不動産(住宅・土地)の名義変更で贈与税はいくらかかる?特例や手続きの流れも解説

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ご家族から家や土地などの不動産を引き継ぐ際、多くの方が「名義変更(登記)」の手続きを思い浮かべるでしょう。
しかし、ここで最も注意しなければならないのが贈与税です。

「ただ名前を変えるだけ」「家族間だから大丈夫」と思っていても、税務上は「高額な資産を無償で受け取った」と判断され、受贈者に思わぬ贈与税がかかるケースは少なくありません。

また、名義変更が節税目的の場合、相続まで待ったほうが有利になる場合もあります。

本記事では、不動産の名義変更で贈与税がかかるケース・かからないケースを整理したうえで、
贈与税がいくらかかるのかを解説します。

「名義変更と相続、どちらがいいのか」といった点にも触れているので、最後までご確認ください。

不動産の名義変更で贈与税はかかる?

不動産の名義変更を考えたとき、多くの方がまず気になるのが「名義を変えるだけで、贈与税はかかるのか?」という点ではないでしょうか。

結論から言うと、不動産の名義変更=必ず贈与税がかかるわけではありません

ただし、名義変更の理由や方法によっては、贈与税の対象になるケースとならないケースがはっきり分かれます。

まずは、自分のケースがどこに当てはまるのかを確認してみましょう。

名義変更=必ず贈与税がかかるわけではない

不動産の名義変更は、すべてが「贈与」として扱われるわけではありません。

税務上は、名義変更の背景にある実態(お金のやり取りがあるか、法的な原因は何か)が重視されます。

たとえば、以下の場合は原則として、贈与税の対象にはなりません。

  • 相続によって名義が変わる場合
  • 時価で売買し、適正な代金を支払っている場合

一方で、相続や売買といった法律上の原因がなく、生前に対価を支払わずに名義だけを移す場合は、税務署から「財産を無償で受け取った=贈与」と判断され、贈与税がかかる可能性があります。

名義変更で贈与税がかかるケース・かからないケース【早見表】

不動産の名義変更における贈与税の扱いは、次の4つに整理できます。

区分贈与税の扱い
A:名義変更のみ原則、贈与税あり
B:相続贈与税はかからない
C:時価で売買原則、贈与税はかからない
D:離婚の財産分与原則、贈与税はかかりにくい

それぞれについて見ていきましょう。

A:名義変更のみ(原則、贈与税あり)

売買代金を支払わずに、不動産の名義だけを移す場合は、税務上「無償で財産を受け取った」と判断され、原則として贈与税がかかります

たとえば、以下のようなケースは、典型的な贈与税の対象です。

  • 親から子へ、あるいは夫婦間で無償で土地や家の名義を変更した
  • 共有持分を対価なしで一方に移した

不動産の名義を変更するということは、法律上、その不動産の所有者が変わることを意味します。

この際、「売買代金を支払っていない」「相続や売買などの法律上の原因がない」にもかかわらず名義だけを変えると、税務上は「財産を無償で譲り受けた=贈与」とみなされます。

たとえ「名義を変えただけ」「親子や夫婦など家族内の話」であっても、不動産という高額な資産を代金を支払わずもらっている以上、贈与税の課税対象になるという考え方です。

B:相続(贈与税ではない)

被相続人が亡くなり、相続によって不動産の名義を変更する場合は、贈与税ではなく相続税の対象になります。

この場合、以下のような扱いになります。

  • 贈与税はかからない
  • 代わりに、相続税がかかるかどうかを判断する

C:時価で売買(原則、贈与税ではない)

不動産を時価相当額で売買し、適正な代金の支払いがある場合も、原則として贈与税はかかりません。

ただし、以下のような場合は、差額部分が「みなし贈与」として贈与税の対象になることがあるため注意が必要です。

  • 親族間で著しく安い価格で売買した場合
  • 形式だけ売買で、実質的に代金を支払っていない場合

D:離婚の財産分与(原則、贈与税になりにくい)

