外資系企業でリストラされそう!対処法と弁護士に相談するメリット
「外資系企業に勤めているが、クビといわれてしまった」
「退職パッケージを提示されたが、適正な条件かどうかわからない」
この記事では、外資系企業におけるリストラのポイントや、弁護士に相談するメリットについて解説します。
外資系企業が日本でリストラをおこなうとき、「解雇」ではなく「退職勧奨」の形を取ることが多いです。
退職勧奨をされたとき、提示された条件に合意して退職していいのかどうかお悩みの方もいるでしょう。
この記事を読めば、外資系企業でリストラされたときの対処法がわかります。ぜひ最後までご覧ください。
目次
外資系企業におけるリストラのポイント
外資系企業におけるリストラのポイントとして、知っておくべきことが3点あります。
外資系企業におけるリストラのポイント
- 外資系企業でも日本の労働法が適用される
- PIP(業務改善プログラム)が課される場合がある
- パッケージとは特別退職金などのことを指す
外資系企業でも日本の労働法が適用される
外資系企業であっても、日本国内で企業活動をおこなう場合は、日本の法律が適用されます。
これはリストラにおいても同じで、予告期間もなく従業員を解雇したり、退職を強要することは認められていません。
もちろん、客観的に合理的な解雇事由がなく、社会通念上相当であるという理由がなければ、解雇は無効であると判断される場合があります。
解雇が無効になるケースについて詳しく知りたい方は『解雇を無効にしたい!無効となるケースや対処法を解説』の記事をご覧ください。
PIP(業務改善プログラム)が課される場合がある
外資系企業では、「PIP(業務改善プログラム)」を課して退職勧奨をおこなう場合があります。
PIPには具体的な課題が記されており、場合によっては、その課題について労働者が成果を挙げられなかった際に「減給や解雇などの不利益な処遇を受けることを認める」といった内容にサインさせられるケースがあります。
期間が短く設定されているなど、そもそもの課題達成が難しい場合もあり、PIPは不当な退職勧奨であるという見方もあります。
退職勧奨について詳しく知りたい方は『退職勧奨(勧告)とは?違法になるケースと対処法を解説!』の記事をご覧ください。
パッケージとは特別退職金などのことを指す
PIPで退職勧奨をおこなった後、外資系企業は労働者に自主退職を促すために、「パッケージ」という金銭などの条件を提示することがあります。
パッケージについて相場などはありませんが、以下のような要素がパッケージに影響を与えると考えられています。
パッケージに影響を与える要素
- これまでもらっていた給与額
- 役職の高さや会社への貢献度
- 会社の経営状態や財務状況 など
リストラの対象となったときの対処法
「退職パッケージを提示され、退職勧奨されてしまった」という場合には、以下のような対処法をとることをおすすめします。
リストラの対象となったときの対処法
- 退職合意書にはサインしない
- 退職する場合はパッケージの条件が適正かどうかを判断する
- 退職したくない場合や退職を強要されたら弁護士に相談する
退職合意書にはサインしない
会社から退職合意書を提示されたとしても、その場でサインをしないことが重要です。
一度合意書にサインしてしまうと、後になってパッケージの内容を交渉したいときなどに不利になってしまうおそれがあります。
内容を持ち帰って検討し、納得のいく条件であった場合にのみサインをするようにしましょう。
退職する場合はパッケージの条件が適正かどうかを判断する
「退職を受け入れて転職する」などという場合には、提示されたパッケージの内容面が適正かどうかをチェックしましょう。
内容面についてわからないところがあったり、金額や条件が適正ではないと感じたりした場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
退職したくない場合や退職を強要されたら弁護士に相談する
退職パッケージを受け入れずに会社に残りたい場合は、退職合意書にサインしないという意思を明確にしておきましょう。
その際、「毎日上司が退職を勧めてくる」「退職拒否を理由に閑散とした部署に飛ばされる」といった処置をとられた場合には、違法な退職強要にあたる場合があります。
そういった場合には弁護士に相談することをおすすめします。
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・退職強要とは?退職勧奨との違いと退職強要にあたる行為を解説!
弁護士に相談するメリット
先述の通り、退職パッケージを提示された際には、弁護士への相談を検討してみてはしてはいかがでしょうか。弁護士に相談すれば、以下のようなメリットが期待できます。
弁護士に相談するメリット
- 退職パッケージの増額交渉ができる
- 退職の強要や不当解雇について反論できる
- 労働トラブルについて法的請求ができる
- 転職活動に専念できる
退職パッケージの増額交渉ができる
弁護士に依頼すれば、パッケージの内容が適正であるかどうかを法的に判断し、場合によっては会社に増額を交渉できます。
外資系企業であれば、企業内弁護士がついていることも十分に考えられるため、法律のプロである弁護士に交渉を任せることで、会社側と対等に交渉を進められます。
退職の強要や不当解雇について反論できる
もし退職パッケージを拒否したことで退職を強要されたり、突然解雇されたりなどの不利益な扱いを受けた場合は、弁護士が企業に対して違法性を主張できます。
弁護士に依頼することで、復職できたり、会社から解決金を受け取れたりする場合があります。
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労働トラブルについて法的な請求ができる
弁護士であれば、退職パッケージに関するトラブル以外にも対応できるというメリットがあります。
たとえば、「未払いになっている給料を請求したい」「残業代を請求したい」といった労働トラブルも弁護士に依頼することができます。
転職活動に専念できる
退職自体は受け入れるという人のなかには、すぐに転職活動を進めたいという人も多いと思います。
弁護士に法的交渉を任せることで、転職活動に専念できるというメリットがあります。
まとめ
外資系企業であっても、解雇のルールには日本の労働法が適用されます。
また、退職パッケージを提示されても、すぐに退職合意書にはサインせず、内容を確認することが重要です。
もし勤めている外資系企業から退職勧奨を受けているという方は、弁護士への相談をおすすめします。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了