所有不動産記録証明制度とは?相続での使い方・申請方法・手数料を解説

所有不動産記録証明制度とは、特定の人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を、全国一括で検索して一覧化できる制度です。2026年2月2日から開始され、相続財産の調査や相続登記、生前の不動産整理などに活用できます。
相続では、「亡くなった親がどこに不動産を持っていたか分からない」「被相続人が所有していた不動産を調べたい」といったケースが少なくありません。特に、複数の自治体に不動産を所有していた場合や、不動産投資を行っていた場合は、相続人がすべての不動産を把握できていないこともあります。
所有不動産記録証明制度を利用すれば、全国の登記情報をもとに不動産を調査できるため、不動産の把握漏れや相続登記漏れの防止に役立ちます。
本記事では、所有不動産記録証明制度の概要、申請方法、手数料、必要書類、利用時の注意点について分かりやすく解説します。
目次
所有不動産記録証明制度とは
所有不動産を全国一括で確認できる制度
所有不動産記録証明制度は、特定の人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を登記官が全国から検索し、その結果を証明書として交付する制度です。2026年2月2日に施行され、亡くなった方や自分名義の不動産を一覧で確認できます。
相続では、「亡くなった方がどこに不動産を所有していたのかわからない」「遠方の不動産を把握できていない」といったケースがあります。所有不動産記録証明制度を利用すれば、こうした不動産の把握漏れを防ぐのに役立ちます。
一方、制度の認知度はまだ高くありません。法務省が2025年9月に実施した「相続登記の義務化等に関する認知度調査」によると、所有不動産記録証明制度が2026年2月に始まることを「聞いたことがある」と回答した人は21.3%でした。調査対象は、本人・配偶者・親のいずれかが不動産を所有する20歳以上の男女9,319人です。
前年度調査の18.9%からは上昇しているものの、不動産に関わりのある層に絞った調査でも、約8割が制度を知らない状況です。
従来の調査方法「名寄帳」との違い
これまで、被相続人の所有不動産を調査する主な方法としては、「名寄帳」の取り寄せがありました。
しかし、名寄帳は各市区町村における所有不動産を確認できるだけで、全国単位で調べるには各市町村からの取り寄せが必要でした。
被相続人が複数の自治体に不動産を所有していた場合、心当たりのある全ての市区町村に個別に請求しなければならず、見落としのリスクが高まります。
しかし、所有不動産記録証明書なら全国の所有不動産を一括で確認できるのです。
ほかにも名寄帳と所有不動産記録証明書には以下のような違いがあります。
名寄帳と所有不動産記録証明書の違い
| 項目 | 名寄帳 | 所有不動産記録証明書 |
|---|---|---|
| 調査範囲 | 市区町村単位 | 全国一括 |
| 申請先 | 各市区町村役場 | 全国の法務局・地方法務局 (支局・出張所を含む) |
| 情報源 | 固定資産課税台帳 | 登記記録(登記簿) |
| 記載内容 | 不動産情報+固定資産税評価額 | 不動産情報のみ(評価額なし) |
| 非課税不動産の記載 | 自治体により異なる | 所有権の登記があれば記載 |
| 未登記建物 | 課税台帳に登録されていれば記載(自治体により異なる) | 記載なし(表題登記のみは対象外) |
| 手数料(1回) | 無料~数百円程度(自治体により異なる) | 1,470~1,600円 |
| オンライン申請 | 一部自治体のみ可 | 可能 |
ただし、上表のとおり、固定資産税評価額など所有不動産記録証明書には記載されず、名寄帳で確認できる情報もあります。未登記建物や非課税の不動産が名寄帳に載るかどうかは自治体によって異なるため、取得前に対象の市区町村へ確認するとよいでしょう。
所有不動産記録証明制度は「所有権の登記」を元に検索するため、所有権の登記がない未登記建物や、所有権の登記がされていない建物(表題登記のみの建物)などは名簿から漏れてしまうのです。
そうした場合は、従来どおり名寄帳での確認が必要です。
所有不動産記録証明制度を利用するメリット
所有不動産記録証明制度は、全国の不動産を一度に把握できる利便性、申請窓口の柔軟さ、オンライン対応といった点で、従来の調査方法を大きく上回ります。
それぞれのメリットを順に解説します。
全国の不動産を一度に把握できる
