労働基準監督署は電話で相談できる!相談のポイントを解説
「労働基準監督署に相談したいが、電話は受け付けているのか」
「労働基準監督署でどんな問題を相談できるかわからない」
労働トラブルが発生したとき、労働基準監督署への相談を考える人も多いと思います。
労働基準監督署とは、企業が労働に関連する法律を遵守しているかを監督する機関です。
労働基準監督署は電話相談が可能です。無料で相談できる点や、場合によっては企業に是正勧告や指導をしてくれる点がメリットとなっています。
今回は、労働基準監督署に相談できる内容や、相談方法と流れについて解説します。
目次
労基署で相談できる内容・できない内容
労働関連法に抵触する問題なら労基署に相談できる
労働基準監督署(労基署)では、以下のような労働に関連する法律と縁の深い問題を相談することができます。
労働基準監督署に相談できる内容
- 給料や残業代の未払い
- 違法な長時間労働
- 休暇や有給休暇の拒否
- 退職の拒否
- 労災保険の受給の拒否
パワハラや異動などは労基署に相談できない
労働トラブルであったとしても、労働に関連する法律に抵触しない内容であれば、労基署に相談しても対応しきれない場合があります。該当するケースとしては、以下のようなものがあります。
労基署の対応が難しいケース
- パワハラなどのハラスメント
- 職場内いじめ
- 配置転換や異動に関するトラブル など
労基署以外の無料相談窓口を知りたい方は『労働問題の無料相談窓口7選!専門家のサポートを受けたい方へ』の記事をご覧ください。
労基署への相談方法3つ・おすすめは直接訪問
実際に労基署に相談する方法として、以下の3つの方法が挙げられます。
労基署に相談する方法
- 電話で相談する
- メールで情報を匿名で提供する
- 直接訪問する
(1)電話で相談する
各労働基準監督署によって異なりますが、おおむね平日の9時~17時であれば電話相談を受け付けています。
夜間や土日祝日に電話相談をしたい場合は、厚生労働省の「労働条件相談ホットライン」の使用をおすすめします。
「労働条件相談ホットライン」では、年末年始を除き、平日の17時~22時と土日・祝日の9時~21時まで電話相談を無料で受け付けています。
(2)メールで情報を匿名で提供する
「労働基準関係情報メール窓口」フォームを利用すれば、24時間いつでも匿名で情報提供をすることができます。
あくまで情報提供という形になるため、労働トラブルの解決に直結しにくいというところに注意が必要です。
(3)直接訪問する
各労働基準監督署によって異なりますが、一般的には平日の8時30分~17時15分であれば窓口での相談を受け付けています。
直接労基署に訪問すれば、窓口で証拠を見せながら事態を説明できるなどのメリットがあり、労基署側に具体的なアクションを期待できます。
相談するときのポイントとその後の流れ
証拠を集めておく
労基署に実際に相談する際には、会社が労働基準法に違反していることを示す証拠を集めておくことがポイントです。有効的な証拠として、以下のようなものがあります。
集めておきたい証拠
- タイムカード
- 給与明細
- 雇用契約書
- 就業規則 など
通報すると立ち入り調査、是正や勧告がおこなわれる場合も
実際に会社側に労働基準法違反が疑われた場合、労基署は会社に対して立ち入り調査をおこないます。
調査の結果として不正が発覚した際には、会社に対して是正の指導や勧告がおこなわれることになります。
企業側に改善が見られない場合には、労働基準監督署が会社を送検し、悪質であるとして経営者を逮捕するケースもあります。
労基署に通報した後の流れを詳しく知りたい方は『労働基準監督署に通報!その後はどうなる?会社にバレる?』の記事をご覧ください。
労基署で解決しない場合は弁護士に相談
労基署によって会社に是正の指導や勧告がなされても、改善が見られなかったり、一度改善はしたもののもとに戻ってしまったりして、労働トラブルが解決しないという場合があります。
そういった場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
他の機関があっせんやアドバイスでの対応にとどまるのに対し、弁護士に依頼すれば、企業と代理で交渉してもらったり、裁判になった際などの法的な対応をスムーズにおこなえたりといったメリットがあります。
弁護士費用がかかってしまうというデメリットはありますが、労働者側に立って動いてくれるという点でも、弁護士への相談がおすすめです。
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まとめ
労働基準監督署で電話相談をすることはできますが、夜間や休日での相談が難しかったり、ハラスメントなどの個人間の問題の場合は対応できなかったりといった注意点があります。
労基署での相談を検討している方は、直接窓口に訪問することをおすすめします。
また、労基署で労働問題が解決しなかった場合には、弁護士への相談も検討してみましょう。
無料相談を受け付けている弁護士事務所もありますので、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了