遺言執行者を税理士に依頼できる?メリットは?費用はいくらかかる?

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遺言執行者を選任

遺言執行者は、税理士などの専門家にも依頼できます。相続人に代わって手続きを進めてもらえるうえ、税理士なら相続税申告までまとめて任せられる点が大きなメリットです。

費用は、遺言執行者としての報酬と相続税申告の報酬を合わせて、遺産総額のおおむね1.5〜4%程度が目安になります。

この記事では、遺言執行者の役割や選任方法から、税理士に依頼するメリットや費用の目安、弁護士・司法書士・行政書士に依頼する場合の費用や向いているケース、依頼する際の注意点までわかりやすく解説します。

※本記事の情報は2026年時点の税制をもとに作成しています。税法は改正される場合があるため、実際の申告にあたっては税理士などの専門家にご相談ください。

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遺言執行者とは?

遺言執行者の概要

遺言執行者とは、遺言者(遺言を残した人)が死亡した後に、その遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人のことです。

具体的には、遺産の管理、遺言に従った財産の分配などの業務を行います。

遺言執行者を選任するメリット

遺言執行者を選任するメリットは、遺言内容を適正かつ迅速に実現できることです。

遺言執行者がいない場合、相続人全員の合意で手続きを進める必要があり、利害が対立する内容の遺言だと実現までに時間がかかることがあります。

遺言執行者になれる人、なれない人

「未成年者」と「破産者」以外であれば、誰でも遺言執行者になることができます。特別な資格などは不要です。

遺言で、信頼できる人物を自由に指定でき、実際に財産を受け取る相続人や受遺者を指定することも可能です。

遺言執行者を指定する方法

遺言執行者を指定・選任する方法には、「遺言での指定」と「家庭裁判所の選任」の2つがあります。

①遺言での指定

遺言で、1人または数人の遺言執行者を指定できます。

また、「遺言執行者の指定」を第三者に委託することも可能です。この場合は、「遺言執行者は長男の〇〇〇〇が指定する」という条項を遺言書に記載しておきます。

なお、遺言書は法律で定められた方式に従って作成する必要があり、万が一形式に不備があると無効になってしまうおそれがあります。

公正証書遺言は公証人が作成するため、形式の不備によるリスクを最小限に抑えられます。さらに、原本は公証役場で安全に保管されるため、紛失や改ざんのリスクもありません。

関連記事

遺言書がある場合の相続税|相続税申告や一人に相続させる場合の注意点も解説

②家庭裁判所の選任

遺言執行者が指定されていないとき、または指定された遺言執行者が死亡・辞任などでいなくなったときは、利害関係人(相続人・受遺者・相続債権者等、遺言の執行に法律上の利害関係を有する人)の請求により、家庭裁判所が遺言執行者を選任します。

なお、この場合の人選は家庭裁判所が行うため、利害関係人は候補者を提案できても、最終的な決定権は家庭裁判所にあります。

そのため、遺言の内容をより確実かつ円滑に実現するには、遺言者自身が遺言書で遺言執行者を指定しておくのがおすすめです。

遺言執行者を税理士に依頼するメリット

専門家に遺言執行者を依頼すると、中立な立場で手続きを進めてもらえる、煩雑な相続手続きを代わりにやってもらえるというメリットがあります。

専門家の中でも、税理士に遺言執行者を依頼するメリットは主に以下の3つです。

遺言執行者を税理士に依頼するメリット

以下で一つずつ解説します。

相続税申告とセットで依頼できる

税理士に遺言執行を依頼すれば、相続税申告をセットで依頼できる点が大きなメリットです。

弁護士や司法書士など、ほかの専門家に遺言執行を依頼すると、相続税申告については改めて税理士に依頼する必要があり、二度手間になってしまいます。

相続税が発生するかどうか確認したい方は、『相続税計算シミュレーション|計算ツールで相続税を無料で自動計算』をご確認ください。利用料無料、個人情報の入力不要で、ご自身の相続税額を計算できるほか、申告は必要でも税額が0円になるケースについても解説しています。

節税を意識した遺言書の作成から執行まで一貫して依頼できる

遺言書を作成する段階から税理士がかかわっていれば、相続税の節税を意識した遺言書の作成も可能です。

たとえば、二次相続も考慮して配偶者の税額軽減をどこまで活用するか、小規模宅地等の特例が使える分け方にするかといった工夫によって相続税の負担を軽減することが可能です。

こうして遺言書の作成段階から関わり、遺言者(遺言を残した人)の意図を把握している税理士に、そのまま遺言執行者も依頼すれば、スムーズに手続きを行うことができます。

遺言執行者を税理士に依頼するとかかる費用

費用の目安

税理士に遺言執行を依頼する場合、多くのケースで相続税申告もあわせて依頼することになります。この2つは報酬の性質が異なるため、分けて確認しきましょう。

  • 遺言執行者の依頼費用:遺産総額のおおむね1〜3%程度が目安
  • 相続税申告の費用:遺産総額のおおむね0.5〜1%程度が目安(申告内容によって加算報酬が発生する場合あり)

