相続した土地は3年以内に売却すべき理由|使える特例や計算方法を解説

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土地に関して、「相続した土地を3年以内の売却すると節税になる」という話を耳にしたことがあるかもしれません。

実際、相続した土地を売る際には複数の税金が発生し、特例を利用することで大きな節税効果が見込める可能性があります。

ただし、似た名前の制度が複数あるため、「どの特例が自分に使えるのか」「3年以内という期限はいつから数えるのか」といった点で混乱しやすいのも事実です。

この記事では、相続した土地の売却に関わる税金の基礎知識から、節税に役立つ2つの特例(取得費加算の特例と空き家に係る3000万円特別控除)の違いと選び方、さらに具体的な税額シミュレーションまでわかりやすく解説します。

※本記事の情報は2026年3月時点の税制をもとに作成しています。税法は改正される場合があるため、実際の申告にあたっては税理士などの専門家にご相談ください。

相続した土地の売却で発生する税金の種類

相続した土地を売却したとき、かかる主な税金は以下の通りです。

税金の種類概要
譲渡所得税売却益(譲渡所得)にかかる国税
住民税売却益にかかる地方税(翌年課税)
復興特別所得税譲渡所得に係る所得税額に2.1%を乗じて課税
印紙税売買契約書にかかる税金
登録免許税不動産登記にかかる税金

なお、相続した土地にかかる相続税(相続時の評価額・計算方法)については、この記事では扱いません。

相続税の計算について知りたい方は、『土地の相続税はいくら?評価額の計算方法や節税になる制度を解説』の記事をご参照ください。

譲渡所得税・住民税の税率

相続した土地を売却した場合、その土地を取得した時期(被相続人が購入した時期)から売却時点までの保有期間によって税率が変わります。

保有期間所得の区分所得税率住民税率復興特別所得税合計
5年以下短期譲渡所得30%9%0.63%約39.63%
5年超長期譲渡所得15%5%0.315%約20.315%

相続の場合、保有期間は被相続人(亡くなった方)が取得した日からカウントします。

そのため、親が30年前に購入した土地を相続して翌年売却した場合でも「長期譲渡所得」として扱われ、税率は約20%になるのです。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得は、次の計算式で求めます。

譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用

  • 売却価格:土地の売却代金
  • 取得費:土地を購入したときの価格(不明な場合は売却価格の5%とみなす)
  • 譲渡費用:仲介手数料・測量費・売却のための建物解体費など売却に直接要した費用(※目的・経緯によっては譲渡費用として認められない場合もあります)

取得費が不明な場合、売却価格の5%しか差し引けないため、税負担が重くなります。後述する取得費加算の特例を活用することで、この負担を軽減できます。

印紙税と登録免許税の計算方法

印紙税の計算方法

印紙税については、契約書に記載された取引金額に応じて金額が決まります。

以下は、不動産売買契約書(不動産の譲渡に関する契約書)を前提とした金額ごとの印紙税額について記載している表です。令和9年3月31日まで軽減措置が適用されます(契約金額が10万円を超えるものに限る)。

取引金額印紙税額
1万円未満非課税
1万円以上~10万円以下200円
10万円超~50万円以下400円
(200円)
50万円超~100万円以下1,000円
(500円)
100万円超~500万円以下2,000円
(1,000円)
500万円超~1,000万円以下1万円
(5,000円)
1,000万円超~5,000万円以下2万円
(1万円)
5,000万円超~1億円以下6万円
(3万円)
1億円超~5億円以下10万円
(6万円)
5億円超~10億円以下20万円
(16万円)
10億円超~50億円以下40万円
(32万円)
50億円超60万円
(48万円)

※()内の金額は令和9年3月31日までの不動産売買契約書に適用

登録免許税の計算方法

売買によって土地や建物の所有権移転登記がなされた場合の登録免許税は、以下のように計算されます。

  • 土地や建物の固定資産税評価額(固定資産課税台帳に登録された価格)×2%

ただし、令和8年3月31までに登記を受ける場合は、1.5%となります。

固定資産税評価額は毎年送付される固定資産税課税明細書で確認することが可能です。

登記手続を司法書士に依頼する場合には、別途、依頼費用がかかることに注意してください。

「3年以内に売ると得」の理由|取得費加算の特例とは?