従来は、被相続人の不動産がどこにあるか分からない場合、心当たりのある市区町村に片っ端から名寄帳を請求する必要がありました。
所有不動産記録証明制度なら、1回の申請で全国の登記記録を検索できるため、「見知らぬ土地の権利証が出てきた」といったケースでも効率的に調査できます。
どこの法務局からでも申請可能
所有不動産記録証明書は、全国すべての法務局・地方法務局(支局・出張所を含む)で申請できます。自宅近くの法務局から申請しても、北海道から沖縄まで全国の不動産情報を取得できます。
オンライン申請に対応
法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を利用すれば、オンラインでの申請も可能です。窓口に出向く時間がない方や、遠方に住んでいる方にとって大きなメリットです。
所有不動産記録証明制度が役立つ場面
相続が発生した場合
相続が発生した場合、相続財産の中に不動産があれば、相続登記をしなければなりません。
相続登記は2024年4月から義務化されており、申請義務は次の2つに分かれます。
- 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記を申請する
- 遺産分割が成立した場合は、成立した日から3年以内に、分割の内容に応じた登記を申請する
義務化より前に発生した相続も対象です。この場合の期限は原則として2027年3月31日ですが、不動産を相続で取得したことを知った日が2024年4月以降であれば、その日から3年以内となります。
しかし、被相続人の所有不動産をすべて把握していなければ、適切な相続登記ができません。
また、見落としている不動産があり、本来なら相続税申告すべきものを申告できていなかった場合、申告漏れとしてペナルティが生じる可能性もあります。
そのため、所有不動産記録証明制度を活用し、全国に所有不動産はないか確認しておくことが重要です。
所有不動産記録証明制度を活用することで、被相続人名義の不動産を全国の登記記録から広く把握し、登記漏れの防止に役立てることができます。
ポイント
相続では、以下の場面で所有不動産の把握が必要になる。
- 相続登記
- 相続税申告
生前に所有不動産を整理したい場合
所有不動産記録証明制度は、所有権の登記名義人本人も利用できます。将来の相続に備え、自分名義の不動産を整理したい方、遺言書作成の基礎資料として活用したい方にも有用です。
たとえば相続トラブルを防ぐために土地を生前贈与しても、存在を忘れている不動産が残っていると、相続時にトラブルのもとになりかねません。
そういったことを防ぐためにも、生前贈与の際にも所有不動産を一覧で確認することがおすすめです。
所有不動産記録証明制度を請求できる人と必要書類
所有不動産記録証明書を請求できるのは、登記名義人本人・その相続人その他の一般承継人・代理人に限られます。
立場によって必要となる書類が異なり、特に相続人が申請する場合は被相続人との関係を証する戸籍謄本などが追加で必要です。
申請できる人
所有不動産記録証明書を請求できるのは、以下の方です。
- 所有権の登記名義人本人(法人を含む)
- 登記名義人の相続人その他の一般承継人(法人を含む)
- 上記の方から委任を受けた代理人
委任状があれば、代理人が請求することもできます。制度上、代理人になれる人の資格に制限は設けられていません。
ただし、報酬を得て業として交付請求書の作成を代行する場合は、司法書士法上の業務制限がかかると考えられています。手続きそのものを専門家に任せたい場合は、司法書士に相談するとよいでしょう。
必要書類一覧
所有不動産記録証明書の請求に必要な書類は、申請者によって異なります。
| 申請者 | 必要書類 |
|---|---|
| 本人(自然人) | 印鑑証明書+実印押印または本人確認書類の写し |
| 相続人 | 本人請求に必要な書類、相続関係を証する戸籍謄本など |
| 代理人 | 本人または相続人の必要書類、委任状(請求人の実印押印) |
印鑑証明書に発行期限はありません。
本人確認書類の写しを利用できるのは、書面で請求する場合に限られます。マイナンバーカードや運転免許証などが該当し、窓口で請求する場合は原本の提示も必要です。
相続人は、戸籍謄本などに代えて法定相続情報一覧図の写しを利用できます。法定相続情報番号や戸籍電子証明書提供用識別符号を提供する方法もあります。
代理人が請求する場合、委任状には請求人の実印を押し、請求人の印鑑証明書を添付します。
