交通事故で遷延性意識障害に。後遺障害や症状固定から慰謝料請求まで解説

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岡野武志弁護士

監修者:アトム法律事務所 代表弁護士
岡野武志

交通事故による遷延性意識障害

遷延性意識障害(植物状態とも呼ばれる)は、交通事故被害者が頭を強く打ち付けるなどを原因としてなり得る後遺障害のひとつです。遷延性意識障害からの回復はむずかしく、たとえ回復できたとしても高次脳機能障害などの後遺症が残ることもあります。

遷延性意識障害の後遺症が残った場合、要介護1級1号に認定される可能性があり、慰謝料額も2,800万円と高額になるため、相手側の保険会社と金額について争うケースは多いです。

被害者の意識が戻らないことは、ご本人にとっても家族にとっても負担が重く、今後の介護や損害賠償請求についてもさらに考えていく必要があり、不安も大きいでしょう。

本記事では、遷延性意識障害の定義や症状、症状固定の時期や後遺障害の認定基準、弁護士に依頼するメリットなど、被害者の家族が知っておくべき知識について徹底解説します。

交通事故による遷延性意識障害とは?

まずは、どのような状態になったら遷延性意識障害と判断されるのか、交通事故の場合何が原因となりうるのか、後遺症は残るのかといった、遷延性意識障害に関することを解説していきます。

混同されがちな閉じ込め症候群や脳死との違いも解説するので、ご確認ください。

遷延性意識障害と判断される6つの症状

遷延性意識障害の症状:簡単な命令には応じることもあるが、それ以上の意思の疎通ができず、意味のある発語ができない。また移動、自発的な食事などもできない。

遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)とは、昏睡状態に陥った後、目を開けること(開眼)はできるものの、周囲との意思疎通が困難な状態が3か月以上続く深刻な疾患です。

植物状態といわれることもあり、生命維持に必要な脳の重要な部分は完全には機能していないものの、活動を続けているため命は保たれている状態です。

日本脳神経外科学会(1976年)の定義では、以下の6項目に該当する状態が3か月間以上継続した場合、遷延性意識障害にあたるとされています。

  1. 自力移動が不可能
  2. 自力摂食が不可能
  3. 便失禁・尿失禁がある
  4. 声を出しても意味のある発語が不可能
  5. 簡単な命令(眼を開く、手を握るなど)には辛うじて応じることもできるが、ほとんど意思疎通は不可能
  6. 眼球は動いて物を追えても認識することは不可能

遷延性意識障害は自力での呼吸が可能ですが、確実な治療法は今のところありません。脊髄後索電気刺激法や脳深部電気刺激法などの電気刺激療法の研究が進められているものの、自然治癒力に頼るしかないことがほとんどなのが現状です。

なお、自動車事故による脳損傷で重度の後遺障害が残った場合は、一定の条件に該当すれば、重度後遺障害者(遷延性意識障害者)専門の病院であるナスバ療護センターなどに入院して治療やリハビリを受けられます。

遷延性意識障害は閉じ込め症候群や脳死状態とは違う

遷延性意識障害は、同じ脳に関する疾患である閉じ込め症候群や脳死状態とは違います。

【閉じ込め症候群との違い】

  • 閉じ込め症候群:脳底部・脳幹が損傷している状態
  • 遷延性意識障害:脳幹機能はほぼ正常に保たれている

【脳死との違い】

  • 脳死
    • 脳幹を含む脳すべての機能が完全に停止した状態で、現代の医学では二度と元に戻らないとされる
    • 心臓や肺が動いていても意識がなく自発呼吸も行えないため、人工呼吸器を用いないと生命維持ができない
  • 遷延性意識障害
    • 小脳や脳幹は働いているため、自発呼吸ができるケースも多い
    • 回復した事例も多く報告されている 

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遷延性意識障害の原因

遷延性意識障害の原因は、頭部外傷や脳卒中(脳梗塞、脳出血)・脳挫傷などの脳損傷、低酸素脳症などにより大脳・小脳が広範囲にわたって機能しなくなり、昏睡状態に陥ることです。

交通事故の場合は頭部外傷が原因となるでしょう。

交通事故後に意識不明の状態になり、速やかに回復しなかった場合には、遷延性意識障害に至るケースが多いです。

意識不明、さらには意識障害を発症する可能性のあるその他の疾患については、以下のような関連記事もありますので、ご参考にしてください。

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遷延性意識障害は回復する?後遺症は?

