離職票はいつ届く?退職から失業手当を受給するまでの流れを解説!

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離職票はいつ届く?

「離職票はいつ届く?」
「失業手当を受給する手続きは?」

勤めていた会社を退職して失業手当(基本手当)を受ける際に、申請に必要な離職票がなかなか手元に届かず、お困りになってはいないでしょうか。

また、失業手当を受給できるまでの手順がよくわからないという方も多いかと思います。

この記事では、離職票の取得方法と失業手当を受給するまでの流れを解説します。

そもそも離職票とは・いつ何が必要?

離職票とは、労働者が離職した事実やその理由・日付などを公的に証明する書類です。

離職票の発行自体は、会社に対し「離職票の発行をお願いします」と請求するだけで手に入れることができます。

離職票はいつ必要になる?

離職票は、退職者が失業保険の基本手当を申請する際に必要になります。

その他にも、失業を理由とした給付金を申請する際や国民保険への切り替えをするときなど、退職をなんらかの形で証明しなければいけないときにも使う場合があります。

離職票はいつ届く?

離職票はあらかじめ発行を予定していれば、退職してから通常10日〜2週間以内に会社から届きます。

離職票の発行には原則として労働者自身が請求することが必要なので、もしも失業保険を受給する予定であれば早めに会社に伝えるようにしましょう。

離職票はどうやって届く?

離職票が届くまでの流れは以下の通りです。

  1. 会社がハローワークに離職証明書を提出
  2. ハローワークが離職票を会社に送付
  3. 会社が必要事項を記入し、退職者に送付

雇用保険法施行規則7条・雇用保険法7条により、会社は労働者が退職した翌日から10日以内に離職証明書を提出しなければいけないと定められています。

退職から2週間以上経っても離職票が届かず困っている方は、『離職票がもらえない!理由と対処法について解説』の記事も参考にしてください。

離職票は2種類ある

離職票は、「雇用保険被保険者離職票-1」と、「雇用保険被保険者離職票-2」の2種類があります。

それぞれ簡易的に「離職票-1」や「離職票-2」と呼ばれていることが多いです。

「-1」の用紙は、失業手当の振込先となる金融機関の指定が可能な用紙で、「-2」の用紙は退職理由と退職直前6か月間の給与が記載されているものです。

これら2枚をセットにして、ハローワークに提出します。

離職票と退職証明書の違いとは?

離職票と似たもので退職証明書があります。

離職票と退職証明書の違いは、離職票はハローワークが発行する書面であるのに対し、退職証明書は会社が作成する私的な書面という点です。

退職証明書は必ずしも必要なものではありませんが、転職先の企業から提出が求められる場合があります。

失業手当の申請方法と受給までの流れ

退職してから失業手当を受けられるようになるまで、どのような順序を追っていけば良いのでしょうか。

必要な書類や手続きがわからないという方も多いかと思います。実際の流れを見てみましょう。

失業手当の申請で離職票以外に必要なものは?

失業手当の申請に必要な書類は以下の6つです。

失業手当の申請に必要な書類

  1. 離職票
  2. 雇用保険被保険者証(就職していた会社からもらえる)
  3. 証明写真2枚(縦3cm x 横2.5cm)
  4. 個人番号確認書類(マイナンバーカード、個人番号の記載のある住民票等)
  5. 本人確認証(運転免許証、マイナンバーカード等)
  6. 通帳

残業時間などが理由で、会社都合での退職扱いにしたい場合は、それらを示す書類もあわせて持っていきましょう。

ハローワークでの失業手当の申請手続きとは?

ハローワークへ出向き、失業手当の申請を行います。

会社都合による退職の場合は、以下の手順です。

  1. ハローワークで求職の手続きを行う(求職票への記入と離職票などを提出)
  2. 7日間の待期期間
  3. 雇用保険説明会と失業認定日に出席
  4. その後1週間程度で初給付
  5. 以後は4週に一度の失業認定日に出席、その後1週間程度で給付の繰り返し

自己都合による退職の場合、原則として7日間の待期期間満了の翌日から2か月間の給付制限があるため、申請から2か月間と7日は失業手当を受けることができません。

失業手当はいつまでに申請すればいい?

失業手当は、受給できる期間が「離職した日の翌日から1年間」と決まっています。

そのため離職票を受け取ったら早く申請すべきです。

申請が遅れると、十九できる期間が短くなってしまう可能性があります。

失業手当を受給できる条件

失業手当は、退職者であればどなたでも受けれるというものではありません。

受給にはいくつかの条件があり、退職理由や年齢などによっても内容が異なります。

そもそも失業手当とは?

