労働相談はメールで可能!無料で相談可能な窓口6選!
「会社が給料・残業代を支払ってくれない」
「仕事で電話する時間がないからメールで相談したい」
給料・残業代未払いや不当解雇、ハラスメントなどの労働問題でお困りごとを抱えている方は多いです。
実は、このような問題やお悩みは公的機関の相談窓口や、労働問題に強い弁護士などに相談することができます。
しかし、対面での相談が中心であったり、電話相談の時間が限られていたりして、相談が難しいとお悩みではないでしょうか。
この記事では、労働相談をメールで受け付けている相談窓口をご紹介します。専門家の助けを借りながら、労働問題を解決しましょう。
目次
メールで労働相談が可能な相談窓口
労働相談はメールで行うことが可能ですが、相談窓口によって対処できる労働問題が異なるため、自分に合った相談窓口を選びましょう。
メールで労働相談が可能な相談窓口は、以下のとおりです。
メール相談が可能な相談窓口
- 法テラス
- 全労連
- みんなの人権110番
- こころの耳
- ハラスメント悩み相談室
- 弁護士事務所
悩みの内容に応じてご利用が可能です。
相談機関 | 悩みの内容 | メール相談窓口 |
---|---|---|
法テラス | 適切な相談先や法律・制度が知りたい | メールでのお問合せ |
全労連 | 労働問題全般・労働組合に加入したい | 労働相談メールフォーム |
みんなの人権110番(法務省) | 人権問題(差別・ハラスメントなど) | インターネット人権相談受付窓口 |
こころの耳(厚生労働省) | メンタルヘルス全般 | 働く人の「こころの耳メール相談」 |
ハラスメント悩み相談室(厚生労働省) | カスタマー・就活ハラスメント | メール相談窓口 |
弁護士事務所 | 法的紛争にかかわる労働問題全般 | 各事務所のホームページ参照 |
※弁護士事務所によって、対応できる労働問題が限られている場合があります
初歩的な相談なら「法テラス」
法テラス(日本司法支援センター)では、労働問題に関する初歩的な相談をメールにて受け付けています。
「法テラス」とは、国によって設立された公的機関であり、法的トラブルを誰でも相談することが可能です。
法テラスでは労働相談が可能なことはもちろんながら、その他さまざまな法律問題に関することを相談できます。
ただし、法テラスのメール相談窓口で相談できることは、「お困りの内容に関する法律や制度のご紹介」「お客様に適切な相談窓口のご案内」の2点です。
具体的な労働相談を行うことはできないので注意しましょう。
したがって、法テラスのメール相談窓口は「法律相談をどこにすればよいのかわからない方」「問題解決へ向けて最初の一歩を踏み出したい」といった方に向いているサービスです。
参考:メールでのお問合せ
労働団体に相談できる「全労連」
全労連が設置している「労働相談ホットライン」では、電話での相談の他、メールでの労働相談を受け付けています。
「全労連」とは、日本全国の労働組合をまとめる役割を担う団体であり、労働者の不利益を減らすための活動を行っています。
労働相談ホットラインでは、ハラスメント問題や雇用契約に関するトラブルなどを幅広く受け付けています。
「会社でハラスメントを受けている」「給与が未払いで困っている」といった問題に対する、具体的な解決案を知りたい方へおすすめの相談窓口です。
また、相談は秘密厳守で行うことが可能であるため、相談したことが会社にバレる心配もありません。
ただし、問題の具体的な解決にあたっては労働組合への加入が必要とされる場合があるので、よく検討の上ご利用ください。
参考:労働相談メールフォーム
人権問題に関する相談は「みんなの人権110番」
法務省が設置している「みんなの人権110番」では、人権問題に関するメール相談を行うことが可能です。
「みんなの人権110番」では、会社でのハラスメント問題や差別的な扱いに対する相談を受け付けています。
相談に対しては、法務局職員または人権擁護委員といった、労働問題に関するプロの方が対応してくれるため、「より具体的に問題解決へ進みたい」という方におすすめです。また、外国籍の方でも相談可能です。
相談にあたっては秘密厳守で進めてくれるため、会社にバレることを心配する必要もありません。
メンタルに関する相談は「こころの耳」
厚生労働省の設置する「こころの耳」では、メンタルヘルスに関する相談をメールで行うことが可能です。
こころの耳では、セクハラ・パワハラなどのハラスメント問題に対する相談から、会社でのストレスに対する悩みなど、メンタルヘルス全般に関する相談を受け付けています。
さらに、相談はメールの他「LINE」で相談することも可能です。「会社のストレスが原因で長文を打つ気力が無い方」「今すぐ相談を行いたい方」などにおすすめの相談窓口です。
ハラスメントの相談は「ハラスメント悩み相談室」
厚生労働省が設置している相談窓口「ハラスメント悩み相談室」では、カスタマーハラスメント・就活ハラスメント問題に特化した相談をメールで受け付けています。
メールでの相談は原則メールでの回答となっており、「電話で回答が来るのが嫌だ」という方でも安心して相談することが可能です。
参考:メール相談窓口
法的な手続きにスムーズに移行できる「弁護士事務所」
弁護士事務所は、依頼すると費用が掛かる場合がある反面、会社と代理交渉をすることが可能なため、問題の実効的な解決を目指す相談先としては非常に有効です。
また、会社との交渉で話し合いがまとまらない場合には、労働審判や訴訟などの法的な手続きにスムーズに移行することができます。
相談料金が発生する事務所もありますが、無料相談を受け付けている事務所もあります。メールでの問い合わせを受け付けているところも多いのでぜひ探してみてください。
代理交渉が可能な弁護士を選ぶ際に、自分と相性の良い弁護士を選任することは非常に重要です。
複数の相談先の意見を聞いてみるには、メール相談は使い勝手が良い手段になるでしょう。ただし、メールで弁護士から直接返信もらえない可能性もあるので注意してください。
労働基準監督署はメールで相談できる?
