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試用期間中の残業は違法?法的な性質や未払残業代の相談先を紹介

更新日:

岡野武志

監修者

アトム法律事務所 代表弁護士法律監修

岡野武志

試験期間中の残業は違法?|未払い残業代の相談先

試用期間中の残業は違法?」
「試用期間中の残業ルールは?」

試用期間中に、残業を指示されると、法的に適切なのか気になってしまいますよね。

試用期間中であっても、会社が残業させることは違法ではありません。 残業代も支払われます。

残業代が出ない場合は、会社に請求しましょう。

試用期間制度と残業の関係について詳しく分からない方に向けて、この記事では、

  • 試用期間中の残業が違法かどうか
  • 残業代はもらえるのか
  • 残業代が出ないときの対処法

について解説します。

試用期間中の残業命令は違法でないが残業代は発生する

試用期間中の残業は原則適法

試用期間中に会社が残業を命じることは、原則として適法です。

ただし、会社と労働組合や労働者の代表者の間で、36協定を締結していることが条件となります。36協定を締結せずに会社が残業を命じた場合、会社は労働基準法違反として、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が科されます。(労働基準法119条

36協定とは、法定労働時間である1日8時間・週40時間労働基準法32条)を超えて働かせる場合のルールです。会社と労働組合や労働者の代表者とが36協定を締結することで、残業が可能になります。

ただし、36協定を締結していても無制限に残業できるわけではありません。原則として1か月45時間、年360時間が上限です。

36協定によって残業が可能になるのは、正社員だけではありません。試用期間中でも残業は可能なのです。

残業時間の上限や36協定についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
36(サブロク)協定について解説|残業時間の上限とは?

試用期間中の残業についても残業代は発生する

試用期間中の残業についても残業代は発生します

「試用期間中だから残業代はでない」と主張する会社は多いのですが、法律的には間違いです。

試用期間中も正社員と変わらず、会社とは雇用関係にあります。雇用されている以上、働いた時間に応じて賃金を受け取ることができます。(労働契約法6条

また、賃金の割増についても正社員と同じようにあつかわれます。

法定労働時間外の時間外労働や深夜22時から翌朝5時までの深夜労働の場合は25%以上、法定休日労働の場合は35%以上の割増賃金が発生します。深夜に時間外労働した場合の割増率は50%以上、法定休日労働に深夜労働した場合割増率は60%以上です。(労働基準法37条割増賃金令

試用期間中の残業代について疑問を持った方は給与明細などを見て、残業代が支払われているか、正しく割増されているかを確認すべきです。

残業代の計算方法や割増率について詳しくは以下の記事をご覧ください。
残業代の正しい計算方法とは?基本から応用的な計算まで徹底解説!
割増残業代の仕組みとは|労働時間や割増率の計算方法を解説

そもそも試用期間とは?正社員との違いを解説

試用期間の定義、期間

試用期間とは、会社が本採用するかどうかを判断するための期間です。正社員としての能力や適性があるかを見極めるために、試験的に採用します。

一般的な試用期間は、3か月から半年が多いようです。試用期間の上限は法的に定められていませんが、1年以上だと長すぎると判断されています。

試用期間中の社員と正社員の違いは?

試用期間中であっても、正社員と同様に労働基準法は適用されます。試用期間中だからといいって、会社はみだりに解雇できるわけではありません。試用期間中の解雇の条件については、正社員と完全に同じではありませんが、かなり厳格な制限があります。

では、試用期間中の社員と正社員の違いは、どのような点にあるのでしょうか。違いとしては主に以下の二つが挙げられます。

試用期間中の社員と正社員の違い

  • 解雇予告の必要性
  • 最低賃金を下回る可能性

正社員の場合は、解雇する30日前に解雇予告する必要があります。30日前の予告をしない場合、会社側は30日に不足する平均賃金を労働者に支払わなければなりません。

一方、採用開始から2週間以内の試用期間中の社員を解雇する場合は、解雇予告を必要としません。また、試用期間中でも、採用開始から2週間を超えている場合は、解雇予告が必要です。(労働基準法21条

