準確定申告の電子申告はPC・スマホでできる?e-Taxのやり方・手順を解説

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家族が亡くなった場合、亡くなった方の所得について「準確定申告」が必要になることがあります。準確定申告は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使ってオンラインで申告することも可能です。

ただし、「準確定申告は本当にe-Taxでできるの?」「スマホからでも申告できる?」「どんな書類を準備すればいい?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

この記事では、PCやスマホで準確定申告をe-Taxで行う方法について解説します。ぜひ最後までご確認ください。

準確定申告は相続税の申告とは別の手続きです

準確定申告は、亡くなった方の所得税を申告する手続きです。相続財産にかかる相続税の申告とは、対象となる税目・申告義務者・申告期限がそれぞれ異なります。

「相続税をe-Taxで申告する方法」については、別記事「相続税の申告はネットで可能!やり方やe-Taxが使えない人も解説」で詳しく解説しています。

※本記事の情報は2025年時点の税制をもとに作成しています。税法は改正される場合があるため、実際の申告にあたっては税理士などの専門家にご相談ください。

準確定申告はe-Taxで電子申告できる?

準確定申告は電子申告(e-Tax)で提出できる

準確定申告とは、亡くなった方(被相続人)に代わって相続人が行う所得税の確定申告のことです。被相続人が生前に得ていた所得について、相続人が代わりに申告・納税を行います。

この準確定申告は、e-Taxを利用して電子申告することが可能です。e-Taxソフト等を利用して申告しましょう。

ただし、相続人が複数いる場合は手続きが複雑になることもあるため、事前に必要な書類や申告内容を確認しておくことが大切です。

スマホでの準確定申告は、現状できない

現状、準確定申告をスマホですることはできません。

準確定申告をするには、e-Taxソフトをインストールする必要がありますが、これはMicrosoft Windows 11にのみ対応したものであり、スマホには対応していないからです。

なお、e-Taxソフトには、インストールせずにブラウザ上で利用できる「WEB版」もあります。

WEB版はスマホでも利用できるものの、こちらは準確定申告には対応していません。

PCが手元にない場合は、以下の方法で準確定申告をしましょう。

  • 税務署のPCを利用したり、家族などのPCを借りる
  • 紙で必要書類を用意し、税務署へ郵送または持参する
  • 税理士に準確定申告を依頼する

紙で準確定申告をする場合、用紙は税務署の窓口で受け取るか、国税庁のHPからダウンロード・印刷が可能です。

e-Taxで準確定申告するために必要なもの

実際の手順に入る前に、必要なものをあらかじめ揃えておきましょう。
準備不足のまま手続きを進めると、途中で入力が止まったり、追加書類を確認するために作業を中断することになったりします。

e-Taxでスムーズに準確定申告を行うためにも、申告に必要な書類や本人確認手段を事前に確認しておくことが大切です。

本人確認・認証に必要なもの

準確定申告をe-Taxで行う場合、基本的にマイナンバーカードが必要です。

相続人が複数いる場合でも、e‑Taxで電子署名を行うのは原則として「申告書を送信する相続人代表者」だけで足ります。

代表者以外の相続人については、内容に同意したことを示す確認書や、準確定申告・還付金受取を任せるための委任状を別途作成し、e‑TaxでPDF添付するか、税務署へ郵送提出する必要があります。

申告に必要な書類・情報

準確定申告では、亡くなった方の所得や控除に関する資料をもとに申告書を作成します。主に次のような書類や情報を準備しておきましょう。

  • 亡くなった方の源泉徴収票(給与・年金など)
  • 亡くなった方のマイナンバー(個人番号)
  • 相続人全員のマイナンバーおよび氏名・住所
  • 医療費控除を受ける場合は医療費控除の明細書(領収書は原則提出不要ですが、一定期間の保管が必要です)
  • 生命保険料控除・地震保険料控除の証明書(該当する場合)
  • 株式・不動産など各種収入に関する書類(該当する場合)

相続人が複数いる場合の注意点

相続人が複数いる場合は、次の点に注意してください。

電子署名(マイナンバーカード)は代表者だけでよい

準確定申告をe‑Taxで行う場合、電子署名(マイナンバーカードによる署名)は相続人代表者の分だけで足ります。
他の相続人全員がマイナンバーカードで順番に電子署名をする必要はありません。

