M&Aの事例を紹介!会社売却(事業譲渡・株式譲渡)の成功事例とは
M&A・会社売却は年々実施件数が増えている事業承継の方法です。
M&Aの事例としては、大企業が不採算事業を整理するために事業譲渡したり、開発費や経営資源の獲得のために株式譲渡したりするなど、目的に応じて形態はさまざまです。
この記事では、近年話題になったM&Aの事例を大企業、中小企業、ベンチャー企業に分けてご紹介します。
目次
大企業のM&A・会社売却事例3選
パナソニックオートモーティブシステムズの会社売却
2023年に基本合意された、パナソニックHD子会社の会社売却事例です。
アメリカの投資ファンド大手アポロ・グローバル・マネジメントのグループ会社に数千億円規模で売却されます(2024年3月予定)。
パナソニックオートは自動車の電子部品、車載充電器事業などを手掛け、2022年度の売上高は1兆円を超えていました。
今後のEV開発や自動運転開発などの研究費を確保するため、アメリカの投資ファンドと連携することとなりました。
JTBベネフィットの会社売却
2021年に実施されたJTB子会社の会社売却事例です。
JTBベネフィットは福利厚生事業を手がける業界3位の子会社でしたが、JTBは同業最大手のベネフィット・ワンに150億円で売却しました。
コロナ禍で業績不振に陥ったJTBが、収益改善策の一環として、ベネフィット・ワンの提案を受け入れた形となります。
ソニーの会社売却(事業譲渡)
2014年に実施されたソニーのPC事業の譲渡事例です。
ソニーはVAIOというブランドのPCを製造販売していましたが、不採算が続いていたため、投資ファンドである日本産業パートナーズ(JIP)に売却しました。
売却額は数百億規模とされています。
中小企業のM&A事例3選
手袋メーカー「スワニー」の会社売却
2022年に実施された手袋メーカー「スワニー」の会社売却事例です。
後継者を誰にするのか悩んでいた先代経営者が、日本共創プラットフォーム(JPiX)に全株式を売却しました。
スワニーは業績良好で黒字経営でしたが、社内人材や親族内から後継者を探すだけでは限界があると判断し、M&Aという手法で事業承継を行うこととなりました。
ホテル・旅館経営「浦島観光ホテル」の会社売却
2023年に実施された、那智勝浦地域でホテル・旅館を経営する「浦島観光ホテル」の会社売却事例です。
浦島観光ホテルは創業後70年近くが経過し、施設の設備投資などを見据える中で、経営の専門家を探しており、日本共創プラットフォーム(JPiX)に全株式を売却しました。
売却額は非公表です。
工作機械製造「シンクス」の会社売却
2024年に実施された、工作機械、木工機械などの設計、製造、販売を手がける「シンクス」の会社売却事例です。
シンクス社の株式を保有していた投資ファンド「株式会社マーキュリアインベストメント」は、さらなる経営資源確保のために、阪和興業株式会社に全株式を売却しました。
ベンチャー企業のM&A・会社売却事例3選
NFT関連企業「メモリア」の会社売却
2023年に実施された、非代替性トークン(NFT)関連事業を手掛けるベンチャー企業「メモリア」の会社売却事例です。
電子書籍配信を手がけるBookLive社に、株式の過半数を売却しました。
メモリアは2021年6月に設立したスタートアップであり、創業からわずか2年以内での会社売却事例となりました。
ロボット開発「Kyoto Robotics」の会社売却
2021年に実施された工場向けロボット開発を手掛けるベンチャー企業「Kyoto Robotics」の会社売却事例です。
Kyoto Robotics社の株式を保有していた投資ファンド「株式会社INCJ」は、さらなる技術開発のために、日立製作所に対し全ての株式を売却しました。
コンタクトレンズ開発「ユニバーサルビュー」の会社売却
2021年に実施されたオルソケラトロジー用コンタクトレンズ開発を手掛ける医療ベンチャー「ユニバーサルビュー」の会社売却事例です。
ユニバーサルビュー社の株式を保有していた投資ファンド「株式会社INCJ」は、同社の技術や製品をさらに世間に浸透させる目的のために株式を売却しました。
M&A・会社売却のお悩みは専門家に相談を
ここで紹介した事例以外にも、M&Aの事例は年々増えてきています。
中小企業やベンチャー・スタートアップの会社売却(イグジット)も活発に行われており、売り手にとっては会社売却を狙いやすい状況になりつつあります。
自社の企業価値や買い手探しなど、M&A・会社売却の手続きには複雑で専門的な知識が求められます。会社売却を希望するのであれば、専門家に相談して、効率的にプロセスを進めていきましょう。