請求書の内容に不備がある場合は訂正が、添付書類に不足がある場合は補完が必要となります。一定期間内に対応されない場合、証明書が交付されないことがあります。
なお、原則として原本の提出が必要ですが、印鑑証明書・委任状以外の書類については、原本と併せてコピー(原本と相違がない旨を記載し、請求人本人の記名がされたもの)を提出すれば、手続完了後に原本が返却されます。
所有不動産記録証明制度の申請方法と流れ
所有不動産記録証明制度の申請方法は以下の3つです。
- 窓口申請:全国どこの法務局・地方法務局(支局・出張所)でも可
- 郵送申請:返送用封筒と切手を同封
- オンライン申請:「登記・供託オンライン申請システム」の申請用総合ソフトを使用
手続きは「請求 → 検索 → 交付」の3ステップで進み、検索条件の指定方法によって精度が大きく変わるのが特徴です。
(1)請求
請求書に必要事項(請求者の氏名・住所、検索条件となる登記名義人の氏名・住所等)を記入し、必要書類を添えて提出します。
請求書の様式は法務省のウェブサイトからダウンロードできます。
法務省では、登記名義人が自然人の場合・法人の場合・相続人が請求する場合それぞれの記載例も公開しています。
過去の氏名・住所を検索条件に含める場合や、外国人がローマ字氏名を追加する場合の裏面記載例もあるため、申請前に確認しておくと安心です。
なお、オンライン申請の場合は、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」の申請用総合ソフトを利用して必要事項を入力し、電子的に請求します。窓口申請や郵送申請と異なり、請求書を印刷して提出する必要はありません。
精度を上げるための検索条件のポイント
検索条件には、現在の氏名・住所だけでなく、旧姓や転居前の住所などを追加で指定することも可能です。例えば、結婚前の姓で取得した不動産や、転居前の住所で登記された不動産がある場合、現在の氏名・住所だけでは検索にヒットしないことがあります。
過去の氏名や住所を検索条件に追加する場合は、それらを証する書類(除籍謄本や戸籍の附票の写しなど)が必要なので、合わせて用意しておきましょう。
また、ローマ字氏名や会社法人等番号を検索条件として追加することもできます。
(2)検索
登記官がシステムに検索条件を入力し、全国の登記記録から該当する不動産を抽出します。検索は、氏名の前方一致+住所の市区町村一致、または氏名の前方一致+住所の末尾5文字一致でヒットする仕組みです。
ローマ字氏名を検索条件に追加した場合は完全一致、会社法人等番号を追加した場合も完全一致で検索されます。特に法人については、会社法人等番号を指定することでより正確な検索が可能です。
なお、「渡邊」と「渡辺」のような異体字(旧字体など)は、システム内部で一定範囲の文字が変換されて検索されます。すべての異体字に対応しているわけではなく、字体の違いによって検索結果に表示されない可能性があります。
登記記録上の字体がわかる場合は、その字体を指定して検索すると、検索漏れを防ぎやすくなります。
(3)交付
検索結果をもとに証明書が作成され、窓口交付または郵送で受け取ります。該当する不動産がない場合は、その旨を記載した証明書が交付されます(この場合も手数料がかかります)。
所有不動産記録証明制度の手数料・費用
手数料
所有不動産記録証明書の交付手数料は、申請方法によって異なります。
| 申請方法 | 手数料(検索条件1件・1通あたり) |
|---|---|
| 書面請求(窓口・郵送) | 1,600円 |
| オンライン請求(郵送交付) | 1,500円 |
| オンライン請求(窓口交付) | 1,470円(最安) |
書面請求の場合、手数料は収入印紙を請求書に貼り付けることで支払います。
オンライン請求の場合は、インターネットバンキングやATMなどでの支払いが可能です。
費用の計算例
書面請求で検索条件を4件指定し、証明書を1通請求する場合、手数料は「検索条件4件 × 1通 × 1,600円 = 6,400円」です。
検索条件が増えるほど手数料は高くなりますが、名寄帳のように市区町村ごとに請求する手間を考えれば効率的です。
所有不動産記録証明制度の注意点と対応策
所有不動産記録証明制度は便利な仕組みですが、万能ではありません。
検索精度には一定の限界があり、旧姓や旧住所で登記された不動産が漏れる可能性、同姓同名の別人がヒットする可能性、評価額が記載されないことなど、利用前に知っておくべき注意点が複数あります。
検索精度には限界がある
システムは氏名・住所をもとに検索するため、登記記録上の氏名・住所と検索条件が異なる場合、不動産が抽出されないことがあります。