離婚に伴う財産分与として不動産の名義を変更する場合は、原則として贈与税はかかりません。

これは、財産分与が「夫婦の共有財産を清算する行為」と考えられているためです。

ただし、分与の内容が明らかに過大な場合などは、贈与と判断される可能性もあるため注意が必要です。

また、財産分与で不動産を移転した側に、「みなし譲渡所得課税」が発生する場合があります。

名義変更では登録免許税・不動産取得税などもかかる

登録免許税

登録免許税は、不動産の登記に関する手続きの際にかかる税金です。

登録免許税の税額は、不動産の固定資産税評価額に一定の税率を掛けて計算されます。贈与による所有権移転登記の場合、原則として税率は2%です。

関連記事

相続登記の登録免許税|計算方法や免税措置は?必要書類や手続きも解説

不動産取得税

不動産取得税は本則4%ですが、土地および住宅(家屋)については令和9年(2027年)3月31日までに取得した場合、税率が3%に軽減されます(国土交通省の特例措置)。

不動産取得税は地方税であり、詳細は各都道府県の税事務所にご確認ください。

不動産の名義変更で、贈与税はいくらかかる?

(1)暦年課税の場合

暦年贈与とは、毎年1月1日~12月31日までに贈与した財産に対して、贈与税がかかる制度です。

暦年贈与には毎年110万円の基礎控除があり、基礎控除分の金額を除いた部分に対して贈与税がかかります。

具体的な計算式は以下の通りです。

贈与税の計算(暦年贈与)

贈与税額 = (贈与を受けた財産の評価額 – 110万円) × 税率 – 控除額

贈与を受けた不動産の評価額はどう確認する?

贈与税や相続税では、不動産の価値を実際に売れる価格(実勢価格)ではなく、税務上の評価基準に基づいて計算します。

  • 土地
    路線価方式(または倍率方式)→国税庁が公表する「路線価図」や倍率表で確認します。
  • 建物(家屋)
    固定資産税評価額→毎年届く固定資産税の納税通知書で確認できます。
  • マンション
    「建物(専有部分)の固定資産税評価額」と「土地(敷地権)の持分に応じた路線価評価」額を合算して評価します。

あくまで目安ですが、一般的に、各不動産の評価額は以下が目安となることが多いです。

  • 土地の相続税・贈与税評価額:実勢価格の約80%前後
  • 建物の評価額:建築費の約60〜70%程度

なお、2024年1月以降、タワーマンションなど市場価格と評価額の乖離が大きい物件について、評価方法が見直され、従来より高く評価されるケースがあります。

路線価の詳しい調べ方は、関連記事『相続税の路線価とは?調べ方と計算方法を解説【土地の評価額・補正まで】』にて解説しています。

暦年贈与の税率と控除額は?

贈与税の税率と控除額は、以下の通りです。

特例税率は、直系尊属(父母や祖父母など)から、その年の1月1日時点で18歳以上の子・孫などへの贈与に適用されます。なお、配偶者の父母(義父母)は直系尊属に該当しないため、特例税率の対象外です。

贈与税率表※()は控除額

基礎控除後の課税価格特例税率一般税率
200万円以下10%(0円)10%(0円)
300万円以下15%(10万円)15%(10万円)
400万円以下15%(10万円)20%(25万円)
600万円以下20%(30万円)30%(65万円)
1,000万円以下30%(90万円)40%(125万円)
1,500万円以下40%(190万円)45%(175万円)
3,000万円以下45%(265万円)50%(250万円)
4,500万円以下50%(415万円) 55%(400万円)
4,500万円超55%(640万円)55%(400万円)

【注意】相続開始前3~7年間の贈与は相続税の対象になる

暦年贈与では、相続開始前3~7年の贈与は相続税の対象となります。(生前贈与加算)

生前贈与加算の対象となる期間は従来、相続開始前3年でしたが、段階的に延長されます。具体的には以下の通りです。

被相続人の死亡日遡る期間
〜2026年12月31日死亡日前3年間
2027年1月〜2030年12月2024年1月1日から相続開始日までの間の贈与
2031年1月1日〜死亡日前7年間

ただし、延長された4年間(亡くなる3〜7年前)の贈与については、その4年間に行われた贈与額の合計から100万円を差し引いた残額のみが相続財産に加算されます。

また、贈与税として支払った金額は、相続税額から控除されます。

(2)相続時精算課税の場合

相続時精算課税とは、贈与時には「年間110万円」の基礎控除と「累計2,500万円」の特別控除を受けられる代わりに、相続発生時には贈与された財産が相続財産として加算され、相続税が課される制度です。

ただし、基礎控除分については相続税の対象にはなりません。

この制度は、「60歳以上の父母や祖父母(贈与者)」から、「18歳以上の子や孫(受贈者)」への贈与で適用できます。

相続時精算課税では、贈与税は以下のように計算されます。

贈与税の計算(相続時精算課税)