相続税申告についての税理士報酬は、関連記事『相続税申告の税理士費用はいくら?報酬相場と加算報酬を解説』が参考になります。

費用を支払うタイミング

遺言執行者の報酬は後払いで、遺言執行の職務がすべて終了したときに支払われます。

報酬や必要経費は相続財産の中から差し引かれ、残額が相続人へ引き渡されます(民法第1021条)。

(遺言の執行に関する費用の負担)
第千二十一条 遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。ただし、これによって遺留分を減ずることができない。

税理士以外の専門家に依頼したときの費用

遺言執行者を弁護士、司法書士に依頼した場合の費用の目安を紹介します。

弁護士

以前は弁護士報酬等基準規程に従って決められていましたが、この規定は廃止され、現在では弁護士報酬は自由化されています。

ただし、今も旧規定に近い報酬体系を採用する事務所が多く、参考として旧規定による遺言執行の報酬額を以下に示します。

得られる経済的な利益の額弁護士報酬額
300万円以下30万円
300万円を超え3,000万円以下経済的な利益の額の2%+24万円
3,000万円を超え3億円以下経済的な利益の額の1%+54万円
3億円を超える経済的な利益の額の0.5%+204万円

相続人間の争いが想定される場合や、「非嫡出子の認知」「相続廃除」を遺言で行いたい場合は、弁護士への依頼を検討しましょう。

司法書士

司法書士に依頼する場合、統一された報酬基準はありません。遺言執行の報酬は、遺産総額の0.5〜2%程度、あるいは一律1%としている事務所が多く見られます。

最低報酬額を20万〜30万円程度に設定しているケースも多く、実際の計算方法は事務所によってさまざまです。

遺産に不動産が多く、相続登記の手続きもまとめて依頼したい場合には、司法書士が有力な選択肢になるでしょう。

行政書士

報酬の目安は遺産総額の1〜3%程度ですが、遺産額が少ない場合は20万〜40万円程度の定額制を採用している事務所もあり、他の専門家より費用を抑えられるケースが多いです。

相続人間で争いがなく、不動産の名義変更(相続登記)も発生しない、比較的シンプルな遺言執行であれば、行政書士は費用対効果の高い選択肢になります。

遺言執行者を税理士に依頼するときの注意点

相続業務が得意ではない税理士もいる

税理士にはそれぞれ得意な分野があり、遺言執行をはじめとする相続業務が得意ではない税理士もいます。

国税庁の統計によると、令和6年分の相続税の申告書の提出に係る被相続人数は約16.7万人であるのに対し、税理士登録者数は約8.2万人(令和8年時点)で、単純計算では税理士1人あたりの年間2件程度相続案件を担当することになります。実際には相続専門の税理士が多くの案件をこなしているため、相続業務をほとんど経験していない税理士も少なくありません。

相続税に強い税理士の特徴をもっと詳しく知りたい方は、関連記事『相続税に強い税理士の探し方とは?評判の良い税理士の選び方7選』をお読みください。

付随するサービスによって依頼先を決める

前述のとおり、遺言執行は税理士以外にも依頼できます。

相続税申告や節税の相談もあわせて頼みたい場合は税理士がおすすめですが、それ以外の内容によっては他の専門家が適しているケースもあります。

同時に依頼したい内容や、各専門家の得意分野に合わせて選びましょう。

専門家依頼に適したケース
税理士・相続税申告も依頼したい場合
・相続税の節税を相談したい場合
弁護士・相続人同士のトラブルが想定される場合
・非嫡出子の認知、相続廃除を行いたい場合
司法書士・不動産の相続登記も依頼したい場合
行政書士・相続人間で争いがなく、不動産の名義変更も不要な場合
・費用を抑えたい場合
信託銀行・遺言者と付き合いのある信託銀行がある場合

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相続手続きは誰に頼む?誰に相談するのかを選ぶ方法や専門家の違いを解説

遺言執行者は専門家に依頼できます

遺言執行者は、未成年者と破産者以外であれば、相続人を含め誰にでも依頼できます。

専門家に依頼すれば、家族の負担を軽減できるほか、他の手続きとあわせて依頼することも可能です。

なかでも税理士への依頼は、相続税申告とセットで任せられる点が大きなメリットです。

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高部孝之税理士

監修者


高部孝之税理士事務所

税理士高部孝之

2019年税理士試験合格 2020年税理士登録
都内大手税理士法人にて約13年間勤務。資産税部門の責任者などを経て、2024年に独立し浅草にて資産税を強みとする税理士事務所を開業。
専門用語を用いず、平易な言葉で説明することを大切にしており、お客様が親しみやすく相談しやすい税理士を理想としています。

保有資格

税理士・FP技能士1級・相続診断士

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