YouTubeやTwitterで皆さまから頂いた「ゆっくり茶番劇」商標登録問題に関するよくある質問とその回答をまとめました。
柚葉氏による「ゆっくり茶番劇」商標登録は犯罪ですか?
犯罪ではありません。本件のような商標登録の是非は、警察や刑罰が関係する刑事の問題ではなく、権利の帰属に関する民事の問題です。本件は刑事の問題ではないため、柚葉氏を告訴することはできません。
柚葉氏による「ゆっくり茶番劇」商標登録は違法ですか?
手続き的には合法です。但し、内容の是非については、争いがあるところです。「ゆっくり茶番劇」の商標登録に納得がいかない利害関係者は、後述の方法で商標登録の無効を主張することが可能です。
柚葉氏による「ゆっくり茶番劇」商標登録に対して、異議申立てをすることはできますか?
商標登録異議申立て(商標法43条の2)はできません。異議申立ての期間は、「商標掲載公報の発行の日から2か月以内」とされており、本件では既に期間が経過しています。
柚葉氏による「ゆっくり茶番劇」商標登録に対して、無効審判をすることはできますか?
商標登録無効審判(商標法46条)は、「ゆっくり茶番劇」の利害関係者であれば、利用することができます。商標登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、商標権は、初めから存在しなかつたものとみなされます。
柚葉氏に「ゆっくり茶番劇」商標の使用料を支払う必要はありますか?
2022年5月17日時点で、柚葉氏は「使用料は不要」と公表しています。そのため、商標の使用料を支払う必要はありません。但し、将来的には、この方針が一方的に変更される可能性があります。
「ゆっくり茶番劇」商標を無断で使用したら、どうなりますか?
柚葉氏から損害賠償を請求されるリスクがあります。賠償金の額は、個別の事案によります。用語を使用した側としては、①柚葉氏に損害がないこと、②問題となっている「ゆっくり茶番劇」の使用の態様が商標としての使用ではないこと、③柚葉氏の商標が無効であること(商標法39条による特許法104条の3の準用)、などを反論していくことになります。
東方ProjectのキャラをYouTubeで使って収益化するのは違法ですか?
「動画共有サイトでの公式なシステムを用いた収益化」については、「営利目的とみなさず、収益化が許可」されているため、合法です。詳しくは、上海アリス幻樂団「動画配信サービスへの投稿に関するガイドライン」をお読みください。
「ゆっくり実況」や「ゆっくり解説」の商標を取ることはできますか?
商標の出願自体は誰でも可能です。但し、出願後の審査に落ちる可能性が高いです。以下、理由ですが、「ゆっくり実況」や「ゆっくり解説」は、「ゆっくり茶番劇」と比べて用語の一般性が高く商標法3条1項3号または4条1項15号/19号に抵触し、審査に落ちる可能性が高いです。元特許庁審査官の専門弁理士にも確認したところ、「今回の『ゆっくり茶番劇』の騒動で特許庁がセンシティブになっている可能性もあり、その場合、『ゆっくり実況』や『ゆっくり解説』の商標登録が認められる可能性は、1割以下ではないか」との回答を得ています。
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