不当解雇の無料相談窓口7つを比較!弁護士やハローワーク・労基署・労働組合の違いは?

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不当解雇の相談窓口

「今日で解雇ね」「明日からもう来なくていいから」

上司や社長などから急に解雇を告げられると頭が真っ白になってしまいますよね。

そんな方が今すぐ連絡すべき、不当解雇の無料相談窓口を7つ紹介します。

相談前にすべきこと、相談後の流れ、不当解雇の解決方法なども記載していますので、一刻も早く動き出しましょう。

無料相談・電話相談できる不当解雇の相談窓口7選とその特徴は?

不当解雇の無料相談窓口は主に7つです。解決へのおすすめ順に並べると以下のようになります。

相談窓口解決力
弁護士★★★
労働組合★★
労働基準監督署★★
労働委員会★★
都道府県の労働局
ハローワーク
総合労働相談コーナー

それぞれ「相談の範囲」や「やってもらえること」が異なりますので、詳しく見て比較していきましょう。

弁護士の無料相談窓口

不当解雇でお悩みの場合、弁護士の無料相談窓口が最も有効です。

弁護士に相談するメリットは、労働審判や裁判での勝率も視野に入れた相談ができることです。

弁護士からの交渉ですぐに応じる会社も多く、仮に交渉決裂になっても、法的手続きで強制的に判断をしてもらえる点が強みといえます。

無料電話相談をしている弁護士・法律事務所もあるため、まずはすぐに連絡してみることが大切です。

弁護士事務所を探す際には、「着手金がかかるのかどうか」を確認してみてください。

解雇をされて生活に困っているとき、いきなり数十万の着手金を払うことは難しい場合もあるでしょう。

ただ、費用を気にして相談が後伸ばしになってしまうと、時効の完成や、証拠の散逸といった理由で、泣き寝入りになってしまうかもしれません。

自分の解雇が不当かどうか、何を請求できるのか、今すぐ何をすべきかを明らかにするためにも、まず弁護士に無料相談をしてみましょう。

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労働組合・ユニオンの無料相談窓口

不当解雇されたら、労働組合の無料相談窓口も効果的です。自分の会社の中にある労働組合でも、会社の外にあるユニオンでも大丈夫です。

労働組合は労働者の地位を守るスペシャリストでノウハウも集積しています。相談後に加入すれば、団体交渉を依頼できる組合もあります。

法律上、会社は団体交渉に誠実に応じる義務があります(労働組合法7条2項)。

不当解雇についてダイレクトに交渉をしてもらえるので、復職や解決金の請求によって解決する可能性がある点がメリットです。

ただ①全ての労働組合・ユニオンが団体交渉をしているわけではなく、②労働組合によっては組合費や着手金がかかる、という点には注意が必要です。

また、会社が要求を突っぱねた場合、それ以外に何もできなくなってしまう点も難しいポイントです。

こうなってしまうと、結局は弁護士を依頼して労働審判や民事訴訟を起こし、法的に強制する必要がでてきます。

労働基準監督署の相談窓口

労働基準監督署(労基署)とは、労働に関する法律を会社が遵守しているかを申告や臨検監督でチェックし、指導票や是正勧告書の交付によって、働く人の権利を守る公的機関です。

参考:全国の労働基準監督署の所在地

労基署はあくまで法律違反がないかをチェックする役割を担っています。

解雇について手続き的な違反があった場合には、会社に対してヒアリングをしたり、場合によっては是正勧告書を交付したりします。

公的機関から連絡がくれば会社へは相当なプレッシャーになります。自主的に是正してもらえる場合もあるでしょう。

ただし、労基署は「解雇の有効性」など法的な評価が必要な判断はおこないません。明確な法律違反に対してのみ動く機関です。そのため表面的な手続きに問題がない解雇については、労働組合や弁護士に相談するよう指導されるだけの場合も多いです。

