試用期間中の解雇は弁護士に相談すべき!解雇理由と弁護士に相談するメリット
「試用期間中に解雇されてしまったが、不当解雇かどうかわからない」
「試用期間中に解雇されたが納得がいかない」
試用期間は、本採用をおこなう前に、社員が適性や能力を持ち合わせているかどうかを見極める期間です。
試用期間中の解雇は本採用後の解雇よりも認められやすく思われがちですが、通常の解雇と同様に、客観的に合理的な理由がない場合は無効とみなされます。
今回は、試用期間中に関する解雇が有効となる事案や、試用期間中の解雇を弁護士に相談するメリットについて解説します。
目次
試用期間中に解雇となる理由と判断ポイント
試用期間中であっても、解雇は客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当な場合でない限り認められていません。
解雇となり得る理由には、「能力不足」「勤務態度」「経歴詐称」の3つが主に挙げられます。
ただし、能力不足や勤務態度が悪いことを理由にすぐに解雇が認められるわけではなく、適切な指導や教育があったかどうかが判断基準となることがあります。
試用期間中に解雇となり得る理由
- 能力不足|適切な指導や教育はあったか
- 勤務態度|遅刻・欠勤の有無や、ふるまいの内容はどうか
- 経歴詐称|学歴や犯罪歴の詐称の有無や、会社への影響はどうか
解雇となり得る理由と判断基準となるポイントを詳しく見ていきましょう。
(1)能力不足|適切な指導や教育はあったか
能力不足が解雇理由として有効と認められるかどうかは、「企業側が適切に指導や教育をしていたかどうか」「職歴に相応する技能があったかどうか」「会社側に大きな損失を与えたかどうか」などから判断されます。
こういった理由がない場合は、解雇が無効であると判断される場合があります。
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(2)勤務態度|遅刻・欠勤の有無や、ふるまいの内容はどうか
たとえば、遅刻や欠勤を何度もしていたり、上司からの指示を無視するなど協調性のない行動をしたりしていれば、正当な解雇理由として判断される可能性が高いです。
しかし、1~2回程度の遅刻であったり、少し言葉遣いが悪かったりといった程度では、解雇の理由として有効とはいえないと考えられます。
(3)経歴詐称|学歴や犯罪歴の詐称の有無や、会社への影響はどうか
経歴詐称が解雇理由として有効とみなされるケースには、「学歴、職歴、犯罪歴といった重大な経歴詐称をおこなっている」「職務で必要な資格や免許の取得経歴を詐称しており、業務に支障が出る」といったケースが考えられます。
こういった経歴詐称にあたらない場合は、解雇の理由として有効とはいえないと考えられます。
試用期間中の解雇を弁護士に相談するメリット
「試用期間中に解雇されてしまったがどうすればよいかわからない」とお悩みの方は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談するメリットとして以下のポイントが挙げられます。
弁護士に相談するメリット
- 解雇が不当かを判断してもらえる
- 解雇を撤回してもらえる可能性が高まる
- 未払い賃金や慰謝料の請求など法的な手続きを任せられる
解雇が不当かを判断してもらえる
突然解雇された場合でも、状況によっては不当解雇に該当しないというケースも考えられます。
弁護士に依頼をすることで、解雇が不当であるかどうかを判断してもらえ、不当な解雇の可能性が高い場合にはその後の対応を考えることができます。
不当解雇を主張し、解雇が無効と判断されれば、復職したり、解雇時点から解雇が無効と認められた時点までの賃金相当額を請求したりすることができます。
解雇が無効となり得るケースについて詳しく知りたい方は『解雇を無効にしたい!無効となるケースや対処法を解説』の記事をご覧ください。
解雇を撤回してもらえる可能性が高まる
不当解雇を受けた場合、企業側に不当解雇を主張したとしても、企業側が重く受け止めないというケースがあります。
弁護士に依頼すれば、解雇が不当であったことを証明して企業側と代理で交渉してもらえ、不当解雇の撤回を認めさせやすくなります。
未払い賃金や慰謝料の請求など法的な手続きを任せられる
会社が解雇の撤回や、不就労期間中の未払い賃金請求に応じないという場合には、労働審判や裁判といった法的な手続きへ移行するといったことも考えられます。
弁護士に依頼すれば、法的な手続きを一任できるというメリットがあります。
労働審判や裁判では、適切な証拠の収集や法的な根拠に基づく主張が求められます。弁護士に依頼することで、安心して対応を任せることができるでしょう。
まとめ
試用期間中の解雇が有効か無効か分からない方は弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談することで、不当な解雇かどうかの判断をしてもらうことができます。
また、弁護士に依頼することで、会社に対して交渉や労働審判、労働訴訟を起こしてもらえたりするなどのメリットがあります。
無料相談を受け付けている弁護士事務所もありますので、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了