交通事故で意識不明|バイク事故など意識不明の後遺症が残ったら
交通事故で意識不明になった場合には、早急に病院で処置を受けることが重要といえます。意識不明の患者は、なんらかの後遺症を残す可能性があるため、早期の治療が欠かせません。
意識不明の患者の治療には、手術、薬物療法、リハビリテーションなどがあげられます。こうした治療とリハビリを続けることは極めて重要です。
しかし、残念ながら後遺症が残った場合にはどうすればいいのかを弁護士が解説します。
交通事故で意識不明になったら?
交通事故による意識不明の症状
交通事故で意識不明になった場合、すぐに病院へ行く必要があります。意識不明の症状には、以下のようなものがあります。
- 意識障害
- 意識喪失
- 意識混濁
- 意識の低下
- 呼吸異常
- 心停止
- けいれん
- 言語障害
- 運動障害
- 認知障害
これらの症状がみられた場合は、すぐに救急車を呼びましょう。安全な場所へ移動できることがベストですが、意識不明の場合は脳に大きな損傷を受けている可能性もあるので、むやみに動かさず、救急隊の指示を受けましょう。
交通事故による意識不明の原因
交通事故後の意識不明の原因は、脳損傷や頭部外傷など様々なものが考えられます。意識不明の代表的な原因は、以下の通りです。
- 脳への血流が不十分(心臓が止まったとき・ 心停止)
- 頭部外傷(脳震盪、脳内や脳の周囲で出血したとき)
- 頭蓋内の圧力の上昇
意識不明といっても原因は様々なので、原因に合わせた適切な治療を早く受けることが重要になります。
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交通事故での意識不明の症状|意識障害とは?
被害者が意識不明の重体であるとき、家族は、次の点に注意する必要があります。
- 意識不明だと呼吸や心拍が止まっている可能性がある
- 意識不明だとけいれんを起こす可能性がある
- 意識不明だと体温低下や血圧低下の可能性がある
- 意識不明だと尿や便を漏らす可能性がある
意識不明の患者の家族は、患者の安全を確保し、適切な治療を受けられるようにサポートすることが重要です。
意識障害について
意識障害は短時間のものもあれば、長く続くものもあります。覚醒レベルが低下していると、反応が鈍かったり、うとうとしていたり、または眠っているようにもみえます。
こうした状態を覚醒させることは難しく、身体に触れられたり、声をかけられても反応することはありません。こうした覚醒レベルの低下は、しばしば意識障害と呼ばれます。
交通事故による意識不明の対処法|手術や薬物での治療
意識不明となった場合はすぐに病院へ行き、適切な治療を受けることが重要です。緊急の治療としては、気道の確保、呼吸の確認、脳に血液が届いているかの確認(脈拍・血圧・心拍数)がおこなわれます。意識不明の治療には、手術、薬物、リハビリテーションなどがあります。
頭蓋骨を骨折したことなどで頭蓋内の圧力が上昇している場合には、利尿薬をつかったり、医薬品を用いるほか、外科的な開頭術が行われることもあります。
また、薬物による治療が行われることもあるでしょう。
交通事故による意識不明の経過と回復の可能性
2〜3時間以内に意識が回復した場合
脳震盪によって意識不明になった場合、2〜3時間以内に意識が回復することが多いです。
数時間以内に意識が回復した場合、後遺症も残りにくく、日常生活にも復帰しやすいです。
6時間以内に刺激に反応する場合
意識不明になっても、大声で呼びかける、肩をたたくなどの刺激に反応する場合には、意識が回復する可能性が高いです。また、1日目のうちに、以下のような反応がひとつでも見られれば回復の見込みは高いといえます。
- しゃべることができる(内容が不可解な場合も含む)
- 眼で物を追うことができる
- 指示に従うことができる
- 筋肉の緊張が解ける
6時間以上意識不明である場合
6時間以上意識不明の状態が続いた場合、脳を損傷しているおそれがあり、後遺症が残る可能性があります。
意識回復後も健忘状態が継続している場合
意識が回復したとしても健忘状態(記憶を思い出せない、新しく何かを覚えられないなど)が継続している場合、脳を損傷しているおそれがあります。
交通事故による意識不明の後遺症