遷延性意識障害の後遺症

  • 遷延性意識障害が回復せず、そのまま後遺症として残る
  • 遷延性意識障害は回復したが、高次脳機能障害などが後遺症として残る
    ※回復後、ほとんど後遺症が残らないケースもある

遷延性意識障害は回復せずそのまま後遺症として残る場合もありますが、回復するケースもあります。

回復した場合の予後はさまざまで、後遺症が残ることもあれば、リハビリテーションの結果ほとんど後遺症が残らず、ふだんの生活に復帰できることもあります。

しかし、事故前の状態にまで回復する可能性は低く、いずれにせよ後遺症が残るケースがほとんどといわれています。

遷延性意識障害から回復した後に残る後遺症の代表的例は、「高次脳機能障害」です。

高次脳機能障害とは、病気や交通事故による脳の一部の損傷が原因となって、注意、記憶、統合などの高次脳機能に異常がみられる状態です。

事故で頭を打ってから

外見からは分かりにくい障害であり、軽傷の場合は特に発見しにくいことも特徴のひとつです。

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遷延性意識障害で後遺症が残ると「症状固定」と診断される

遷延性意識障害で後遺症が残ると、医師から「症状固定」と診断されます。

症状固定とはどのようなもので、いつ頃診断されるのか、症状固定と診断された後はどうなるのか解説します。

症状固定とは?

症状固定とは、「これ以上治療を続けても大幅な改善は見込めない」状態になることです。症状固定を以て、後遺症が残ったということになり、基本的には治療が終了します。

ただし、症状の悪化防止・現状維持などを目的に、症状固定後でも治療やリハビリが必要と判断されれば、継続は可能です。

症状固定のタイミング

遷延性意識障害では、いつ症状固定になる?

日本脳神経外科学会の定義に照らせば、遷延性意識障害は医学的に、受傷後3ヶ月で症状固定と診断できる場合もあります。

しかし、交通事故の実務上では慎重な経過観察が行われ、症状が安定する1年以上を目安に判断されることが多いです。

症状固定を判断するのは医師ですが、症状固定はのちの慰謝料請求にも影響するものなので、タイミングは慎重に判断すべきです。

症状固定のタイミングに不安がある場合は、弁護士に相談してみましょう。

また、近しいご家族だからこそ、少しずつでもまだ回復していると気づくこともあります。症状固定と判断するには早いと思う場合は、その旨を医師に相談しても問題ありません。

症状固定後はどうなる?何をすべき?

