ネットトラブルや嫌がらせの相談窓口はどこ?無料相談や電話相談先を紹介
インターネットの普及に伴い、掲示板やSNSでの嫌がらせやトラブルも増加しています。
心無い悪口を書かれたり、個人情報や私的画像が晒されたりとトラブルの内容は幅広く、非常に被害者を悩ませるものです。
ネットトラブルへの対応が後手にまわると被害が拡大したり、証拠が消失したりする可能性があります。インターネット上のトラブルに巻き込まれた場合には、早めに適切な対応を行うことが大切です。
はじめに
本記事はネットトラブルの被害内容に応じた無料相談や電話相談の窓口の一例を紹介しています。相談受付時間は臨時で変わることもあるので、各サイトでも併せてご確認ください。
目次
ネットトラブルに関する公共機関の無料相談窓口
解決策を電話相談したい
法務省による人権擁護局の中には、人権問題について電話相談が利用できる相談先があります。
ネットトラブルに巻き込まれたかもしれない、自分はどういった対応を取れるのだろうかという相談について電話相談をしたい方は、下表を参考に利用してみてください。
相談先 | 電話番号 | 受付時間 |
---|---|---|
みんなの人権110番 | 0570-003-110 | 平日午前8時30分から午後5時15分まで |
女性の人権ホットライン | 0570-070-810 | 平日午前8時30分から午後5時15分まで |
こどもの人権110番 | 0120-007-110 | 平日午前8時30分から午後5時15分まで |
みんなの人権110番は、差別、虐待、ハラスメントといった様々な人権問題の相談を受けています。相談は最寄りの法務局につながり、法務局職員や人権擁護委員が秘密厳守で受けているものです。
女性の人権ホットラインは、夫やパートナーからの暴力、インターネット上の誹謗中傷、職場でのイジメやセクハラ、ストーカー行為などの相談を受け付けています。こちらも、法務局職員や人権擁護委員が相談を受けているものです。
こどもの人権110番は、いじめやインターネットトラブルの被害にあったなどの相談を受け付けています。こどもに関する悩みを持つ大人も利用可能です。
そのほか、SNS(LINE)相談や専用フォームによる相談も受け付けています。相談先について詳しく知りたい方は、「人権擁護局」のホームページをご覧ください。
ネットトラブルの悩みを聞いてほしい
厚生労働省による「まもろうよ、こころ」は悩みや不安について気軽に相談できる窓口となっています。悩みを抱えている人の事情、年代、電話可能な時間帯に合わせて相談窓口が選択可能です。
下表は「まもろうよ、こころ」に掲載されている相談窓口の一部です。
相談先 | 電話番号 | 受付時間 |
---|---|---|
よりそいホットライン | 0120-279-338※ | 24時間 |
#いのちSOS | 0120-061-338 | 24時間(水木 6:00~24:00) |
こどものSOSの相談窓口 | 0120-0-78310 | 24時間 |
※岩手県・宮城県・福島県からの場合:0120-279-226
誹謗中傷への対処法について助言を受けたい
総務省による「違法・有害情報相談センター」では、インターネット上の違法・有害情報への対処法に関する相談を無料でおこなっています。
インターネットの技術や制度等の専門知識を持った相談員の方から、次のようなネットトラブルへの対処方法について助言を受けることができます。
- 著作権侵害
- 誹謗中傷
- 名誉毀損
- 書き込みへの対応や削除方法
- その他トラブルに関する対応方法
誹謗中傷の書き込みも違法・有害情報に該当する可能性がありますので、相談してみるとよいでしょう。
なお、サイト・プロバイダーへの削除請求の代行自体をおこなう窓口ではありません。
誹謗中傷の削除に関する無料相談窓口
削除要請をしてほしい(1)法務省の人権相談
法務省による「法務省インターネット人権相談受付窓口」では、相談者自身で行う削除依頼の方法を助言してくれたり、事案に応じて削除の要請をおこなったりしてくれる、無料相談の窓口です。
専用のメールフォームを利用して相談をおこなう形式で、3回まで送信ができます。相談内容によっては電話や面談にすすむこともある窓口です。
削除要請をしてほしい(2)民間機関に相談
インターネットトラブルの被害者を支援する団体「一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)」による「誹謗中傷ホットライン」では、誹謗中傷の書き込みを受けた人からの相談を受け付けています。
所定の相談フォームを使って無料で相談可能です。
事案によっては国内外のプロバイダ等に利用規約に沿った削除等の対応を促す通知もおこなってもらえる点がポイントです。
違法・有害情報の削除
また、同団体は「セーフライン」にて違法・有害情報の通報を専用のメールフォームで受け付けています。
事案によっては削除要請もおこなっており、2021年に取り扱った削除事案はリベンジポルノや児童ポルノが削除件数の大半でした。
なお、リベンジポルノなどきわめて私的な画像が晒された場合には、後述する警察への相談も検討してください。
犯罪の被害にあったことの無料相談窓口
警察への電話相談
インターネットトラブルには、早急に警察へ相談する必要性の高いものもあります。
具体的には、リベンジポルノの被害、画像や動画の拡散防止を理由とする金銭の要求や身体に危害を加える旨の予告を受けた場合などは、早めに警察に相談してください。
相談窓口 | 電話番号 | こんな時の連絡先 |
---|---|---|
警察相談室 | #9110 | 犯罪に当たるのか不明だが相談したい |