相続人が複数いるときの追加書類

相続人が2名以上いる場合は、次のような書類で「他の相続人も内容を承知・同意していること」を示します。

  • 相続人全員が署名した「準確定申告の確認書」(税理士が案内している様式など)
  • 代表者以外の相続人が、代表者に準確定申告を任せるための「委任状」
    ※還付金を代表者名義の口座で受け取る場合などは、委任状が必要になるケースが多いです。

なお、確認書のPDFデータは準確定申告データと一緒にe‑Taxで送信できますが、委任状については別途、税務署へ郵送提出を求められる運用が残っているため、所轄税務署または税理士の指示に従ってください。

「死亡した者の確定申告書付表」について

以前は「死亡した者の確定申告書付表(兼 相続人の代表者指定届出書)」を別途作成して添付していました。

e-Taxを使った準確定申告でも、死亡した者の確定申告書付表の提出自体は必要です。この場合は、紙で添付するのではなく、e-TaxでXML形式により送信します。

※最新の手続きについては、国税庁のサイトもあわせて確認してください。

【PC】e-Taxで準確定申告する手順

現在、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では準確定申告の電子データ作成に完全対応していません。 そのため、以下のいずれかの方法をとるのが一般的です。

  1. e-Taxソフトを使用する
  2. 作成コーナーで「書面」として作成し、印刷して郵送する

ここでは、電子申告を完結させたい方向けに「e-Taxソフト(インストール版)」を利用した基本的な流れを解説します。

STEP 1:e-Taxソフトをインストールする

まず、e-Taxソフトを用意しましょう。e-Taxソフトには、インストール版とWEB版がありますが、WEB版は準確定申告に対応していません。

インストール版を利用しましょう。

ただし、インストール版のe-TaxソフトはMicrosoft Windows 11を利用環境としており、Mac OSには対応していません。

STEP 2:利用者識別番号の取得とログイン

初めて利用する場合は、ソフト内で利用者識別番号を取得します。

被相続人(亡くなった方)の番号ではなく、申告を行う相続人代表者の番号でログインし、手続きを進めます。

STEP 3:必要書類の作成・添付

e-Taxソフト内で、以下の書類を作成・添付します。

  • 所得税の確定申告書
  • 死亡した者の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表
  • 準確定申告の確認書

準確定申告の確認書は、相続人が2名以上の場合に必要です。

また、還付金を代表者名義の口座で受け取る場合などは、委任状が必要になることが多いですが、委任状は別途郵便での提出となります。

STEP4:電子署名の付与と送信

作成したデータに、申告を行う相続人のマイナンバーカードで電子署名を付与します。

相続人が複数いる場合、各相続人の自署・押印済みの『準確定申告の確認書』を添付すれば、代表者1名の電子署名のみで送信が可能です。

STEP5 :納税または還付の確認

申告内容に応じて、納税または還付の手続きが行われます。

納税が必要な場合は、e-Taxの画面から次の方法で支払うことができます。

  • ダイレクト納付(口座引き落とし)
  • クレジットカード納付
  • ペイジー(Pay-easy)など

ダイレクト納付を利用するには、事前に「ダイレクト納付利用届出書」を税務署へ提出する必要があります。

届出後、利用できるようになるまで1〜2週間程度かかることがあるため、初めて利用する場合は早めに手続きをしておきましょう。

なお、還付となる場合は、申告時に指定した銀行口座へ振り込まれます。

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e-Taxで準確定申告するメリット・デメリット

準確定申告は、従来どおり紙の申告書を税務署へ提出する方法でも行えます。
e-Tax(電子申告)を利用する場合は、紙申告と比べてどのような違いがあるのかをあらかじめ理解しておきましょう。

ここでは、e-Taxで準確定申告を行う主なメリットとデメリットを整理します。

e-Taxのメリット

e-Taxを利用すると、次のようなメリットがあります。

税務署へ行く必要がない

自宅や職場からオンラインで申告を完結できるため、税務署の窓口へ行く手間が省けます。

原則24時間申告できる

メンテナンス日や一部の日を除き、深夜や休日でも申告手続きが可能です。税務署の開庁時間に合わせる必要がありません。

添付書類の提出が簡素化される

e-Taxでは一部の添付書類をデータで提出できるため、紙書類の提出が不要になる場合があります。
なお、医療費控除の場合は紙申告でも領収書の提出は不要で、「医療費控除の明細書」を作成して添付します。領収書は一定期間の保管が必要です。