遷延性意識障害で症状固定になると、以下のような変化が生じます。

  • 症状固定以降の治療費、入通院慰謝料、休業損害などは補償されない
  • 後遺障害認定を受ける必要がある

それぞれについて解説します。

症状固定以降の治療費、入通院慰謝料、休業損害などは補償されない

交通事故では、治療費や入通院期間に応じた入通院慰謝料、休業損害などを加害者側に請求できます。

しかし、症状固定後は基本的に、こうした賠償金は請求できません。

これ以上回復の見込みはないのだから、治療の必要はなく、治療に伴う補償も必要なくなる」と判断されるためです。

ただし、症状固定後でもこれ以上症状を悪化させないための治療・リハビリが必要な場合は、引き続き治療費などが補償される場合もあります。

注意点

加害者側の任意保険会社は、治療費や入通院慰謝料などの支払いを少なくするため、症状固定を催促してくることがあります。

しかし、症状固定のタイミングが不適切だと、十分な治療を受けられないうえ、次に解説する後遺障害認定にも悪影響が及びます。

加害者側の任意保険会社から症状固定を催促されたら、すぐに応じるのではなく医師や弁護士に相談しましょう。

後遺障害認定を受ける必要がある

遷延性意識障害で後遺症が残り、症状固定と診断されても、それだけで後遺障害に対する補償を受けられるわけではありません。

後遺障害が残ったことに対する慰謝料(後遺障害慰謝料)や、後遺障害のせいで減ってしまう生涯収入(逸失利益)を得るには、後遺障害認定を受けることが必要です。

後遺障害認定では、必要書類を審査機関に提出し、審査を受ける必要があります。後遺障害等級の申請方法は、被害者請求と事前認定の2種類です。

被害者請求の流れ

被害者請求は、被害者側が申請の必要書類を集めたうえで、加害者側の自賠責保険会社に提出して審査を受ける方法です。

事前認定の流れ

事前認定では、被害者が後遺障害診断書を用意して加害者側の任意保険会社に提出すれば、その他の必要書類は任意保険会社が用意して申請してくれます。

症状が重篤である遷延性意識障害の場合は、特に被害者側で必要な立証書類を集めて適切な等級での認定獲得をめざせる被害者請求の方がおすすめです。

弁護士にご依頼いただければ、等級認定に必要な書類を漏れなく収集し、後遺障害申請手続きを代わりに進めます。ご自身の回復、あるいはご家族の介護に専念できるのです。

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遷延性意識障害の後遺障害等級

後遺障害認定されると、後遺障害の種類や程度に応じて1~14の等級がつきます。

1級に近いほど症状が重いとされ、後遺障害慰謝料や逸失利益も高額になりがちです。

遷延性意識障害の後遺障害では何級に認定されうるのか、解説します。

基本的には要介護1級1号

遷延性意識障害が後遺症として残った場合、要介護1級1号に認定されるケースが多いです。後遺障害慰謝料の相場は2,800万円です。

遷延性意識障害の等級認定基準

等級認定基準
要介護1級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
慰謝料額2,800万円

「常に介護を要する」の定義は、下記のような生命維持に欠かせない身の回りの処理動作が行えないことを指します。

  • 食事
  • 入浴
  • 用便
  • 更衣

遷延性意識障害を負った被害者の家族には、大きな負担がのしかかります。その負担を軽減するためにも、相手側から適切な損害賠償金を受け取ることが重要です。

高次脳機能障害が残ったら介護1級1号〜14級9号

遷延性意識障害の後遺症として高次脳機能障害が残った場合、症状の程度に応じて後遺障害要介護1級1号〜14級9号に認定される可能性があります。

等級認定基準
要介護1級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
慰謝料額2,800万円
要介護2級1号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
慰謝料額2,370万円
3級3号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
慰謝料額1,990万円
5級2号神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
慰謝料額1,400万円
7級4号神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
慰謝料額1,000万円
9級10号神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
慰謝料額690万円
12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
慰謝料額290万円
14級9号局部に神経症状を残すもの
慰謝料額110万円

高次脳機能障害で後遺障害要介護1級1号〜14級9号の認定を受けた場合、後遺障害慰謝料は110万円〜2,800万円です。

遷延性意識障害で請求できる慰謝料

交通事故で遷延性意識障害になった場合に請求できる慰謝料・賠償金には、以下のものがあります。

  • 後遺障害慰謝料(後遺障害認定された場合)
  • 入通院慰謝料
  • 休業損害
  • 逸失利益(後遺障害認定された場合)
  • その他(治療費、介護費用など)

それぞれについて解説していきます。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残った精神的損害に対する賠償金です。

遷延性意識障害になって後遺障害等級の認定を受けた場合、等級に応じた金額を請求可能です。

等級自賠責基準*弁護士基準
要介護1級1号1650万円
(1600万円)
2800万円
要介護2級1号1203万円
(1163万円)
2370万円
3級3号861万円
(829万円)
1990万円
5級2号618万円
(599万円)
1400万円
7級4号419万円
(409万円)
1000万円
9級10号249万円
(245万円)
690万円
12級13号94万円
(93万円)
290万円
14級9号32万円
(32万円)
110万円

*()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合

表にある自賠責基準とは、国が定めた最低限の金額基準です。加害者側の任意保険会社は、自賠責基準に近い金額を提示してくるでしょう。

一方、弁護士基準とは、過去の判例に基づく金額基準です。法的正当性が高く、裁判所でも用いられるため「裁判基準」とも呼ばれます。

加害者側の提示額は弁護士基準よりも大幅に低いので、示談交渉の際には増額を求めることが非常に重要です。

しかし、弁護士基準のような高い金額の主張は簡単ではありません。法律の専門家であり、交渉のプロである弁護士を立てることをお勧めします。

被害者の親族も慰謝料請求できる場合がある

遷延性意識障害のように、被害者の後遺障害が死亡に匹敵するほどのものであった場合、父母、配偶者、子も慰謝料を請求できる場合があります。

被害者本人と近しい親族関係にある人であれば、家族が交通事故に遭ったことで多大な精神的苦痛を受けることが考えられるからです。

その他の人でも実質的に条文上の親族と同視できる立場で、甚大な精神的苦痛を受けたといえる場合には慰謝料請求が認められることがあります。

ただし、親族分の慰謝料請求については加害者側ともめる可能性があります。事前に弁護士に相談することがおすすめです。

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、入院・通院を余儀なくされるケガで負った精神的損害に対する慰謝料です。後遺障害認定の有無に関係なく、下表を用いて算出した入通院慰謝料を請求できます。

重傷の慰謝料算定表

入通院慰謝料は、入院・通院による治療期間が長いほど高額になります。

また、通院のみで治療したケースよりも入院したケースの方が高額になります。

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休業損害

休業損害とは、症状固定までの間に被害者が仕事を休んだことで減収した分の損害です。基本的な金額の計算方法は、以下の通りです。

休業損害=日額(事故前の収入から算出)×休業日数

ただし、収入や職業によっては、上記とは計算方法が異なる場合もあります。

職業ごとの必要書類やもらえるタイミングは下記のとおりです。

休業損害いつもらえる?

