残業代請求を弁護士に依頼する場合の費用相場は?弁護士に依頼するメリット5選!

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残業代請求と弁護士

「残業代請求を弁護士に依頼すべきか迷っている」
「弁護士に依頼するといくらかかるのか不安」

残業代請求の弁護士の費用相場は、着手金の相場は30万円程度、成功報酬の相場は経済的利益の10~30%程度です。

ただし、実際にかかる費用は弁護士事務所によっても異なり、着手金が無料の事務所もあります。

この記事では、未払い残業代請求を弁護士に依頼することを考えている方に向けて、弁護士費用の相場や弁護士の選び方、弁護士に依頼するメリットについてご紹介します。

残業代請求の弁護士の費用相場は?

弁護士費用の費目とは?

弁護士費用と一概にいってもどのような料金が発生するか分かりづらいと思います。

弁護士に依頼すると、相談料着手金成功報酬実費日当などの費用が必要になります。これらの費用の内容や相場をみていきましょう。

相談料:1時間0円~1万円

残業代請求の相談費用の相場としては、1時間あたり1万円前後となっています。30分5,000円のところや相談料無料のところも多くあります。

相談料とは、弁護士に法律相談をした場合にかかる費用です。

「そもそも弁護士に依頼すべきなのかわからない」「話を聞いてみたいけどお金はかけたくない」という方は、相談料無料の弁護士事務所に相談すれば、弁護士費用を削減できます。

着手金:0円~30万円

残業代請求の着手金の相場は、0円~30万円です。

弁護士事務所によって差があるものの、着手金なしの完全成功報酬型を採用している弁護士事務所もあります。

着手金は、弁護士に依頼する時点で支払いが必要となるものです。着手金の支払いが完了してから弁護士は解決に向けて活動を始めます。

「弁護活動に着手すること」に対して支払うものなので、未払い残業代が受け取れなくても返還されることはありません。

一方、完全成功報酬型は、着手金を一切とらずに未払い残業代が回収できた場合に限り、弁護士費用が発生するというものです。

完全成功報酬型を採用している弁護士事務所を選べば、まとまった着手金を支払う必要がないことに加え、費用倒れのリスクを心配せずに弁護士への依頼ができます。

ただし、事件が解決したときの成功報酬の割合や金額が高めに設定されていたり、手数料などの別の名目で金銭が請求されたりする可能性もあります。「完全成功報酬制にすれば弁護士費用が安い」とは一概には言えませんので、注意してください。

成功報酬:経済的利益の10~30%程度

残業代請求を弁護士に依頼した際の成功報酬の相場は10~30%です。

成功報酬とは、弁護活動結果、回収できた未払い残業代の金額から弁護士に支払う費用です。報酬金や弁護士報酬と呼ばれることもあります。

着手金が0円の弁護士事務所では、成功報酬が高額となる場合が多いです。

実費

実費とはコピー代や印紙代、通信費など未払い残業代を会社に請求する上で実際にかかった経費のことです。

これら実費について依頼者に負担してもらう方針の事務所もあります。

「どの経費までを実費とするか」「実費の支払い方法はどうするか」などは事務所によって大きく異なるので、最初の相談の際に聞くのが良いでしょう。

日当

日当とは、弁護士が出張したときに必要となる費用のことを指します。会社との交渉や裁判所へ出向く際などに発生します。1回につき1〜3万円前後が相場です。

未払い残業代の解決までの期間が長くなるにつれて高額になるため、想定される費用を確認しておきましょう。

残業代請求の弁護士を選ぶポイント

残業代請求の経験や実績が豊富

弁護士を選ぶ際には、残業代請求の経験や実績が豊富な弁護士を選ぶといいでしょう。気になる弁護士がいたら、残業代請求の経験や実績をホームページなどで確認してみてください。

残業代請求は、会社との交渉はもちろん、労働審判や訴訟などの法的な手続きに発展することもあり、法的な根拠に基づいた正しい主張が求められます。

残業代請求の経験が豊富な弁護士であれば、過去の判例などから、法的な根拠に基づいた正しい主張が可能であり、会社側の対応によっては法的な手続きにスムーズに移行することもできます。