相続した土地を相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却すると、「取得費加算の特例」という節税制度を利用できます。

「3年以内が有利」と言われる背景には、この特例の存在があります。

取得費加算の特例とは?相続税額を譲渡費用に加算する制度

取得費加算の特例とは、相続税として支払った金額の一部を、土地の「取得費」に上乗せできる制度です。取得費が増えると課税対象となる譲渡所得が減るため、結果的に税負担が軽くなります。

  • 加算できる相続税額の計算式
    加算できる相続税額 = その者の相続税額 × (譲渡した財産の相続税評価額 ÷ その者の相続税の課税価格)

実際の計算は、相続税申告書における各相続人の課税価格(債務控除後の価額)を基礎に按分して算出します。

債務控除・非課税財産・相続人ごとの按分など考慮すべき要素が多いため、実務上は税理士に確認してもらうべきでしょう。

つまり、相続税を多く払っていれば払っているほど、加算できる金額も大きくなり、節税効果が高まります。

相続税の計算方法や税額の確認方法については、以下の記事もご参照ください。

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相続税の計算方法をわかりやすく解説!概算の早見表や節税できる制度も

適用要件と必要な手続き

取得費加算の特例を使うには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 相続または遺贈によって財産を取得した者であること
  • その財産取得者に相続税が課されていること
  • 相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却していること

相続税の申告期限は原則として「相続開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」ですので、多くのケースでは相続発生日から数えると実質的に概ね3年10か月程度が期限の目安になります。

ただし、相続人の確定が遅れた場合など申告期限がずれる事案では異なりますのでご注意ください。

相続税の申告期限について詳しく知りたい方は『相続税の申告期限はいつまで?10か月の計算方法と遅れた際のリスク』の記事をご覧ください。

必要な手続き

取得費加算の特例を利用するには、相続した土地を売却した翌年に、以下の書類を添付した確定申告が必要です。

  • 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物用】)

税額シミュレーション(取得費加算の特例あり・なし比較)

前提条件

  • 売却価格:6,000万円
  • 取得費:1,000万円(被相続人の購入価格)
  • 譲渡費用:200万円(仲介手数料など)
  • 保有期間:5年超(長期譲渡所得、税率約20.315%)
  • 相続税の申告期限から3年以内に売却
  • 加算できる相続税額:800万円
特例なし特例あり
売却価格6,000万円6,000万円
取得費1,000万円1,800万円(+800万円)
譲渡費用200万円200万円
譲渡所得4,800万円4,000万円
税額(約20.315%)約975万円約813万円
節税効果約162万円の節税

このように、取得費加算の特例を使うだけで、数百万円規模の節税になるケースがあります。

空き家特例(3000万円控除)とは?

取得費加算の特例とは別に、相続した不動産の売却で活用できるのが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」、通称「空き家特例」です。

この制度は、売却益から最大3,000万円を控除できる強力な節税措置になります。

ただし、適用要件が細かく定められており、土地だけの売却では原則として使えない点に注意が必要です。

空き家特例の概要

項目内容
控除額最大3,000万円(※一定の場合は2,000万円)
対象被相続人が居住していた家屋(と敷地)
売却期限相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
売却価格の上限1億円以下

※2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡で、相続人が3人以上いる場合は2,000万円
 共有の場合の取り扱いや相続人数の判定など、適用関係の詳細は個別に確認が必要

「令和9年(2027年)12月31日までの売却に適用される」という期限がある点にも注意してください。

適用要件(詳細)

空き家特例を使うには、家屋・売却方法・手続きのそれぞれに要件があります。

家屋に関する要件

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)であること
  • 相続開始の直前において被相続人以外に居住していた者がいないこと(同居人がいた場合は適用不可)
  • マンションなど区分所有建物でないこと

被相続人が老人ホームなどの施設に入居していた場合でも、一定の要件を満たせば「居住していた」とみなされる特例的な扱いがあります。

入居前から継続して利用の状況に変更がないことなどが条件です。

売却方法に関する要件

  • 相続または遺贈により取得した家屋と敷地である
  • 家屋を耐震基準適合の状態に改修した上で売却するか、家屋を取り壊して更地にして売却するかのいずれかであること(いずれの方法も所定の証明等が必要です)
  • 相続から売却までに事業・貸付け・居住などに利用されていない
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却
  • 売却価格が1億円以下であること

