醜状障害・外貌醜状の後遺障害等級認定と慰謝料|線状痕や瘢痕の等級は?

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岡野武志弁護士

監修者:アトム法律事務所 代表弁護士
岡野武志

交通事故の醜状障害

醜状障害(しゅうじょうしょうがい)とは、頭・首・顔、手足の露出面等に、人目につくほどの傷痕が残る後遺障害のことです。

なかでも、頭・首・顔などの「外貌」に人目に付く傷痕が残る場合は、外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)と呼ばれます。

醜状障害・外貌醜状には線状痕やケロイド、瘢痕の引きつれ、組織欠損・組織陥没などがあり、位置や大きさなどによって後遺障害等級が決まります。

本記事では、交通事故によって醜状障害・外貌醜状を負った方に向けて、後遺障害等級の認定基準、慰謝料相場、後遺障害認定の流れなどを詳しく解説します。

交通事故による醜状障害・外貌醜状とは?

交通事故では、ケガによって傷痕が残ることがあります。

こうした傷痕が醜状障害や外貌醜状として後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求が可能です。

では具体的に、醜状障害や外貌醜状とはどのようなものなのか、解説します。

どちらも露出面での傷痕のこと|醜状障害・外貌醜状の違いは?

醜状障害とは、頭・顔・首、手足の露出面等に「人目に付く」ほどの目立つ傷痕が残る後遺障害のことです。

事故でできたケガが痕になってしまった場合だけでなく、手術時の縫合痕、色素沈着、色素脱失による白斑なども醜状障害に含まれます。

そうした醜状障害の中でも、頭部・顔面・頸部など、特に目につきやすく外貌・容姿への影響が大きいものが外貌醜状です。

外貌醜状は醜状障害の一種であるとお考えください。

なお、傷痕が隆起したり、へこんだりした状態を瘢痕(はんこん)といい、傷痕と同じような意味合いで用いられることもあります。

醜状障害・外貌醜状に該当する傷痕の種類|線状痕やケロイドなど

交通事故の傷痕は、その形状で様々な種類に分かれています。

醜状障害・外貌醜状で認定される後遺障害等級にも、具体的な傷痕の種類が関係することがあるので、主なものを見ていきましょう。

治療の経過は個人差があるため、必ずこうした傷痕が残るというものでもありません。くわしい傷痕の状況や治療経過は主治医にたずねるようにしてください。

(1)線状痕

切創や擦過傷が治癒する過程で形成される直線的な傷痕を指します。ガラスなどによる切り傷や、路面との接触による擦過傷で生じる可能性があります。

あるいは創傷を縫合するときの手術痕(切開痕や縫合痕も、線状痕になりえます。

(2)ケロイド

傷の治癒過程で、過剰に肉芽組織が形成される状態です。

傷痕が盛り上がり、周囲の健常な皮膚まで広がっていく特徴があります。ケロイドになりやすい場所は、胸の中央部、耳たぶ、肩まわりや肩甲骨のあたりなどです。

またケロイドができやすい体質の方もおられます。

交通事故で火災が起こってしまい、火傷(やけど)によってケロイドが残ってしまう場合もあります。

関連記事『交通事故による火傷と後遺障害|火傷部位で変わる後遺障害等級と慰謝料相場』では、事故による火傷の後遺障害等級や慰謝料の解説をしているので、あわせてお読みください。

(3)瘢痕の引きつれ

ケロイドや盛り上がった状態の瘢痕に対して、治療がうまくいかない場合、引きつれを起こしてしまうことがあります。

瘢痕拘縮ともいわれ、手術が必要になる場合もあるとされているものです。

(4)組織欠損・組織陥没

交通事故で皮膚や組織が欠損・陥没してしまうことがあります。

欠損・陥没は、線状痕や瘢痕よりも重症な傷痕と考えられるでしょう。顔面における10円玉より大きい組織陥没や、より大きい頭蓋骨の欠損などは、醜状障害でも最も重い後遺障害7級認定を受けることとなります。

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醜状障害・外貌醜状の後遺障害等級

醜状障害、外貌醜状で認定される可能性のある後遺障害等級と、等級ごとの慰謝料相場は以下のとおりです。

後遺障害等級慰謝料
7級1,000万円
9級690万円
12級290万円
14級110万円

*()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合

なお、上記の慰謝料相場は、「弁護士基準」と呼ばれる、過去の判例に基づく法的正当性の高い基準に沿って算定されたものです。しかし、加害者側はそれより低い金額を提示してくることが多いので鵜呑みにしないようにしましょう。