弁護士が残業代請求について充分な経験や実績をもっているか否かは、依頼する上で重要なポイントです。

説明がわかりやすい

残業代請求の経験が豊富な弁護士であることはもちろん、説明がわかりやすい弁護士を選ぶことも大切です。

残業代請求は、未払い残業代の計算が複雑になることがあります。とくに、深夜労働や休日労働もしている場合や遅延損害金を併せて請求する場合は、計算が複雑になりやすいです。

ご自身が請求できる未払い残業代はいくらになるのか、残業代を請求した後の流れはどうなるのかなどの説明がわかりやすい弁護士を選ぶことで安心して任せることができるでしょう。

残業代請求を弁護士に依頼するメリット5選!

(1)金銭回収の可能性が上がる

弁護士は法律の専門家であり、高度な知識を持っています。その知識をベースに法的根拠をもって会社と交渉するため、未払い残業代が回収できる確率を高めることができます。

また、弁護士に依頼することで従業員の本気度を伝え、「裁判を起こされるかもしれない」というプレッシャーを会社に与えられることもメリットといえるでしょう。

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(2)トラブル化を防ぐことができる

残業代請求を行うときに懸念されるのは、会社とのトラブルでしょう。とくに会社に在籍したまま残業代請求を行うときには、会社から従業員への不利益な対応を心配される方は多いと思います。

弁護士に依頼することで、会社からの不利益な対応を抑止する効果が期待できます。

従業員が弁護士をつけていれば、会社が従業員に不利益な対応を取った際には、弁護士から厳しく追及されることになるため、会社もうかつな対応はできません。

(3)手続きや計算を代行してくれる

残業代請求を弁護士に依頼すれば、未払い残業代の計算を弁護士に代行してもらうことができます。

会社に未払いの残業代を請求するには、そもそも未払い残業代がいくらなのかを突き止めなければなりません。そして金額を明確にした上で書面を作成し、会社に振り込みを求めます。

残業代の計算や書類の作成には専門的な知識を必要とし、時間や労力もかかります。また、会社とのやり取りは精神的な負担にもなるでしょう。

弁護士に依頼すれば、未払い残業代を計算する時間や労力、精神的負担の軽減ができます。

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(4)証拠が収集しやすい

未払い残業代の回収には、証拠を集めることが重要です。しかし、証拠が手元にない状態では、証拠を集めることから取り掛かる必要があります。

従業員は会社よりも立場が低いため、従業員が会社に対してタイムカードやパソコンの記録を見せてくれと言っても、会社がすぐさま応じてくれるとは限りません。

自身で開示請求を行うよりも、弁護士から証拠の開示請求を行ったほうが、会社側が証拠の提出に応じてくれる可能性が高まるでしょう。

(5)労働審判・裁判になっても戦うことができる

労働審判や裁判になると複雑な手続きが必要となるため、法律の知識を持たない人だけでは会社と戦えません。

法律の専門家である弁護士が側にいれば手続きを任せられるだけでなく、法律に基づいた主張で裁判を有利に進めることが可能です。

残業代請求を弁護士に依頼するときの流れ

未払い残業代の証拠を集める

未払い残業代を請求するためには、労働者が残業代の証拠を収集する必要があります。サービス残業をしていたという客観的な証拠を集めることが重要です。

自身でサービス残業をしていたと主張しても、何時間サービス残業として働き、いくら未払い残業代が発生しているのかわからなければ回収は難しくなります。

弁護士に相談する前に、サービス残業をしていたことを証明できる客観的な証拠を用意できればベストです。

たとえば、以下のようなものが証拠として挙げられます。

残業代請求で有効となる証拠

  • タイムカード
  • 勤怠管理システムの記録
  • 上司の承認がある業務日報
  • パソコンのログイン・ログオフ時間の記録
  • 就業規則
  • 雇用契約書 など

