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残業代の時給はいくら?正しい残業代の計算方法を解説

更新日:

岡野武志

監修者

アトム法律事務所 代表弁護士法律監修

岡野武志

残業代の時給|正しい計算方法

残業代を計算する際、自身の給料から時給を求め、計算式に組み込む必要があります。
この場合の時給の換算はどのように行うのでしょうか?

肉体的にも精神的にも大きな負担となる残業。
その残業に対する賃金が適切に支払われているのか気になるのは当然ですよね。

自分の残業代を正確に把握したい方に向けてこの記事では、

  • 残業代の計算方法
  • 裁量労働制の残業代
  • フレックスタイム制の残業代
  • 残業代未払いへの対処法

などについてご紹介します。

残業代の計算方法|まずは時給を確定させる

残業代を求める計算式は以下の通りです。

残業代の計算方法

①1時間当たりの給与額 × ②割増率 × ③残業時間

残業代を計算するには、

  1. 1時間当たりの給与額
  2. 割増率
  3. 残業時間

を把握する必要があります。以下で詳しく見ていきましょう。

なお、残業代の計算方法については以下の記事もご覧ください。
残業代の正しい計算方法とは?基本から応用的な計算まで徹底解説!

1時間当たりの給与額の算出方法

正社員や日給者の場合は、1時間当たりの給与額を以下のように計算します。

1時間当たりの給与額の計算方法

  • 月給制:月給額 ÷ 1か月の所定労働時間
  • 日給制:日給額 ÷ 1日の所定労働時間

所定労働時間とは「始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を除いたもの」です。例えば、始業が9時・終業が18時・休憩が1時間の場合、1日の所定労働時間は8時間になります。

1か月の所定労働時間は、1年間の労働時間の平均によって求めます。
1か月の日数は月によって28日であったり、30日であったり、31日であったりします。つまり月によって所定労働時間が異なるので、1年間の労働時間の平均によって求めるのです。

1日の所定労働時間が8時間であった場合、「8時間×(365日or366日-1年間の休日の日数)÷12」によって1か月の所定労働時間が求められます。

また、1時間あたりの給与額を算出するにあたって、月給額や日給額に以下の7つは含まれないことに注意してください。

時給の計算に含まない手当など

  1. 家族手当
  2. 通勤手当
  3. 別居手当
  4. 子女教育手当
  5. 住宅手当
  6. 臨時に支払われた賃金
  7. 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

残業代を計算する際、以上の7つを基礎賃金から除かなければならないのです。

残業時間の種類ごとの割増率

残業代は「割増率」を使って計算しますが、時間外労働や休日労働、深夜労働によって割増率が異なるため、残業時間の種類ごとに勤務時間を集計しなければなりません。具体的な割増率は次の通りです。

労働の種類割増率
法内残業0%
時間外残業25%
月60時間を超える時間外残業*50%
深夜労働25%
時間外残業かつ深夜労働50%
法定休日労働35%
法定休日労働かつ深夜労働60%
時間外労働の割増率

※中小企業は2023年4月1日から適用

残業代の割増率について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
割増残業代の仕組みとは|労働時間や割増率の計算方法を解説

残業時間数の算出方法

残業代の計算には残業時間を正確にカウントすることが必要です。

残業時間の種類によって割増率も異なってくるため、どの残業時間に該当するか正確に算出しなければなりません。

残業時間としては、法定労働時間を超える労働である「時間外労働」および、法定休日に働く「休日労働」が挙げられます。

これらの算出方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
残業代の正しい計算方法とは?基本から応用的な計算まで徹底解説!

残業代の一例

以下の場合を仮定して具体的に残業代を計算してみましょう。

具体例

  • 給与額
    基本給20万円
    通勤手当1万円
    家族手当1万円
  • 1日の所定労働時間
    8時間
  • 1年間の休日の日数
    125日
  • 残業
    ひと月に合計10時間

1.1時間あたりの基礎賃金を求める(時給換算)

家族手当や通勤手当は含めないため、基本給20万円のみが計算の対象となります。

「月給額20万円 ÷ 1か月の所定労働時間」によって時給を求めます。

1か月の所定労働時間は「8時間×(365日 – 年間休日日数125日)÷12=160時間」となります。

月給額20万円÷一か月の所定労働時間160時間=1,250円」から、時給は1250円となります。

2.残業代を計算

残業代は「時給換算した賃金×割増率×残業時間」によって求めます。

  • 時間外労働を10時間した場合
    →1,250円×1.25×10時間=15,625円
  • 法定休日労働を10時間した場合
    →1,250円×1.35×10時間=16,875円
  • 深夜労働を10時間した場合
    →1,250円×1.25×10時間=15,625円

もし深夜に時間外労働をしたのであれば時間外労働分の割増率を合算した「1.5」の割増率を用いて残業代を計算します。

ご自身の残業が「法内残業」「時間外残業」「深夜労働」「法定休日労働」のどれに当てはまるのかをきちんと把握し、各割増率をかけて計算してください。

特殊な労働形態の残業代

「働き方によっては残業代が出ないのでは?」と疑問に思われる方がいるかもしれません。

会社から「裁量労働制だから残業代はないよ」「日給制だから残業代はないよ」などと言われ、残業代を貰えずお悩みになっている方というのは意外に多いです。

ここでは、働き方別に残業が出るか否かにケースを分けて解説します。

裁量労働制に残業代は発生する?

