交通事故に遭ったのなら病院で精密検査を。むちうちや頭のケガは要確認

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岡野武志弁護士

監修者:アトム法律事務所 代表弁護士
岡野武志

交通事故の被害に遭ったのであれば、痛みを感じていなくても早めに病院を受診して精密検査を受けることが大切です。

精密検査を受けることで適切な治療が可能となり、その後の損害賠償請求もスムーズに進めることができるでしょう。

本記事では、交通事故後に精密検査を受けることで生じる影響や、精密検査の種類、検査後に弁護士に相談する必要性などを解説しています。

交通事故後の検査内容に不安のある方は、是非一度ご覧ください。

交通事故後の精密検査の必要性と影響

交通事故における精密検査の必要性

交通事故後、精密検査を受けることは、被害者の健康と権利を守る上で非常に重要です。

一見軽いケガに見える場合でも、むちうちや内部損傷のような症状は数日から数週間後に悪化することがあります。

特に、むちうち症は外見では判断しづこともあり、事故後に検査を受けないと、事故発生からしばらくの間、ケガを負っていることに気が付かない恐れがあるのです。

ケガの発見が遅れたために適切な診断が遅れると治療が長期化したり、後遺症が残るリスクがあります。

交通事故発生後はなるべく早期に精密検査を受け、目に見えない症状や潜在的な健康被害を早期に発見し、適切な治療を開始しましょう。

また、精密検査の結果は、加害者側との損害賠償交渉において非常に重要な証拠となります。

交通事故後の診断書や検査結果が明確であるほど、被害者の主張の正当性を証明することが容易になりるのです。

このように、適切な検査を受けることは、健康面だけでなく、法的な観点からも不可欠といえます。

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精密検査の結果が損害賠償請求に影響する

精密検査の結果は、交通事故の損害賠償額を決定する重要な根拠となります。

精密検査によるケガの有無や治療期間の証明が損害賠償に影響

精密検査の結果によりケガの有無や治療期間が証明されることで、以下のような損害の金額について証明が可能となります。

  • 治療関係費
    投薬代、手術代、入院費用といった治療のために必要となった費用全般
  • 休業損害
    ケガの治療のために仕事を休んだことで生じる減収に対する補償
  • 入通院慰謝料
    ケガの治療のために入院や通院をしたことで生じる精神的苦痛に対する慰謝料
    入院や通院の期間に応じて金額が決まる

これらの損害を請求するためには、交通事故と因果関係のあるケガの治療を行ったことや、治療のために必要であった期間を証明することが必要です。

そのため、精密検査の結果が重要な証拠となるといえるでしょう。

特に、むちうち症などの外見からは判断が難しい症状の場合、精密検査の結果から症状の発生を証明することができるので、適切な精密検査を受けるべきといえます。

検査結果が後遺障害に関する損害賠償に影響

交通事故によりケガが完治せず後遺症が残ったというケースでは、精密検査の結果が以下のような損害の金額についての重要な証拠となりえます。

  • 後遺障害慰謝料
    後遺障害が生じたことによる精神的苦痛に対する慰謝料
  • 後遺障害逸失利益
    後遺障害により生じる将来の減収に対する補償

交通事故のケガが完治せず後遺症が残った場合には、後遺症の症状が後遺障害に該当するという認定を得ることで、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益の請求を行うことが可能となります。

後遺障害等級の認定を受けるためには、精密検査の結果が重要な判断材料となるでしょう。

後遺障害等級認定の審査は原則として書類審査であるため、適切な検査結果を提出することが大切となるのです。

後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益は高額になることが多いので、審査請求を行う際には事前に弁護士に相談することをおすすめします。

後遺障害等級認定を受けるための手続きや認定のために知っておくべきポイントなどについては『交通事故の通院と後遺障害の関係|認定されるには適切な通院が必要』の記事で詳しく知ることが可能です。

交通事故後に受けるべき精密検査の種類

レントゲン検査とCT・MRI検査の違い

交通事故後の精密検査には、レントゲン、CT、MRIなどの方法がありますが、それぞれ役割や目的が異なります。

  • レントゲン検査
    主に骨折や脱臼などの骨の異常を確認する際に用いられる
    筋肉や神経、血管といった軟部組織の損傷については確認できない
  • CT検査
    脳内出血や臓器の損傷といった内部の異常を発見するのに適している
  • MRI検査
    筋肉や靭帯、脳神経の状態を高精度に映し出す
    むちうち症や脳震盪の診断に非常に有効