証拠の集め方が分からないという場合には、弁護士に相談すればアドバイスをもらうことができるでしょう。

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残業代請求について弁護士に相談

証拠の有無にかかわらず、残業代請求をお考えの方は、弁護士事務所のホームページから相談の予約をしてみるのがよいでしょう。相談の方法には以下のような種類があります。

相談の方法

  • 対面相談
  • 電話相談
  • オンライン相談
  • メール相談

弁護士事務所によって受け付けている相談方法は異なります。

弁護士との相性を確かめるためにも対面相談がおすすめですが、仕事などの都合で対面相談が難しい方もいると思います。ご自身の働き方やライフスタイルに合ったものを選びましょう。

弁護士費用等の支払い

相談の結果、弁護士に正式に依頼することになったら弁護士費用を支払うことになります。

弁護士費用の支払い体系には、大きく分けて3つのパターンがあります。

弁護士費用の支払い体系

  • 着手金を支払い精算……まずは着手金を支払い、事件が終了したら相手方から支払われた示談金、解決金から成功報酬等を割り引き、残ったお金が依頼者に後日振り込まれる。
  • 完全成果報酬……会社から未払いの残業代を請求できた際に、残業代の金額に基づき弁護士への支払い額が決定する。
  • 預託金として一括払い……成功報酬等の見込み分も含めた金額をはじめに預託金として一括で支払い、事件の終了後に精算。

依頼する前に弁護士費用に関して不安な点があれば、しっかりと弁護士に確認しましょう。

弁護士と今後の方針を協議、弁護士が相手方会社と交渉

会社を辞めてから未払い残業代を回収する人もいれば、会社に在籍しながら弁護士に依頼し、未払い残業代を回収したいという人もいるでしょう。

会社に在籍している場合は会社にこのまま残るのか、それとも辞めて別の会社に行くのかについても決断しなくてはなりません。

弁護士は法的な知識の専門家であり、労働問題の実務上の流れなどにも精通しています。依頼者の方の希望などをヒアリングしつつ、今後の見通しなどについても話すことができます。

弁護士と話し合い方針が定まった後は、弁護士と会社の交渉が始まります。

弁護士は内容証明郵便等で、「自身が依頼者の弁護士として選任されたこと」「未払い残業代について回収したいという意向を持っていること」「交渉の場を設けたいこと」などを相手方会社に通知します。

その後、弁護士と会社との間で交渉の場が持たれ、解決に向けて交渉が行われることになります。

労働審判

会社が頑なな姿勢を崩さない場合など、交渉ベースの話し合いでは事態の解決が見込めないケースというのもあります。

そのような場合には、労働審判と呼ばれる手続きを取り、事態の解決を図るのも一つの選択肢となります。

労働審判とは、会社と従業員の間で起きた労働トラブルを解決するための裁判所の手続きです。

裁判とは違い非公開の場で行われ、労働審判官(裁判官)1名と労働審判員2名で組織する労働審判委員会が、労働者側と会社側、双方から意見を聞き、3回以内の期日で審理を行います。

労働審判は裁判と違って短い期間で完結し、手続きが簡易な点が大きな特徴です。

通常の裁判で労働紛争を争った場合の平均審理期間は17.2か月と長期間になりますが、最大3回の期日で審理がされる労働審判であれば平均90.3日で解決しています。

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裁判

労働審判でも会社と和解ができなかった場合は、最終的に裁判で会社と決着をつけることとなります。

期日が3回までの労働審判と違って裁判には期日の回数に決まりがありません。そのため、1年以上にわたって会社と争うケースも存在します。

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残業代請求についてお悩みなら弁護士に相談ください

未払い残業代を個人の力で請求しようとすると、会社側が頑なな姿勢を崩さなかったり、不利益な取り扱いをしたりして、うまく解決に至らない場合があります。

また未払い残業代が発生するような職場は、残業時間が長かったり、人間関係のストレスが大きかったりするケースが多いです。

身体的、精神的な疲れのためにひとりでは事態解決に向けて動けないという方も多いのではないでしょうか。

未払い残業代についてお悩みならまずは弁護士に相談するのがおすすめです。弁護士ならば、弁護士への依頼をした方が良いのかどうかという点から適切なアドバイスをすることができます。

正式に依頼に至るかは別としても、話をすることで事態が整理されて、解決に向けて明るい展望が見える場合もあります。

まずはお気軽に弁護士に相談してみてください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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