労働問題の無料相談窓口7選!専門家のサポートを受けたい方へ

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労働問題

「労働問題はどこに相談すればいい?」
「無料で労働トラブルを相談したい」

この記事では、労働問題のお悩みを抱えている方に向けて、労働問題を無料で相談できる窓口をご紹介します。

「賃金未払い」「解雇」「ハラスメント」「雇用問題」など、労働問題の悩みは人それぞれであり、一人で悩んでいても解決が難しいことが多いです。

そのようなときには無料相談できる窓口に相談し、労働問題の専門家に解決のためのアドバイスをもらいましょう。

労働問題の無料相談ができる窓口7選!

労働問題の無料相談ができる窓口は以下の通りです。

労働問題の無料相談窓口7選

  • 弁護士|法律上の判断や法的なアドバイスが欲しいとお考えの方
  • 労働基準監督署|労働基準法違反に関する相談をしたい方
  • 総合労働相談コーナー|労働問題をどの機関に相談してよいかわからない方
  • 法テラス|相談に応じた適切な窓口を知りたい方
  • 労働条件相談ほっとライン|労働問題のアドバイスが欲しい方
  • 労働組合|労働者の権利を会社に交渉したい方
  • 社会保険労務士(社労士)|労働災害の届け出や社会保険に関して相談したい方

(1)弁護士

弁護士は法律の専門家です。法律上の判断や法的なアドバイスが欲しいとお考えの方は弁護士相談が有効です。

弁護士は、会社と労働者の交渉を行うことができるほか、交渉で話がまとまらない場合には、労働審判や裁判などの法的手続きを任せることが可能です。

弁護士事務所のなかには初回の相談を無料/一部無料としているところがあります。弁護士事務所の多くは事前予約が必要なので、予約してから相談しましょう。

具体的に相談できる分野は以下の通りです。

  • 未払い残業代
  • 未払い賃金
  • 不当解雇
  • 退職勧奨
  • ハラスメント
  • 労働条件の不利益変更
  • 損害賠償請求
  • 労働災害の慰謝料請求 など
料金無料または1時間5,000円~1万円程度
Webサイト「労働問題 弁護士事務所」などで検索

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(2)労働基準監督署

労働基準監督署は、労働基準法違反があった場合に会社への是正・監督を行う機関です。

平日8時30分から17時15分まで、無料の電話相談および面談相談を受け付けています。

労働基準法に違反していることが判明している場合には、労働基準監督署に相談することが有効です。

一方、会社と労働者個人の交渉を行う機関ではないため、ご自身の抱える全ての問題が解決できるわけではないことに注意が必要です。

具体的に相談できる分野は以下の通りです。

  • 未払い残業代
  • 未払い賃金
  • 労災保険の申請手続き
  • 36協定違反
  • 解雇予告手当の不支給 など

一方、労働基準監督署では「上司からの行為がハラスメントに該当するかどうか」や「自身の受けた解雇の有効性」などの法的な評価が必要な判断はおこなわれません。

あくまで、明確な法律違反があったときに相談する機関だと認識しておきましょう。

労働基準監督署に相談できる内容について詳しく知りたい方は『労働基準監督署に相談できる内容とは?メリット・デメリットから徹底解説』の記事をご覧ください。

料金無料
所在案内全国労働基準監督署の所在案内

(3)総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーでは、無料・予約不要で、あらゆる労働問題の相談を受け付けています。

労働基準法違反の疑いがある場合、行政指導等の権限を持つ担当部署に取り次ぐことになり、会社に対し行政が是正を促すことになります。

また、その他の紛争解決機関の情報も提供されます。

具体的な解決は、他の機関を通して行われるため、ご自身の労働問題をどの機関に相談してよいかわからない、という方におすすめです。

具体的に相談できる分野は以下の通りです。

  • 解雇
  • 雇い止め
  • 配置転換
  • 雇用トラブル
  • 減給
  • いじめ・嫌がらせ
  • セクハラ・パワハラ
  • 性的指向・性自認 など
料金無料
所在案内総合労働相談コーナーのご案内