例えば、婚姻前の旧姓で登記されている不動産や、転居前の住所で登記されている不動産は、検索漏れの可能性があります。
過去の氏名・住所が判明している場合は、それらも検索条件として追加指定することをお勧めします。
同姓同名の別人の不動産が抽出される可能性がある
検索は氏名の前方一致で行われるため、同姓同名または類似の名前の別人が所有する不動産が結果に含まれることがあります。
証明書の記載内容だけで判断せず、必要に応じて登記事項証明書を取得して確認することが重要です。
コンピュータ化されていない登記は対象外
登記簿がコンピュータ化されていない不動産(一部の閉鎖登記簿など)は検索対象になりません。また、表示登記のみで所有権の登記がされていない不動産も対象外です。
そのため、被相続人が古くから不動産を所有していた場合や、所有不動産記録証明書に記載のない不動産の存在が疑われる場合には、名寄帳の取得や登記事項証明書の個別調査を併用することが重要です。
固定資産税評価額や相続税評価額は分からない
所有不動産記録証明書に記載されるのは、不動産の所在・地番・家屋番号などの登記情報のみです。
相続税評価額や固定資産税評価額は記載されません。固定資産税評価額は、固定資産税の課税明細書や固定資産評価証明書などで確認できます。
一方、相続税評価額は、土地については路線価方式または倍率方式で算定し、家屋については固定資産税評価額に倍率(1.0)を乗じて評価するのが原則です。固定資産税評価額が分かっても、土地の相続税評価額はそのままでは分かりません。
交付までに時間がかかる場合がある
交付にかかる日数は登記所ごとに異なります。制度開始当初は混雑が予想され2週間程度要する場合があるとされていました。現状は事前に請求先の法務局へお問い合わせください。
相続税申告の期限が迫っている場合は、余裕を持って早めに申請することをお勧めします。
相続で所有不動産の把握漏れがあるとどうなる?
所有不動産記録証明制度は、全国の所有不動産を一括で確認できる制度です。
この制度が重要になる場面の1つが相続ですが、もし相続の際に把握漏れしている不動産があるとどうなるのでしょうか。
2つのリスクを解説します。
相続税の申告漏れでペナルティを受ける可能性がある
相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなったことを知った日)の翌日から10か月以内です。この期間内に被相続人の財産を調査し、正確に申告する必要があります。
申告後に、申告から漏れていた不動産が見つかり、本来納めるべき相続税額より少なく申告していた場合は、修正申告が必要です。この場合、次のようなペナルティが発生する可能性があります。
| ペナルティの種類 | 概要 |
|---|---|
| 過少申告加算税 | 追加納付額の5~15%*¹ |
| 延滞税 | 納付遅延日数に応じて年2.8~9.1%程度 |
| 重加算税(財産の隠ぺい・仮装があった場合) | 追加納付額の35% (一定の加重措置が適用される場合は45%)*² |
*¹税務調査の事前通知を受ける前に、調査による更正を予知することなく修正申告した場合は課されません。事前通知後でも、更正を予知する前なら5%(一定額を超える部分は10%)、予知した後などは10%(同15%)です。
*² 過去5年以内に同じ税目で一定の無申告加算税や重加算税を課されたことがある場合は10%加重され、45%(無申告時は50%)となります。
所有不動産記録証明制度を活用して財産調査の精度を高めることは、これらのペナルティを回避する上で非常に有効です。
相続登記(義務)ができず過料が生じることがある
2024年4月から相続登記が義務化され、相続人には次の2つの申請義務があります。
- 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の相続登記
- 遺産分割が成立した場合は、その成立日から3年以内の、分割内容に応じた登記
義務化より前に相続した不動産も対象で、期限は原則として2027年3月31日です。ただし、取得を知った日が2024年4月以降であれば、その日から3年以内となります。
正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料の対象となります。
所有不動産記録証明制度は、まさにこの相続登記義務化に伴う環境整備策の一つとして創設されました。登記漏れを防ぎ、スムーズに相続手続きを進めるためにも、この制度を有効活用しましょう。
