交通事故で腓骨神経麻痺に|後遺障害等級と慰謝料・逸失利益
交通事故で腓骨(ひこつ)神経麻痺が残った場合、症状に応じて8級~14級の後遺障害等級に認定される可能性があります。
どの等級に認定されるかは後遺障害慰謝料や逸失利益にも影響してくるため、どのような症状が何級に該当するのか、後遺障害慰謝料や逸失利益の相場はいくらなのか、見ていきましょう。
目次
腓骨神経麻痺と認定されうる後遺障害等級
腓骨神経麻痺とは?
腓骨(ひこつ)神経麻痺とは、外くるぶしを通る腓骨神経が圧迫されたり、損傷したりすることで起こる病気です。腓骨神経は、足首と足指の運動、すねの外側から足の甲の感覚を支配する神経です。
腓骨神経麻痺になると、足首や足指の動きが悪くなったり、痛みやしびれが生じたりするでしょう。
腓骨神経麻痺は、長時間の圧迫や骨折、打撲、切り傷などを原因として発症します。交通事故による外傷も原因となるでしょう。
腓骨神経麻痺の治療は、安静、患部への冷却、鎮痛剤の服用などです。症状が重い場合は、手術が必要になることもあります。
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腓骨神経麻痺の後遺障害等級
腓骨神経麻痺の後遺障害等級は、足関節の可動域の制限の程度や足指の機能障害の程度によって決まります。足関節の可動域制限が大きいほど、後遺障害等級は高くなります。
足指の機能障害がある場合、動かなくなった足指の数が多いほど、後遺障害等級は高くなります。腓骨神経麻痺の後遺障害等級は、8級から12級のいずれかに該当する可能性があります。
- 8級
- 下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
- 9級
- 1足の足指の全部の用を廃したもの
- 10級
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(可動域が1/2以下になったもの)
- 11級
- 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの
- 12級
- 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの
- 局部に頑固な神経症状を残すもの
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの(可動域が3/4以下になったもの)
- 13級
- 第2の足指の用を廃したもの
- 第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの
- 第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
- 14級
- 1足の第3の足指以下の1または2の足指の用を廃したもの
- 局部に神経症状を残すもの
腓骨神経麻痺の後遺障害等級が認定された場合、自賠責保険会社から慰謝料や逸失利益などの賠償金を受け取ることができます。
腓骨神経麻痺による慰謝料・逸失利益
腓骨神経麻痺による慰謝料
腓骨神経麻痺による慰謝料は、後遺障害等級が高いほど高額になります。
腓骨神経麻痺による慰謝料の相場は、次のとおりです。
等級 | 過去の判例に沿った相場 |
---|---|
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
腓骨神経麻痺による逸失利益
腓骨神経麻痺により就業が困難になることで生じる生涯収入への影響は、逸失利益として請求可能です。
逸失利益は、事故前の収入、年齢、職業、将来の収入見込みなどによって決まります。
腓骨神経麻痺による慰謝料を請求する場合は、弁護士に相談することをお勧めします。後遺障害等級の認定に必要な手続き一任でき、適切な金額の慰謝料獲得にもつながるでしょう。
腓骨神経麻痺の後遺障害等級認定のポイント
腓骨神経麻痺で後遺障害等級認定を受けるための注意点
腓骨神経麻痺の後遺障害等級認定を受けるためには、次の点に注意する必要があります。
- 早期に医師の診断を受ける
- 後遺障害等級認定申請書を作成して、審査機関に提出する
- 後遺障害等級認定基準を理解する
腓骨神経麻痺の後遺障害等級認定は、損害保険料率算出機構と呼ばれる審査機関が行います。後遺障害等級は基本的に、申請書に添付された診断書やその他の資料を参照して判断されます。
後遺障害等級認定基準は、法律で定められています。後遺障害等級認定基準を理解することで、後遺障害等級の認定を受けやすくなるでしょう。
腓骨神経麻痺で後遺障害等級
後遺障害等級の認定を不服とする場合、異議申立てが可能です。異議申立ては、異議申立て書を提出することで行います。
異議申立ての結果に不服がある場合は、裁判を行うことも可能です。
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腓骨神経麻痺の弁護士に依頼するメリット
交通事故で腓骨神経麻痺が生じた場合に弁護士に依頼するメリットは、次のとおりです。
- 後遺障害等級の認定に必要な手続きを一任できる
- 適切な金額の賠償金を獲得できるようサポートを依頼できる
- 保険会社との交渉を一任できる
- 精神的な負担を軽減できる
弁護士は、後遺障害等級認定基準を理解しています。
弁護士に依頼することで後遺障害等級の認定を受けやすくなりますし、適切な金額の慰謝料を獲得するための示談交渉経験も豊富なので安心です。
加害者側との直接的なやり取りをせずに済むこと、難しい手続きや交渉を任せられることから、精神的な負担も軽減できるでしょう。
腓骨神経麻痺の後遺障害等級の認定を受ける場合は、弁護士に相談することをお勧めします。
腓骨神経麻痺の後遺障害等級についてよくある疑問にお答え
腓骨神経麻痺の後遺障害等級の認定には、どのくらいの時間がかかりますか?
腓骨神経麻痺における後遺障害等級の認定結果は、2ヶ月以内に出ることが多いです。
しかし、具体的な症状によっても認定までにかかる期間は異なるため、一概には言えません。
腓骨神経麻痺の後遺障害等級申請を弁護士に依頼する費用はいくらですか?
腓骨神経麻痺の後遺障害等級申請を弁護士に依頼する費用は、弁護士によって異なります。一般的には、着手金が20万円程度、成功報酬が経済的利益の10%程度です。
ただし、ご自身の保険に弁護士費用特約がついていれば、弁護士費用は保険会社に負担してもらえます。
また、法律事務所によっては、着手金無料としている場合もあります。
腓骨神経麻痺の後遺障害等級に関する無料相談はこちらから
腓骨神経麻痺の後遺障害等級申請は、複雑で難しい手続きです。弁護士に依頼することで、後遺障害等級の認定がスムーズに進み、より多くの慰謝料等を獲得しやすくなります。
アトム法律事務所では無料電話・LINE相談を実施しています。お気軽にご相談ください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了