続人の取得割合に応じて税額を按分する

法定相続分通りに取得した場合、相続税の総額350万円を実際の取得割合で按分すると、配偶者の相続税額は175万円、子はそれぞれ87万5,000円となります。

さらに配偶者の税額軽減を適用すると、配偶者の納付税額は0円となります。

ただし、実際の取得割合や、他の税額控除の適用有無によって、各相続人の最終的な納付額は変わります。

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借地権を相続したときの注意点

小規模宅地等の特例が使えないか確認する

借地権を相続した場合、借地権が「宅地等」に含まれるため、適用要件を満たせば「小規模宅地等の特例」の対象となり、評価額を大きく減額できることがあります(特定居住用宅地等の場合は330㎡まで80%減額)。

ただし、取得者・居住継続要件・申告要件など、適用できるかどうかは相続の状況によって異なります。

詳細な要件や手続きについては、専門家に確認することを強くおすすめします。

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小規模宅地等の特例とは?要件・計算方法をわかりやすく解説【フローチャート付き】

地主に連絡する

借地権を相続した場合、地主に対して相続した旨を通知しましょう。

借地権は相続により包括承継されるため、原則として地主の承諾なく承継されます。

契約書の名義変更(新しい契約書の作成)は法律上必須ではありませんが、後日のトラブル防止のため、地主と協議して借地人の名義を明確にしておくと安心です。

売買などの「譲渡」とは異なり、相続の場合は地主への承諾料(名義書換料)の支払い義務もありません。

ただし、実務上は地主から名義変更料を求められてトラブルになるケースもあるため、法的に支払い義務がない旨を理解したうえで、必要に応じて専門家に相談しましょう。

遺贈の場合は地主の承諾が必要

相続人以外の人が特定遺贈によって借地権を取得する場合には、借地権の譲渡にあたるため、地主の承諾が必要です(民法612条)。承諾料の支払いを求められる可能性もあります。

遺贈によって相続人ではない孫に借地権を渡したといったケースでは、地主の承諾が必要となることに注意しましょう。

相続登記を行う(令和6年4月1日から義務化)

借地権そのものについて相続登記の義務はありませんが、借地上の建物を所有している場合は、その建物について相続登記を行い、登記名義人を変更しましょう。

令和6年(2024年)4月1日から、相続登記の申請が義務化されています(不動産登記法76条の2)。

相続登記申請の期限は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内となります。

義務化前に発生した相続についても、原則として令和9年(2027年)3月31日までに相続登記を申請する必要があります。ただし、相続で不動産を取得したことを知った日が令和6年(2024年)4月1日以降の場合は、その日から3年以内が期限です。

正当な理由がないにもかかわらず相続登記を放置すると、10万円以下の過料が科されるおそれがあるので、相続発生後はなるべく早期に相続登記を行いましょう。

相続登記を行う際には、相続税とは別に登録免許税が課される点に注意してください。

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相続登記の登録免許税はいくら?計算方法と軽減措置・費用を解説

相続税申告の期限に遅れないようにする

相続税の申告・納付期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(相続税法27条1項)。

被相続人の最後の住所地を管轄している税務署に、申告書や必要書類を提出しましょう。

借地権の評価は複雑なケースもあるため、早めに税理士や弁護士に相談することをおすすめします。

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相続税申告のやり方・申告方法を解説|手続きの流れや期限を網羅

借地権と貸宅地の評価はセット

借地権の相続が発生するとき、その土地の所有者(地主)側にも「貸宅地(底地)」という財産があります。借地権と貸宅地は表裏の関係にあり、評価の仕組みを整理しておくことが重要です。

立場財産の名称相続税評価額
借地人(土地を借りる側)借地権自用地評価額 × 借地権割合
地主(土地を貸す側)貸宅地(底地)自用地評価額 × (1 − 借地権割合)

たとえば借地権割合が70%の場合、借地人が70%、地主が残り30%の割合で評価額を分け合うイメージです。

権利金の授受がある一般的な普通借地権の場合は、借地権評価額と貸宅地評価額を合計すると自用地評価額となります。

詳しく知りたい方は、『貸宅地の相続税評価はいくら?計算方法と貸家建付地・借地権との違いも解説』をご確認ください。

借地権の相続税評価についてよくある質問

Q. 借地権の相続税はいくらくらいかかる?

借地権そのものに一定の税額がかかるわけではありません。相続税は、借地権の評価額を他の相続財産と合算し、基礎控除を差し引いた額をもとに計算します。

普通借地権の評価額は、自用地評価額に借地権割合(90%から30%まで10%刻みの7段階)を掛けた金額となり、地域によって自用地評価額の30%〜90%の幅があります。

相続税額の具体的な計算のやり方は、前述の「具体例で相続税いくらになるかを確認」をご覧ください。

Q. 親に地代を払っていた場合、借地権として申告が必要?

地代を払っていても、その額が固定資産税等に相当する金額以下であれば、国税庁の通達により原則として使用貸借(借地権評価0円)と扱われます。

契約書や権利金の有無も含め総合的に判断されるため、専門家への確認をおすすめします。

Q. 借地権を相続したら相続税以外に必要な手続きは?

借地権上の建物について、不動産登記法上、相続の開始を知り、かつ建物の所有権を取得したことを知った日から3年以内の相続登記が義務付けられています。

相続による借地権の承継に地主の承諾は不要ですが、トラブル防止のため早めに通知することをおすすめします。

まとめ|借地権の相続税評価額計算は税理士に相談

借地権の相続税評価額について、重要なポイントを整理します。

  • 借地権は相続税の課税対象となる財産で、相続税申告に含める必要がある
  • 評価額の基本計算式は「自用地評価額 × 借地権割合」
  • 借地権割合は国税庁の路線価図(A~Gの記号で30%~90%)または評価倍率表で確認できる
  • 使用貸借(無償使用)の場合は借地権の評価額は原則ゼロ(ただし使用貸借への該当性の確認が必要)
  • 定期借地権は類型・契約内容・残存期間等に応じた個別の評価方法が適用される
  • 借地権の評価額がそのまま相続税額になるわけではなく、全体の財産と控除額をもとに税額が計算される
  • 一定の要件・限度面積を満たせば小規模宅地等の特例で評価減(特定居住用宅地等の場合は80%)を受けられる場合がある

借地権の評価は、土地の種類や借地権の内容によって複雑になるケースも多く、誤った計算をすると過少申告や払いすぎにつながります。

計算方法に不安な点がある場合は、相続税問題を主に取り扱っている税理士に相談することを検討してください。

アトム相続税理士法人では無料相談が可能です。

相談予約は24時間いつでも受け付けているので、借地権の相続税評価額が正しいかどうか不安な方は、いつでもご連絡ください。

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