逸失利益

逸失利益とは、交通事故がなければ後遺障害なく働いて得ることができたはずの収入のことです。

逸失利益とは

逸失利益は下記の計算方法で算出されます。

逸失利益=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数

  • 労働能力喪失率
    後遺障害によって低下する労働能力の割合です。遷延性意識障害で要介護1級1号に認定された場合、労働を全くできなくなるので、労働能力喪失率は100%となります。
  • 労働能力喪失期間
    通常は67歳になるまでの期間ですが、遷延性意識障害の場合、通常より平均余命が短いと相手方が主張して、期間が争点になることもあります。
  • ライプニッツ係数
    将来分の減収の補償を逸失利益として一括払いをされる関係で、公平のために中間利息を控除するための数値です。

なお、遷延性意識障害の場合、加害者側が生活費控除を主張してくる場合があります。

これは本来、死亡逸失利益の計算で用いられるもので、「事故がなければ被害者が将来稼いだであろう金額(逸失利益)」から、「被害者自身が生活のために使ったであろう金額」を差し引くためのものです。

生活費控除が適用されると逸失利益が少なくなるため、お困りの場合は弁護士までご相談ください。

治療費・介護費用などその他の費目

交通事故で遷延性意識障害になった場合、以下の費目も請求できます。

  • 治療費:治療のために必要となった投薬代・手術代・入院費用。入通院交通費や雑費なども併せて請求できる
  • 将来介護費用:将来的にかかる介護費用
  • 将来雑費:将来必要になる介護用品などの費用
  • 通院交通費:通院や、通院の付き添いでかかった交通費
  • 自宅改造費:介護にあたって必要な家のリフォーム費用
  • 物損:交通事故によって壊れた車両や物の修理費・弁償代

特に注目すべきポイントは、介護費用や自宅改造費です。

遷延性意識障害になると患者は寝たきりの状態となるため、関節が固くならないよう定期的に動かしたり、床ずれ(褥瘡)予防の体位交換、痰の吸引、排せつの処理などを、24時間体制でしなければなりません。

家族の負担は大きく、場合によっては職業介護人を雇うこともあるでしょう。

そのため、将来介護費用として以下の金額を請求できます。

介護人将来介護費
職業付添人実費全額
近親者付添人日額8000円(平均余命まで)

※常時介護の場合

また、介護に伴い、おむつや介護ベッドをはじめとした介護用品などにかかる雑費も発生します。在宅介護のために家のリフォームが必要になることもあるでしょう。

こうした費用も加害者側にしっかり請求することが重要です。

ただし、請求の時点では将来的にどの程度の費用がかかるのか、試算でしかわかりません。そのため、加害者側ともめる可能性があります。

介護関連の補償までしっかり受けられるよう、事前に弁護士に相談することが重要です。

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遷延性意識障害の慰謝料請求の注意点

遷延性意識障害の慰謝料請求では、以下の点に注意する必要があります。

  • 慰謝料請求などは法定代理人・成年後見人を立てて行う
  • 示談成立までに時間がかかり、金銭的負担が大きくなりがち

それぞれについて解説します。

慰謝料請求などは法定代理人・成年後見人を立てて行う

遷延性意識障害となった被害者は、意思表示能力や判断能力が失われているため、後遺障害認定の申請や慰謝料請求ができません。

そのため、以下の形で親族などが代わりに対応をすることになります。

  • 被害者が未成年:法定代理権を持つ親権者(父母)が法定代理人として対応
  • 被害者が成人:成年後見人の選任をし対応

法定代理人を立てる場合は、特に手続きは不要です。一方、成年後見人を立てる場合は、家庭裁判所に「成年後見開始の審判申立て」をしなければなりません。

成年後見人を選任してもらうには一定の費用が掛かりますが、交通事故の場合、申立費用を加害者側に損害賠償請求できる可能性があります。

交通事故発生から早めのタイミングで弁護士に依頼していれば、成年後見人の選任手続きについてもサポートを受けられる可能性が高いです。

示談成立までに時間がかかり、金銭的負担が大きくなりがち

交通事故で被害者が遷延性意識障害になった場合、示談成立までに時間がかかり、金銭的負担が大きくなりがちです。

交通事故の慰謝料などは、基本的には示談成立後に支払われます。しかし、遷延性意識障害では症状固定までに1年以上かかったり、後遺障害認定の審査に数ヶ月~数年かかったりしがちです。

