交通事故後の吐き気・頭痛・めまいの治療と通院|むちうちによる頭痛も後遺障害?

交通事故にあった後、頭痛、吐き気、めまいなどの症状に悩まされることがあります。そうした神経症状には原因があり、その原因に対応できる治療先で、適切な治療やリハビリを受けるべきでしょう。
この記事では、こうした神経症状などの治療段階について解説し、いずれむかえる賠償面についてもふれています。交通事故の損害賠償についてもっと詳しく知りたいという方は、弁護士に相談することをおすすめします。
目次
交通事故後の吐き気・頭痛・めまいの原因
交通事故後の吐き気や頭痛、めまいは、軽いものならば数日で治癒することもあります。しかし、重度の場合は、後遺症として残ってしまうこともあるでしょう。そのため、交通事故後の吐き気や頭痛、めまいは、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。
交通事故後の吐き気・頭痛・めまいの主な原因は、次の3つと言われています。
- 首の損傷
- 頭の損傷
- 精神的ショック
(1)首の損傷
首の損傷は、交通事故による衝撃で首がむちのようにしなることでむちうち状態になり、筋肉や神経が損傷を受けることで、頭痛や吐き気などの症状につながることがあります。
とくに、追突事故ではむちうちを負ってしまうことも多いものです。
(2)頭の損傷
頭の損傷は、交通事故による衝撃で頭に強い力がかかることで頭蓋骨や脳が損傷を受け、吐き気や頭痛などの症状につながるものです。また、頭部を打ち付けた際に内耳が損傷を受けてしまい、平衡機能障害を引き起こすことでめまいを起こしてしまうことも考えられます。
(3)精神的ショック
精神的ショックも、交通事故後の吐き気や頭痛、めまいを引き起こしうるといわれています。交通事故の被害にあうことは、非常に大きな精神的ストレスになってしまうのです。そのため、精神的ショックによって症状が出ることがあります。
交通事故後の吐き気・頭痛・めまいの治療方法と通院先
交通事故後の吐き気や頭痛、めまいについては原因によっても治療方法や通院先は様々です。まずは病院にかかり、医師の診断を受けることが重要といえます。あくまで一つの目安として、治療方法と通院先について解説します。
交通事故後の吐き気の治療方法と通院先
主な治療方法としては、薬物療法、理学療法、生活習慣の改善といった3つの方法があげられます。
薬物療法では、吐き気を抑えるための薬や、痛みを和らげる薬が使われるでしょう。理学療法では、首や頭の損傷を治すために、マッサージやストレッチといった対応が取られます。そして生活習慣の改善では、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動が大切です。
交通事故後の吐き気で通院先を検討する場合、まずは吐き気の原因によって異なることを知っておきましょう。原因によって、神経内科、耳鼻科、整形外科、脳神経外科と通院先が異なります。
交通事故後の頭痛の治療方法と通院先
交通事故後の頭痛は、頭部外傷や首の損傷が原因で起こると考えられます。
頭痛の治療方法は、痛みの程度や原因によって異なります。まず頭部を打ち付けた場合は、検査を受けるためにも病院にかかってください。軽度の場合は薬物療法で対処できる場合もありますが、内部を損傷している場合には入院や外科手術を受ける必要も出てくる可能性があります。
また、首の痛みがある場合、軽度の場合は理学療法やマッサージを受けますが、医師の判断のもとで手術が必要になるでしょう。
通院先は、頭痛の原因や症状によって様々なので、以下はひとつの目安としてください。
- 頭部外傷が原因の場合:脳神経外科
- 首の損傷が原因の場合:整形外科
- 頭痛がひどい場合:神経内科
交通事故後の頭痛は、放置していても治らない場合があり、後遺症となって残る可能性があります。そのため、頭痛が気になる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
交通事故後のめまいの治療方法と通院先
交通事故後のめまいについて、一般的な治療方法として以下のものがあげられます。
- 鎮痛剤
- 吐き気止め
- めまい止め
- リハビリテーション
めまいの原因や症状によって、通院先は様々です。
めまいの原因が特定できているならば、その原因に応じて、適切な専門医の診察を受ける必要があります。 例えば、めまいの原因が頭部外傷の場合は、脳神経外科や神経内科の受診を検討しましょう。
めまいの原因が内耳にある場合は、耳鼻科を受診する必要があります。
交通事故後の吐き気・頭痛・めまいの損害賠償
交通事故後の吐き気・頭痛・めまいに対する主な損害賠償としては、治療関係費、休業損害、慰謝料などがあげられます。
治療関係費は、交通事故によるケガの治療費や通院交通費、医薬品代です。休業損害とは、交通事故によるケガで仕事ができなくなった期間の賃金を補てんするものになります。
慰謝料は、交通事故でケガをしたことで負った精神的苦痛に対する慰謝料です。
交通事故後の損害賠償請求をするためには、弁護士に相談して交渉を依頼することをおすすめします。弁護士は交通事故の法律に精通しており、不当に低い金額を受け入れず、適切な賠償請求が可能です。
交通事故後の吐き気・頭痛・めまいは後遺症と認められる?
交通事故後の吐き気や頭痛、めまいで後遺障害12級13号または14級9号の認定を受けられる可能性があります。各等級の内容は以下の通りです。
等級 | 基準 |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
吐き気や頭痛、めまいといった症状が「後遺障害」として認定されたなら、後遺症に対する賠償金も請求可能です。具体的には、後遺障害12級13号ならば290万円、14級9号ならば110万の後遺障害慰謝料が相場とされています。
ただし神経症状での後遺障害等級認定は難しく、実際には症状があるのに認定されないこともあるでしょう。どういった書類を集めれば等級認定の確率を上げられるのか、等級認定の申請方法をくわしく知りたい方は弁護士におたずねください。
交通事故後の吐き気・頭痛・めまいの相談先
交通事故後の吐き気や頭痛、めまいの相談先は、医療機関、弁護士などがあげられ、それぞれで役割が違います。
医療機関では、交通事故後の吐き気・頭痛・めまいの原因を診断し、適切な治療を受けることでそれらの苦痛を緩和したり、完治に向けたサポートを受けられます。
一方の弁護士は、交通事故の損害賠償に精通しており、吐き気や頭痛、めまいに対する賠償請求のサポートが可能です。
治療が終わったなら、損害賠償賠償請求の段階へと移っていくことになるでしょう。その際には、法律の専門家である弁護士に相談し、適切な金額での示談を目指すべきです。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了