交通事故で意識不明となった場合、以下のような後遺症が残ることがあります。
- 遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)
- 高次脳機能障害
- 麻痺
- 外傷性てんかん
遷延性意識障害
意識不明のまま寝たきり状態になった場合、目を開けることはできても、意思疎通ができない状態の遷延性意識障害を負っている可能性があります。
大脳の機能が停止している植物状態であり、回復しても将来にわたって介護を必要とすることも多いです。
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高次脳機能障害
意識不明から回復しても記憶障害や認知障害、言語障害などがみられる場合、高次脳機能障害となっているおそれがあります。
高次脳機能障害は、手術や薬剤投与のような治療ではなく、今後の日常生活に適応するためのリハビリ治療が行われることがほとんどです
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麻痺
意識不明から回復しても、麻痺が残って思い通りに身体を動かすことができない運動障害が残ることがあります。
外傷性てんかん
意識不明から回復しても、発作を伴う外傷性てんかんなどの後遺症が残ることもあります。
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意識不明の後遺症を軽くするためのリハビリ
リハビリテーションでは、医師や医療スタッフが一人ひとりに必要な内容を組んで行われることが多いです。意識不明の状態から回復した場合には、運動療法、言語療法、認知療法、作業療法がおこなわれます。
運動療法|筋力や運動機能の回復
運動療法は、筋力や運動機能の回復を促し、日常生活を送るためのリハビリテーションになっています。被害者の状態にあわせた計画が策定されて進めることになるでしょう。
内容 | |
---|---|
筋力トレーニング | 筋肉を鍛えて回復させる |
ストレッチ | 柔軟性を高める |
バランストレーニング | 体幹の筋肉を鍛える |
有酸素運動 | 全身の筋肉を鍛える |
言語療法|発音や文章理解の練習
言語療法は、言語機能の回復を促すためのリハビリテーションです。言語療法の例を示します。
内容 | |
---|---|
発音練習 | 正しい発音を身につける |
構文練習 | 文の構造を理解し、正しく使う |
読解練習 | 文章を理解する練習 |
言語療法を受けることで、日常生活で必要な言語機能の回復を目指します。
認知療法|記憶力や注意力を回復
認知療法は、認知機能の回復を促すリハビリテーションです。認知機能とは、記憶力、注意力、判断力、理解力などのことをいいます。以下のようなものが認知機能回復の訓練の一例です。
内容 | |
---|---|
記憶力訓練 | 記憶力を向上させる |
注意力訓練 | 注意力を集中させる |
理解力訓練 | 物事を理解する力をつける |
作業療法|食事やトイレなど日常生活の動作
作業療法は、日常生活や日常動作の回復を目指すリハビリテーションです。いずれは退院して事故前の生活に戻ることを目指して取り組むことになるでしょう。以下に作業療法の一例を示します。
内容 | |
---|---|
食事介助 | 食事を自分で食べる |
着替え介助 | 着替えを自分でできる |
トイレ介助 | 自分で用を足せる |
入浴介助 | 自分で入浴できる |
交通事故による意識不明の後遺症が残ったらすること
意識不明の後遺症は、脳損傷、神経損傷、筋肉損傷などの原因しだいで様々なものが考えられます。後遺症を防ぐ、症状を軽減させるためにも意識不明になった場合は、すぐに病院へ行き、適切な治療を受けましょう。
交通事故での意識不明で心配される後遺障害
意識不明となった場合、脳や各器官に深刻なダメージが残っていることがあります。
- 脳損傷|言語障害・運動障害・認知障害など
- 神経損傷|麻痺・感覚障害・痛みなど
- 筋肉損傷|筋力低下、筋萎縮など
こうした幅広い後遺症は、後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。
後遺障害等級認定の申請をする
