【労働者側】労働問題を依頼すべき弁護士とは?選び方や注意点も解説!

更新日:
労働問題の弁護士

「残業代の未払い」「不当解雇」「セクハラ・パワハラ」「労災トラブル」など、一口に労働問題といっても、さまざまな種類があります。

労働問題を有利に解決するには、弁護士によるサポートが必要です。しかし、どういった弁護士に依頼すれば良いのかわからない方も多いでしょう。

そこで、今回の記事では労働問題を依頼すべき弁護士の選び方、探し方をご説明します。弁護士に依頼するメリットやデメリットも合わせて解説しますので、労働問題に巻き込まれてお困りの方はぜひ、参考にしてみてください。

労働者側の労働問題で弁護士がしてくれること

未払い残業代や賃金、退職金の請求

会社が残業代をきちんと支払ってくれないのでトラブルになる事例が多々あります。賃金支払いに遅延が生じたり、退職金を払ってもらえなかったりするケースもあるでしょう。

そういった場合には、弁護士に相談すると勤務先へ未払いの賃金や退職金を請求してもらえます。

弁護士が対応すると、労働者本人が対応するよりも会社が真剣な態度となり、支払いが行われるケースが少なくありません。

不当解雇・退職勧奨への対応

会社から突然解雇されると、納得できないと感じるでしょう。解雇されなくても、強い退職勧奨を受けて半強制的に退職させられるケースがあります。

そんなとき、弁護士に相談すると解雇や退職勧奨の違法性を判断してくれます。違法であれば解雇を撤回させたり、未払賃金を支払ってもらえたりするので、泣き寝入りをせずに済むでしょう。

セクハラ・パワハラへの対応

社内でセクハラやパワハラなどのハラスメント被害を受けた場合にも、弁護士が強い味方となります。

弁護士はまず、被害者の代理人として加害者や会社側へ賠償金を請求します。

相手方が誠実に対応しないときには、労働審判や訴訟などの法的手続きを利用して賠償金を支払わせることも可能です。

セクハラ・パワハラを受けてお悩みの方は、早めに弁護士に相談してみてください。

労災対応

労災が発生したら、労災保険の申請をすべきです。会社に責任がある場合、会社への損害賠償請求の対応も必要となるでしょう。

とはいえ労災でケガをしてしまった本人がお1人で対応すると、不安があります。

弁護士に相談すれば、労災保険の申請や会社への賠償請求などの手続きを任せられるので、安心感を得られるでしょう

内部告発や公益通報のサポート

社内で不正が行われているなら、内部告発や公益通報を検討すべきです。ただ、1人で内部告発をしようとすると、会社から不利益処分を受ける不安を感じるでしょう。

また、判断を誤ると「名誉毀損」として逆に訴えられてしまうおそれもあります。

弁護士に相談すれば、本当に内部告発すべきケースなのか正しく判断できますし、手続きの方法についてもアドバイスを受けられます。安全に内部告発・公益通報を進めるためにも、弁護士へ相談しましょう。

労働者側が労働問題を弁護士に依頼するメリット

有利に解決できる可能性が高くなる

弁護士にトラブル解決を依頼すると、弁護士は本人の代理人として会社側と交渉を行います。弁護士は交渉のプロで法律の知識や経験も豊富なので、労働者本人が対応するより有利に解決できる可能性が一気に高まるでしょう

会社が真剣に対応する

労働トラブルが起こったとき、労働者が自分で連絡を入れても、企業側がまともに取り合わないケースが多々あります。

そういったケースでも、弁護士が内容証明郵便を送れば、真摯に対応して残業代の支払や解雇の撤回などに応じる事例が少なくありません。

労力と時間を削減できる

労働トラブルへの対応には、非常に手間と時間を割かれます。内容証明郵便を作成・発送したり、会社と交渉したりしなければなりません。

相手から回答があれば、再反論や再提案内容を検討する必要があるでしょう。解決するまで満足に転職活動もできない可能性もあります。

弁護士に任せれば、基本的な対応はすべて弁護士がしてくれるので、自分で労力や時間を割く必要はありません。転職活動や資格取得のための勉強など、これからの人生に役立つ活動を展開できるメリットがあります。

精神的に楽になる

会社とトラブルを抱えていると、大変な精神的ストレスがかかります。夜も眠れなくなる方も少なくありません。

弁護士に依頼すれば「大船に乗った気持ち」となって心安らかになるものです。

前進していく気力も沸いてきますし、毎日を平穏な気持ちで過ごせるでしょう。

相手が不誠実なら法的な手段をとれる

労働問題が発生すると、協議をしても解決できないケースが多々あります。

話し合いで合意できなければ、労働審判や訴訟を起こして解決するしかありません。

ただ1人でこういった裁判手続きをするのは困難です。結局、決裂を恐れて不利な条件で和解せざるを得なくなる方もたくさんいらっしゃいます。

弁護士に依頼していれば、相手が不誠実な場合には躊躇なく労働審判や訴訟などの法的手続をとれます。泣き寝入りする必要はありません。判決が出ても会社側が任意に支払いをしない場合には会社財産の差押も可能となり、回収の確実性も高まるでしょう。