また、ヒアリングに対する会社の回答を確認し、これ以上は労働組合や弁護士の領域だからと労基署がそれ以上追及しないこともあります。

その際、会社側が「労基署にも正しいとお墨付きをもらった」と勘違いし、その後の交渉で必要以上に強気になるリスクもあります。

そのため無料相談後、会社に連絡をしてもらうかどうかは慎重に考えましょう。

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労働委員会の無料相談窓口

労働委員会とは、労働関係のトラブル解決のために、各都道府県に設置された行政機関です。

不当解雇について相談を受け付けていることはもちろん、あっせん員が間に入って当事者間での自主的解決を支援するあっせん制度を利用することができます。

迅速な解決を目指すことができますが、あっせんへ会社の出席を強制できないなどの特徴もあります。費用もかかるため、まずは不当解雇について相談し、あっせんについても聞いてみましょう。

都道府県労働局の無料相談窓口

各都道府県に設置された労働局でも不当解雇について相談できる窓口が用意されています。

たとえば東京労働局では、午前9時から午後5時まで対応してくれ、下記番号で電話相談窓口もあります。

総合労働相談0120-601-556
東京労働局相談コーナー03-3512-1608

ただ、労働局も会社と交渉などはしないため、解決への実効性は薄いです。

ハローワークの相談窓口

不当解雇された場合、失業保険や離職票についてはハローワークが最適な相談窓口です。会社と解雇について争うにせよ、退職するにせよ、①ご自分の雇用保険加入状況と②今後の手続きについて確認しておくべきでしょう。

電話相談窓口もありますので、「全国ハローワークの所在案内」ページからお近くのハローワーク情報をチェックしましょう。

総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーは、都道府県の労働局や全国の労働基準監督署など379か所に設置されている厚生労働省管轄の相談窓口です。

①対面のみならず電話相談もできる、②不当解雇だけでなく全労働問題の無料相談ができる、③国・自治体運営で安心できる、とても便利な相談先です。

学生や就活生、外国人労働者などからの相談にも無料で答えてくれます。

また、もし法律違反の疑いがある場合には労働基準監督署など行政指導の権限を持つ担当部署に取り次いでくれますので、スムーズな相談ができます。

場所や連絡先は、総合労働相談コーナーの公式ページの最下部に都道府県ごとにまとめられています。

公的機関なので安心感はありますが、会社と交渉等はせず、アドバイスや最適な相談機関の紹介が主になりますので、実際の解決からは少し遠いという特徴があります。

不当解雇の相談窓口に連絡するまえにすべきこと

①解雇に同意やサインをせず「就労意思」を書面で伝えておく

もし解雇を争う場合は、解雇に納得しておらず、引き続き働きたい意思があることが重要です。

解雇に同意をすると、仮に違法で無効な解雇であっても、退職の意思があるとして団体交渉や労働審判で不利になる可能性があります。

解雇と言われた瞬間、癖で「わかりました」と言ってしまうケースが非常に多いですが、会社から同意したと主張されるリスクがあるため避けましょう。

「会社の言い分については理解しました」などの言い回しですと誤解が少なくおすすめです。

また言われるがまま「退職届」にサインをさせられ、知らず知らずのうちに解雇ではなく「自分で辞めた」ことになってしまう場合もあります。

もし不当解雇を争う可能性があれば、同意もサインもせず、かつメールやLINEなど形に残る方法で「解雇に納得いっておらず、引き続き働きたいと思っている」と伝えて証拠化しておきましょう。

②解雇通知書・解雇理由証明書を得ておく

解雇と告げられたにも関わらず、紛争になった途端に「うちは解雇していない」「自分で辞めたいと告げてきた」などと会社が主張することがあります。

そのため、解雇の証拠として解雇通知書が交付されたらしっかりと保管しておきましょう。

また、解雇理由が分からなければ違法か否かを判断することができません。必ず解雇理由証明書を請求し、解雇理由を明らかにしておきましょう。

解雇理由証明書を請求した場合、会社から必ず交付してもらえる権利があります(労働基準法22条1項・2項)。

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③就業規則を確認する

就業規則には、解雇できる場合が通常定められています。

解雇の根拠としてチェックする必要もありますので、可能な限り確認しておきましょう。

④録音やメールのやりとりなどをまとめる

もし解雇を団体交渉や訴訟で争う場合、証拠が非常に重要になります。

解雇を言い渡されたか否か、解雇を認めたか否か、解雇の理由は正しいか、といったことを明確にするためにも、集められるものはしっかりと証拠化しておきましょう。

特に弁護士は証拠があるか否かによって依頼を受けてくれるか否か変わる可能性があります。

上記の解雇理由証明書も含め、以下のような証拠をあるだけまとめておきましょう。

集めておくべき証拠

  • 労働契約の内容
    雇用契約書、労働者派遣契約書など
  • 労働条件
    雇用契約書、就業規則のコピーなど
  • 実際の労働状況・賃金支払い状況
    給与明細書、勤怠時間がわかるデータなど
  • 解雇状況・解雇理由
    解雇予告通知書、解雇理由証明書、離職票など