(年間110万円の基礎控除と累計2,500万円の特別控除を超える部分)×20%

なお、基礎控除は受贈者単位、特別控除は贈与者単位で考える点に要注意です。

  • 基礎控除:受贈者単位
    Aが父母それぞれから同一年に贈与を受けた場合でも、適用できる基礎控除は年間110万円
    110万円の基礎控除は各贈与者からの贈与額に応じて按分して適用
  • 特別控除:贈与者単位
    Aが父母それぞれから贈与を受けた場合、父からの贈与、母からの贈与それぞれに2,500万円の特別控除を適用できる

【具体例】評価額2,000万円の土地を子に贈与した場合

父(65歳)が子(30歳)に、相続税評価額2,000万円の土地を贈与するケースで計算してみましょう。

なお、ここでは暦年贈与を想定します。

ステップ計算内容金額
①評価額土地の相続税評価額2,000万円
②基礎控除年間110万円を差し引く▲110万円
③課税価格① − ②1,890万円
④税率・控除額税率45%
控除額265万円
⑤贈与税額1,890万円 × 45% − 265万円585.5万円

評価額2,000万円の土地でも、約586万円もの贈与税が発生する点は要注意です。

さらに、名義変更には贈与税以外にも、以下のような費用がかかります。

  • 登録免許税:
    2,000万円 × 2% = 約40万円
  • 不動産取得税:
    約60万円前後(軽減措置適用後)

合計すると、名義変更だけで約686万円の負担になる可能性があります。

相続との比較

同じ土地を「相続」で引き継ぐ場合、小規模宅地等の特例が使えれば、土地の評価額は400万円(80%減)まで下がる可能性があります。

贈与税以外の費用も以下のようになり、生前に名義変更する場合と比べて負担が大きく異なることが分かります。

  • 登録免許税:
    2,000万円 × 0.4% = 約8万円
  • 不動産取得税:
    非課税

税金負担を抑える「2つの制度」と注意点

(1)配偶者控除(おしどり贈与)

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産(またはその購入資金)を贈与する場合、基礎控除110万円とあわせて最大2,110万円まで贈与税がかからない制度です。

主に、以下の場合に活用が検討されます。

  • 自宅を夫婦の共有名義にしたい
  • 配偶者に住まいを確実に残したい

ただし、配偶者控除を使っても、名義変更に伴う登録免許税や不動産取得税は別途発生します。

また、相続まで待てば使えるはずだった小規模宅地等の特例(最大80%減)が使えなくなるなど、結果として相続時のほうがトータルの税負担が軽くなるケースも少なくありません。

(2)相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、贈与税について基礎控除(年間110万円)と特別控除(累計2,500万円)という大きな控除を受けられる点がメリットです。