失業手当とは、再就職するまでの間、国からもらえるお金のことを指します。

対象者は以下です。

  • 辞めた会社で雇用保険に加入していた人
  • ハローワークを通じて再就職を目指している人
  • 64歳以下の人(65歳以上は高年齢求職者給付金を受け取れる可能性があります)

これらの条件に当てはまる人が、失業手当を受け取ることができます。

受給には雇用保険への加入が条件

失業手当を受給するには、離職する会社で一定期間、雇用保険に入っている必要があります。

また、退職理由によって、対象となる期間が異なります。

会社都合による退職の場合

会社都合退職の場合、離職の日以前1年間に雇用保険に加入していた時期が通算して6か月以上あることが必要です。

会社都合による退職の方が、受給条件が緩くなっています。

自己都合による退職の場合

自己都合退職の場合、離職の日以前2年間に雇用保険に加入していた時期が通算して12か月以上あることが必要です。

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失業手当の給付期間は何日?

失業手当がもらえる期間は、雇用保険加入期間と離職時の年齢、そして離職理由によって異なります。

自己都合退職の場合

自己都合退職の場合は、離職時の年齢に関係なく、雇用保険に加入していた期間によって給付日数が異なります。

10年未満10年以上20年未満20年以上
離職時65歳未満90日120日150日

会社都合退職の場合

会社都合退職の場合は、離職時の年齢ならびに雇用保険に加入していた期間によって給付日数が異なります。

1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
離職時30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満90日120日180日210日240日
35歳以上45歳未満90日150日180日240日270日
45歳以上60歳未満90日180日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

失業手当でもらえる金額はいくら?

失業手当の受給額は、「基本手当日額 × 所定給付日数」で計算できます。

基本手当日額とは、失業手当で受給できる1日あたりの金額を指し、退職前6か月の賃金の総額を180で割って算出した金額のおよそ50%〜80%となっています。

基本手当日額の上限は年齢によって異なり、毎年8月1日に改定されます。

2023年8月1日現在では、以下のとおりになっています。

  • 30歳未満 上限6,945円
  • 30歳以上45歳未満 上限7,715円
  • 45歳以上60歳未満 上限8,490円
  • 60歳以上65歳未満 上限7,294円

※下限は一律2,196円

参考:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和5 年8 月 1 日から~

退職理由は自己都合より会社都合のほうが有利

失業手当を受けるにあたって、転職や結婚などによる自己都合退職より、リストラなどによる会社都合退職の方が有利です。

自己都合と会社都合では、給付開始までに2か月間の差があったり、最大支給額や支給日数が倍近く違ってくるケースもあります。

また、退職時に自己都合として扱われていても、退職の状況によってはハローワークで会社都合と認められることがあります。

たとえば、会社都合退職となる可能性のあるものとして、残業が長すぎる、給料の未払い、パワハラやセクハラを受けたなどが挙げられます。

データや音声などの客観的な証拠があれば、失業手当を申請する際に持参するといいでしょう。

離職票が届かない場合の対処法

離職票が届かない主な理由は「会社側の申請ミス」「ハローワークが繁忙期」などが挙げられます。

離職票が届かない場合の対処法をみていきましょう。

①会社に問い合わせる

退職から2週間が経過しても離職票が届かない場合、まずは会社へ問い合わせてみましょう。

もし、離職票が必要ということを会社へ言っていない場合、離職票が発行されないことがあるため、しっかりと伝える必要があります。

また、手続きをする担当者のミスなどで、送付が遅れているケースもあります。

②ハローワークに問い合わせる

会社側での手続きが終わっている場合、ハローワーク側で手続きが止まっている可能性があります。

特に、3月9月といった時期は退職者が多く、ハローワークにとって繁忙期となります。

退職が繁忙期のタイミングと被ってしまうと、離職票の交付が遅れることもあるでしょう。

③失業保険受給の仮手続きをする

退職日から12日経っても離職票が届かない場合、離職票がなくてもハローワークで失業保険の仮手続きができます。

ご自身の管轄のハローワークで求職登録を行い、必要な書類を確認して提出すれば仮手続きは完了です。

仮手続きをすることによって、離職票の到着を待ちながら、失業保険の給付手続きを遅延なく行えるメリットがあります。

ただし、失業認定日までには離職票を提出する必要があるため、会社やハローワークへ進捗状況を確認し、離職票を発行してもらうようにしましょう。

会社からの嫌がらせで離職票が届かない場合は?

退職者への嫌がらせで、離職票を交付しないといった悪質な会社もあります。

しかし、このような行為は「雇用保険法第76条3項」において違法となっており、会社は離職票の交付を拒否することはできません。

会社が正当な理由なく拒否した場合、「雇用保険法第83条4号」により、6か月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金の対象になります。

会社から離職票が交付されない場合は、ハローワークへ相談をすることで、ハローワーク側から会社へ催促を行ってくれます。

ハローワークからの催促にも応じず、会社が手続きを行わない場合は、確認請求を行うことができます。

確認請求とは、雇用保険の被保険者でなくなったことを管轄のハローワークで確認してもらうことです。

離職の事実を示す書面または口頭で確認の請求を行い、被保険者であったことが認められれば、ハローワークより離職票を発行してもらうことができます。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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