不当解雇紛争の解決方法は大きく2つ

不当解雇を通知された際に考えられる解決の着地点は、①会社に戻るか、あるいは②退職するかの2つに分けられます。相談窓口に連絡すると「どうしたいのか」を聞かれます。

仮決めでも大丈夫ですので、どの解決を目指すのか考えてみましょう。

解決方法①:解決日までの給与を支払ってもらったうえで会社に戻る

不当解雇の無効を主張したり、相手に撤回させたりして、会社に戻るという選択肢です。これまで通りの条件で働き続けられ、安定した生活が戻ってくるメリットがあります。

また不当な解雇だと判定された場合には、解決日までの給与を支払ってもらえます(バックペイ)。

ただ会社に戻っても、気まずく働きにくい場合が多い点がリスクです。

解決方法②:解決金をもらって退職して転職をする

一方、和解などにより解決金を得て退職するという選択肢もあります。一度労働紛争となってしまい、会社も従業員も、元の関係に戻れない場合に有効な手段です。

もちろん前提として解雇にも退職に同意せず、就労の意思があることは必要ですが、互いに次のステップに進む建設的な手段として広く採用されています。

転職活動を考慮し、解雇ではなく会社都合の退職として合意する場合も多いですが、事情によって最適な合意内容は変わりますので、相談窓口で詳細に聞いてみましょう。

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不当解雇を相談した後の流れは?

不当解雇の相談の流れ

それでは上記の相談窓口に、実際に不当解雇を相談するときの流れを見てみましょう。

通常、不当解雇の相談は以下の順に検討します。

不当解雇の相談の流れ

  1. 会社側が本当に解雇したのか・どのような解雇をしたのかを確認する
  2. 解雇理由を確認する
  3. 会社の主張する解雇理由を検討する
  4. 希望にそった対処法を検討する

まず、本当に「解雇」されたのかを確認します。解雇されたと思っていても、実際は退職勧奨に応えて自主的に退職した形にされていることもあります。

用意した会社とのやりとり証拠などを見せながら、解雇事案なのかを聞きましょう。

次に、当該解雇が普通解雇・整理解雇・懲戒解雇などのうち、どれにあたるのか確認します。解雇の種類によって、法律上認められる場合・要件が異なります。

それを踏まえ、会社が主張する解雇理由の正当性を検討します。

①会社主張の事実が実在するか否か、②仮に実在する場合、当該理由は法律上解雇の要件を満たすかを判断していきます。

中核的な部分になりますので、証拠がある場合は示しながら質問していきましょう。

このように相談者の現状がわかれば、解決金や復職といった希望する解決方法が可能か、そのために相談先がどんな手伝いをできるかを教えてくれることでしょう。

不当解雇の相談後の流れ|慰謝料請求~復職まで

不当解雇について相談をした後は下記の流れで解決を目指し進みます。

不当解雇の相談後の流れ

  1. 会社と交渉
  2. 労働審判
  3. 裁判

内容証明で証拠を残しながら交渉

まずは、内容証明郵便を送って、解雇に「異議」があることと、引き続き「就労の意思」があることを通知しましょう。

内容証明郵便を使って、証拠を残すことが大切です。そのまま会社と交渉し、解雇無効にして慰謝料を請求、獲得できればベストです。

弁護士やユニオンに依頼していれば、交渉を任せることもできます。

不当解雇の慰謝料や解決金の獲得のためには、適切なタイミングで「異議」と「就労の意思」を通知しておくことが大切です。

時間が過ぎた後に通知しても、法的には効力がない場合もあるのでご注意ください。復職の迷いがある場合は、まず内容証明郵便を使って通知することをおすすめします。

労働審判の申し立てから調停成立まで

次に、手続き外の交渉が決裂した場合は、労働審判を申し立てて、解決を求めることができます。

労働審判の場合は、両者の間に公的な機関が入るため、比較的スムーズな解決が期待できます。弁護士に依頼すれば、費用はかかりますが、安心して紛争の解決を任せることができます。

