開放骨折の後遺症|交通事故での複雑骨折の慰謝料の相場

開放骨折(複雑骨折)とは、骨折した骨の端が皮膚を突き破って露出し、骨折部分とつながる傷が皮膚にある状態のことをいいます。
開放骨折の後遺症として欠損障害、変形障害、短縮障害、機能障害、醜状障害、神経障害を負った場合、後遺障害等級の認定を受けられる可能性があります。
後遺障害等級の認定を受ければ、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求することができるため、慰謝料や示談金の増額も見込めます。
今回は、交通事故での複雑骨折の症状、治療、後遺症と認定等級、慰謝料相場など適正な金額を受け取るために知っておくべき知識を解説いたします。
目次
交通事故による開放骨折(複雑骨折)の症状、治療
開放骨折(複雑骨折)とは?
開放骨折とは、骨折した骨の端が皮膚を突き破って露出し、骨折部分とつながる傷が皮膚にある状態のことをいいます。複雑骨折と呼ばれることもある骨折です。
複雑骨折の治療では、多くの場合手術が必要です。手術では、骨を洗浄したうえで整復し、固定するためにプレートやネジなどの金属を使用します。
感染の予防のために抗生物質の投与が行われることもあるでしょう。
開放骨折(複雑骨折)の症状と後遺症