還付が比較的早い

還付申告となった場合、紙申告よりも還付金の振り込みが早くなる傾向があります。

入力ミスを防ぎやすい

確定申告書等作成コーナーでは税額が自動計算されるため、手計算によるミスを防ぎやすくなります。

青色申告特別控除(65万円控除)の適用要件を満たしやすい

亡くなった方が個人事業主や不動産オーナーで、生前に「青色申告の承認」を受けていた場合、準確定申告においても青色申告特別控除を適用できます。

青色申告特別控除額は原則として最大55万円ですが、以下のいずれかの要件を満たすことで、最大65万円の控除を受けることが可能です。

  • e-Taxによる電子申告を行う
  • 電子帳簿保存を行う

令和2年分以降、準確定申告もe-Taxに対応したため、電子申告を利用することで控除額を最大化し、所得税の負担を軽減できる可能性が高まっています。

ただし、被相続人が生前に青色申告の承認を受けているなど、ほかにも条件がある点には注意しましょう。

e-Taxのデメリット・注意点

一方で、e-Taxには次のような注意点もあります。

事前準備が必要

マイナンバーカードをはじめ、電子申告に必要な準備をあらかじめ整えておく必要があります。

IT操作に慣れていないと難しい場合がある

パソコンの操作に不慣れな場合、入力画面や手続きの流れに戸惑うこともあります。

相続人が複数いる場合は手続きがやや複雑

準確定申告は相続人全員で申告する必要があるため、e-Taxで提出する場合でも委任状などの書面が必要になることがあります。

一部のケースでは紙申告が必要になることもある

e-Taxは便利な申告方法ですが、すべてのケースで電子申告だけで手続きが完結するわけではありません。状況によっては紙申告を選んだ方がスムーズな場合もあります。

e-Taxで準確定申告できないケース・注意が必要なケース

e-Taxは便利なツールですが、すべてのケースで電子申告が完結するわけではありません。以下の点には注意してください。

電子申告が難しくなるケース

電子申告が難しくなる主なケースは、次のとおりです。

  • 相続人が複数おり、委任状等の取得が難しい場合
  • 電子申告に対応していない添付書類がある場合
  • マイナンバーカードを取得していない場合
  • 不動産譲渡など所得の種類が複雑な場合

それぞれのケースについて、以下で詳しく説明します。

相続人が複数おり、委任状等の取得が困難な場合

相続人が複数いる場合、代表して電子申告するためには、他の相続人からの同意や授権を示す書面(委任状など)の準備が必要になることがあります。

相続人が遠方に住んでいる場合や、相続関係が複雑な場合は、これらの書類をそろえるのに時間がかかることもあります。そのような場合は、紙申告を選択するか、税理士への依頼を検討するのも一つの方法です。

電子申告に対応していない添付書類がある場合

特定の添付書類(例:一部の外国税額控除の証明書など)は、電子データでの提出に対応していないことがあります。

その場合は、e-Taxで申告書を送信した後に、必要書類を郵送または税務署へ持参する必要があります。

マイナンバーカードやID・パスワードを取得していない場合

準確定申告でe-Taxを利用するためには、マイナンバーカードが必要です。

マイナンバーカードの発行には一定の時間がかかるため、申告期限(相続開始を知った日の翌日から4か月以内)が迫っている場合は、紙申告で対応した方が確実なケースもあります。

所得の種類が複雑なケース

不動産の譲渡所得、海外所得、山林所得などがある場合、申告内容が複雑になり、確定申告書等作成コーナーでの入力が難しくなることがあります。

このようなケースでは、税理士への相談や依頼を検討すると安心です。

ITに不慣れな方への注意点

e-Taxの操作が難しいと感じた場合は、無理に電子申告を進める必要はありません。

税務署の窓口や電話相談を利用したり、税理士へ相談したりすることで、より確実に申告を進めることができます。

特に準確定申告は期限が「4か月以内」と短いため、申告期限を守ることを最優先に対応することが大切です。

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準確定申告の電子申告についてよくある質問

Q. 準確定申告とは?確定申告との違いは?

準確定申告とは、亡くなった方(被相続人)が生前に得た所得について、相続人が代わりに行う所得税の確定申告のことです。

通常の確定申告は、1月1日から12月31日までの所得を翌年に申告します。一方、準確定申告では亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得が申告の対象となります。

