交通事故による醜状障害・外貌醜状の等級認定基準|線状痕や瘢痕は後遺障害?

更新日:
岡野武志弁護士

監修者:アトム法律事務所 代表弁護士
岡野武志

交通事故の醜状障害

交通事故後の傷痕の治療には、一般的に形成外科、外科、皮膚科、整形外科に通う方も多く、個人差はありますが半年以上は治療を要することも多いとされています。

傷痕が治療によっても完治せず、消えずに残存した場合には「醜状障害」(しゅうじょうしょうがい)とよばれ、後遺障害のひとつとなるのです。

傷痕は交通事故で直接的に受傷した怪我(外傷)のほか、治療のため手術をした際の手術痕も含まれるため、あらゆる人にかかわりのある後遺障害ともいえます。

醜状障害のうち、頭部・顔面・頸部といった日常的に目につく部分については「外貌醜状」(がいぼうしゅうじょう)とされ、手足の傷痕と比べて、より被害者の損害は大きいと判断されます。

醜状障害(外貌醜状)については、後遺障害7級12号、9級16号、12級14号、14級4号、14級5号の認定を受けられる可能性がある重大な障害です。

醜状障害・外貌醜状の障害等級

障害部位障害等級
外貌7級12号外貌に著しい醜状を残すもの
外貌9級16号外貌に相当程度の醜状を残すもの
外貌12級14号外貌に醜状を残すもの
上肢14級4号上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
下肢14級5号下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

※外貌は頭部・顔面・頸部のこと

交通事故による醜状障害・外貌醜状とは何か

醜状障害とはどんな後遺障害か

醜状障害とは、事故や事故後の手術でできた傷痕、手術時の縫合痕、色素沈着、色素脱失による白斑などが残ってしまう後遺障害のことです。

醜状障害は、部位、大きさ、傷痕の種類(線状痕、瘢痕、組織欠損など)によって、損害賠償面で違いがあります。

とくに、醜状障害が日常的に目立つ部位(頭部・顔面・頸部)であるときには外貌醜状として、より多くの賠償を受けられる可能性があるでしょう。

外貌醜状とはどんな後遺障害か

頭部・顔面・頸部などの目立つ部位に、事故による傷痕、事故後の手術痕、色素沈着、色素脱失などが残ってしまうとき、醜状障害のなかでも「外貌醜状」として扱われます。

外貌醜状

頭部・顔面・頸部などの目立つ部位に残った傷痕(瘢痕)のこと

外貌とは、衣服を身に着けてもなお目立つ場所をさし、他の部位の傷痕より後遺障害の程度が重いと判断される傾向にあります。

瘢痕・線状痕など醜状障害の傷痕の種類

交通事故の傷痕は、その形状やで様々な種類に分かれています。

なお、傷跡が隆起したり、へこんだりした状態を瘢痕(はんこん)といい、傷痕と同じような意味合いで用いられることもあります。

ここからはいくつかの傷痕の種類について説明します。

治療の経過は個人差があるため、必ずこうした傷痕が残るというものでもありません。くわしい傷痕の状況や治療経過は主治医にたずねるようにしてください。

(1)線状痕

切創や擦過傷が治癒する過程で形成される直線的な傷跡を指します。ガラスなどによる切り傷や、路面との接触による擦過傷で生じる可能性があります。

あるいは創傷を縫合するときの手術痕も後遺障害の一つと考えられるものです。

交通事故の治療で手術が必要になり、手術時の切開痕や縫合痕なども、事故と因果関係のある損害ということです。

(2)ケロイド

傷の治癒過程で、過剰に肉芽組織が形成される状態です。

傷跡が盛り上がり、周囲の健常な皮膚まで広がっていく特徴があります。ケロイドになりやすい場所は、胸の中央部、耳たぶ、肩まわりや肩甲骨のあたりなどです。

またケロイドができやすい体質の方もおられます。

ケロイドは火傷でもなる場合がある

交通事故で火災が起こってしまい、火傷(やけど)によってケロイドが残ってしまう場合もあります。

関連記事『交通事故による火傷|火傷の部位で変わる後遺障害等級と慰謝料の相場』では、事故による火傷の後遺障害等級や慰謝料の解説をしているので、あわせてお読みください。

(3)瘢痕の引きつれ

ケロイドや盛り上がった状態の瘢痕に対して、治療がうまくいかない場合、引きつれを起こしてしまうことがあります。

瘢痕拘縮ともいわれ、手術が必要になる場合もあるとされているものです。

(4)組織欠損・組織陥没

交通事故で皮膚や組織が欠損・陥没してしまうことがあります。

欠損・陥没は、線状痕や瘢痕よりも重症な傷跡と考えられるでしょう。顔面における10円玉より大きい組織陥没や、より大きい頭蓋骨の欠損などは、醜状障害でも最も重い後遺障害7級認定を受けることとなります。