土地のみの売却は原則として認められません。更地(土地のみ)を売却する場合は、「家屋を取り壊してから売却する」ルートを選ぶことで適用可能です。

また、令和6年1月1日以後は、譲渡の時点で改修や家屋の取り壊しがなされていない場合でも、譲渡の時から翌年の2月15日までの間に買主側で耐震改修または取壊しがなされていれば特例の対象となります。

ただし、取り壊し後に駐車場などとして利用してから売却した場合は適用対象外となります。

手続きに関する要件

特例を利用するためには、売却した翌年の確定申告の際に以下のような書類とともに申請を行うことが必要です。

  • 市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」
  • 登記事項証明書などの相続による取得や家屋が建築された日などがわかる書類
  • 売買契約書など売却代金が1億円以下とわかる書類
  • 耐震基準適合証明書・建設住宅性能評価書など耐震基準がわかる書類

「3年以内」の期限のカウント方法

空き家特例における「3年以内」の起算点は、相続開始日(被相続人が亡くなった日)です。

より正確には、「相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」が売却期限となります。

例)被相続人が2022年4月15日に死亡した場合

  • 相続開始から3年経過日:2025年4月15日
  • 売却期限:2025年12月31日

取得費加算の特例(申告期限の翌日から3年)とは起算点が異なりますので、混同しないよう注意してください。

税額シミュレーション(空き家特例の効果)

前提条件

  • 売却価格:5,000万円
  • 取得費:500万円(売却価格の5%とみなし計算)
  • 譲渡費用:150万円
  • 保有期間:5年超(長期譲渡所得、税率約20.315%)
  • 相続人:2人(控除額3,000万円)
特例なし空き家特例あり
売却価格5,000万円5,000万円
取得費500万円500万円
譲渡費用150万円150万円
特別控除0円3,000万円
譲渡所得4,350万円1,350万円
税額(約20.315%)約884万円約274万円
節税効果約610万円の節税

空き家特例が使える場合、取得費加算の特例よりも節税効果が大きくなるケースが多いです。

取得費加算の特例と空き家特例の違い|どちらを選ぶべきか

この2つの特例は、どちらも「相続した不動産の売却で使える節税制度」ですが、併用することはできません。どちらか一方を選択する必要があります。

2つの特例の主な違い

比較項目取得費加算の特例空き家特例(3000万円控除)
対象となる財産相続財産全般(土地・建物・株式など)被相続人の居住用家屋(と敷地)に限定
土地のみの売却適用可能原則不可(取り壊し後の更地売却は可)
控除・加算の方法相続税額を取得費に加算譲渡所得から最大3,000万円を控除
「3年以内」の起算点相続税申告期限の翌日相続開始日
家屋の建築時期の制限なし昭和56年5月31日以前の建築
被相続人の居住要件なし被相続人以外に居住していた者がいないこと※
相続税の支払いが必要か相続税が課されている必要あり不要
相続人数による制限なし3人以上の場合、控除額が2,000万円に縮小
申告方法確定申告確定申告

※被相続人が要介護認定等を受け老人ホーム等に入所していた場合は、一定要件を満たせば適用可

どちらを選ぶべきか?判断の目安

空き家特例が有利になりやすいケース

  • 被相続人が一人で住んでいた旧耐震基準(昭和56年5月31日以前築)の家屋がある
  • 売却価格が1億円以下
  • 相続税の支払い額が少ない、または相続税がかからなかった
  • 相続人が2人以下

取得費加算の特例が有利になりやすいケース

  • 空き家特例の要件(旧耐震基準・被相続人の単身居住など)を満たさない土地
  • 農地・山林・投資用不動産など、居住用以外の不動産を売却する
  • 相続税の支払い額が多く、加算できる金額が大きい
  • 新耐震基準(昭和57年以降築)の家屋や区分所有マンション