それでは、どのような醜状障害・外貌醜状で何級に認定されうるのか、認定基準はどのようなものなのか、解説していきます。

頭部・顔面部・頸部の醜状障害(外貌醜状)

頭部・顔面部・頸部の傷痕は、醜状障害のなかでも外貌醜状として扱われ、後遺障害7級、12級、14級認定の可能性があります。

顔面部とは、下あごの骨の稜線と、髪の毛の生え際とで囲まれた範囲とされています。

くわしい認定基準は以下のとおりです。

外貌醜状(頭・顔・首)の後遺障害等級

等級内容
7級12号外貌に著しい醜状を残すもの
慰謝料相場:1,000万円
9級16号外貌に相当程度の醜状を残すもの
慰謝料相場:690万円
12級14号外貌に醜状を残すもの
慰謝料相場:290万円

外貌醜状は「人目に付く程度以上のもの」という前提があるため、たとえ顔面であっても、眉毛や頭髪等で隠れる場合は外貌醜状の後遺障害認定の対象外となります。

なお、かつては外貌醜状の後遺障害等級認定基準が男性と女性で区別されていましたが、男女間の等級差が憲法14条に反して違憲だとする判決が平成22年に京都地裁で出されました。

そのため、現在は改正された男女差のない後遺障害等級認定基準を利用しています。

各等級の詳しい認定基準を見ていきましょう。

7級12号|外貌に著しい醜状を残すもの

外貌に著しい醜状を残すものとは、頭部・顔面部・頸部において次のような面積の傷痕が残ったもの、欠損したものをいいます。

7級12号|外貌に著しい醜状を残すもの基準

部位基準
頭部(以下のいずれか)
手のひら※より大きい傷痕
手のひら※より大きい頭蓋骨の欠損
顔面部(以下のいずれか)
ニワトリの卵より大きい傷痕
10円硬貨より大きい組織陥没
頸部手のひら※より大きい傷痕

※指の部分は含まない

手のひらは、被害者の手を基準とします。交通事故の被害者が子どものときには、子どもの手のひらが基準とされるのです。

9級16号|外貌に相当程度の醜状を残すもの

外貌に著しい醜状を残すものとは、顔面に5cm以上の人目に付く線状痕が残った場合に認定されます。

9級16号|外貌に相当程度の醜状を残すもの

部位基準
頭部
顔面部5cm以上の線状痕で、人目につく程度のもの
頸部

線状痕の測り方

線状痕は「W」や「L」のような形状のとき、傷痕全体の長さではなく、ひとつひとつの長さの合計で確認されます。

また、複数の線状痕が隣接して残ったときにはそれらを合算して等級認定を受けることが可能です。

たとえば、2cmと4cmの線状痕が隣接して残ったとき、一つずつでは認定要件を満たしませんが、合算した6cmとして評価されるため、9級16号認定を受けられます。

12級14号|外貌に醜状を残すもの

外貌に醜状を残すものとは、頭部・顔面部・頸部において次のような面積の傷痕が残ったもの、欠損したものをいいます。

12級14号|外貌に醜状を残すもの

部位基準
頭部(以下のいずれか)
ニワトリの卵より大きい傷痕
ニワトリの卵より大きい頭蓋骨の欠損
顔面部(以下のいずれか)
10円硬貨より大きい傷痕
3cm以上の線状痕
頸部ニワトリの卵より大きい傷痕

たとえば顔面では、10円硬貨より大きいだけでなく、ニワトリの卵より大きい傷痕であるなら7級認定となります。

なお、永久的に残ると認められ、人目につく火傷治癒後の黒褐色変色又は色素脱失による白斑も、上記の基準を満たす場合には「外貌に醜状を残すもの」として扱われます。

上記のとおり、少しの差で扱いが大きく変わるため、後遺障害認定の申請時には、傷痕の面積を医師に正確に計測・記載してもらうことが大切であることも認識しておきましょう。

耳・鼻・口の醜状障害(外貌醜状)

耳・鼻・口の醜状障害も外貌醜状として扱われ、後遺障害7級、14級認定の可能性があります。

くわしい認定基準は以下のとおりです。

外貌醜状(耳・鼻・口)の後遺障害等級

等級内容
7級12号外貌に著しい醜状を残すもの
慰謝料相場:1,000万円
12級14号外貌に醜状を残すもの
慰謝料相場:290万円

それぞれの認定基準の詳細を解説します。

7級12号|外貌に著しい醜状を残すもの

外貌に著しい醜状を残すものとは、耳・鼻を下記のように欠損したものをいいます。

7級12号|外貌に著しい醜状を残すもの基準

部位基準
耳介軟骨部の1/2以上を欠損
鼻軟骨部の全部又は大部分を欠損

耳や鼻の欠損は、欠損障害としても後遺障害等級認定されるケースがあります。この場合、欠損障害の等級と、外貌醜状の等級のいずれか上位の等級が認定されます。等級が併合されるわけではありません。