労働問題の相談先として、労働基準監督署が思い浮かぶ方は多いでしょう。
労働基準監督署にメール相談することはできます。しかし、メールで相談しても回答が返ってくることはなく、あくまで情報提供といった形になります。
労働基準監督署への情報提供は、「労働基準関係情報メール窓口」から行うことができます。
情報提供した結果、労働基準法違反の疑いがあると判断されれば、調査が入り、会社に是正・指導が行われることはあるでしょう。
しかし、労働基準監督署には、多くの労働者からのトラブルが日々寄せられています。
緊急性が高い労働者は電話や対面で相談するため、メールで情報提供をしても、対応の優先度は低くなってしまう可能性が高いです。
そのため、緊急性が高いものは、電話や対面で相談したほうが効果的です。
労働基準監督署への相談・通報で会社にバレることを心配している方は、『労働基準監督署に通報!その後はどうなる?会社にバレる?』の記事もご覧ください。
メールで労働相談をするメリット
対面や電話ではなく、メールで労働相談することについては、以下のメリットがあります。
メールで労働相談を行うメリット
- 日中に時間を割く必要が無い
- 個人情報がより強く保護される
- 必要な書類などを添付できる
- 冷静に相談することができ、適切なアドバイスが得られる
メールであれば基本的には24時間受付であり、いつでも相談事項を送信をすることができます。
さらに顔や電話番号を知られることに抵抗がある方でも、適当な連絡先メールアドレスを作るだけで相談可能です。
そのため、勤め先からの特定を恐れている方にとっても、メール相談が向いていると言えます。
また相談が進んでくるにつれて、相談先から解雇理由証明書などの書類を求められる場合もありますが、メールを利用すればデータの添付も簡単です。
さらに相談事項を文面でまとめることにより、冷静に・過不足なく情報を記載することができ、結果的にスムーズに相談を進めていくことができます。
メールで労働相談をするデメリット
メールで労働相談することのデメリットも認識しておきましょう。
メールで労働相談を行うデメリット
- いつ返信がくるのか、そもそも返信がくるかわからない
- 手軽な反面、数も多く質の悪い相談も増えるため、後回しにされるなど優先度が低い
- 相談内容が不十分であった場合に、内容の確認に時間がかかる
メール相談は電話や対面での相談よりも、対応の優先度が下がる場合があることはデメリットとして挙げられます。
結果として相談先からの返信に時間がかかったり、具体的な対応も行われないリスクはあります。
急ぎの相談や必ず対応してほしい重大な事案などは、電話または直接訪問しての相談の方が適切かもしれません。
電話での労働相談を受け付けている窓口を知りたい方は『労働相談ができる相談窓口は?無料・24時間受付の窓口も!』の記事もご覧ください。
メール相談の際の注意点
営利団体の相談窓口には要注意!
上でご紹介しました労働相談窓口のほか、実にさまざまな団体や公的機関が労働相談の窓口を開設しています。
労働相談の窓口が増えることは、働く側からするとありがたいと感じるかもしれませんが、中には利用を控えたほうが良い相談窓口も存在するため注意が必要です。
たとえば「◯◯労働相談センター」「◯◯労働問題解決窓口」など、一見して公的機関の相談窓口に見受けられるような名前ながら、実際はコンサルティング企業などの営利団体であることがあります。
また、労働問題の解決をうたう労働団体の中には、過激な活動を行う反社会勢力とつながりのある団体もわずかながら存在します。
上記のような相談窓口を利用した場合、会社とのトラブルを解決するどころか、問題を複雑化させてしまう可能性もありますから、利用は控えたほうが賢明でしょう。
労働相談は、公的機関もしくは労働問題に詳しい弁護士事務所をおすすめします。
メール相談の注意書きやルールを守る
- 相談の際の注意書きやルールは守る
- 相談内容を具体的かつ詳細に記載する
- できるだけ分かりやすく書く
- 質問事項や要望ははっきりと記載する
- 証拠があれば添付する、もしく伝えておく
メール相談の注意書きやルールを守るということは必須です。メールをする前によく確認しておきましょう。
ルールが守れていなかった場合、効果的な相談ができないばかりか、相談の取り扱いをしてもらえないこともあります。
また、言いたいことが沢山あると、文面も長文になりがちです。時系列を整理し、主張のまとまった文面を作成しましょう。
労働契約書や就業規則といった書面、面談の録音データなど証拠がある場合はその旨も伝えておきましょう。労働相談では証拠の有無は非常に重要です。
また、他の相談機関にも相談している場合にはそのことも伝えておいた方がスムーズです。
まとめ
労働に関するトラブルは、ご紹介した相談窓口を利用することで、メールで解決することが可能です。
ただし、公的機関から労働組合まで、さまざまな相談窓口が提供されているので、自分に合った相談先を選ぶことが重要です。
また、中には利用を控えた方が良い相談窓口もあるので注意しましょう。労働問題の相談は、公的機関もしくは労務に詳しい弁護士事務所に相談することをおすすめします。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了