開放骨折(複雑骨折)の症状は、骨折部分の痛み、腫れ、出血による意識の低下などです。また、骨折した骨の一部が皮膚から露出しているため、感染のリスクにも注意しなければなりません。
後遺症としては、感染症や血行障害による切断(欠損障害)、骨がずれて癒合する変形障害、脚が短くなる短縮障害、骨折部分や周辺関節の可動域制限(機能障害)などが挙げられます。
傷跡が残る醜状障害や痛みやしびれが残る神経障害が生じることもあります。
開放骨折(複雑骨折)の治療
開放骨折(複雑骨折)の治療には、以下のような方法があります。
- デブリードマン
- 骨折部の固定
- 感染症の予防
- 切断
開放骨折(複雑骨折)を負った際には、骨折した創部の徹底的な洗浄と壊死した部位や異物、骨片の除去(デブリードマン)を行います。
その後、骨折部を強固に固定した上で感染症の予防のための薬物療法も行うことになります。
症状によっては、治療の選択肢として切断されるケースもあります。
開放骨折(複雑骨折)による後遺症と慰謝料相場
開放骨折(複雑骨折)で残りうる以下の後遺症の後遺障害等級・慰謝料を見ていきましょう。
- 感染症や血行障害により体の一部を切断(欠損障害)
- 折れた骨が元の形に戻らない、偽関節が残る(変形障害)
- 治療の結果、足が短くなる(短縮障害)
- 骨折部分や周辺の関節の可動域が制限される(機能障害)
- 傷跡が残る(醜状障害)
- 痛みや痺れが残る(神経障害)
開放骨折(複雑骨折)による後遺症①欠損障害
開放骨折(複雑骨折)により生じた感染症や血行障害が原因で体の一部が欠損することがあります。
このような欠損障害によって認定される可能性がある後遺障害は、以下の通りです。
なお、表中の慰謝料相場は弁護士基準(交通事故の賠償額を算定する際に弁護士が用いる基準)によるものです。
開放骨折(複雑骨折)による欠損障害の後遺障害等級
等級 | 症状 |
---|---|
1級3号 | 両方の腕を肘関節以上で失ったもの 慰謝料相場:2,800万円 |
1級5号 | 両脚を膝関節以上で失ったもの 慰謝料相場:2,800万円 |
2級3号 | 両方の腕を手首の関節以上で失ったもの 慰謝料相場:2,370万円 |
2級5号 | 両脚を足首の関節以上で失ったもの 慰謝料相場:2,370万円 |
3級5号 | 両方の手の指の全部を失ったもの 慰謝料相場:1,990万円 |
4級4号 | 片方の腕を肘関節以上で失ったもの 慰謝料相場:1,670万円 |
4級5号 | 片脚を膝関節以上で失ったもの 慰謝料相場:1,670万円 |
4級7号 | 両脚をリスフラン関節以上で失ったもの 慰謝料相場:1,670万円 |
5級4号 | 片方の腕を手首の関節以上で失ったもの 慰謝料相場:1,400万円 |
5級5号 | 片脚を膝関節以上で失ったもの 慰謝料相場:1,400万円 |
5級8号 | 両脚の指を全部失ったもの 慰謝料相場:1,400万円 |
6級8号 | 片手の親指を含む3本以上の指を失ったもの 親指以外の3本の指を失ったもの 慰謝料相場:1,180万円 |
7級6号 | 片手の親指を含む2本以上の指を失ったもの 親指以外の4本の指を失ったもの 慰謝料相場:1,000万円 |
7級8号 | 片脚をリスフラン関節以上で失ったもの 慰謝料相場:1,000万円 |
8級3号 | 片手の親指を含む2本以上の指を失ったもの 親指以外の3本の指を失ったもの 慰謝料相場:830万円 |
9級12号 | 片手の親指を失ったもの 親指以外の2本の指を失ったもの 慰謝料相場:690万円 |
9級14号 | 片脚の親指を含む2本以上の足指を失ったもの 慰謝料相場:690万円 |
10級9号 | 片脚の親指を失ったもの 親指以外の4本の指を失ったもの 慰謝料相場:550万円 |
11級8号 | 片手の親指、小指以外の1本の指を失ったもの 慰謝料相場:420万円 |
12級9号 | 片手の小指を失ったもの 慰謝料相場:290万円 |
12級11号 | 片脚の人差し指を失ったもの 片脚の人差し指を含む2本の指を失ったもの 片脚の親指、人差し指以外の3本の指を失ったもの 慰謝料相場:290万円 |
13級7号 | 片手の親指の指骨の一部を失ったもの 慰謝料相場:180万円 |
14級6号 | 片手の親御指以外の指骨の一部を失ったもの 慰謝料相場:110万円 |
国土交通省『自賠責保険・共済の限度額と補償内容』、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2025(令和7年)』
交通事故で身体の一部が圧迫を受けたり、相当な外力が加わってしまうと、筋組織や神経が大きなダメージを受けます。損傷部位を切断することで生命を守るという選択肢も選ばざるを得ないこともあるでしょう。
開放骨折(複雑骨折)による後遺症②変形障害
開放骨折(複雑骨折)により折れた骨がうまくくっつかずに変形してしまうことがあります。
変形障害が残った場合に認定される可能性がある後遺障害等級は、以下の通りです。
開放骨折(複雑骨折)による変形障害の後遺障害等級
等級 | 症状 |
---|---|
7級9号 | 片腕に偽関節があり、かつ、著しい運動障害がある場合 慰謝料相場:1,000万円 |
7級10号 | 片脚に偽関節があり、かつ、著しい運動障害がある場合 慰謝料相場:1,000万円 |
8級8号 | 片腕に偽関節がある場合 慰謝料相場:830万円 |
8級9号 | 片脚に偽関節がある場合 慰謝料相場:830万円 |
12級8号 | 長管骨に変形を残したもの 慰謝料相場:290万円 |
国土交通省『自賠責保険・共済の限度額と補償内容』、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2025(令和7年)』
開放骨折(複雑骨折)による後遺症③短縮障害
足の骨が開放骨折(複雑骨折)した場合に、開放骨折(複雑骨折)した脚が、片方の足に比べて短くなることがあります。
短縮障害が残った場合に認められる可能性がある後遺障害等級は、以下の通りです。
開放骨折(複雑骨折)による短縮障害の後遺障害等級
等級 | 症状 |
---|---|
8級5号 | 片脚が5センチメートル以上短縮したもの 慰謝料相場:830万円 |
10級8号 | 片脚が3センチメートル以上短縮したもの 慰謝料相場:550万円 |
13級8号 | 片脚が1センチメートル以上短縮したもの 慰謝料相場:180万円 |
国土交通省『自賠責保険・共済の限度額と補償内容』、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2025(令和7年)』
骨盤骨折、大腿骨骨折、脛骨骨折などは、足の短縮という後遺障害が残ることもあります。