事故による傷痕の一般的な治療内容と治療期間

傷痕の一般的な治療

傷痕の治癒過程は、傷の深さや部位などの様々な要因で、治療にかかる期間が大きく変わります。

比較的浅い傷であれば傷痕が残らずに完治することもありますが、深い傷であれば、傷口がふさがってもトラブルを繰り返し、何らかの傷痕が残ってしまうこともあるのです。

まずは病院を受診

交通事故にあったらただちに病院を受診

入院・通院による治療の開始

医師の診断にもとづいて治療を開始

完治または症状固定の診断

傷痕もわからないほど完治する場合もあれば、傷痕が残った(症状固定)と判断されることもある

症状固定となったら後遺障害申請

これ以上は治療を続けても効果がないと判断されたら後遺障害申請をおこなう

後遺障害認定結果を受け取る

後遺障害認定を受けられたら、等級に応じた賠償を請求。示談を開始する

傷痕の治療は長期戦になりますが、医師の指示をよく守り、途中で治療をやめることは避けてください。

傷痕の治療方法

傷痕の治療法には、飲み薬、塗り薬、貼り薬(テープ)、注射、レーザー、そして手術といったものが考えられます。

医師の診察を受け、医師の指示のもとで治療に専念するようにしましょう。

治療に関する心配や不安については医師に相談をして、しっかりコミュニケーションをとっておくことが大切です。

傷痕の治療期間

傷痕の治療には半年から1年ほどの時間がかかると考えられています。

傷の程度や治療方法によってはもっと長くなり、手術をした場合にはその経過について当分の経過観察が必要です。

治療期間が長引いたら要注意

交通事故被害者が請求できる治療費、休業損害、入通院慰謝料は原則的に治療期間に対して支払われるため、「治療期間」は重要な意味を持ちます。

相手の保険会社は、ケガの程度からおおよその治療期間を推定し、目安の治療期間を超えそうになると治療の終了を打診してくることがあります。

これは「治療費の打ち切り」ともいわれ、交通事故の被害者の抱えやすいトラブルの一つです。

まだ治療の継続中であるときには、主治医にも見解を確認し、相手の保険会社に対してその旨を伝えるようにしましょう。

治療費の打ち切りについてどう対応すべきかという法的対処のアドバイスは、弁護士にお任せください。とくに、交通事故の被害者のサポートに注力する法律事務所であれば、相手の保険会社の出方を熟知しているので、効果的な助言が可能です。

交通事故慰謝料
無料相談

外貌醜状・醜状障害の部位別後遺障害等級

頭部・顔面部・頸部の醜状障害(外貌醜状)

頭部・顔面部・頸部の傷痕は、醜状障害のなかでも外貌醜状として扱われ、後遺障害7級、12級、14級認定の可能性があります。

顔面部とは、下あごの骨の稜線と、髪の毛の生え際とで囲まれた範囲とされています。

くわしい認定基準は以下のとおりです。

外貌醜状(頭・顔・首)の後遺障害等級

等級内容
7級12号外貌に著しい醜状を残すもの
9級16号外貌に相当程度の醜状を残すもの
12級14号外貌に醜状を残すもの

外貌醜状は「人目に付く程度以上のもの」という前提があるため、たとえ顔面であっても、眉毛や頭髪等で隠れる場合は外貌醜状の後遺障害認定の対象外となるのがポイントです。

なお、かつては外貌醜状の後遺障害等級認定基準が男性と女性で区別されていましたが、男女間の等級差が憲法14条に反して違憲だとする判決が平成22年に京都地裁で出されました。

そのため、現在は改正された男女差のない後遺障害等級認定基準を利用しています。

7級12号|外貌に著しい醜状を残すもの

外貌に著しい醜状を残すものとは、頭部・顔面部・頸部において次のような面積の傷痕が残ったもの、欠損したものをいいます。

7級12号|外貌に著しい醜状を残すもの基準

部位基準
頭部(以下のいずれか)
手のひら※より大きい傷跡
手のひら※より大きい頭蓋骨の欠損
顔面部(以下のいずれか)
ニワトリの卵より大きい傷跡
10円硬貨より大きい組織陥没
頸部手のひら※より大きい傷跡