所有不動産記録証明制度に関するよくある質問
Q. 所有不動産記録証明書と名寄帳はどちらを取得すべき?
まず所有不動産記録証明制度を利用して全国の登記記録から所有不動産を確認し、必要に応じて名寄帳を取得するのがおすすめです。
所有不動産記録証明制度では全国の所有不動産を調べられますが、コンピュータ化されていない登記など、一部の不動産は検索対象外となる場合があります。
また、所有不動産記録証明書には固定資産税評価額は記載されていません。
そのため、所有不動産記録証明書だけでは調査が不十分と考えられる場合や、不動産の評価額を確認したい場合には名寄帳も併せて取得するとよいでしょう。
Q. 相続人でも請求できる?
相続人は所有不動産記録証明書を請求できます。
ただし、請求時には戸籍謄本など、被相続人との相続関係を証明する書類の提出が必要です。委任状を提出すれば、代理人による請求もできます。
手続きを専門家に任せる場合は、司法書士に相談するとよいでしょう。
Q. 所有不動産記録証明書だけで相続登記はできる?
できません。
所有不動産記録証明書は、被相続人がどの不動産を所有していたかを確認するための資料です。相続登記を行うには、戸籍謄本や遺産分割協議書、相続関係説明図など、法務局が求める必要書類を別途準備しなければなりません。
ただし、相続登記の対象となる不動産を漏れなく把握するうえで、所有不動産記録証明書は有効な資料となります。
Q. 相続放棄した人も所有不動産記録証明書を請求できる?
相続放棄をすると初めから相続人でなかったものとみなされるため(民法939条)、原則として請求できないと考えられます。
法務省の案内に明示はないため、判断に迷う場合は法務局へご確認ください。
まとめ|制度活用のポイント
2026年2月2日に施行された所有不動産記録証明制度は、相続人の財産調査を効率化する新たな制度です。最後に、活用のポイントをまとめます。
- 早めに申請する
交付までにかかる日数は登記所によって異なります。相続税の申告期限を見据え、余裕を持って申請しましょう。 - 検索条件を工夫する
被相続人の過去の氏名や住所も検索条件に含めると、検索漏れを減らせます。 - 名寄帳と併用する
所有不動産記録証明制度と名寄帳には、それぞれ異なる特徴があります。必要に応じて併用しましょう。 - 評価額を別途確認する
所有不動産記録証明書には評価額が記載されません。相続税申告では、固定資産税評価額などを別途確認したうえで、土地は路線価方式または倍率方式、家屋は原則として固定資産税評価額をもとに相続税評価額を算定します。
複雑な相続や判断に迷う場合は、税理士や司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。

監修者
高部孝之税理士事務所
税理士高部孝之
2019年税理士試験合格 2020年税理士登録
都内大手税理士法人にて約13年間勤務。資産税部門の責任者などを経て、2024年に独立し浅草にて資産税を強みとする税理士事務所を開業。
専門用語を用いず、平易な言葉で説明することを大切にしており、お客様が親しみやすく相談しやすい税理士を理想としています。
保有資格
税理士・FP技能士1級・相続診断士