交通事故による火傷|火傷の部位で変わる後遺障害等級と慰謝料の相場
バイクを運転中の接触事故で道路に投げ出された際に摩擦が生じたり、追突事故のはずみでエアバッグが作動した際の摩擦だったりと、交通事故でも火傷を負うことがあります。
あるいは事故の衝撃で車体が燃えて巻き込まれ、火傷を負ってしまうこともあるでしょう。
交通事故で火傷を負った場合、相手方に損害賠償請求が可能です。
重度の熱傷では後遺症が残ることもあり、後遺障害が認められると等級に応じて後遺障害慰謝料等を請求できます。
弁護士は、交通事故の損害賠償に関する知識と経験を活かして、被害者の権利を守ります。弁護士に依頼することで、示談金の金額を最大限に獲得できるようになるでしょう。
目次
交通事故で火傷を負った場合の後遺障害等級
交通事故で火傷を負って、火傷痕が残った場合、後遺障害等級認定を申請できます。
後遺障害の等級は、1級から14級に分類され、1級が最も重い後遺障害です。後遺障害の等級は、火傷痕が残った場所や程度によって決定されます。
頭・顔・首(外貌)に火傷痕が残った場合の後遺障害等級
外貌とは日常的に露出する部分である頭・顔・首のことで、火傷痕の大きさや程度に応じて以下の後遺障害等級が認定されます。
等級 | 内容 |
---|---|
7級12号 | 外貌に著しい醜状を残すもの |
9級16号 | 外貌に相当程度の醜状を残すもの |
12級14号 | 外貌に醜状を残すもの |
頭・顔・首に残った火傷の痕は、その面積によって後遺障害等級が異なります。各等級の認定基準については、関連記事でくわしく解説しているので、あわせてお読みください。
顔面神経に麻痺が残った場合
なお、火傷の影響で顔面神経麻痺が残った場合には、別途後遺障害認定を受けましょう。後遺障害12級や14級認定を受けられる可能性があります。
系統の異なる後遺障害のため、仮に火傷の外貌醜状で9級16号、顔面神経麻痺で12級認定だった場合には併合8級です。
関連記事
・交通事故による顔面麻痺は後遺障害等級認定される?神経症状や外貌醜状などを解説
肩から指先まで(上肢)に火傷痕が残った場合の後遺障害等級
上肢とは日常的に露出する肩から指先までのことで、火傷痕の大きさや程度に応じて以下の後遺障害等級が認定されます。
等級 | 内容 |
---|---|
14級4号 | 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの |
太ももから足先まで(下肢)に火傷痕が残った場合の後遺障害等級
ここでいう下肢とは日常的に露出する太ももから足の先までのことで、火傷痕の大きさや程度に応じて以下の後遺障害等級が認定されます。
等級 | 内容 |
---|---|
14級5号 | 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの |
後遺障害申請は弁護士のサポートが有効
後遺障害は申請すれば必ず認定されるというわけではありません。後遺症の存在を客観的に示さなければ等級は認定されないでしょう。
火傷の治療は医師の領域ですが、後遺障害認定に関しては弁護士の専門領域です。火傷痕の測り方や身体の部位のどこまでを外貌として主張するべきか、弁護士の見解を聞いておくことをおすすめします。
交通事故で火傷を負った場合の示談金
交通事故で火傷を負った場合、加害者側に示談金を請求することができます。交通事故の示談金は、治療費や休業損害、慰謝料などを含めて算定したものをさします。
示談金の内訳
交通事故の示談金の主な内訳は、次のとおりです。
- 治療費:火傷の治療費
- 休業損害:火傷により仕事を休んだ分の収入補償
- 入通院慰謝料:火傷を負ったり治療で味わったりした精神的苦痛に対する補償
- 後遺障害慰謝料:火傷により後遺障害が残った精神的苦痛に対する補償
このほかにも、通院交通費や付添費など、必要で相当だと認められる損害について請求できます。
示談金の請求方法
交通事故では多くの場合、示談を通して加害者側の任意保険会社と賠償金に関する話合いを行います。そのため、賠償金のことを示談金と呼ぶのが一般的です。
示談による示談金の一般的な請求方法は、次のとおりです。
- 加害者側の任意保険会社から示談金が提示される
- 加害者側の任意保険会社と示談交渉を行う
- 示談が成立した場合は、示談書を締結して示談金を受け取る
- 示談が成立しなかった場合は、調停や裁判に移行する