労働問題を弁護士に依頼するデメリット

費用が発生する

弁護士に依頼する一番のデメリットは「弁護士費用(報酬)」が発生することです。

依頼した当初に「着手金」がかかり、解決できたときに「報酬金」が発生します。

具体的な金額は案件の内容や法律事務所によっても異なりますが、10万円以上にはなるでしょう。

弁護士に依頼する前に、どのくらいの費用がかかるのか見積もりをもらってしっかり検討するようお勧めします。

関連記事

労働問題を依頼するときの弁護士費用は?トラブル別の費用と相場を解説

必ずしも良い弁護士とは限らない

確かに弁護士は労働者にとって強い味方となりますが、すべての弁護士が労働問題に強いわけではありません。

弁護士の中には、ほとんど労働問題を取り扱っていない人もいます。弁護士選びに失敗すると、期待していたほど良い解決につながらないリスクがあるでしょう。

労働問題を依頼するなら、労働トラブルに詳しく労働分野を得意としている弁護士を選ぶべきです。

労働問題を依頼すべき弁護士の選び方

労働問題を弁護士に依頼するなら、以下のような視点で弁護士を選んでみてください。

労働問題の解決実績が高い

1つ目は労働問題の解決実績です。これまで取り扱った労働問題の事件数が多く、高い解決実績を誇る弁護士であれば、安心して依頼できるでしょう。

解決実績については、法律事務所のホームページに掲載されていることもありますし、問い合わせれば教えてもらえるケースもあります労働関係の本を執筆していれば、著書に書いてある可能性もあるでしょう。

まずは労働問題をどのくらい取り扱ったことがあるのか、経験面から検討してみてください。

労働問題に積極的に取り組んでいる

これまでの解決実績だけではなく「現在積極的に労働問題に取り組んでいるか」という姿勢も大切です。

親身になって労働者側の立場から会社と交渉してくれるのか、最後まで粘り強く交渉してくれるのかなど、弁護士の姿勢によって大きく変わってきます。

依頼前に、弁護士がどのくらい熱心に労働トラブルに取り組んでいるのか見極めましょう。

コミュニケーションをとりやすい

弁護士に物事を依頼するときには「コミュニケーションの円滑さ」が非常に重要です。

電話、メール、オンライン面談、LINEなど、各種の方法で連絡を取りやすい弁護士を選びましょう

ほとんど電話がつながらない、メールの返信が期待できないなどの弁護士に依頼すると、たとえ能力的には優秀であっても依頼者に多大なストレスがかかってしまいます。

説明がわかりやすい、質問しやすい

弁護士に何かの対応を依頼するときには、説明がわかりやすくてこちらからも質問しやすい人を選びましょう

何を言っているのかわかりにくい人では、こちらもストレスが溜まります。わからないことを質問できなかったら、納得できない方向に話を進められてしまうかもしれません。

依頼前の相談時、スムーズに意思疎通できるか確認することが大切です。

労働問題を相談する弁護士の探し方

知人や親戚の紹介

まずは知人や友人、親戚などから紹介を受ける方法があります。知っている人から紹介してもらったら、安心感があるでしょう。

ただし、紹介された弁護士が必ずしも労働問題に詳しいとは限りません。また、紹介された以上、断りにくいこともデメリットとなるでしょう。

紹介を受ける前に「労働問題に積極的に取り組んでいるのか」を確認し、HPなどで情報収集してから相談するかどうか決定してください

法テラスや弁護士会を経由する

法テラスや弁護士会で法律相談を受けたり、弁護士紹介をしてもらったりする方法もあります。

ただこれらの方法では、担当弁護士を選べません。「労働問題に強い弁護士」という指定もできないケースが多数です。気に入らない場合に断りやすいメリットはありますが、ピンポイントで「労働問題に強い弁護士」を探したい場合には適しません。

インターネットで探す

現代社会では、インターネットにあらゆる情報が溢れています。弁護士も自分でインターネットを使って探す方法が効率的かつ有効といえるでしょう。「労働問題 弁護士 地域名」などで検索し、地域の労働トラブルに強い弁護士を探してみてください

まとめ

残業代トラブル、不当解雇や雇い止めなど、労働トラブルに巻き込まれたら早めに弁護士へ相談しましょう。

弁護士に依頼するメリットとデメリットを踏まえて、法律事務所のHPや各種メディアを参照し、あなたに合った最適な弁護士を見つけてください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

残業代・不当解雇など

全国/24時間/無料

弁護士に労働問題を共有する