また、慰謝料などが高額になりやすく、将来介護費などもめやすい費目も示談金に含まれることから、示談交渉も長引くことがあります。

そのため、示談成立までに時間がかかり、慰謝料や介護費などの回収が遅れ、金銭的負担が大きくなることがあるのです。

この場合は、保険をうまく活用したり、被害者請求と呼ばれる示談金の一部を早く請求できる制度を利用したりすることがポイントです。

詳しくは弁護士までお問い合わせください。

交通事故の遷延性意識障害は弁護士に相談

遷延性意識障害の慰謝料を適正に受け取るには?

遷延性意識障害の被害者が適正な慰謝料を受け取るためには、以下の2点が重要です。

  • 適切な後遺障害等級の認定を受けること
  • 過去の判例を踏まえた適正な慰謝料額を主張すること

それぞれの点について解説します。

適切な後遺障害等級の認定を受けること

まず適切な後遺障害等級の認定を受けることが重要です。特に介護が必要な場合、後遺障害1級が認定されることで、自賠責保険からは最大1650万円の慰謝料を受け取れるようになります。

しかし、近年の等級認定は厳格化しており、適正な認定を受けるためには、事故直後からの適切な対応が必要です。

たとえば、医師が作成する後遺障害診断書には、必要な検査事項の結果をすべて盛り込み、CT画像・MRI画像などの医学的資料を適切に準備することが求められます。これを怠ると、適正な等級が認められず、十分な慰謝料が受け取れないリスクがあるのです。

弁護士は後遺障害認定にも精通しているため、こうした専門的なアドバイスが可能です。

過去の判例を踏まえた適正な慰謝料額を主張すること

弁護士が交渉に入ることで、過去の判例を踏まえた適正な慰謝料額を主張できるようになります。なぜなら、保険会社が提示する慰謝料額は、弁護士を介さない場合、自賠責基準で算定した最低限の金額に抑えられていることが一般的だからです。

たとえば、弁護士が介入することで、後遺障害慰謝料の基準を自賠責基準(1650万円)から弁護士基準(2800万円)へ引き上げ、より適正な賠償を受け取れる可能性が高まります。

交通事故損害賠償の内訳

さらに、弁護士に示談交渉を依頼することで、適切な過失割合で示談できる可能性を高められます。

遷延性意識障害の被害者は事故状況を説明できないため、加害者側の主張に沿った事故状況の過失割合が認定されやすいという問題があります。

交通事故で受け取れる慰謝料や損害賠償金は、被害者側の過失割合分が減額(過失相殺)されるので、適正な慰謝料や損害賠償金を受け取るには、適切な過失割合で示談することが重要になります。

ご家族が交通事故で遷延性意識障害を負った場合、早期に弁護士へ相談し、適切な対応を進めることが大切です。

弁護士への無料相談はこちら|費用負担軽減の方法も紹介

交通事故での意識障害の後遺障害申請や示談交渉にお悩みであれば、アトム法律事務所の無料相談をご利用ください。

アトム法律事務所では、交通事故の被害者の方向けに24時間365日予約受付中の電話・LINE・メールによる無料相談窓口を設けております。

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遷延性意識障害は、他の疾患と比べても高額な請求になりやすいため、相手側の保険会社が適正な金額を支払ってくれないケースは少なくありません。

また、高次脳機能障害が残った場合、後遺障害等級の認定が難しいケースも多く、適切な等級での認定を受けられないこともあります。

弁護士にご依頼いただければ、治療費の請求から後遺障害申請手続き、示談交渉まですべて代わりに進めてもらえます。

慰謝料や示談金の適正な相場金額がいくらか、保険会社からの提示額から増額できそうか、だけでもご確認いただけます。

無料相談やセカンドオピニオンだけの利用でも構いませんので、安心してお気軽にご相談ください。

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負担額には上限が設定されていますが、多くのケースで生じる相談料や費用は上限の範囲内に収まるため、金銭的な負担なく弁護士への相談や依頼が可能となります。

弁護士費用特約とは

特約がなくても、遷延性意識障害では特に弁護士費用を差し引いてもなお、弁護士を立てた方が多くの損害賠償金が得られることは多いです。

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岡野武志弁護士

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代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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