2025.08.15

女性のキャリア支援―転職エージェントを利用する前に知っておきたい契約の注意点

近年、ライフスタイルや価値観の多様化に伴い、女性のキャリア形成の選択肢も広がっています。

特に、出産や育児、さらには介護などのライフイベントを経験しながら、自分らしく働き続けたいと考える女性が増える中で、転職エージェントの活用に注目が集まっています。転職エージェントを活用すれば、キャリアの方向性を一緒に考えてくれたり、自分では探しにくい求人情報を紹介してもらえたりと、大きなメリットがあります。

一方で、エージェントとの契約内容や情報の取り扱いをめぐってトラブルに発展するケースもあり、注意が必要です。

この記事では、女性が転職支援サービスを利用する前に知っておきたい観点や確認ポイントを解説します。

転職エージェントの役割と基本的な契約の仕組み

まずは、転職エージェントの基礎をご紹介します。

転職エージェントは「職業紹介事業者」

そもそも転職エージェントとは、厚生労働省の許可を得た「職業紹介事業者」です。求職者の希望条件に合う求人を探して紹介し、マッチングを支援する役割を担っています。

法律上は「有料職業紹介事業」に分類され、求人企業から報酬を得る仕組みが一般的です。この点からも分かるように、転職エージェントは求職者にとっての味方である一方、求人企業に人材を紹介して報酬を得る立場でもあります。

つまり求職者とは「無料」でサポートしてもらえるものの、企業側の事情や意向に影響されることもあるため、冷静に見極める必要があります。

求職者に発生しうる契約の種類

転職エージェントを利用するとき、求職者側が結ぶ契約は大きく2種類あります。

1つは、登録時に同意する利用規約やプライバシーポリシーです。ここには個人情報の取り扱いや、データの第三者提供の可否などが明記されています。

もう1つは、面談や求人応募に進む際に提示される条件や同意事項です。ここで合意した内容には法的効力が生じる場合があるため、曖昧に理解したまま承諾してしまうと後からトラブルになりかねません。

説明を受けたときに必ず「書面でもらえるか」確認し、疑問点は遠慮せず質問しましょう。

女性が気をつけたい3つのポイント

続いて、特に女性が気を付けたいポイントを見ていきましょう。

① キャリア情報の取扱いと個人情報保護

転職エージェントに登録すると、これまでの職歴やスキルだけでなく、将来の希望や家庭の事情などプライベートに関わる情報を伝える機会があります。

しかし、その情報がどう利用されるかを確認していないと、不要に広く共有されてしまい、結果的に転職活動に不利益を被る可能性もあります。

例えば「育児中で時短勤務希望」といった情報を不用意に伝えた結果、企業側にネガティブに伝わってしまうこともあります。個人情報の利用範囲はきちんと説明を受け、自分が望む範囲内で管理してもらう意識が大切です。

② 推薦先企業との条件の不一致

転職エージェントを介して内定を得たものの、入社してから職務内容や勤務地が説明と違っていた、という声も聞かれます。これはエージェント側のヒアリング不足や伝達ミス、または求職者側の確認不足など、さまざまな要因で発生します。

特に、口頭での説明に頼りきってしまうと、いざ契約書を取り交わすときに「話と違う」と気づくパターンが多いため、必ず書面で条件を確認し、納得してから承諾しましょう。

③ ライフイベントと就業条件の配慮

女性にとって、結婚・出産・育児・介護といったライフイベントと仕事の両立は大きなテーマです。柔軟な勤務形態や時短勤務などの配慮については、求人票に記載がなくても可能性がある場合があります。

ただし、その場合も転職エージェントにしっかり伝えたうえで、推薦先の企業に理解を得られるかどうか確認することが欠かせません。

「後から相談しよう」と思っても、企業によっては難色を示すこともあるため、最初の段階で条件を共有し、トラブルを防ぎましょう。

信頼できる転職エージェントを選ぶには?

失敗やトラブルをなくすためには、信頼できるエージェント選びが大切です。以下で紹介するポイントを参考に、自分が信頼できるエージェントを見つけましょう。

実績・専門性・サポート体制の確認

転職エージェントには、大手から地域密着型までさまざまな種類があります。その中で、自分に合うかどうかを見極めるには、これまでの紹介実績や得意分野、担当者の経験などを確認しましょう。

また、相談のしやすさやレスポンスの早さといったサポート体制の質も、安心して任せられるかどうかの判断基準になります。口コミや評判だけで決めるのではなく、実際に面談してみて対応姿勢を確かめるのもおすすめです。

女性支援に強みを持つエージェントの一例

女性のキャリアやライフイベントに寄り添った支援を行っている転職エージェントの一例として、株式会社クラスなどのサービスも存在します。

※掲載情報は参考例であり、特定の利用を推奨するものではありません。

株式会社クラスは20~30代の女性に特化した転職エージェントで、相談実績10,000件以上と豊富な実績を誇ります。口コミが良く、内定率も高いことから希望に合う転職がしやすいエージェントと言えるでしょう。

ハイクラスやエグゼクティブの求人も多く、キャリアアップを狙う女性にもおすすめです。

トラブルが起きたときはどうする?

トラブルが起きたときは、以下を参考に冷静な対処を心がけましょう。

まずはエージェントに相談

「説明と違う条件で入社してしまった」などのトラブルが起きた場合、すぐに弁護士に相談する前に、まずはエージェントに相談しましょう。

担当者と情報共有したり、不安なことを伝えたりすれば、早い段階での解決も見込めます。大きな問題へと発展する前に、まずは担当者と密にコミュニケーションを取りましょう。

法的トラブルに発展しそうな場合の対応

エージェントに相談しても解決が難しかったり、法的トラブルに発展しそうだったりする場合は、専門家への相談も検討しましょう。

ただし、弁護士への相談や依頼には費用がかかるため、エージェントとの話し合いや相談で解決できるのが一番です。

まとめ

転職エージェントの利用は、女性のキャリア形成において大きな味方となります。

一方で、契約内容の確認不足や情報の管理に甘さがあると、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。自分のキャリアを守るためには、法的な仕組みや注意点をしっかり理解し、納得できる条件で転職活動を進めることが大切です。

信頼できるパートナーを見つけ、自分らしいキャリアを築くための一歩を踏み出してください。