12級14号|外貌に醜状を残すもの

外貌に醜状を残すものとは、耳・鼻・口を下記のように欠損したり、ゆがんだりしたものをいいます。

12級14号|外貌に醜状を残すもの

部位基準
耳介軟骨部の一部を欠損
鼻軟骨部の一部又は鼻翼を欠損
顔面神経麻痺の結果として現われる口のゆがみ

顔面神経麻痺は神経系統の機能障害ですが、その結果として口のゆがみが現われる場合には、12級14号の醜状障害としても扱われます。

耳や鼻の欠損は、欠損障害としても後遺障害等級が認定される可能性があります。こちらの場合も、先ほどの7級の場合と同様に、欠損障害の等級と、外貌醜状の等級のいずれか上位の等級が認定され等級は併合されません。

手足(上肢または下肢)の醜状障害

腕や手に残る傷痕、火傷痕などは上肢や下肢の醜状障害として後遺障害認定される可能性があります。

手足の醜状障害等級

等級内容
12級準用上肢又は下肢の露出面の手のひらの3倍程度以上の大きさの醜いあとを残すもの
慰謝料相場:290万円
14級4号上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
慰謝料相場:110万円
14級5号下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
慰謝料相場:110万円

「上肢の露出面」とは、労災の基準では肘関節以下(手部を含む)のことをいいますが、自賠責保険の基準では肩関節以下(上腕)から指先までをいいます。

「下肢の露出面」とは、労災の基準では膝関節以下(足背部を含む)のことをいいますが、自賠責保険の基準では股関節以下(大腿部)から足の背までをいいます。

露出面以外の醜状障害

自動車損害賠償法施行令が準拠する「労働者災害補償保険法施行規則」(労災則)により、露出面以外の醜状についても、下記の認定基準を満たせば、後遺障害認定されます。

胸部や腹部の醜状障害

胸部や腹部に醜状が残った場合にも、後遺障害認定される可能性があります。

具体的には、胸部の全域や腹部の全域に醜状があれば12級が、胸部の2分の1程度や腹部の2分の1程度に醜状があれば14級が準用されます。

胸部や腹部の醜状障害

等級内容
12級準用胸部の全域または腹部の全域に醜状
慰謝料相場:290万円
14級準用胸部の2分の1程度または腹部の2分の1程度に醜状
慰謝料相場:110万円

背部や臀部の醜状障害

背部や臀部に醜状が残った場合にも、後遺障害認定される可能性があります。

具体的には、背部および臀部の全面積の2分の1程度をこえて醜状があれば12級が、背部および臀部の全面積の4分の1程度をこえて醜状があれば14級が準用されます。

背部や臀部の醜状障害

等級内容
12級準用背部および臀部の全面積の2分の1程度をこえて醜状
慰謝料相場:290万円
14級準用背部および臀部の全面積の4分の1程度をこえて醜状
慰謝料相場:110万円

なお、残存した傷痕が上記醜状障害・外貌醜状の後遺障害等級認定基準には該当しない場合でも、傷痕部分の痛みやしびれが神経症状として後遺障害認定される可能性もあります。

醜状障害・外貌醜状の後遺障害認定までの流れと注意点

後遺障害慰謝料は、認定された後遺障害等級に応じて決まります。

たとえ後遺症が残っても後遺障害認定されないこともあり、その場合は後遺障害慰謝料・逸失利益は原則として請求できません。

そこでここからは、醜状障害・外貌醜状で後遺障害認定を受ける流れと、適切な等級を獲得するためのポイントを合わせて解説していきます。

以下の流れに沿って確認していきましょう。

交通事故の後すぐに病院を受診

交通事故にあったらただちに病院を受診

入院・通院による治療の開始

医師の診断にもとづいて治療を開始

完治または症状固定の診断

治療が終わったら、完治(≒ちゆ)、又は症状固定の診断を受ける

後遺障害認定の申請手続き

症状固定の診断を受けた場合、後遺障害申請をおこなう。

後遺障害認定の結果を受け取る

後遺障害認定を受けられたら、等級に応じた賠償を請求。示談を開始する

(1)交通事故の後すぐに病院を受診

交通事故で、醜状障害・外貌醜状のケガを負った場合、まずは病院を受診します。

救急搬送された場合は、救命救急センターなどで応急処置を受けることがありますが、その後は、整形外科や皮膚科で入通院治療を受けることになります。

注意点

本当に交通事故が原因で傷痕ができたことのか、因果関係が問題になることも多いので、主治医に、体のどの部位に、どのような傷痕がついたのかきちんと伝え、カルテに記載しておいてもらいましょう。