※指の部分は含まない

手のひらは、被害者の手を基準とします。交通事故の被害者が子どものときには、子どもの手のひらが基準とされるのです。

9級16号|外貌に相当程度の醜状を残すもの

外貌に著しい醜状を残すものとは、顔面に5cm以上の人目に付く線状痕が残った場合に認定されます。

9級16号|外貌に相当程度の醜状を残すもの

部位基準
頭部
顔面部5cm以上の線状痕で、人目につく程度のもの
頸部

線状痕の測り方

線状痕は「W」や「L」のような形状のとき、傷痕全体の長さではなく、ひとつひとつの長さの合計で確認されます。

また、複数の線状痕が隣接して残ったときにはそれらを合算して等級認定を受けることが可能です。

たとえば、2cmと4cmの線状痕が隣接して残ったとき、一つずつでは認定要件を満たしませんが、合算した6cmとして評価されるため、9級16号認定を受けられます。

12級14号|外貌に醜状を残すもの

外貌に醜状を残すものとは、頭部・顔面部・頸部において次のような面積の傷痕が残ったもの、欠損したものをいいます。

12級14号|外貌に醜状を残すもの

部位基準
頭部(以下のいずれか)
ニワトリの卵より大きい傷跡
ニワトリの卵より大きい頭蓋骨の欠損
顔面部(以下のいずれか)
10円硬貨より大きい傷跡
3cm以上の線状痕
頸部ニワトリの卵より大きい傷跡

たとえば顔面では、10円硬貨より大きいだけでなく、ニワトリの卵より大きい傷痕であるなら7級認定となります。

なお、永久的に残ると認められ、人目につく火傷治癒後の黒褐色変色又は色素脱失による白斑も、上記の基準を満たす場合には「外貌に醜状を残すもの」として扱われます。

上記のとおり、少しの差で扱いが大きく変わるため、後遺障害認定の申請時には、傷痕の面積を医師に正確に計測・記載してもらうことが大切であることも認識しておきましょう。

耳・鼻・口の醜状障害(外貌醜状)

耳・鼻・口の醜状障害も外貌醜状として扱われ、後遺障害7級、14級認定の可能性があります。

くわしい認定基準は以下のとおりです。

外貌醜状(耳・鼻・口)の後遺障害等級

等級内容
7級12号外貌に著しい醜状を残すもの
12級14号外貌に醜状を残すもの

7級12号|外貌に著しい醜状を残すもの

外貌に著しい醜状を残すものとは、耳・鼻を下記のように欠損したものをいいます。

7級12号|外貌に著しい醜状を残すもの基準

部位基準
耳介軟骨部の1/2以上を欠損
鼻軟骨部の全部又は大部分を欠損

耳や鼻の欠損は、欠損障害としても後遺障害等級認定されるケースがありますが、その場合には等級が併合されるのではなく、いずれか上位の等級が認定されるのが注意点となります。

12級14号|外貌に醜状を残すもの

外貌に醜状を残すものとは、耳・鼻・口を下記のように欠損したり、ゆがんだりしたものをいいます。

12級14号|外貌に醜状を残すもの

部位基準
耳介軟骨部の一部を欠損
鼻軟骨部の一部又は鼻翼を欠損
顔面神経麻痺の結果として現われる口のゆがみ

顔面神経麻痺は神経系統の機能障害ですが、その結果として口のゆがみが現われる場合には、醜状障害としても扱われます。

また、耳や鼻が欠損障害としても後遺障害等級認定される場合にいずれか上位の等級が認定される点は、7級の場合と同様です。

手足(上肢または下肢)の醜状障害

腕や手に残る傷痕、火傷痕などは上肢や下肢の醜状障害として後遺障害認定される可能性があります。

手足の醜状障害等級

等級内容
12級準用上肢又は下肢の露出面の手のひらの3倍程度以上の大きさの醜いあとを残すもの
14級4号上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級5号下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