労働審判の特徴は、裁判に比べて審理がスピーディーな点です。

不当解雇トラブルが発生し、労働審判を申し立てた後は、裁判所で期日における審理が開かれ、最終的に、調停が成立するか・審判が下されることになります。

審判に異議が申し立てられた場合は、そのまま裁判に移行します。

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裁判に訴える場合の期間・費用・勝率

交渉決裂や、審判に不服がある場合、民事裁判で争うことになります。

民事裁判は、不当解雇の場合は、従業員としての地位の確認と不当解雇後の賃金を請求するのが一般的です。

裁判の場合は、もし勝訴すれば、判決が確定するまでの賃金を請求することができるので、手段の中では最も強力です。

もっとも、不当解雇を民事裁判で解決するに当たっては、①お金がかかる(着手金数十万円〜と高額な弁護士費用など)、②時間がかかる(解決までの期間は、早くて半年の、長くて数年)、③全面敗訴する可能性があるというデメリットがあります。

裁判の勝率は、証拠の有無によって大きく変わります。

不当解雇の弁護士費用・成功報酬と活用メリット

最後に、気になる「弁護士の費用」です。

弁護士と聞くと「費用が高そう」、「相談の段階でお金がかかりそう」とハードルが高いイメージがありますが、中には気軽に相談できる弁護士もいます。

弁護士費用や、弁護士に不当解雇の相談をする大きなメリットをご紹介していきます。

知っておけば安心、無料相談後の話

最近は、不当解雇の無料相談を受け付けている弁護士も多いです。

無料相談であれば、初期費用がかからないので安心です。無料相談の方法も、「電話で無料相談ができる」「LINEで無料相談ができる」「土日夜間も対応している」など多様な選択肢があるので、いろいろと調べてみてください。

不当解雇の無料相談では、相談時に雇用契約書のコピーや就活時に見た応募ページのコピーなどを用意すればスムーズです。

とくに、①契約日・入社日、②給料体系・実際の支払い、③雇用期間、④解雇言い渡し日、⑤解雇までの流れなど、契約内容やトラブルの詳細が重要になってきます。

とはいえ、わからないときはまずは電話をして聞いてしまいましょう。

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成功報酬制で初期費用ゼロも!

不当解雇の慰謝料や解決金の獲得には、成功報酬で対応している弁護士もいます。

その場合、初期費用として着手金などの弁護士費用はかかりません。

不当解雇の慰謝料や解決金を獲得できた場合に限り、その何割かを報酬として支払うことになります。初期費用を払わずに済むので、リスクが少ないです。

裁判には弁護士が必要?メリットは?

裁判には必ずしも弁護士が必要というわけではありません。弁護士を付けずに、自分で裁判を起こすことも可能です。

弁護士を付けないで自分で進める裁判を「本人訴訟」と言います。本人訴訟の場合は、手間がかかりますが、弁護士費用を払わなくて済むので、その分コストを下げることができます。

弁護士を付けた場合のメリットは、面倒な手続きをすべて任せることができ、仮処分や強制執行など多様な戦略を取ることができる点です。

素人でも本人訴訟を起こすことはできますが、仮処分や強制執行は困難です。労働紛争に慣れた弁護士であれば、専門家ならではの攻め方が期待できます。

不当解雇で裁判を起こす場合の流れを詳しく知りたい方は『不当解雇で会社を訴える!裁判の流れと費用を解説』の記事をご覧ください。

不当解雇にあったらまずは相談窓口へ!

以上、不当解雇の相談窓口についてお伝えしました。

専門家に相談すれば、まずは真っ白になった頭を整え、すべきことをクリアにできます。

また、法的な知識がないと、解雇への同意など、致命的な対応をとってしまうリスクもあります。まずは電話相談も含め、ご紹介した相談窓口に連絡してみてください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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