まとめると以下のようになります。

労働者の分類解雇予告の必要性
正社員必要
試用開始から2週間以内の社員不要
試用開始から2週間を超える社員必要

また、試用期間中の賃金は、都道府県労働局長の許可を得た場合に限り、最低賃金を下回ることがあります。(最低賃金法7条

試用期間の解雇について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
試用期間中や試用期間終了直後の解雇への対応方法を解説

もし試用期間中の残業で残業代が出なかったら

固定残業代制度はある?契約内容を確認しよう

残業代を受け取っていない場合は、固定残業制度なのかどうかを契約内容や就業規則で確認しましょう。固定残業制度の場合は、規定された時間の範囲の残業に対する残業代は受け取れません

固定残業制度とは、あらかじめみなし残業時間を設定しておき、支払う賃金に残業代を上乗せする制度です。

例えば、みなし残業時間20時間が設定されている場合、毎月通常の賃金に加え、みなし残業時間20時間分の賃金が支払われます。
このとき、設定された20時間以内の残業に対しては、追加で残業代が支払われることはありません。

一方で、設定された時間を超えて残業した場合は、超過した残業時間に対して残業代を受け取ることができます

固定残業制度は「定額働かせ放題」などと揶揄されることがありますが、法律上の仕組みとしてはみなし残業時間以上に残業をした場合、その分の残業代はきちんと支払われることになっています。

また、以下の2点を満たしていない固定残業制度は、適正な制度と判断されず、別途残業代を受け取ることができます。

  • 就業規則において、賃金の基本部分を固定残業部分が明確に区分けされていること
  • 固定残業部分に対して時間が明確に定められていること

固定残業制になっているか、その固定残業制は法的に適正なものとなっているかを確認しましょう。

労働時間に関する証拠を収集

未払いの残業代を請求するためには、残業を行った証拠を集める必要があります。残業代の請求権は、労働者が証明しなければならないからです。残業の証拠としては、以下のようなものがあります。

残業の証拠

  • タイムカード
  • シフト表
  • 勤務日誌
  • パソコンのログイン情報
  • 残業時間を記入したメモ
  • 残業後に家族に送信したメール履歴 など

残業の証拠としては、いつからいつまで残業したのかが、正確に分かるものが望ましいです。タイムカードの記録があれば、一番確実でしょう。

自分で会社と交渉する

原則として、残業代は請求しなくても会社から支払われます。

なんらかの理由で残業代を受け取っていない場合、自分で会社に直接その旨を伝えることで、法令を順守する会社であれば、すみやかに未払い残業代が支払われます。

会社に残業代を請求しても、残業代が受け取れない場合は、残業した証拠とともに会社と話し合いを行います。話し合いをする際には、会話を録音しておくと有利に使えます。ただし、SNSなどでさらすと不法行為にもなりうるため、注意しましょう。

労働基準監督署に相談する

残業代については、労働基準監督署総合労働相談コーナーで相談できます。他にも、解雇・労働条件・募集・採用・いじめ・嫌がらせ・セクシュアルハラスメントなど、労働問題に関するすべての分野の相談が可能です。

直接出向いて相談することも、電話で相談することもできます。対応していない曜日や時間があるので、事前に連絡して確認しておきましょう。
参考:労働基準監督署の所在地一覧

労働基準監督署に相談すると、法律の専門家による法的なアドバイスがもらえます。

ただし、労働基準監督署はあくまで会社の労働基準法違反の状況を是正することを目的とした機関です。労働者の代わりに残業代を請求したり、会社に交渉したりすることはできないことに注意しましょう。

弁護士に相談する

未払い残業代の請求については、弁護士への相談が最もおすすめです。

弁護士であれば、法律の専門家として、具体的にどのような対応が可能かを教えてもらえます。

残業代に関する会社との交渉を弁護士に依頼すれば、会社との交渉や種類の作成など、複雑な手続きを全て行ってくれます。

残業代の交渉が不調に終わり、労働審判や裁判に発展した場合でも、弁護士に依頼しておけば心強いですし、満足できる結果になる可能性も高くなります。

試用期間だから残業代を受け取れなくても仕方ないと、泣き寝入りすることはありません。残業代の未払いにお困りの方は、弁護士に相談してみましょう。

弁護士への相談にあたって、費用相場や流れ、メリットなどを知りたい方は「残業代請求は弁護士に依頼!費用相場、流れ、メリットなどを解説」の記事をご覧ください。

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岡野武志

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士

岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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