残業代を請求したのに無視された!その後の対処法は?

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「内容証明を送ったのに無視されている」
「残業代請求したのに会社側からの反応が一切ない」

会社に対して未払い残業代を請求したものの、会社に請求自体を無視されてしまうケースがあります。

残業代請求を無視されてしまうと、今後どういった対応を取るべきか悩んでしまいますよね。

今回の記事では、会社が残業代請求を無視する理由や残業代請求を無視された場合に労働者が取れる対処法について詳しく解説します。

会社が従業員からの残業代請求を無視する理由

会社が従業員からの残業代請求を無視する理由としては、以下のものが挙げられます。

会社が残業代請求を無視する理由

  • 残業代を支払う気がない
  • 残業代を支払うか社内で協議している
  • 請求内容を確認したうえで対応せずに放置している

残業代を支払う気がない

会社によっては、そもそも残業代を支払う義務がないと考えている場合もあります。

また、残業代を支払わなければいけないことは認識していても、経営状況が悪く、残業代を支払う余裕がないために無視している場合もあります。

残業代を支払うか社内で協議している

無視されたと思っていても、残業代請求を受けて、社内で協議をしている段階の可能性もあります。

会社側も請求された残業代の金額が正しい金額なのか、客観的に証明できる証拠があるのかなどを確認する必要があります。

この場合は、電話やメールで問い合わせれば、状況を教えてくれることがあるでしょう。

請求内容を確認したうえで対応せずに放置している

請求内容を確認したうえで対応せずに放置していることも考えられます。

支払う気がないとも取れますが、こちらは対応する気はあったものの、対応の必要がないために放置しているような場合です。

具体的には、請求書の内容に不備があったり、時効が成立していたりするケースです。

請求書の内容に不備がある例として、名前や連絡を取る手段がない、銀行の振込先口座がないといったことが挙げられます。

また、残業代請求の時効は3年です。すでに時効が成立している場合には、残業代を請求しても時効の成立を根拠に残業代が支払われないでしょう。

3年以上前の残業代を請求した場合には、対応されずに放置されてもおかしくありません。

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送付した残業代請求書を確認する

まずは、自身が会社に送付した残業代請求書を確認してみましょう。

残業代を請求する際には、振込期日を設けることが一般的です。もし振込期日を設定していなかった場合には、再度残業代請求書を送ることも検討しましょう。

【テンプレートあり】残業代請求書(内容証明)の書き方・送付方法を解説!』の記事で必要な内容を記載したテンプレートをダウンロードできます。ぜひご活用ください。

振込期日まで無視されれば法的措置を検討

振込期日を過ぎても、会社側から何の反応もない場合には、法的措置を検討しましょう。

残業代を支払う気のある会社は、たとえ振り込みがなくても、期日までに電話やメールで事実確認といった何らかのアクションを取ってくる可能性が高いです。

振込期日を超えても反応がなければ、故意的に無視していると考えられます。

残業代請求を無視された場合の対処法

残業代請求を無視された場合、労働者側から続けてアクションを取らないと、残業代が支払われずに泣き寝入りしてしまう可能性が高いです。

ここでは、残業代請求を無視された場合の対処法を5つご紹介します。

労働基準監督署に申告する

残業代が支払われないことは、労働基準法違反です。残業代請求が無視される場合には、労働基準監督署に申告することもできます。

労働基準監督署に申告する場合の流れ

  1. 適切な証拠を準備する
  2. 労働基準監督署に残業代未払いを訴える
  3. 労働基準監督署が調査
  4. 違反が認められれば、企業に支払い勧告が出される

労働基準監督署による介入は、会社に労働基準法などの労働法規を守らせることが目的です。

労働基準監督署の勧告はあくまでも行政指導であるため、法的拘束力はありません。申告したからといって必ずしも企業が支払いに応じるとは限らないので注意しましょう。

支払い督促を行う

支払い督促は、簡易裁判所に申し立てることによって行う債権回収手続きです。

会社に対して未払い残業代の督促の通知をすることができます。

参考:支払督促

労働審判を行う

残業代が支払われない場合は、法的措置を取ることも選択肢となります。

労働審判は、労働審判官(裁判官)1名と労働審判員2名から構成される、労働審判委員会という組織を利用する制度です。

原則として3回以内の審理で結論を出すことになっているため、2〜3か月程度で問題を解決できる可能性があることが大きなメリットです。

労働審判を行う場合は以下のように進みます。

労働審判をする場合の流れ

  1. 労働審判申立書や陳述書等の必要書類と、残業の証拠となりうるものを全て裁判所に提出
  2. 40日以内に最初の期日が開かれ、会社側と双方の主張や事実関係の確認を行う
  3. 3回目の期日までに調停が成立しなければ、審判官と審判員が評議を行い「審判」が下される
  4. 審判の内容に双方が合意すれば、労働審判は終了する

ただし、労働審判委員会の判断に異議があった場合には、訴訟となります。

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労働審判とは?制度の内容や手続きの流れを弁護士がわかりやすく解説

少額訴訟を行う

少額訴訟とは、60万円以下の金銭の支払い請求を目的とする手続きのことです。

原則1回で審理を終えて即日判決が出るため、費用も安く時間も短くてすみます。

ただし、異議の申し立てがあれば、最終的には通常の訴訟になります。

参考:少額訴訟

訴訟を行う

訴訟は、基本的に原告と被告が交互に主張を重ねていき、最終的な結論(判決)を裁判所が下す手続きです。

訴訟を行う場合の流れは以下の通りです。

訴訟を行う場合の流れ

  1. 会社の所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所に訴状を提出
  2. 第1回期日は会社側が訴状に対する答弁書を提出
  3. 2回目以降の期日では双方が主張と証拠となる書類を一緒に提出し、具体的な答弁を行う
  4. 双方が全ての主張書面の提出を終えると弁論終結となり、その後判決が言い渡される

なお、労働者と相手(会社)が主張する回数には基本的に制限がないため、結論が出るまでに1年以上かかることもあります。

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残業代請求を無視されている方は弁護士に相談

残業代請求を無視されている方は、弁護士に相談しましょう。

未払い残業代を個人の力で請求しようとすると、会社側が頑なな姿勢を崩さなかったり、不利益な取り扱いをしたりして、うまく解決に至らない場合があります。

弁護士に相談し、弁護士を通して会社に未払い残業代を請求できれば、会社にプレッシャーを与えることができ、残業代を受け取れる可能性が高まります。

また、請求を無視されて法的な措置を検討した場合にも、弁護士に依頼すれば労働者の代理人として会社との交渉にあたってくれます。

弁護士への相談が未払い残業の問題解決の糸口になります。無料相談を受け付けている弁護士事務所もあるので、一度相談してみてはいかがでしょうか。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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