また、事故後、時間がたってからの初診だと因果関係が疑われやすくなるため、早めの受診も重要です。

(2)入院・通院による治療の開始

傷痕の治療法には、飲み薬、塗り薬、貼り薬(テープ)、注射、レーザー、そして手術といったものが考えられます。

医師の診察を受け、医師の指示のもとで治療に専念するようにしましょう。

治療に関する心配や不安については医師に相談をして、しっかりコミュニケーションをとっておくことが大切です。

また、傷痕の治療には半年から1年ほどの時間がかかると考えられています。

傷の程度や治療方法によってはもっと長くなり、手術をした場合にはその経過について当分の経過観察が必要です。

注意点

通院では、医師の指示に沿ったペースを守りましょう。自己判断で極端に通院頻度が高くなったり低くなったりすると、入通院慰謝料や治療費の補償が少なくなる可能性があるからです。

(3)完治または症状固定の診断

傷痕が残らず、完治した場合は、「治癒(ちゆ)」という診断となります。

傷痕が残った場合は、「これ以上治療を続けても、治療効果がない」状態として「症状固定(しょうじょうこてい)」の診断が出されます。

症状固定の場合はこのあと、後遺障害認定の手続きが必要です。治癒の場合は、示談交渉に入ることになるでしょう。

注意点

症状固定の時期は、医師と相談のうえ、医師の判断で決まります。

加害者側の任意保険会社が「そろそろ治癒/症状固定のはずなので、これ以降の治療費は補償しません」などと言ってくることもありますが、医師から治癒・症状固定と言われるまでは治療を継続しましょう。

不適切なタイミングで治癒・症状固定となると、慰謝料や賠償金額に悪影響が出るからです。

まだ治療が必要と感じる場合は、主治医にも見解を確認し、相手の保険会社に対してその旨を伝えるようにしましょう。

対応にお困りの場合は、弁護士にご相談ください。

(4)後遺障害認定の申請手続き

後遺障害認定の審査は、自賠責の損害保険料率算出機構がおこないます。

申請方法には「事前認定」と「被害者請求」という2つの方法があり、交通事故被害者は、好きな方法を選択できます。

被害者請求は、被害者みずから申請書類を集めて、自賠責保険に資料を提出する方法です。
その後、自賠責保険会社から「損害保険料率算出機構」に書類が送付され、いよいよ後遺障害の審査が開始となります。

被害者請求の流れ

事前認定は、事故相手の任意保険会社が、被害者の代わりにほとんどの必要書類をそろえて、自賠責保険に申請を出す方法になります。
こちらも同様に、自賠責保険に資料到着後は、損害保険料率算出機構に引き継がれ、後遺障害の審査開始となります。

事前認定の流れ

事前認定の場合、任意保険会社がどんな資料を提出したのか把握できません。一方、被害者請求では、必要書類はすべて加害者側で用意します。

そのため、必要な検査結果は添付できているか、医師の意見書は必要かなどを検討でき、審査対策がしやすくなります。

交通事故に強い弁護士であれば、被害者の申請準備のサポートができます。弁護士に任せることで、被害者の手間がかかるという被害者請求のデメリットも回避できます。

補足

傷痕についての後遺障害認定では、書類審査だけでなく、自賠責損害調査事務所の調査員による面接調査で実際に測定が行われる可能性があります。

傷痕の状態(色、大きさ、長さなど)が明確にわかる写真を添付する等の工夫も必要でしょう。実務では、定規をあてる等して写真撮影をし、添付するケースも多いです。

注意点

後遺障害認定の審査では、医師に作成してもらう後遺障害診断書の内容が重視されます。

医師に後遺障害診断書を作成してもらったら、交通事故により醜状障害が残ったこと、醜状障害の状態、寛解の見通しがないことなどがきちんと明記されているか、確認してみましょう。