(4)法テラス

法テラスでは、無料電話・メール相談を受け付けています。

法テラスは、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所で、アドバイスを始め、最適な窓口の紹介もしてくれます。

ただし、法テラスは経済的に余裕のない人のために無料法律相談を行っているため、収入要件に該当しないと無料法律相談は利用できません。資力要件があることに注意が必要です。

具体的に相談できる分野は以下の通りです。

  • パワハラ・セクハラ
  • 未払い残業代
  • 不当解雇
  • 有給休暇
  • 就業規則
  • 育児・介護休業
  • 労働災害 など
電話番号0570-078374(法テラス・サポートダイヤル)
受付時間平日 9時~21時、土曜 9時~17時
料金無料

参考:法テラス

(5)労働条件相談ほっとライン

労働条件相談ほっとラインは、平日夜間・土日に、無料で相談できる電話相談窓口です。

お仕事が忙しく、なかなか平日・平日昼には相談する時間がない方におすすめです。

労働条件相談ほっとラインに相談すれば、悩みや不安、疑問を減らすアドバイスをもらえる可能性があります。

具体的に相談できる分野は以下の通りです。

  • 違法な時間外労働
  • サービス残業
  • 賃金未払い など
電話番号0120-811-610
受付時間平日17時~22時 土・日・祝日:9時~21時
料金無料

参考:労働条件相談ほっとライン

(6)労働組合

労働組合は、簡単にいうと、「労働者の権利を守る組織」です。

労働者の抱えるさまざまな問題の改善を、労働組合が会社側に求めて交渉し、労働者の権利を守るために活動を行います。

労働組合は労働組合法という法律によって個人よりも交渉力が強固にされているうえ、人員の数の利を活かせることも多いです。

もっとも、そもそも労働組合に加入していない、もしくは加入していても相談が物理的心理的にしづらい関係にあるような場合も少なくありません。

具体的に相談できる分野は以下の通りです。

  • 賃金
  • 人事評価制度
  • 労働時間
  • 休暇
  • ハラスメント
  • 解雇
  • 未払い残業代 など
料金無料または有料
Webサイト「労働問題 労働組合」などで検索

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(7)社会保険労務士(社労士)

社会保険労務士(社労士)は、主に労働法規、社会保険制度に関する専門的な知識を持ち、労働災害の届け出や社会保険手続きに関するサポートを行う専門家です。

また、正確な給与計算や年末調整を行い、適正な給与支払いをサポートしています。

具体的に相談できる分野は以下の通りです。

  • 労災申請の届け出
  • 健康保険証の紛失
  • 給与の支払い など
料金無料または1時間5,000円~1万円程度
Webサイト「労働問題 社労士事務所」などで検索

労働問題の無料相談は弁護士・社労士のどちらがおすすめ?

上記で7つの相談窓口をご紹介しましたが、なかでも弁護士と社労士は、どちらも労働問題を専門的に扱うことがある士業です。

しかし、弁護士と社労士の役割は明確な違いがあります。労働の無料相談は弁護士にすることがおすすめです

労働問題で会社と交渉したり、裁判所に提訴したりするなど、あなたに代わって法的な手続きを進めることができるのは弁護士だけです。

社労士に相談すれば、一般的なアドバイスや、あっせん(当事者間の話し合いによる紛争解決手続き)を行ってくれるケースもあります。

ただし、あっせんが不成立となると、社労士はその後の法的手続きに移行できません。

不当解雇や職場のいじめなどの問題は、当事者間の話し合いで解決できないこともあり、法的な判断が求められるケースも多いです。

交渉や訴訟などが必要となりそうな労働問題は、あらかじめ弁護士に相談しておくと安心でしょう。

労働問題を相談する手段

労働問題でお困りの場合、主に「電話」「メール」「対面」の3つの手段で相談することができます。

それぞれの特徴とメリット・デメリットを理解したうえで、自分に合った方法を選びましょう。

電話相談

電話相談は、迅速に専門家と直接話すことができます。できるだけ早くアドバイスをもらいたい方は電話相談がおすすめです。

しかし、音声でのやり取りのため、アドバイスの内容を失念してしまうおそれがあります。また、会話の流れの中で、質問したかったことを質問できずに終わってしまうことも考えられます。