裁量労働制とは、実際の労働時間に関わらず、あらかじめ定められたみなし労働時間分働いたとみなして賃金が支払われる仕組みです。

例えば、「実際の労働時間に関わらず1日8時間労働したものとみなす」という取り決めが交わされた場合、1日4時間しか働かなかった日やあるいは1日10時間働いた日などがあったとしても、全て1日8時間働いたというあつかいになり、給料も1日あたり8時間分が支給されるという仕組みになっています。

この点、1日に何時間働いても追加で残業代が支給されるということはないです。

一方で、みなし時間についても労働基準法の規制は及びます。
みなし労働時間が1日8時間・週40時間を超える場合、その分についてはきちんと割増の処理をして賃金を支払わなければなりません。

例えば、1日9時間のみなし労働時間の場合、その賃金は8時間労働の賃金に加え、割増などをきちんと計算した時間外労働1時間分の賃金でなくてはなりません。

みなし労働時間が9時間や10時間など、法定労働時間を超えている方は、8時間を超える分についてきちんと割増が行われているかを確認してみてください。

裁量労働制について詳しく知りたい方は「裁量労働制は残業代ゼロ?仕組みや計算方法・請求方法は?」の記事をご覧ください。

フレックスタイム制に残業代は発生する?

フレックスタイム制においても残業代は発生します。

フレックスタイム制ではあらかじめ総労働時間が決められますが、この総労働時間を超えた分の労働は残業となります。

また、清算期間における法定労働時間を超えた分については、割増も適用されます。

時給制アルバイトや日給制でも残業代は発生する?

アルバイトやパート、時給や日給制であっても残業代は発生します。

また通常の正社員と同じように、法定労働時間を超えて働いた場合や深夜に働いた場合には割増が発生します。

残業代が発生しない働き方

残業代は業務委託契約や管理監督者である場合など、一定の要件を満たしているときには支給されません。

ただ、「管理職だから残業代は出ないよ」と会社から言われている方は、いま一度自分の雇用契約についてよく確認しておくべきかもしれません。

管理職であっても一定の要件を満たしていない人は管理監督者として認められず、残業代が発生する場合があります。

詳しくは「管理職でも残業代は支払われる?管理監督者との違いや法律を解説」の記事をご覧ください。

月給別時給一覧表を確認しよう

月給者の給与を時給換算する方法を、前の章でお伝えしました。

月給別に時間外労働を行った場合の1時間当たりの賃金を以下にまとめました。この表を参照すれば、残業した場合のおおよその賃金が把握できます。

月給額1時間当たりの残業代
16万円1,250円
18万円1,406円
19万円1,484円
20万円1,563円
21万円1,641円
22万円1,719円
23万円1,797円
24万円1,875円
25万円1,953円
26万円2,031円
27万円2,109円
28万円2,188円
29万円2,266円
30万円2,344円
31万円2,422円
33万円2,578円
35万円2,734円
37万円2,891円
39万円3,047円
40万円3,125円
45万円3,516円
50万円3,906円
月給別時間外労働の時給

月の平均労働時間160時間、残業の割増率2割5分、端数四捨五入して計算したものです。ただし、会社の休日の日数や1日の労働時間数、端数処理などで金額は変動しますのであくまで参考としてご利用ください。

残業代未払いへの対処法

サービス残業が横行していたり、正社員じゃないからという理由で残業代をもらえなかったりする場合はどうしたらいいでしょうか。未払いの残業代がある場合の対応について確認しましょう。

証拠を収集する

残業代が支払われていないと感じたら、すぐに証拠を収集してください。未払いとなっている残業代を会社に請求するためには「残業代が支払われていない」という事実を従業員本人が立証しなくてはなりません。

有効な証拠としては、以下のものが挙げられます。残業代が支払われていないのであれば、エクセルなどのツールを使って、記録を残すとよいでしょう。

残業代請求で有効な証拠

  • タイムカードの記録
  • 業務日誌
  • メールの送受信履歴
  • パソコンのログ履歴 など

労働基準監督署に相談

もし、残業代の計算が難しい時や、会社に直接請求できなければ、厚生労働省が管轄している労働基準監督署へ相談するという方法もあります。

労働基準監督署の所在地一覧

労働基準監督署は会社に指導や勧告、是正を行ってくれる国の機関です。
相談を無料で受け付けており、実際に未払い残業代が発生している疑いがあれば会社に対して是正に向けた行動を起こしてくれます。

ただし、労働基準監督署に動いてもらうためには自身で違反の申告をする必要があります。また申告したとしても労災などの対応を優先する傾向にあるので早急な解決は難しいかもしれません。

さらに、あくまで労働基準監督署は会社の労基法違反の是正を目的としている期間なので、「未払い残業代を回収したい」というような目的をお持ちの方には向かない面もあります。

弁護士に相談

残業代を計算できたとしても、会社と交渉することが苦痛となりストレスを感じる人もいるでしょう。また、従業員個人が会社に書類を送っても、取り合ってもらえないケースは少なくありません。

会社の対応が不誠実なときや、残業代を早めに回収したいときは、弁護士への相談がおすすめです。

もし会社との話し合いが難航し、問題がスムーズに解決しそうにないときは労働審判や裁判といった次のステップに進むことも、弁護士が味方であれば容易です。

弁護士への相談にあたって、費用相場や流れ、メリットなどを知りたい方は「残業代請求は弁護士に依頼!費用相場、流れ、メリットなどを解説」の記事をご覧ください。

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岡野武志

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士

岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

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