不動産のように高額かつ分割しにくい財産を贈与する際に適しています。

相続発生時には基礎控除分を除いて相続税の対象になりますが、この際、贈与時の評価額で相続税が計算されます。

将来的に評価額が上がる見込みのある不動産であれば、相続時精算課税制度で早めに贈与しておくことで節税になる場合があるのです。

ただし、一度相続時精算課税制度を適用すると、暦年課税には戻れません。また、この制度を活用する最初の年には、税務署に対して届け出が必要です。

(3)暦年課税

暦年課税の場合、年間110万円の基礎控除までは贈与税がかかりません。また、相続発生前3~7年より前に贈与をしていれば、相続税の対象になることもありません。

不動産の場合でも、自宅の権利の一部を贈与する、土地の一部を贈与するといった「持分贈与」で少しずつ贈与すれば、暦年課税の基礎控除内で贈与ができる場合があります。

ただし、登録免許税や不動産取得税は贈与のたびに発生するため、持分贈与で複数回に分けて贈与するのが良いか、一括で贈与するのが良いかは慎重に判断すべきです。

住宅・家・マンション・土地|不動産別の注意点

不動産の名義変更にかかる贈与税の考え方は共通していますが、不動産の種類によって注意すべきポイントが異なります。

ここでは、住宅・マンション・土地それぞれについて、名義変更の際に特に気をつけたい点を整理します。

ローンが残っている住宅・マンションは負担付贈与になる

ローンが残っている住宅やマンションを贈与する場合は、負担付贈与になります。

負担付贈与とは、一定の債務も合わせて贈与することです。

例えばローンが残っているマンションを子供に贈与した場合、子供はローン残高の債務も負うことになります。

この場合は、以下の3点に注意しましょう。

  • 事前に金融機関の承諾が必要
  • 贈与税は時価で計算される
  • 贈与者側に所得税が生じることがある

事前に金融機関の承諾が必要

債務付贈与では、ローンを組んでいる金融機関から書面による事前承諾を受ける必要があります。

承諾を受けずに贈与してしまうと、契約違反として残債の一括返済を求められることがあります。

贈与税は時価で計算される

暦年贈与では通常、住宅やマンションなどの不動産は、相続税評価額をもとに贈与税が計算されます。

しかし、負担付贈与の場合は時価をもとに贈与税が計算されます。

なお、課税対象となるのは、不動産の時価からローン残高と基礎控除を除いた部分です。

贈与者側に所得税が生じることがある

負担付贈与でローン(債務)を引き継いでもらうと、税務上は「ローン残高と同じ金額で不動産を売却した(利益を得た)」とみなされます。

そのため、引き継いでもらうローン残高が、その不動産を過去に買ったときの価格(取得費)を上回っている場合には、その差額が「儲け」と判断され、あげる側(贈与者)にも譲渡所得税が発生してしまいます。

もらう側の贈与税だけでなく、あげる側の税金にも注意が必要です。

マンションの名義変更は建物と土地がセットで評価される

マンションを名義変更する場合は、建物(専有部分)と土地(敷地権)がセットで評価される点が特徴です。

そのため、以下を合算した金額が、贈与税の計算基礎になります。

  • 建物の固定資産税評価額
  • 土地の敷地権持分に応じた路線価評価額

「建物だけ」「部屋だけ」という感覚で名義を変えると、土地部分の評価を見落としやすいため注意が必要です。

また、マンションは立地や築年数によって評価額の差が大きく、特に高層マンションなどでは、市場価格と税務上の評価額の関係にも注意が必要です。

土地の名義変更は評価が難しいケースが多い

土地の名義変更は、不動産の中でも特に評価が難しいケースが多いといえます。

理由としては、以下が挙げられます。

  • 路線価方式か倍率方式かの判断が必要
  • 接道状況や形状によって評価が変わる
  • 分筆や共有解消で評価額に差が出やすい

特に、共有地を分筆したり、一部の土地だけを名義変更した場合には、形式上は公平でも、評価額に偏りが生じて贈与と判断されることもあります。

土地については、「同じ面積だから大丈夫」と自己判断せず、評価額ベースで確認することが重要です。

名義変更前に知っておきたい注意点

不動産の名義変更は、贈与税だけを見て判断すると、思わぬ不利やトラブルにつながることがあります。

特に、「誰に名義を移すのか」「どのタイミングで行うのか」によって、注意すべき点が大きく変わります。

遺留分トラブルのリスクがある

特定の人にだけ高額な不動産を贈与すると、他の相続人が最低限受け取れるはずの財産(遺留分)を侵害する可能性があります。

生前は問題にならなくても、相続が発生した後に「不公平だ」としてトラブルに発展するケースも少なくありません。

相続税の対象になる場合、2割加算適用の可能性がある

生前に名義変更で贈与した不動産であっても、7年加算ルールや相続時精算課税制度の適用により、相続時には相続税の計算に組み込まれることがあります。

この際、以下の条件に当てはまると相続税額が2割増しになることがある点も、要注意です。

  • 被相続人の兄弟姉妹
  • 孫(代襲相続人を除く)
  • 子の配偶者
  • その他、配偶者および一親等の血族以外の人

生前贈与と相続はどちらが損をしない?