開放骨折(複雑骨折)による後遺症④機能障害
開放骨折(複雑骨折)した腕や脚が以前よりも動かせなくなってしまうことがあります。
このような機能障害が生じた場合には、以下のような後遺障害等級が認定される可能性があるのです。
開放骨折(複雑骨折)による機能障害の後遺障害等級
等級 | 症状 |
---|---|
1級4号 | 両腕の機能全てを失ったもの 慰謝料相場:2,800万円 |
1級6号 | 両脚の機能全てを失ったもの 慰謝料相場:2,800万円 |
4級6号 | 両手の指の機能全てを失ったもの 慰謝料相場:1,670万円 |
5級6号 | 片腕の機能全てを失ったもの 慰謝料相場:1,400万円 |
5級7号 | 片脚の機能全てを失ったもの 慰謝料相場:1,400万円 |
6級6号 | 片腕の手首、肘、肩関節のうち2つの関節の機能を失ったもの 慰謝料相場:1,180万円 |
6級7号 | 片脚の足首、膝、股関節のうち2つの関節の機能を失ったもの 慰謝料相場:1,180万円 |
8級4号 | 片手の親指を含む3本位所の指の機能を失ったもの 親指以外の4本の指の機能を失ったもの 慰謝料相場:830万円 |
8級6号 | 片腕の手首、肘、肩関節のうち1つの関節の機能を失ったもの 慰謝料相場:830万円 |
8級7号 | 片脚の足首、膝、股関節のうち1つの関節の機能を失ったもの 慰謝料相場:830万円 |
9級13号 | 片手の親指を含む2本以上の指の機能を失ったもの 親指以外の3本の指の機能を失ったもの 慰謝料相場:690万円 |
9級15号 | 片脚の足指の機能全てを失ったもの 慰謝料相場:690万円 |
10級7号 | 片手の親指の機能を失ったもの 親指以外の2本の指の機能を失ったもの 慰謝料相場:550万円 |
10級10号 | 片腕の手首、肘、肩関節のうち、1つの関節の機能に著しい障害が残ったもの 慰謝料相場:550万円 |
10級11号 | 片脚の足首、膝、股関節のうち、1つの関節の機能に著しい障害が残ったもの 慰謝料相場:550万円 |
11級9号 | 片脚の親指を含む2本以上の指の機能を失ったもの 慰謝料相場:420万円 |
12級6号 | 片腕の手首、肘、肩関節のうち、1つの関節の機能に障害が残ったもの 慰謝料相場:290万円 |
12級7号 | 片脚の足首、膝、股関節のうち、1つの関節の機能に障害が残ったもの 慰謝料相場:290万円 |
12級10号 | 片手の親指、小指以外の指のうち1本の機能を失ったもの 慰謝料相場:290万円 |
12級12号 | 片脚の親指、または、親指以外の4本の指の機能を失ったもの 慰謝料相場:290万円 |
13級6号 | 片手の小指の機能を失ったもの 慰謝料相場:180万円 |
13級10号 | 片脚の人差し指の機能を失ったもの 中指、薬指、小指の3本の機能を失ったもの 慰謝料相場:180万円 |
14級7号 | 片手の親指以外の指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの 慰謝料相場:110万円 |
14級8号 | 片脚の中指、薬指、小指のうち2本の機能を失ったもの 慰謝料相場:110万円 |
国土交通省『自賠責保険・共済の限度額と補償内容』、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2025(令和7年)』
開放骨折(複雑骨折)による後遺症⑤醜状障害
開放骨折(複雑骨折)により生じた傷跡が残った場合には、以下のような後遺障害等級が認定される可能性があります。
開放骨折(複雑骨折)による醜状障害の後遺障害等級
等級 | 症状 |
---|---|
12級相当 | 腕や脚の露出面にてのひらの3倍の大きさの醜い跡が残っているもの 慰謝料相場:290万円 |
14級4号 | 腕の露出面にてのひらの大きさの醜い跡が残っているもの 慰謝料相場:110万円 |
14級5号 | 脚の露出面にてのひらの大きさの醜い跡が残っているもの 慰謝料相場:110万円 |
国土交通省『自賠責保険・共済の限度額と補償内容』、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2025(令和7年)』
開放骨折(複雑骨折)による後遺症⑥神経障害
開放骨折(複雑骨折)となった部分に痛みが残ることがあり、このような神経障害が残った場合には、以下のような後遺障害等級が認定される可能性があります。
開放骨折(複雑骨折)による神経障害の後遺障害等級
等級 | 症状 |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状が残ったもの 慰謝料相場:290万円 |
14級9号 | 局部に神経症状が残ったもの 慰謝料相場:110万円 |
国土交通省『自賠責保険・共済の限度額と補償内容』、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)2025(令和7年)』
開放骨折(複雑骨折)での後遺症が残った場合の補償
開放骨折(複雑骨折)による後遺障害等級の認定を受けた場合、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できます。
開放骨折(複雑骨折)の後遺障害慰謝料
開放骨折(複雑骨折)による後遺障害等級の認定を受ければ、後遺障害慰謝料を請求できます。
後遺障害慰謝料は、各等級ごとに相場が決まっています。
弁護士基準は、裁判になった場合に請求できる法的正当性の高い支払水準のことです。
自賠責基準とは、自賠責保険金の支給基準になります。
等級 | 弁護士基準 | 自賠責基準 |
---|---|---|
1級・要介護 | 2,800万円 | 1,600万円 |
2級・要介護 | 2,370万円 | 1,163万円 |
1級 | 2,800万円 | 1,100万円 |
2級 | 2,370万円 | 958万円 |
3級 | 1,990万円 | 829万円 |
4級 | 1,670万円 | 712万円 |
5級 | 1,400万円 | 599万円 |
6級 | 1,180万円 | 498万円 |
7級 | 1,000万円 | 409万円 |
8級 | 830万円 | 324万円 |
9級 | 690万円 | 245万円 |
10級 | 550万円 | 187万円 |
11級 | 420万円 | 135万円 |
12級 | 290万円 | 93万円 |
13級 | 180万円 | 57万円 |
14級 | 110万円 | 32万円 |
弁護士が介入しない状況で、任意保険会社から提示される慰謝料額は、自賠責基準と同程度か少し上乗せされた金額になることが多いです。
法的正当性の高い弁護士基準による慰謝料金額よりも、低くなる傾向にあります。