どちらが有利かは、相続税額・売却価格・不動産の種類によって異なりますが、基本的に控除できる金額の大きさが重要な要素となるでしょう。

控除できる実際の金額を比較して判断することが重要です。

相続した不動産を3年以内に売却すべき理由と対処法

取得費加算の特例や空き家特例には期限があります。

どちらの特例も期限を過ぎると適応できません。

3年以内に売却できなかった場合のリスクや対処法を紹介します。

相続した不動産を長期間売却しないリスク

相続した不動産を長期に渡って売却や活用しない場合、以下のようなリスクが生じるでしょう。

  • 資産価値の減少
  • 固定資産税や維持管理費の負担
  • 特定空き家の認定

資産価値の減少

相続した家を放置すると資産価値が急速に低下する恐れがあります。

建物の評価は築年数が重要となりますが、空き家状態では換気不足によるカビの発生や配管の腐食が進み、通常よりも劣化の速度が早まり、資産価値が低下しやすいのです。

雨漏りや害虫被害に気づかず損傷が広がるケースも多く、特に木造住宅は放置することで査定額が大きく低下しやすいでしょう。

売却する際も傷んだ建物は修繕費が高額になるため、買主から解体や大幅な値引きを要求される原因にもなってしまいます。

固定資産税や維持管理費の負担

相続した家を所有し続けると、利用の有無にかかわらず税金や管理費用の負担が継続します。

所有者には空き家であっても固定資産税や都市計画税が毎年課されるのです。

また、法律によって適切な管理義務が課されており、管理のための清掃や修繕、火災保険の継続などに費用が掛かります。

特に建物が古い場合には修繕費がかさむ傾向にあるため、所有するだけで一定の経済的負担が生じ続ける点に注意が必要です。

特定空き家の認定

相続した空き家を放置し続けると「特定空家等」や「管理不全空家等」に指定され、土地の固定資産や都市計画税の金額が跳ね上がる恐れがあります。

自治体は周囲に危険を及ぼす恐れがある建物を「特定空家等」などと認定し、所有者に対して行政指導を行い、従わない場合には最大50万円の過料を課すことが可能です。

特定空き家に指定されて行政から勧告を受けると、これまで適用されていた「住宅用地の特例」が適用外となります。
そうすると、最大6分の1に軽減となる固定資産税、及び、最大3分の1に軽減となる都市計画税の優遇措置がなされず、負担が増大するのです。

具体的には、建物の傾きや基礎の沈下、シロアリ被害による構造の弱体化、外壁や屋根材の落下リスクなどが認定の主な判断基準となります。

対処法|期限を過ぎても使える可能性がある制度

期限を逃した場合でも、状況によっては以下の制度が利用できる場合があります。

① 長期譲渡所得の低税率(20.315%)の適用

被相続人の取得日から5年超保有していれば、税率は自動的に約20%になります。

これは特例ではなく通常の税制ですが、短期(約39%)に比べると負担は大きく軽減されます。

② 相続土地国庫帰属制度

売却ではなく、相続した土地を国に引き取ってもらう制度です。

負担金は土地の種目・面積等に応じて算定されます。

売れない土地・管理が難しい土地の選択肢として検討できますが、建物が存在したり、担保権が設定されている場合などでは利用することができません。

相続土地国庫帰属制度の利用に関する相談は、法務局で可能となっています。

③ 他の特例との組み合わせ

相続人自身がその不動産に居住するなどして「自己の居住用財産」の要件を満たしている場合には、居住用財産の3,000万円特別控除(いわゆるマイホーム特例)の検討余地があります。

ただし、被相続人の居住用であるだけでは足りず、相続人側に居住の実態があることが要件となります。

空き家特例の代替ではなく、あくまで相続人自身の居住実態がある場合の制度である点にご注意ください。

期限を過ぎた後の選択肢は限られてきます。そのため、相続が発生した早い段階から売却のスケジュールを意識することが重要です。

相続した土地の売却手続きの流れ

節税の特例を適用しながら土地を売却するには、次のような流れで手続きを進めます。

  • 相続登記を行う
  • 売却価格・取得費の資料を収集する
  • 不動産会社に査定を依頼する
  • 売買契約・引き渡し
  • 確定申告を行う

STEP1:相続登記を行う

土地を売却するには、まず不動産の名義を被相続人から相続人に変更する「相続登記」が必要です。

2024年4月から相続登記の申請が義務化されており、相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記申請しなければなりません(正当な理由がない場合は10万円以下の過料)。

登記の前に誰が相続するのかを決める

登記の前提として相続人のうちの誰が不動産を相続するのかを、相続人間でなされる遺産分割協議により決めておく必要があります。

この際、不動産は一人の相続人に相続させ、単独の名義にしておくと良いでしょう。

不動産が共有名義であると売却に名義人全ての同意が必要となり、売却がスムーズに進まない恐れがあります。

STEP2:売却価格・取得費の資料を収集する

以下の書類を早めに準備しましょう。

  • 取得費の証明書類:被相続人が土地を購入したときの売買契約書・領収書
  • 相続税の申告書:取得費加算の特例を使う場合に必要
  • 各種測量図・登記事項証明書:売却時に必要な基本書類