準確定申告が必要になる主なケースは、次のとおりです。

  • 亡くなった方が自営業者・フリーランスだった
  • 給与収入が2,000万円を超えていた
  • 2か所以上から給与を受け取っていた
  • 年金収入が400万円を超えていた(または年金以外の所得が20万円を超えていた)
  • 株式の売却益や不動産収入などがあった

一方、次のような場合は、準確定申告が不要となることがあります。

  • 亡くなった方の所得が公的年金のみで、年金収入が400万円以下かつ他の所得が20万円以下
  • 給与所得のみで年末調整が済んでいる
  • 亡くなった方の所得が基礎控除などの範囲内で申告義務がない
  • 1月1日以前に亡くなっており、前年分の確定申告義務がない

※ただし医療費控除などで還付を受けられる場合は申告した方がよいケースもあります。

注意

1月1日から3月15日の間に亡くなり、かつ前年分の確定申告がまだ済んでいない場合は、2年分の申告が必要になることがあります。

例えば、次のようなケースです。

【例:2026年2月10日に亡くなった場合】

  • 2025年分の確定申告
  • 2026年分(1月1日〜死亡日まで)の準確定申告

このように、前年分と当年分の2回分の申告が必要になることがあります。

前年分の申告が未了のまま期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税が発生する可能性があるため注意しましょう。

Q. 準確定申告の期限は?

準確定申告の申告・納税の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。

通常の確定申告(原則3月15日)とは期限が異なるため、混同しないよう注意しましょう。

例えば、2026年6月15日に相続開始を知った場合は、2026年10月16日が申告期限となります。

期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税などのペナルティが発生する可能性があります。e-Taxの準備に時間がかかる場合もあるため、早めに手続きを進めることが大切です。

なお、亡くなった方の税金が還付(払いすぎ)になる場合は、還付申告として5年以内であれば申告できるケースもあります。
※亡くなった方に所得税の申告義務がなく、源泉徴収された税金が戻ってくる「還付申告」のみを行う場合

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Q. 相続人が複数いる場合でもe-Taxで準確定申告できる?

相続人が複数いる場合でも、e-Taxで準確定申告を行うことは可能です。

ただし、準確定申告は相続人全員で共同して行う申告とされているため、代表して申告する相続人が他の相続人の同意を得て手続きを進める必要があります。

そのため、状況によっては委任状などの書面を準備することがあります。相続人が遠方に住んでいる場合などは、事前に書類の確認や手続きを進めておくとスムーズです。

まとめ:準確定申告はe-Taxで電子申告できる

準確定申告は、e-Taxを利用して電子申告することが可能です。PCから申告書を作成・送信できるため、税務署へ行かずに手続きを完結できます。

この記事のポイントを整理すると、次のとおりです。

  • 準確定申告はe-Taxで電子申告できる
  • 相続人が複数いる場合は、委任状などの書面が必要になることがある
  • 申告期限は「相続開始を知った日の翌日から4か月以内」
  • 還付申告は期限後でも5年以内であれば請求できる場合がある

準確定申告は、相続手続きの中でも期限が定められた重要な手続きです。手続きが複雑な場合や期限が迫っている場合は、税理士への相談も検討しましょう。

また、e-Taxの対応状況や申告方法は年度によって変更されることがあります。最新の情報については、国税庁の公式サイトもあわせて確認してください。

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高部孝之税理士

監修者


高部孝之税理士事務所

税理士高部孝之

2019年税理士試験合格 2020年税理士登録
都内大手税理士法人にて約13年間勤務。資産税部門の責任者などを経て、2024年に独立し浅草にて資産税を強みとする税理士事務所を開業。
専門用語を用いず、平易な言葉で説明することを大切にしており、お客様が親しみやすく相談しやすい税理士を理想としています。

保有資格

税理士・FP技能士1級・相続診断士

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