「上肢の露出面」とは、労災の基準では肘関節以下(手部を含む)のことをいいますが、自賠責保険の基準では肩関節以下(上腕)から指先までをいいます。

「下肢の露出面」とは、労災の基準では膝関節以下(足背部を含む)のことをいいますが、自賠責保険の基準では股関節以下(大腿部)から足の背までをいいます。

露出面以外の醜状障害

自動車損害賠償法施行令が準拠する「労働者災害補償保険法施行規則」(労災則)により、露出面以外の醜状についても、下記の認定基準を満たせば、後遺障害認定されます。

胸部や腹部の醜状障害

胸部や腹部に醜状が残った場合にも、後遺障害認定される可能性があります。

具体的には、胸部の全域や腹部の全域に醜状があれば12級が、胸部の2分の1程度や腹部の2分の1程度に醜状があれば14級が準用されます。

胸部や腹部の醜状障害

等級内容
12級準用胸部の全域または腹部の全域に醜状
14級準用胸部の2分の1程度または腹部の2分の1程度に醜状

背部や臀部の醜状障害

背部や臀部に醜状が残った場合にも、後遺障害認定される可能性があります。

具体的には、背部および臀部の全面積の2分の1程度をこえて醜状があれば12級が、背部および臀部の全面積の4分の1程度をこえて醜状があれば14級が準用されます。

背部や臀部の醜状障害

等級内容
12級準用背部および臀部の全面積の2分の1程度をこえて醜状
14級準用背部および臀部の全面積の4分の1程度をこえて醜状

なお、残存した傷痕が上記外貌醜状・醜状障害の後遺障害等級認定基準には該当しない場合でも、傷痕部分の痛みやしびれが神経症状として後遺障害認定される可能性もあります。

外貌醜状・醜状障害の後遺障害等級認定の申請方法

後遺障害認定の申請が必要になる理由

交通事故の損害賠償請求においては等級認定をベースに金額が決まることになるので、等級認定が大切です。

いいかえれば等級認定を受けていない障害については補償を受けられない可能性が極めて高いといえます。

外貌醜状・醜状障害が残った場合には、しっかり準備をして後遺障害認定の申請をしましょう。

後遺障害認定の申請の流れ

後遺障害認定の申請の流れは、以下の図のとおり、まず、主治医から後遺障害診断書(醜状障害の場合は「傷跡等の所見」という書面)を交付してもらうことから始まります。

その上で、後遺障害診断書を含む必要書類を相手方自賠責保険会社に提出します。

相手方自賠責保険会社は書類を受け取り、審査機関である「損害保険料率算出機構」に書類を送付し、審査が開始されるのです。

審査結果は相手の保険会社に届き、その内容が被害者に通知されます。

申請方法には「事前認定」と「被害者請求」という2つの方法があり、交通事故被害者は、好きな方法を選択できます。ただし、後遺障害認定の等級があいまい(判断が異なる余地がある)ときや、少しでも認定率を上げたいときには「被害者請求」がおすすめです。

補足

傷痕についての後遺障害認定では、書類審査だけでなく、自賠責損害調査事務所の調査員による面接調査で実際に測定が行われます。しかし、書面で明らかに認定基準を満たしていない場合、面接調査が行われないこともあるので、傷痕が明確な写真を添付する等書面の記載内容も充実させましょう。

被害者請求の申請方法

被害者請求とは、申請書類を被害者側で用意して、直接相手の自賠責保険会社に提出する方法です。

「事前認定」と「被害者請求」の違いは、申請手続きを行うのが加害者側任意保険会社か被害者本人かという点にあります。

被害者請求の流れ

被害者の手間がかかるというデメリットはありますが、申請書類を自身で検討できる点がメリットといえます。

必要な検査結果は添付できているか、医師の意見書は必要かなどを検討した上で、認定に有利な資料を添付できるため、より効果的な申請書類を整えることが可能です。

なお、弁護士であれば被害者の申請準備のサポートが可能です。弁護士に任せることで被害者の手間がかかるという被害者請求のデメリットを回避できます。

交通事故慰謝料
無料相談

後遺障害認定を検討するなら弁護士へ相談

傷痕の治療頻度と症状固定の時期には注意

傷痕については、治療頻度について相手の保険会社とトラブルになったり、症状固定の時期においては被害者自身の判断が必要になる場合があります。

治療頻度について

主治医の指示をよく守っていても、治療頻度が極端に下がると、相手の保険会社から治療費を打ち切られたり、休業損害の支払いを渋られたりする可能性があります。

もし相手の保険会社から提案されたときには、主治医の指示を守っている経過観察の期間であることを強調して説明しましょう。

通院中には様々なトラブルが起こることがあります。詳細を知りたい方は、下記関連記事の解説を参考にして、困ったときに備えておきましょう。

症状固定の時期について

症状固定の時期は主治医の判断が尊重されます。

ただし傷痕の後遺障害申請の点においては、治療を続けて完治を目指し続けるのか一定の時に後遺障害の申請をするのかを慎重に判断すべきといえます。

具体的には、治療を続けることで顔面部の線状痕が3㎝から2.9㎝まで縮んだ場合、それは喜ばしいことですが、後遺障害等級を獲得できずに非該当となり、受け取れる損害賠償金額が大きく減るのです。