STEP3:不動産会社に査定を依頼する

査定の依頼は、複数の不動産会社に行ってもらいましょう。

土地の評価は周辺の取引事情、道路幅、地形といった様々な要素を考慮して判断されるため、会社ごとにばらつきが出やすいためです。

複数の不動産会社に査定を行ってもらい、相場感を把握しましょう。

STEP4:売買契約・引き渡し

土地の売却方法には、主に「仲介」と「買取」があります。

  • 仲介:不動産会社に買主を探しや契約手続きを任せる
  • 買取:不動産会社に買い取ってもらう

買い手を見つける手間が省ける分、買取の方が仲介よりも素早く売却することができるでしょう。

一方、買取の方が仲介よりも金額が低額になることが多いので、時間をかけても高く売りたい場合には仲介の方法をおすすめします。

買い手が見つかり次第、売買契約を締結し、代金の受け取りと引き渡しを行います。

STEP5:確定申告を行う

売却した年の翌年の確定申告期限まで(通常2月16日〜3月15日。期限日は年により変動)に確定申告を行い、取得費加算の特例や空き家特例の適用を申請します。

特例の申請は確定申告が必須です。自動的には適用されないので注意してください。

確定申告の際には、特例適用に必要な書類以外に、以下のような書類が必要です。

  • 不動産売却時や購入時の契約書の写し
  • 不動産売却・購入費用に係る領収書の写し
  • 登記事項証明書
  • 確定申告書
  • 本人確認書類

相続した土地の売却は税理士に相談すべき

相続した土地の売却に関わる税金の計算や特例の適用は、専門知識が必要な場面が多く、自分だけで判断するのが難しいケースも少なくありません。

専門家である税理士に相談すると、以下のようなメリットを得られるでしょう。

  • 取得費加算の特例・空き家特例の適用可否を正確に判断してもらえる
  • 確定申告書類の作成を任せられるため、申告ミスのリスクを減らせる
  • 相続税の申告と売却時の税務を一括して相談できる(相続税に強い税理士の場合)
  • 節税効果を最大化するためのスケジュール管理もアドバイスしてもらえる

相続税に強い税理士の探し方や選び方については、『相続税に強い税理士の探し方とは?評判の良い税理士の見極め方7選』の記事で詳しく解説しています。

まとめ|相続した土地の売却は早めの相談が節税につながる

相続した土地を売却する際のポイントを振り返りましょう。

税金の基本

  • 売却益(譲渡所得)に対して、所得税・住民税・復興特別所得税がかかる
  • 保有期間5年超なら税率は約20.315%、5年以下なら約39.63%
  • 保有期間は被相続人の取得日から計算する

取得費加算の特例

  • 相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却している
  • 支払った相続税の一部を取得費に加算し、課税対象を圧縮できる
  • 土地のみの売却にも使えるため汎用性が高い

空き家特例(3000万円控除)

  • 相続開始日から3年経過した年の12月31日までの売却が条件
  • 最大3,000万円の控除(相続人3人以上の場合は2,000万円)
  • 旧耐震基準・被相続人の単身居住など、要件が厳しい
  • 土地のみの売却は原則適用不可(取り壊し後の更地売却は可)

2つの特例の選び方

  • 空き家特例の要件を満たすなら、節税効果が大きいケースが多い
  • 要件を満たさない場合や相続税の支払いが多い場合は取得費加算の特例が有利
  • 2つの特例は併用不可のため、必ず試算して比較する

期限が近づくほど選択肢は狭まります。相続が発生した早い段階から税理士などの専門家に相談し、売却のタイミングと節税策を計画的に検討することをおすすめします。

高部孝之税理士

監修者


高部孝之税理士事務所

税理士高部孝之

2019年税理士試験合格 2020年税理士登録
都内大手税理士法人にて約13年間勤務。資産税部門の責任者などを経て、2024年に独立し浅草にて資産税を強みとする税理士事務所を開業。
専門用語を用いず、平易な言葉で説明することを大切にしており、お客様が親しみやすく相談しやすい税理士を理想としています。

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税理士・FP技能士1級・相続診断士

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