また、醜状障害・外貌醜状の場合、「傷跡等の所見」といった書式があるので、こちらの作成も必要です。

ただし、すべての医師が後遺障害認定に精通しているとは限りません。後遺障害認定の審査で通用する内容になっているかは、弁護士に相談してみることがおすすめです。

(5)後遺障害認定の結果を受け取る

後遺障害の審査が終わったら、認定の結果は、相手の保険会社を経由して被害者に通知されます。

後遺障害慰謝料は、被害者請求で申請していれば、結果通知と同じくらいのタイミングで一部が振り込まれます。そして、残りは示談交渉で請求するという流れです。

事前認定で申請している場合は、後遺障害慰謝料はすべて示談交渉の際に請求しましょう。

なお、自賠責調査事務所の認定基準に整合しない場合、「非該当」という結果もあり得ます。この場合、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求は原則としてできません。

注意点

後遺障害認定の結果に納得いかない場合は、異議申し立てにより再審査を受けられます。再審査の結果、より高い等級に認定されれば、受け取れる後遺障害慰謝料も多くなります。

ただし、再審査を受ける場合はその分時間と手間がかかります。示談交渉の開始も遅れるため、示談金の回収も遅くなるでしょう。

異議申し立てをして本当に等級が上がる可能性があるのか、異議申し立てで納得いく結果を得るにはどのような対策をしたらよいのかについては、事前に弁護士に相談することがおすすめです。

醜状障害・外貌醜状の後遺障害を弁護士相談するメリット

後遺障害認定の対策・手続きを依頼できる

醜状障害・外貌醜状が後遺症として残った場合、後遺障害認定は賠償金額を大きく左右する重要なものです。

しかし、適切な後遺障害認定を受けるには、審査機関に醜状障害や外貌醜状の状態が正確に伝わるような工夫が必要です。

過去の判例や狙うべき等級の認定基準も踏まえ、個々の傷痕に合わせた対策をしなければならず、被害者の方お一人では難しいと言わざるを得ません。

しかし、弁護士に依頼をすれば、過去の経験や専門知識を活かした効果的な対策ができます。

慰謝料増額が期待できる

本記事でもふれたとおり、示談交渉の際、加害者側の任意保険会社は低めの慰謝料額を提示してきます。

適切な後遺障害認定を受けても、示談交渉での増額がうまくいかなければ、適切な慰謝料額は得られないのです。

しかし、法的正当性の高い「弁護士基準」の金額は、本来訴訟を起こして認められるようなものです。

示談交渉時点で被害者の方が主張しても、「それなら裁判を起こしてください」「専門家でもない方がそのような高い金額を主張しても、受け入れられません」などと言われる可能性があります。

その点、弁護士を立てて示談交渉をすれば、示談交渉時点で弁護士基準に近い金額が認められやすくなります。

醜状障害で揉めやすい逸失利益の請求も安心

後遺障害認定を受けると、後遺障害慰謝料とともに逸失利益も請求できるようになります。

逸失利益とは、後遺障害の影響で労働能力が低下し、その結果減ってしまう生涯収入を補償するものです。

逸失利益とは

後遺障害逸失利益

  • 年収×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数で算出。

逸失利益は高額になりやすいため、ただでさえ揉めやすい費目です。

そのうえ醜状障害・外貌醜状においては、「傷痕があるからと言って労働能力が下がるとは考えられない」として、相手の保険会社が逸失利益の発生を否定する反論をしてくることがあります。

たとえばモデルや接客業など見た目の影響が大きい職業の場合は、逸失利益が認められやすいです。

しかし、そうでない場合は、将来の職業選択の機会喪失、昇進・昇格・昇給への影響、対人関係への影響、類似事案の裁判例などを広く検討して、適切に主張立証していく必要があります。

被害者おひとりで立ち向かうのではなく、交通事故の損害賠償請求にくわしい弁護士に相談し、専門的なアドバイスを受け、場合によっては対応を任せることも検討していきましょう。

弁護士費用特約が使えれば、弁護士費用を負担することなく、弁護士に依頼できるケースも多いです。

醜状障害・外貌醜状、後遺障害のお悩みはアトムに相談

アトム法律事務所では、交通事故の被害者の方向けの無料相談窓口を開設しています。

アトム法律事務所には、交通事故の損害賠償請求に力を注ぐ弁護士が在籍しています。特に、後遺障害認定のサポートの実績も多いので、傷痕という後遺症が残った方にも十分対応できる交通事故相談窓口です。

通院が終わっていれば入通院慰謝料の相場も聞けますし、後遺障害認定後の交渉部分のご相談にも対応していますので、お悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。

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岡野武志弁護士

監修者


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代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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