実は、不動産に関しては「相続(亡くなった後)」で名義を変更したほうが、結果的に得になるケースが多いというのが実情です。

その最大の理由について解説します。

相続のほうが得な場合が多い2つの理由

生前に名義変更(贈与)をすると、確かに「今の贈与税」は抑えられる場合があります。

しかし、不動産については以下の点から、相続まで待つことでトータルの税負担が軽くなることが多いのが特徴です。

  • 相続では小規模宅地等の特例を適用できる場合がある
  • 登録免許税・不動産取得税が贈与と相続で違う

相続では小規模宅地等の特例を適用できる場合がある

亡くなった人の自宅を、配偶者や同居していた親族などが相続する場合、土地の評価額を最大80%減額できる制度があります。

この「小規模宅地等の特例」は、相続でしか適用できません。

そのため、生前に不動産を贈与し、相続時点で名義が移った状態だと、本来使えたはずの80%減額が使えなくなることがあります。

結果として、「節税のつもりで名義変更したのに、相続したほうが節税できた」というケースも少なくありません。

登録免許税・不動産取得税が贈与と相続で違う

名義変更そのものにかかる手続き費用も、生前贈与と相続では大きな差があります。

  • 登録免許税
    • 相続:固定資産税評価額の0.4%
    • 贈与(名義変更):固定資産税評価額の2%
  • 不動産取得税
    • 相続:原則非課税
    • 贈与:課税対象(住宅・土地は軽減措置あり)

贈与による名義変更では、登録免許税率が相続の5倍の税率がかかります。

また、不動産取得税は、相続なら原則としてかからないところ、贈与ではかかってしまうのです。

相続する場合は二次相続を見据えた判断が重要

不動産については、生前に名義変更するよりも「相続」を選んだほうが有利になるケースが多い一方で、相続の内容次第では、将来の税負担が重くなることもあります

特に注意したいのが、二次相続です。

たとえば、夫が亡くなった際、自宅や財産の多くを妻が相続するとします。この場合、一次相続では「配偶者の税額軽減」などにより、相続税がほとんどかからないことも珍しくありません。

しかし、その後に妻が亡くなると(二次相続)、相続人は子のみとなるのが一般的です。

このとき、以下の点から子が負担する相続税が一気に増える可能性があります。

  • 相続人の数が減り、基礎控除額が小さくなる
  • 妻が相続した不動産や預貯金が、妻自身の財産として合算される

つまり、「相続のほうが得だから」という理由だけで一次相続ですべてを配偶者に集めてしまうと、二次相続で不利になることがあるという点には注意が必要です。

不動産の名義をどうするかは、一次相続だけでなく、二次相続まで含めて、家族全体での税負担を考えることが重要です。

不動産の名義変更の流れと必要書類

不動産の名義変更で必要になる書類

贈与による不動産の名義変更では、主に以下の書類が必要になります。

  • 登記事項証明書
  • 贈与者の印鑑証明書
  • 受贈者の住民票または戸籍抄本
  • 固定資産評価証明書(市区町村役場で発行)

また、司法書士など第三者に手続きを依頼する場合は、委任状も必要です。

不動産の名義変更から贈与税申告までの流れ

不動産の名義変更から贈与税申告までの流れは、次の通りです。

ステップ1:名義変更の手続き

名義変更に必要な書類を用意したら、法務局で手続きをします。

必要書類を窓口に持参するか、郵送・オンラインで提出しましょう。

ステップ2:不動産取得税の納付

登記完了から4~6か月ほど経つと、都道府県から「不動産取得税」の納税通知書が届きます。

通知書に記載の期日までに、不動産取得税を納付しましょう。

ステップ3:税務署への贈与税申告

贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に、受贈者の住所地を管轄する税務署へ贈与税の申告・納付を行います。

贈与税が基礎控除を下回り、納税額が0円になる場合は申告不要です。

しかし、配偶者控除を適用する場合には申告が必要です。また、相続時精算課税を適用する最初の年は、納税額の有無にかかわらず、「相続時精算課税選択届出書」を期限内に税務署に提出しましょう。

なお、贈与額が年間110万円以下の場合は贈与税の申告書の提出は不要です(2024年1月以降の贈与より)。

名義変更に踏み切る前に税理士へ相談を

不動産の名義変更は、単なる手続きではなく、贈与税や相続税が大きく動く判断です。

評価額や使える特例によっては、「今名義を変えるより、相続まで待ったほうが有利」となるケースも少なくありません。

また、2024年以降は生前贈与のルールが見直され、自己判断では不利になりやすい場面も増えています。

名義変更を決める前に、一度、相続に強い税理士に相談し、将来まで含めた税負担を整理しておくことをおすすめします。

高部孝之税理士

監修者


高部孝之税理士事務所

税理士高部孝之

2019年税理士試験合格 2020年税理士登録
都内大手税理士法人にて約13年間勤務。資産税部門の責任者などを経て、2024年に独立し浅草にて資産税を強みとする税理士事務所を開業。
専門用語を用いず、平易な言葉で説明することを大切にしており、お客様が親しみやすく相談しやすい税理士を理想としています。

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税理士・FP技能士1級・相続診断士

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