示談書には、示談金の金額、支払い方法、支払い期限などを記載します。示談書に署名・捺印をしたら、示談金の支払いを受け取って示談は完了です。
交通事故で火傷を負った場合の慰謝料
交通事故で火傷を負った場合、加害者側に慰謝料を請求することができます。慰謝料は二つあり、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料です。
火傷の治療に対する入通院慰謝料
火傷の治療に対する入通院慰謝料は、火傷の治療期間によって金額が異なります。火傷の場合、治療期間ごとに慰謝料を割り当てた下記の表をご覧いただければ、入通院慰謝料の相場がわかります。
火傷の後遺障害に対する後遺障害慰謝料
火傷の後遺障害に対する後遺障害慰謝料は、火傷で認定された後遺障害等級によって異なります。
火傷で外貌醜状(頭・顔・首)の後遺障害が残った場合と、火傷で上肢・下肢の醜状の後遺障害が残った場合とで認定される等級が異なります。
火傷の後遺障害に対する後遺障害慰謝料は、等級に応じて数百万円から数千万円が認められることになるでしょう。以下の表をご覧ください。
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
7級 | 419万円 (409万円) | 1,000万円 |
9級 | 249万円 (245万円) | 690万円 |
12級 | 94万円 (93万円) | 290万円 |
()内の金額は2020年3月31日以前の事故に適用
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
14級 | 32万円 | 110万円 |
後遺障害慰謝料を請求する場合、加害者側の任意保険会社は自賠責基準のように低い金額しか提示してきません。被害者が得るべき適正な金額の弁護士基準で慰謝料を受け取るためには、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士を依頼するメリットは多数あるので、後遺障害慰謝料の請求時には弁護士を立てて交渉すると良いでしょう。
交通事故で火傷を負ったら弁護士にご相談ください
交通事故で火傷を負った場合、加害者側に損害賠償を請求しましょう。
しかし、交通事故の損害賠償請求では、妥当な示談金を把握しておく必要があるとともに、加害者側との面倒な交渉が待っています。妥当な示談金を知らなければ、不当に低い示談金のまま終結してしまいかねません。
交通事故で火傷を負い、加害者側に損害賠償請求する場合は、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士は、交通事故の損害賠償請求に関する知識と経験を活かして、被害者の権利を守ります。
交通事故で火傷を負った場合、弁護士に相談するメリットは次のとおりです。
- 示談金の算定をサポート
- 保険会社との交渉を代理で行う
- 示談書の内容を確認する
- 後遺障害の認定申請をサポートする
- 示談でまとまらず、裁判を起こすことになった場合のサポート
交通事故で火傷を負った場合は、早めに弁護士に相談することをお勧めします。
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- 後遺障害申請の手続きにくわしい弁護士が在籍
比較的軽傷から後遺障害が残る重傷まで対応 - 全国の交通事故に対応
ご来所不要、居住地を気にせずご相談可能 - 弁護士費用は原則後払い制
着手金は原則ゼロ円、示談成立後の精算
なお、弁護士費用のお問い合わせ前には「弁護士費用特約」が使えるかどうかをお確かめください。弁護士費用特約とは、被害者が加入する保険に付帯している特約です。
弁護士費用特約を使えば、保険会社が被害者の弁護士費用を支払ってくれます。法律相談料10万円、弁護士費用300万円を上限とする特約が多いです。
交通事故の弁護士費用特約の範囲内で、弁護士費用の全額をまかなえることも多いです。
弁護士費用特約は、被害者ご本人の名義だけではなく、ご家族の一定の範囲の方の名義であれば利用できる場合があります。ご家族名義の特約が適用されるかを確認してみましょう。
まずは無料の法律相談を使ってみましょう。正式な依頼とは別なので、セカンドオピニオンとしての利用も歓迎です。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了