パワハラの相談ができる無料窓口5選!相談前に準備すべき事も紹介
「上司から暴言を受けている」「上司が全く仕事を与えてくれない」など、上司からのパワハラ行為にお悩みの方はいませんか?
パワハラを受けた時、誰かに相談したいと思ってもどこに問い合わせすべきか分からないですよね。
今回はパワハラの相談先として適切な機関を5つご紹介します。どれも無料で相談を受け付けている窓口なので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
無料でパワハラ相談ができる相談先5選
厚生労働省総合労働相談コーナー
総合労働相談コーナーでは、労働トラブルに関する悩みをワンストップで解決することが可能です。
パワハラのほか、解雇や雇い止め、賃金引き下げ、採用などのあらゆる労働問題に対し、面談もしくは電話で話を聞いてもらえます。
総合労働相談コーナーは、全国の労働基準監督署や都道府県労働局の中に設置されているため、お住まいの地域にかかわらず、対面での相談が受けやすいのがメリットです。
また、相談には料金が発生せず、予約も必要ありません。相談者のプライバシーの保護にも配慮してくれるので、安心して相談できるでしょう。
NPO法人労働組合 作ろう!入ろう!相談センター
労働組合作ろう!入ろう!相談センターは、様々な労働問題の相談を受け付けているNPO法人です。
会社で従業員として働く人であれば誰でも相談ができ、中立的立場でなく、完全に労働者側にたった労働相談をおこなうところが特徴です。
相談方法には電話・メール・来所(要予約)の3つのやり方があります。
電話や面談の場合、平日の午前9時~午後5時までの営業時間内での対応になるので注意してください。
また電話や面談では、事前に電話予約が必要になります。一方、メールに関しては、営業時間外でも随時受け付けています。
ただし、職場のパソコンから問い合わせメールを送信することがないよう注意が必要です。女性の相談員も在籍しているので、女性の方も気兼ねなく相談できるでしょう。
相談後にジャパンユニオンという労働組合への加入を促される場合があります。
入会金や月組合費が発生しますが、ユニオンに加入すれば2回目以降も継続して個別相談に応じてくれるというメリットがあります。
法テラス
法テラスは国が設立した機関であり、パワハラを含めた様々な法的トラブルの無料相談を実施しています。
法テラスへの相談方法は、電話・メール・対面の3つです。電話は無料で利用でき、法テラスの仕組みに関する話をしたり、弁護士の無料相談受付などの対応をしたりしてもらえます。
また全国各地の法テラス事務所では面談による問い合わせにも対応しています。メールは24時間365日無料で、問い合わせ可能です。
法テラスでは利用者からの相談内容に応じて、弁護士などの適切な相談機関を紹介してくれます。
経済的に余裕がない方からの相談では、弁護士費用の立て替えまでもサービスに含まれるため、「パワハラで上司や会社を訴えたいけど、弁護士報酬や裁判提起に生じる費用を捻出できない」という方は法テラスに相談するのがおすすめです。
参考:日本司法支援センター法テラス「お近くの法テラス(地方事務所一覧)」
こころの耳
こころの耳は、厚生労働省が運営しているメンタルヘルス・ポータルサイトです。酷いパワハラを受け、精神的に参っている人はこちらを利用してみると良いでしょう。
こころの耳ではさまざまな相談窓口が用意されており、メールと電話に加えSNSでの相談が可能です。
相談の結果、必要だと判断されれば、より専門的な機関を紹介してくれる場合もあります。メンタルケアの抜本的な解決も可能なので、メンタルの問題でお悩みならぜひ利用を検討したい機関です。
こころの耳のサイト上では「疲労蓄積度セルフチェック」を受けられたり、ストレス軽減ノウハウなどコンテンツも充実しています。
参考:こころの耳
法務省みんなの人権110番
みんなの人権110番は、パワハラなど様々な人権問題の相談を受け付けている相談機関です。
パワハラは人権侵害の要素をはらんでいるケースも少なくありません。パワハラを理由に人権を傷つけられたと感じているなら、みんなの人権110番の利用をおすすめします。
電話をかけると最寄りの法務局・地方法務局につながり、法務局職員もしくは人権擁護委員が相談に応じてくれます。
他にも法務局・地方法務局の窓口で対面による相談も実施しており、希望があればインターネットからの相談も可能です。
法的な観点からパワハラへの解決策を一緒に考えてくれるので、パワハラから一刻も早く逃れたいという方はぜひ利用してみましょう。
パワハラは弁護士に相談できる?
弁護士にパワハラの相談をすることも可能です。
弁護士であれば、過去の判例をもとに受けた行為がパワハラに該当するかの判断や、具体的な解決策の相談ができます。
パワハラの訴訟を起こすことになった場合には、引き続き依頼できるというメリットもあります。
ただし、弁護士相談は、必ずしも無料でできるとは限りません。相談料が必要な弁護士事務所もあります。
初回無料の相談を行っている弁護士事務所もあるため、インターネットなどで探してみるのもいいでしょう。
関連記事
・パワハラを弁護士に相談するメリット・デメリット、費用を解説!
パワハラ相談前に準備しておくこと
まず現在の状況やパワハラによって生じた影響を整理する
パワハラの状況を具体的に説明できれば、相談相手にも状況が事細かに伝わり、両者の理解に食い違いがなくなります。そのため、できる限り状況を具体的に説明できるように準備しておきましょう。
また相談の際は状況だけでなく、パワハラ行為を受けた結果、どのような悪影響が自分に生じたかという点も説明することが大切です。「パワハラを受け精神的な苦痛を受けた」と「パワハラの結果、会社にいけなくなり病院にも通院することを余儀なくされた」では事の重大性が異なります。
解雇や降格処分など労働条件に悪影響が生じた場合、それぞれの事象を管轄する労働法令によって解決がはかられます。
たとえば解雇では、労働契約法16条によって「客観的合理性を欠き、社会通念上相当だと言えない理由」の場合、解雇は認められません。
パワハラによる解雇は上記の要件を満たさない場合も多く、不当解雇に該当する可能性も十分あります。
状況やパワハラによって生じた悪影響を具体的に説明することで、適切な支援を受けられる可能性が高まります。
証拠を集める
パワハラ立証のために最も重要なのは証拠です。
パワハラの事実があったとしても証拠がなければ立証できず、泣き寝入りとなる場合も多いです。パワハラの証拠としては、以下のようなものが考えられます。
パワハラの証拠となり得るもの
- 暴言の内容を記録した音声メモ
- 高圧的な文章が記載されたメール
- 病院の診断書
- 被害者が作成した日記
また第三者の証言も証拠となるので、パワハラを受けているなら早めに同僚や友人などに相談しておくと良いでしょう。
パワハラの証拠については『上司をパワハラで訴える方法は?訴える際に必要な証拠を解説』で詳しく解説しています。
まとめ
この記事ではパワハラを相談できる窓口や、パワハラを相談するときに準備しておくことについてまとめてきました。
無料で相談できる窓口をご紹介したので、費用も気にせずに相談できるでしょう。パワハラにお悩みの方は、相談してみてはいかがでしょうか。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了