治療やリハビリを続けても、後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害等級認定を受けることも検討してみましょう。後遺障害等級認定を受けることで、後遺症への賠償請求も可能です。
後遺障害等級は1級から14級までの14段階があり、1級が最も重く、14級は比較的軽い障害とされています。後遺障害の部位や程度によって等級認定を受けることが可能です。
後遺障害等級認定を受けるには、まず主治医に後遺障害診断書を書いてもらうことからスタートといえます。相手の任意保険会社に対して後遺障害等級認定を受けたいということを伝え、指定書式を入手してください。
後遺障害等級認定の申請先には、相手の任意保険会社と自賠責保険会社の2通りがあります。どちらに提出するかでメリットとデメリットが分かれていますが、主な違いは以下の通りです。
相手の任意保険会社に申請する場合
相手の任意保険会社に任せられるので、申請の手間が省けるというメリットがあります。しかし、申請に必要な書類の工夫などはしてもらえないので、「少しでも上の等級を目指したい」「そもそも等級認定されるのかが不安」という方には、あまりおすすめしていません。
相手の自賠責保険会社に申請する場合
相手の自賠責保険会社に申請する場合には、ご自身で書類を集めて申請するという点で手間がかかります。しかし、必要に応じて弁護士と打ち合わせて提出書類を考えたり、内容をチェックしたりできるので、より上の後遺障害等級を目指す方には最適です。
後遺障害等級認定を受けたいとお考えであれば、弁護士に相談してみてください。後遺障害等級認定申請の方法から認定の見込みまでアドバイス可能です。
交通事故による意識不明の後遺症を弁護士に相談
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交通事故による意識不明の後遺症が残ったら、弁護士に相談してみましょう。
意識不明による後遺症は日常生活に支障をきたすほど重症になることも十分考えられるため、高額な慰謝料請求が想定されるケースといえます。
慰謝料が高額になるほど、増額交渉をしないままの相手側の保険会社からの提示額と適正な相場での金額との差は大きくなるため、弁護士介入の必要性はより高いです。
交通事故に遭った際に弁護士に相談するメリットは、以下の通りです。
- 加害者側の保険会社との連絡を一任できるので、治療や職場復帰に専念できる
- 後遺障害等級の認定に向けて必要な資料の収集や申請手続き、十分な対策を立ててもらえる
- 法的な根拠に基づく説得力のある主張ができるので、慰謝料・示談金の交渉を有利に進めてもらえる
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事故の状況や症状の程度から、慰謝料の相場や増額の見込み、今後の後遺障害申請の流れについて法的なアドバイスを受けられます。
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弁護士費用を払わずに弁護士に依頼する方法|弁護士費用特約
弁護士費用特約を利用すれば、弁護士費用を払わずに弁護士に依頼・相談できます。
弁護士費用特約とは?
弁護士費用特約とは、弁護士に支払う相談料や費用について、保険会社が代わりに負担してくれるという特約です。
負担額には上限が設定されていますが、多くのケースで生じる相談料や費用は上限の範囲内に収まるため、金銭的な負担なく弁護士への相談や依頼が可能となります。
弁護士費用特約は、ご自身の自動車保険や火災保険、医療保険などに付帯していることがありますので、無料相談の際にはあらかじめ確認してみてください。
また、ご自分の名義に限らず、ご家族の名義の弁護士費用特約もご利用可能なケースがあります。
意識不明の後遺症は症状の重さから特に慰謝料額が高額になるため、弁護士費用を差し引いても費用倒れにならず、適正な金額を回収できるケースは少なくありません。
弁護士費用についても無料相談の段階からご相談いただけますので、正式に依頼すべきか、ぜひ無料相談をしてみてご検討ください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了