適正な金額で慰謝料をもらうためには、相手側の保険会社との間で、弁護士基準による増額交渉を行う必要があるでしょう。
開放骨折(複雑骨折)の逸失利益
交通事故による後遺障害の認定を受けた場合、逸失利益を請求できます。
逸失利益とは、不法行為がなければ得ていたはずの利益のことを指します。
今回の場合は、不法行為である交通事故によって後遺症を負わなければ働いて得られていた将来の収入を逸失利益として請求できます。
後遺障害逸失利益の計算方法は、「1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×就労可能年数に対するライプニッツ係数」です。

労働能力喪失率とは、後遺障害が残ったことで、事故前と比べてどのくらい働けなくなったのかを表した割合です。
労働能力喪失率は、被害者の後遺障害等級、職業、年齢、性別、後遺症の部位・程度、事故前後の稼働状況等を総合考慮して決まります。
等級 | 労働能力喪失率 |
---|---|
1級・2級・3級 | 100% |
4級 | 92% |
5級 | 79% |
6級 | 67% |
7級 | 56% |
8級 | 45% |
9級 | 35% |
10級 | 27% |
11級 | 20% |
12級 | 14% |
13級 | 9% |
14級 | 5% |
国土交通省『自賠責保険・共済の限度額と補償内容』
その他に請求できる損害|治療費や入通院慰謝料など
交通事故により開放骨折(複雑骨折)した場合には、後遺障害認定の有無に関係なく治療費や休業損害などの費用や損害も請求することができます。
- 治療費、入院費用、入通院交通費などの治療関係費用
- 休業損害(治療のために仕事ができずに減収したことへの補てん)
- 入通院慰謝料(入通院期間に負った精神的苦痛への金銭補償)
- 自動車の修理費用や代車費用などの物的損害