大事な部分はメモを取りながら話をすると、あとから内容を確認できるため安心でしょう。

メール相談

メール相談は基本的には24時間受付であり、いつでも相談内容を送信をすることができます。

またメールは、文章でやり取りするため、自分のペースで相談内容を整理して伝えることができます。

記録が残るため、後で確認しやすいのも特徴です。

しかし、双方の返信に時間がかかることでスムーズに相談が進まなかったり、対応の優先度が下がったりするおそれがあります。

急ぎの相談や必ず対応してほしい重大な事案などは、電話または直接訪問しての相談が適切かもしれません。

メールで相談できる窓口をお探しの方は『労働相談はメールで可能!無料で相談可能な窓口6選!』の記事をご覧ください。

対面相談

対面相談は、直接専門家と会って相談するため、信頼関係を築きやすいです。

証拠を提示しながら、より深い問題まで踏み込んだアドバイスを受けやすいのが特徴です。

しかし、対面相談は予約が必要なケースが多く、すぐに相談できない場合もあります。相談したい窓口があっても、距離が遠いこともあるでしょう。

無料相談前は質問事項を準備しておくと安心

相談先と相談の手段が決まったら、実際に相談する際のポイントを確認しておきましょう。

質問事項を準備しておく

無料相談を行う際には、事前に質問事項を準備しておくと安心でしょう。

無料相談は時間制限が設けられていることもあり、抱えている労働問題の内容を説明するだけで時間が経ってしまうことが考えられます。

事前に質問事項を準備しておけば、聞きたかった質問を聞き逃すことを防ぐことができるでしょう

また、質問事項を準備する際、法律相談の目的を明確にすることが大事です。

たとえば、解雇された場合にはお金がほしい(不当な解雇がなければ得られた賃金・慰謝料)のか、会社に残りたいのかなど、ご自身の望む最終的な解決方法を明確にすることで、適切なアドバイスを受けることができます。

準備する物の具体例

電子メールや書面など、ご自身の法律問題に関連する資料がある場合には、準備しておきましょう。

たとえば、未払い賃金を請求したい場合、勤怠がわかるものや給与明細があれば準備するなど、ご自身の記憶を裏付ける資料があれば準備しておくと有効です。

また、会社の労働者に対する違法な処分の類型は、会社と労働者の契約が違法であるか、会社と従業員の契約に反して違法な処分がなされることが多いです。

そのため、会社と労働者の重要な契約が書かれている就業規則を準備しておくことが有効です。

労働相談したことは会社にバレない?

労働相談をするにあたって、会社にバレることを心配する方は多いです。

ここでは、相談窓口に労働相談をした際に会社にバレることはあるのか解説していきます。

相談を受ける機関は守秘義務を負っている

相談を受ける機関は、守秘義務を負っています。そのため、労働者が相談した内容だけでなく、相談をしたかどうかについても、外部に漏れることはありません

したがって、会社にバレることを過度に心配する必要はないでしょう。

ただし、「労働基準監督署に相談した」「今日弁護士に相談しに行く」などと職場の同僚に話したり、SNSでメッセージを送ったりすると、そこからバレてしまう可能性はゼロではありません。

また、相談したことがバレたくない方は、社内での電話・メールを開くといった行為も避けるべきでしょう。

不安な場合は匿名相談を活用

ご紹介した無料相談窓口の中でも、「労働条件ほっとライン」は、匿名相談が可能です。

どうしても不安で匿名相談をしたい方は、「労働条件ほっとライン」の利用をおすすめします。

ただし、匿名相談の場合は、労働問題を詳しく説明することが難しいため、より具体的なアドバイスをもらいにくくなるおそれがあるので注意しましょう。

まとめ

労働問題を抱えたまま働くことは、メンタルヘルスなどの健康上の問題を発生させかねません。

困ったときはご紹介した窓口に相談し、専門家の指示を仰ぎアドバイスをもらいましょう。

万が一、相談した窓口で適切な回答が得られない場合には、複数の窓口にセカンドオピニオンすることも有効です。

ぜひ無料の相談窓口を活用して、労働問題の解決に役立ててください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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