交通事故の被害者がどの検査を受けるべきかは、ケガの部位や症状に応じて異なります。

適切な検査を受けることで、見落とされがちな症状を早期に発見でき、治療や損害賠償請求の準備を整えることが可能です。

むちうち症や脳の損傷はとくに精密検査を

むちうち症は、交通事故後によく見られる症状ですが、適切な精密検査を受けないと見過ごされる可能性があります。

また、脳の損傷は重大な後遺症や死亡という重い結果を招く恐れがあるので、早期に精密検査を受けるべきといえるでしょう。

むちうち症の精密検査について

むちうち症の場合は、頸椎のレントゲン検査やMRI検査により、頸椎の異常や周囲の軟部組織の損傷を確認します。

また、頸部の可動域検査や筋力検査なども重要です。症状が長引く場合は、定期的な経過観察と検査が必要となることもあります。

脳損傷の精密検査について

脳損傷の検査では、CTやMRIによる脳の画像診断により脳の内部組織の損傷の有無や、腫瘍の有無などを確認します。

このような精密検査は脳神経外科で受けることができるため、交通事故により頭を打った場合には、整形外科だけでなく脳神経外科への受診も行いましょう。

頭部の負傷により生じる脳損傷に関する症状については『交通事故での頭部外傷の後遺症|バイク事故で頭を打ったら』の記事で詳しく知ることが可能です。

精密検査の費用は誰が支払うのか

交通事故による精密検査の費用は、治療に必要な費用といえるので、治療費の一部として加害者側が負担すべき損害に含まれます。

加害者が任意保険会社に加入している場合は、加害者側の任意保険会社が代わりに負担してくれることが多いでしょう。

しかし、任意保険会社が検査の必要性がないとして支払いを拒否することがあります。
このような場合、一時的に被害者が費用を立て替え、後日の損害賠償請求において回収を行う必要があるでしょう。

ただし、必要以上の検査であるなら損害賠償請求が認められなくなるので、医師の判断に基づいた適切な検査を受けることが重要です。

また、業務中や通勤途中に生じた交通事故の場合は、労災保険から精密検査の費用が補償される可能性があります。

交通事故発生後に精密検査以外にすべきこと

交通事故に遭った直後は、病院において精密検査を受けるだけでなく、以下のような対応が必要となります。

  • 事故現場の安全確保
  • 警察へ事故発生の連絡
  • 事故現場の写真撮影などの証拠保全
  • 加害者の連絡先や加入している保険会社の確認
  • 自身の加入している保険会社への連絡
  • 警察の捜査の協力

警察への事故発生の連絡は道路交通法で定められた義務です。
また、事故発生の連絡や届け出を行うことで入手できる交通事故証明書は損害賠償請求や保険金請求に必要不可欠な書類のため、警察への連絡は欠かせません。

加害者の連絡先を確認する際は加害者が嘘をついている恐れがあるので、その場で電話をかけたり、運転免許証などの公的書類で確認を取るといったことを心がけてください。

必要な対応を行い、医療機関での診察を受けたのであれば、診断書や治療費の領収書を保管しておきましょう。

こうした対応を怠ると、後の損害賠償請求に支障をきたす可能性があります。

精密検査を受けた後は弁護士に相談を

損害賠償請求の手続きをサポートしてもらえる

弁護士に相談・依頼することで、損害賠償請求に必要な手続きをスムーズに進めることができます。

交通事故に関する損害賠償請求は、非常に専門的で複雑な手続きが必要です。

事故状況の証明、医療費や休業損害の計算、後遺障害等級の申請などは専門知識が必要となってくる場面があり、専門家の手を借りた方が安心といえます。

また、医師は治療の専門家であり損害賠償請求の手続きに詳しいとは限りません。
損害賠償請求のために必要となる検査がどのようなものとかという点については、弁護士に相談して確認をとるべきでしょう。

加害者へとの示談交渉も弁護士に任せるべき

弁護士に依頼を行うと、弁護士が損害賠償に必要な手続きのサポートだけでなく、加害者側との示談交渉も代理人として交渉してくれます。

損害賠償請求額を決める示談交渉の相手は、多くの場合加害者側の任意保険会社となるでしょう。

任意保険会社は支払う金額を少しでも下げるため、相場よりも低額の損害賠償金を支払うと提案してくることが多いです。

示談交渉の経験が豊富な任意保険会社に対して、増額交渉を行うことは困難であり負担も大きくなります。

弁護士に依頼して示談交渉を行ってもらえれば、専門知識を活かした説得的な交渉を行ってくれるため、相場に近い金額で示談できる可能性が高まるでしょう。

精神的な負担が軽減される

弁護士に相談・依頼することで、被害者は法的な手続きや交渉を任せることができ、精神的な負担を軽減することができます。

交通事故の被害者は、身体的なケガだけでなく、加害者側とのやり取りや、損害賠償請求の手続きにより精神的なストレスにも苦しむことがあります。

弁護士に依頼すると、連絡の窓口が弁護士になるため加害者とのやり取りを任せることができ、損害賠償請求に必要な手続きも弁護士が主導で行ってくれるでしょう。

弁護士に手続きを任せることができるため、被害者は治療に専念し、精神的な負担を軽減することができます。

弁護士に相談・依頼する費用は軽減できる

弁護士に相談や依頼する際に生じる費用の負担については、弁護士費用特約を利用することで軽減可能です。

弁護士費用特約とは、弁護士に相談・依頼する際の費用負担を自身の加入している保険会社に行ってもらうというものになります。

負担額には上限がありますが、負担額が上限内に収まることが多いのでしょう。
そのため、弁護士費用特約を利用することで、費用負担を気にすることなく弁護士への相談・依頼が可能となります。

アトム法律事務所なら無料の法律相談が可能

アトム法律事務所では、交通事故被害者の方を対象とした無料の法律相談を行っています。

金銭的な負担なく、交通事故案件の経験が豊富な弁護士に相談することが可能です。

交通事故後の検査方法や、損害賠償請求のために必要な手続きについて不安がある方は、是非一度ご相談ください。

法律相談の予約受付は24時間体制で行っているので、いつでも連絡可能です。

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岡野武志弁護士

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アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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