性犯罪被害相談電話 | #8103 | 性犯罪の被害を相談したい |
緊急連絡 | 110番 | 緊急性の高い通報をしたい |
発信地を管轄する各都道府県警察本部等の総合窓口に直接つながる「警察相談電話番号」や「各都道府県警察の性犯罪被害相談電話窓口」からも電話番号を調べることが可能です。
警察署へ出向いて直接相談を希望する際には、事前連絡を入れておくとスムーズでしょう。
警察への相談を検討している方は『ネットトラブル・誹謗中傷で被害届が出せるケース・刑事告訴を解説』の記事もお役立てください。被害届を出す方が良いケースなどを解説しています。
弁護士への相談窓口|ネットトラブルへの法律相談
ネットトラブルで権利侵害を受けた場合の対処法を知りたい、自分の権利を守るために具体的な対策を取りたいという方は法律の専門家である弁護士への相談も検討しましょう。
弁護士であれば、法律の観点からアドバイスが可能です。弁護士への相談方法にも色々ありますので、ご自身に合う方法を選んでください。
自治体の相談窓口
都道府県や市区町村が住民を対象とした法律相談会をおこなっていることが多いです。法律相談は電話や対面が多く、そのほとんどが無料で利用できるものが多いでしょう。
ただしある程度相談時間が限られており、30分程度という制限になることが大半です。十分に資料を用意しておき、時間を有効に活用するようにしましょう。
話を聞いてくれた弁護士へそのまま依頼できるというシステムではないことが多いので、弁護士依頼をしたい場合は、弁護士探しから始めることになります。
インターネットトラブル専用の相談窓口
自治体ごとにインターネットトラブルの法律相談もおこなわれています。
なかには弁護士や臨床心理士などの専門家への無料相談をおこなう窓口もあるので、活用してみましょう。
参考に東京都、大阪府、福岡県の相談窓口を紹介します。
相談窓口によっては、電話以外にもメールやLINE相談を受け付けている窓口もあるので、参考にしてみてください。
相談窓口 | 電話番号 | 受付時間 |
---|---|---|
東京都人権プラザ (東京都) | 03-6722-0124 | 平日 9時30分から17時30分まで |
ネットハーモニー (大阪府) | 06-6760-4013 | 月曜日から土曜日16時から22時まで 第2日曜日13時から18時まで |
ふくおか人権ホットライン (福岡県) | 092-724-2644 | 毎月 第4金曜日 15時から18時まで |
ご自身のお住まいの自治体に問い合わせるか、自治体ホームページを確認してみましょう。
法テラス
法テラスは国が設立した、法的なトラブルを解決するための総合案内所になります。
法的トラブルに巻き込まれて困っている、あるいは法的トラブルかどうか判断できない場合は「相談窓口・法制度」への問い合わせが可能です。
法テラスの専門オペレーターの方が話を聞いたうえで、相談内容に応じた法制度の案内、相談機関や団体を紹介してもらえます。
電話番号 | 0570-078374 |
受付 | 平日 9時~21時、土曜 9時~17時 |
相談料 | 無料 |
無料の法律相談を利用する場合には、一定の条件が設けられています。まずはご自身の相談内容が無料相談の対象なのかも含めて、サポートダイヤルで確かめてみましょう。
法テラスの犯罪被害者支援ダイヤルもあり
刑事事件の被害者を支援する専門ダイヤル(0120-079714)を設けています。
専門ダイヤルは原則無料で利用でき、被害者が受けた損害の回復や苦痛の軽減に役立つ情報の提供を受けられます。
- 犯罪被害者支援を行う相談窓口
- 刑事手続きの流れ、支援制度などの法制度
- 弁護士への相談・依頼にかかる費用等の援助制度
法テラスの犯罪被害者支援ダイヤルを利用したい方は、「犯罪の被害にあわれた方へ」をご覧ください。
法律相談センター(弁護士会)
弁護士会は、各都道府県に設けられている弁護士の団体です。弁護士会は相談所も設置しており、電話相談や弁護士との対面相談など、弁護士会ごとに様々な相談体系があります。
弁護士会が運営する法律相談センターへは「ひまわりお悩み110番」から問い合わせ可能です。
電話番号 | 0570-783-110 |
受付 | 受付時間は弁護士会ごとに異なる |
相談料 | 無料 |
ただし、インターネットトラブルにくわしい弁護士を指名できる制度ではない点には注意しましょう。
インターネットトラブルのノウハウを熟知した弁護士に相談する場合は、インターネット検索などで弁護士を探すことをおすすめします。
法律事務所(弁護士を自分で探す)
法テラスや弁護士会といった機関ではなく、自分で探した弁護士に相談することも可能です。
弁護士を探す際には、法律事務所のホームページで解決実績や弁護士のプロフィールなどに注目してみましょう。または「インターネット 誹謗中傷 弁護士」などのように、お困りごとに合わせたキーワードでの検索も有効です。
とくに、ご自身で弁護士を探すと次のようなメリットを感じられるでしょう。
自分で探した弁護士なら
- 希望の相談方法に対応してくれる弁護士を探せる
- インターネットトラブルに力を入れている弁護士を選べる
- 削除から開示請求まで幅広く柔軟な対応を相談できる
- 弁護士自身の経験やノウハウを元に見通しを教えてくれる
被害者の方を対象に無料相談をおこなう事務所も多いです。相談したからといってすぐに契約する必要もありませんので、気軽に利用してみましょう。
以下の関連記事では、ネット上の誹謗中傷への対応、弁護士への相談をおすすめする理由を解説しています。弁護士への相談を検討している方は参考にお読みください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了