そのため、主治医の見解と併せて、治療段階でも適切な症状固定の時期について弁護士に助言を受けておくことが有効といえます。

後遺障害認定のサポートは弁護士に相談

後遺障害認定を受けるためには、後遺障害認定の基準を熟知していることが大切です。

医師は医療の専門家ですが、傷が何センチあるとか、どういった形状の傷だとか、そうした後遺障害等級認定基準までは知らないことも多いのです。

「認定基準を満たすことが伝わりづらい診断書」になっていることで、後遺障害認定を受けられないという事態も十分起こり得ます。

治療については医師に、そして後遺障害認定については弁護士という味方をつけることをおすすめします。

後遺障害認定後の慰謝料増額も弁護士が交渉

後遺障害認定を受けたなら、治療中の精神的苦痛に対して支払われる入通院慰謝料とは別に、後遺障害慰謝料の請求が可能です。

後遺障害等級ごとにおおよその相場があり、弁護士基準(裁判基準)の後遺障害慰謝料は110万円から2,800万円となっています。

各基準における後遺障害慰謝料の相場

等級自賠責基準*弁護士基準
(裁判基準)
1級・要介護1650万円
(1600万円)
2800万円
2級・要介護1203万円
(1163万円)
2370万円
1級1150万円
(1100万円)
2800万円
2級998万円
(958万円)
2370万円
3級861万円
(829万円)
1990万円
4級737万円
(712万円)
1670万円
5級618万円
(599万円)
1400万円
6級512万円
(498万円)
1180万円
7級419万円
(409万円)
1000万円
8級331万円
(324万円)
830万円
9級249万円
(245万円)
690万円
10級190万円
(187万円)
550万円
11級136万円
(135万円)
420万円
12級94万円
(93万円)
290万円
13級57万円
(57万円)
180万円
14級32万円
(32万円)
110万円

*()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合

ただし、相手の保険会社は自賠責保険の基準に近い金額提示をしてくる可能性があります。

弁護士基準の慰謝料とは、裁判所や弁護士といった法律の専門家が適正と認めた相場になるため、被害者が受け取れる正当な金額水準です。

それにもかかわらず、相手の保険会社の言うままに示談をしてしまうと、本来もらえるはずの補償が受けられないことになってしまいます。

弁護士に示談交渉を任せ、相手の保険会社のペースにのまれることなく、毅然とした態度で適正な金額の交渉を目指しましょう。

醜状障害は後遺障害逸失利益が争点になりやすい

後遺障害認定を受けた場合には、後遺障害慰謝料請求だけでなく、後遺障害逸失利益請求もできます。逸失利益は交通事故の損害賠償請求においても高額になりやすい費目です。

後遺障害逸失利益

後遺障害により労働能力が下がったことで、将来の収入が減ることへの補償

基本的には、後遺障害認定されれば一定の逸失利益の請求が可能です。

しかし、醜状障害・外貌醜状においては、そうした傷痕が原因で労働能力の低下や収入の減少を及ぼす支障はないとして、相手の保険会社が逸失利益の発生を否定する反論をしてくることがあります。

逸失利益の支払い可否に性別の差はありませんが、被害者の職業や仕事内容、年齢を考慮し、逸失利益の有無の判断や計算方法、算定額が裁判でも分かれる部分があります。

具体的には、モデルや接客業は、見た目が仕事に影響すると判断され、逸失利益が認められやすい傾向にあります。

こうした場合には、将来の職業選択の機会喪失、昇進・昇格・昇給への影響、対人関係への影響、類似事案の裁判例などを広く検討して、適切に主張立証していく必要があります。

被害者おひとりで立ち向かうのではなく、交通事故の損害賠償請求にくわしい弁護士に相談し、専門的なアドバイスを受け、場合によっては対応を任せることも検討していきましょう。

弁護士費用特約が使えれば、弁護士費用を負担することなく、弁護士に依頼できるケースも多いです。

アトム法律事務所の無料相談窓口

アトム法律事務所には、交通事故の損害賠償請求に力を注ぐ弁護士が在籍しています。特に、後遺障害認定のサポートの実績も多いので、傷痕という後遺症が残った方にも十分対応できる交通事故相談窓口です。

通院が終わっていれば入通院慰謝料の相場も聞けますし、後遺障害認定後の交渉部分のご相談にも対応していますので、お悩みのある方はお気軽にお問い合わせください。

アトムの無料相談窓口の特徴

  • 土日祝祭日24時間365日年中無休でつながる相談予約受付窓口
  • 全国からの相談に対応
  • 電話・LINEなどお好みの方法で問合せOK
交通事故慰謝料
無料相談
岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

アトム法律事務所の相談窓口

事故の慰謝料を相談