【コラム】解放骨折の後遺症の裁判例
こちらでは、交通事故で解放骨折を負った被害者が回収できた賠償金について、実際の裁判例を確認していきます。
解放骨折・複雑骨折の裁判例(1)
優先道路をバイクで走行中の被害者が、自転車に衝突され、転倒。左上腕骨遠位端開放骨折や外傷性てんかんを発症し、複数回の手術を受けたが偽関節が残存し、事故との因果関係が問題になった。
「…発生確率は、開放骨折ではtypeⅢAで2割程度であることが認められるのであって、以上によれば、本件事故と上肢の偽関節との因果関係は認められる」
横浜地判令和4・8・29(令和2年(ワ)1537号)
- 後遺障害等級:併合7級と認定
- 後遺障害慰謝料:1,000万円
- 後遺障害逸失利益:約3,751万円(=約489万円×労働能力喪失率45%×17.0170)
- 過失割合:被害者60%、加害者40%
損害賠償額
- 2,222万8,659円(過失相殺後)
解放骨折・複雑骨折の裁判例(2)
自転車で道路横断中、原付に衝突され左脛骨遠位端開放骨折、右環指中節骨開放骨折等を負い、足関節の可動域が健側の3/4以下に制限されたり、おおよそ300メートル以上の歩行が困難となったりする等の後遺症が残った事案。
「…本件後遺障害が12級7号であることから、上記金額を相当と認める。」
横浜地判令和4・8・29(令和2年(ワ)1537号)
- 後遺障害等級:12級7号と認定
- 後遺障害慰謝料:290万円
- 後遺障害逸失利益:約209万円(=180万円×労働能力喪失率14%×8.306)
- 過失割合:被害者25%、加害者75%
損害賠償額
- 478万9,148円(過失相殺後)
開放骨折(複雑骨折)の後遺症でよくある質問
Q.解放骨折の後遺障害認定のポイントは?
開放骨折(複雑骨折)の後遺障害認定では、関節可動域制限や変形癒合などの器質的損傷の有無、X線等の客観的所見、診断書の記載内容等が重要です。
後遺障害認定のポイントについてもっと詳しく知りたい方は『交通事故の後遺障害等級が認定されなかった理由と防止法|結果は変えられる?』の記事も参考にしてみてください。
Q.後遺障害認定の流れは?
後遺障害認定の流れは以下のとおりです。

事故発生後、解放骨折等のケガを負い、治療をしても症状が残存する場合は、症状固定の診断を受け、後遺障害診断書を医師に作成してもらい、後遺障害等級認定の申請をおこないます。
Q.解放骨折の後遺障害診断書には何を書く?
後遺障害診断書には、可動域制限や変形の有無、X線等の客観的所見、日常生活への影響などを詳細に記載してもらうことが重要です。

Q.後遺障害認定の申請方法は?
後遺障害等級認定の申請方法には、事前認定と被害者請求の2通りあります。
事前認定は、加害者側の任意保険会社を通じて、後遺障害認定の申請をおこなう方法です。
後遺障害診断書や本人確認書類以外、相手方の任意保険会社がそろえてくれるので、簡単に申請ができるメリットがあります。

一方、被害者請求は、被害者が直接、自賠責保険に申請をおこなう方法です。
被害者請求は、有利だと思われる資料がある場合、添付できる点がメリットです。

開放骨折(複雑骨折)の解決事例
解放骨折の解決事例(1)2,400万円の賠償事例
こちらの事例は、弁護士のサポートにより後遺障害等級併合9級が認定され、ご相談から約3か月で2,400万円の賠償金を獲得できたケースです。
最終回収金額 | 2,400万円 |
傷病名 | 左足裂傷、開放骨折、踵陥没 |
後遺障害等級 | 併合9級 |
年代・職業 | 20~30代・会社員 |
解放骨折の解決事例(2)928万円の賠償事例
こちらの事例は、ご相談の段階ですでに後遺障害等級が認定済でしたが、増額の余地がありました。当初の提示額は277万円だったところ、弁護士の交渉により約3.3倍増額し、928万円で示談成立となりました。
最終回収金額 | 928万円 |
傷病名 | 大腿骨開放骨折、歯の欠損 |
後遺障害等級 | 併合11級 |
年代・職業 | 10歳未満・子ども |
解放骨折の解決事例(3)720万円の賠償事例
こちらの事例は、ご相談の段階ですでに後遺障害等級が認定済でしたが、増額の余地がありました。当初の提示額は544万円だったところ、弁護士が増額交渉した結果、約176万円増額し、720万円で示談締結となりました。
最終回収金額 | 720万円 |
傷病名 | 足首開放骨折 |
後遺障害等級 | 12級7号 |
年代・職業 | 20~30代・会社員 |
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解放骨折(複雑骨折)のまとめ
交通事故で解放骨折・複雑骨折を負った場合、感染症による切断、骨の変形・短縮、関節の可動域制限、瘢痕などの後遺症が残りやすいです。
手術や固定、リハビリなどを十分におこなってもなお、後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害認定の申請をします。
解放骨折・複雑骨折では、何級から何級までの認定可能性があり、認定される等級によって賠償金も変わってきます。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了