売却しやすい事業の特徴と成功事例!売却しやすい事業とは?
- 売却しやすい事業とは?
- 売却しやすい事業の特徴は?
- 会社売却の成功事例は?注意点は?
売却しやすい事業であるということは、とくに中小企業やベンチャー企業にとっては出口対策に困らないということです。
売却しやすい事業か否かは、業種・業界・需要と供給のバランスも重要になります。
この記事では売却しやすい事業の特徴と成功事例、売却しやすい事業になるための秘訣などをお伝えしていきます。
ぜひ最後までお読みください。
目次
売却しやすい事業とは
今後市場拡大が見込まれる事業
今後も市場拡大が見込まれる事業は、売却しやすい事業といえます。
市場拡大により収益増が見込まれるので、買い手にとっては非常に魅力的な事業ということになります。
今後も市場拡大が見込まれる事業の一例としては、IT関連事業や介護事業などがあげられます。
これらの事業には、それぞれ新しい技術の開発、高齢化社会の流れのなかで、非常に高いニーズがあります。
買い手からすれば、これらの事業を運営するにあたって人手不足の解消や優秀な人材確保も課題となるので、売却しやすい事業といえます。
成功例①ツクイによるアカイエ買収
昨今、ICYを利用した介護事業が注目されていますが、介護事業・IT事業はまさに今後市場拡大が見込まれる業界でM&Aも盛んにおこなわれています。
実際に、IT事業・介護事業をいとなむアカリエが、2022年、ツクイホールディングスに対して株式譲渡をおこない、完全子会社になったという事例があります。
成功例②KDDIによるソラコムの買収
2017年、KDDIがIoTベンチャーであるソラコムの株式の過半数を取得して連結子会社化しました。
ソラコムの株式売却価格は200億円ともいわれています。
安定収入が期待できる事業
安定収入が期待できる事業は、売却しやすい事業といえます。
安定収入が見込まれる事業の一例としては、ビルメンテナンス業などがあげられます。
ビルメンテナンス事業は、建物の総合管理(機械設備などの点検・工事、ビルの清掃など)をおこなう業種です。
建物の総合管理では、電気、空調の工事などの周辺事業も取り込み、安定した収入を得られると予想できます。
オフィスビルなどはごまんとあるなかで、ビルメンテナンス業の需要は高く、売却しやすい事業といえるでしょう。
成功例③穴吹ハウジングによる建衛工業の買収
ビルメンテナンス業の売却に関しては、2020年11月8日、ビルメンテナンス業をおこなう建衛工業株式会社が株式売却をおこない、マンション管理業等をいとなむ株式会社穴吹ハウジングサービスの子会社になったという事例があります。
業界再編が激しい事業
調剤薬局、教育事業、食品製造、人材派遣などの業界では、業界再編が進んでいます。
教育事業では、塾同士のM&A、保育園同士のM&Aも盛んです。
新規算入や事業拡大のために、M&Aが活用されいます。
成功例④山崎製パン×神戸屋
食品製造業界では、2022年8月26日、神戸屋から山崎製パンに対して株式譲渡がおこなわれ、神戸屋の包装パンの製造販売事業を山崎製パンが事業承継することになったという事例もあります。
不動産などの資産がない会社の事業
不動産の価値は下落すると大きな損失を被る可能性が高いことから、事業売却では敬遠される傾向があります。
あくまでケースバイケースではありますが、M&Aの戦略として、先んじて不動産など事業に関係のない資産を売却しておいてもよいでしょう。
健全な会社運営をしている企業の事業
売却しやすい事業なのかどうかは、事業の内容も重視すべきです。しかし競合他社がいる場合は、より健全な会社運営をしている企業が選ばれるものです。
たとえば、財務状況として3期連続で赤字になっている、税金の滞納がある、粉飾決算をしている等の事情がある場合は、売却しづらくなる傾向があります。
赤字体質の事業の場合は、株式譲渡ではなく、負債を除いて事業譲渡をおこなうといったスキームでの事業承継を検討する必要があります。
また、個人頼みのノウハウではなくナレッジマネジメントが出来ている、取引先が多い、販売チャンネルが多い、社長が誠実である、他社にない強みがある等の特徴があれば、会社売却・事業売却はしやすいといえるでしょう。
健全な会社運営の特徴(一例)
- 赤字経営ではない
- 税金の滞納がない
- 粉飾決算をしていない
- ナレッジマネジメント
- 取引先が多い
- 販売チャンネルが多い
- 社長が誠実である
- 他社にない強みがある
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事業売却の際の注意点
事業を売却しやすくする方法
事業を売却しやすくする方法としては、事業売却における懸念点を払拭することや、企業価値を高めることなどがポイントになるでしょう。
事業売却における懸念点を払拭すること
帳簿上、不透明なお金がある場合には、売却の準備段階で是正しておく必要があります。
また赤字続きの場合には、赤字になっている理由を明確にし、将来、黒字転換するまでの事業計画を綿密にたてておくべきでしょう。
外部の第三者への事業承継を目指す場合はもちろんのこと、社内に事業承継させたい社員がいる場合も、その後の会社運営で支障をきたすことがないよう、財務・経理の適正化につとめるべきです。
会社売却の流れでは、遅かれ早かれ、デューデリジェンスが実施され、不透明なお金について指摘される可能性が非常に高くなります。
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企業価値を高める努力をすること
たしかし、事前に懸念点を払拭しておくことが非常に重要です。
しかしそれと同時に、自社の強みを把握して、企業価値を高める努力もしていく必要があります。
企業価値が高くなれば、売却価格をより高額に設定できる可能性がでてきます。
買い手候補が「M&Aによるシナジー効果が期待できる」と思えるように、企業価値を高めておくことは重要です。
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売却で市場価値を算定する際のポイントは?
市場価値を参考に、売却価格を設定することになりますが、非上場企業の場合はその会社の株式について市場取引がおこなわれません。
この場合、どうやって市場価値、売却価格を算定すればよいのでしょうか。
非上場企業の企業価値を評価する方法としては、マーケットアプローチ、インカムアプローチ、コストアプローチの3つのアプローチがあります。
企業価値の3つの評価方法
- マーケットアプローチ
市場価格をベースに評価する方法
例)類似会社比較法 etc. - インカムアプローチ
収益性をベースに評価する方法
例)DCF法 etc. - コストアプローチ
純資産をベースに評価する方法
例)時価純資産法 etc.
コストアプローチは、企業価値の算出方法が比較的簡便であるため、実務では多用されています。
コストアプローチによる場合、具体的には、時価純資産に営業利益の3年~5年分を足した金額が、会社売却の相場とされるケースが多いでしょう。
売却価格の交渉の注意点
実際に売却価格を交渉する際は、自社の企業価値が正しく評価されているか吟味する必要があります。
また、買い手の提示した売却価格に異論があるときは、反論しながら交渉を重ねていけるとよいでしょう。
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まとめ
会社売却の相手が見つからずに困っている場合は、専門家に相談してみましょう。
第三者に事業承継をさせたい場合、スタートアップ企業を譲渡して譲渡益を得たい場合などは、まずは相手を探す必要があります。
会社売却の買い手探しで悩んでいる場合には、各自治体の相談窓口や、民間のM&A仲介会社などを利用するケースが一般的です。
特に仲介会社は数多くの案件を抱えているため、複数社に相談することで、多くの買い手候補と交渉できるかもしれません。