試用期間に関する解雇はすぐ弁護士に相談すべき|解決までの流れ | 残業代請求弁護士ナビ

24時間365日無料問合せ受付中

フリーダイヤル
0120-215-911

試用期間に関する解雇はすぐ弁護士に相談すべき|解決までの流れ

更新日:

岡野武志

監修者

アトム法律事務所 代表弁護士法律監修

岡野武志

試用期間に関する解雇は弁護士に相談すべき!

「3か月の試用期間が終われば正式に採用する」といった「試用期間」は多くの企業で設けられています。
採用直後でもあり異論なく受け入れていると思いますが、正式な採用がされずに解雇につながることもある制度です。

もし解雇されれば、他の就職先を断って入社したにも関わらず、職を失ってしまうことになります。
この不利益は非常に大きく、弁護士に相談するなど早急に対応する必要があります。
しかも、試用期間だからといって全ての解雇が許されるわけではなく、不当解雇となる事例も多くあるのです。

この記事では試用期間に関する解雇についてお悩みの方へ、今後の行動の参考としていただくため、解決までの流れや注意点について解説します。

試用期間中の解雇は弁護士に相談すべき?何をしてくれる?

試用期間は「お試し期間」であり、「期間が終われば解雇されても文句は言えない」というイメージがあるのではないでしょうか。

しかし法律上そうは考えられておらず、弁護士は試用期間中の解雇について不当性が疑われれば、会社に対して解雇の取り消し、復職や賠償金の請求を主張します。

試用期間と解雇の関係は?|本採用拒否の意味

試用期間は法律で決められている制度ではありませんが、概ね「自社の従業員としての適格性を判断するための試験的な勤務期間」と理解されています。

つまり、採用選考だけでは自社に合っているか判断し切れないため、実際に勤務させてみて、勤務態度・能力・技能・性格等を見極めるために設けているということです。

このように、試用期間は適格性を判断する制度であり、試用期間が終了する(法的には「満了」と表現します)までに、「正式に採用するかどうか(本採用といいます)」が判定されます。

不適格だとされれば本採用が拒否され、雇用が終了することになります。通常は試用期間満了時に雇用が終了しますが、中には、試用期間の満了を待たずに本採用拒否が行われるケースもあります。

本採用拒否という言葉が使われていますが、会社の判断のみによって雇用契約を終了させるわけですから、法律上は解雇にほかなりません。

試用期間に関する解雇で弁護士が着目するポイント|理由・相当性・手続き

本採用拒否が認められるかどうかは、解雇が有効かどうかとほぼ同様の基準で判断されます。

つまり、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当な場合にのみ許されるということであり、「試用期間中や試用期間後の解雇は仕方がない」というわけではありません。
いったん採用されている以上、雇用を終了させるには一定の理由が求められるということです。

また、解雇予告の手続きも基本的には必要です。ただし、入社から14日以内に解雇される場合は不要とされています(労働基準法21条4号)。

弁護士はこれらの点に違法な部分がないかを検討し、トラブル解決に向けて行動します。

弁護士は、試用期間に関する解雇の法的な問題点を見つけ、それをもとに法的な解決を目指すことができるのです。

試用期間に関する解雇が不当な場合に弁護士がとる解決手段

弁護士が会社に対して起こす行動としては、大きく以下の3つがあります。

  1. 職場復帰の請求
  2. 解雇がなければ得られていた賃金の請求
  3. 損害賠償請求

依頼者(解雇された人)の要望を聞きつつ、これらの中から事案に適したものを選択します。

もっとも、これらのうちどれか1つしか実行できないというわけではなく、複数を組み合わせることがむしろ一般的といえます。

次の章ではこれら弁護士が取ることのできる解決手段について細かく見ていきます。

試用期間に関する解雇について弁護士がとる手段の詳細と流れ

弁護士の方針としては、依頼者が職場復帰を望むかどうかという点で大きく変わることになります。

先述の1~3の解決方法をひとつずつ見ていきましょう。

試用期間に関する解雇の解決手段①|職場復帰を求める場合の流れ

不当な解雇に遭ってしまった場合の基本的な解決手段は、解雇の無効を理由に、職場復帰を求めていくことです。

この点は試用期間に関する解雇のケースでも同様です。

解雇が法的に無効であることが前提となっているため、弁護士はまず「なぜ本採用拒否(解雇)されたのか」を確認します。

理由の確認は「解雇理由証明書」で行うことが通常です。

解雇理由証明書とは?

解雇の理由について記された書面。
労働者が請求した時、使用者には交付の義務が課せられる。(労働基準法22条2項
解雇を証明する書面が手元に何もない場合には、まず解雇理由証明書の発行を請求すべきと言える。

弁護士は解雇の理由をもとに、本採用拒否が無効となる事情を主張します。

例えば、仕事上のミスなど能力不足を思わせる事情があったとしても、軽微なもので解雇は相当でないといったものです。

また、能力不足や協調性の欠如という解雇理由については、その改善のための努力を会社が尽くしていないといった主張も多く行われます。

試用期間中にどのような仕事をしたかはもちろんのこと、会社から受けた指導についてもまとめておき、弁護士に伝えることが重要です。

試用期間に関する解雇の解決手段②|賃金請求は職場復帰とあわせて行う

法律上認められない本採用拒否(解雇)が行われると、労働者は「本来は働けていたはずなのに不当な解雇によって働けない状態」になります。

つまり、仕事ができなかったのは会社の責任ということです。

このような場合、実際に働いていれば得られていたであろう賃金を会社に請求することができます民法536条2項)。

その額は下記の計算式で求めます。

請求する賃金の計算式

在職中の賃金月額×本採用拒否(解雇)からトラブル解決までの期間

なお、支払いが確実であれば賞与(ボーナス)も含まれる可能性があります。

弁護士がこの計算を行うためには在職中の賃金額や賃金決定の社内ルールを把握しなければなりません。そのため、相談の際には給与明細や就業規則といった書面を持参するようにしましょう。

会社に対して職場復帰を求める場合には、この賃金請求もあわせて行うことが通常です。

試用期間に関する解雇の解決手段③|損害賠償には慰謝料も含まれる

職場復帰や賃金請求に加え、会社に対して損害賠償を請求することもできます。

その内容(内訳)としては、「慰謝料」「弁護士費用」です。

慰謝料

精神的な苦痛に対する損害賠償金。
解雇の問題では、不当な解雇が行われたことによって生じた精神的な苦痛に対して賠償請求を行う。

弁護士費用

弁護士に依頼したことによって発生したお金。
不当な解雇さえ行われなければ当然に発生しなかったはずの費目なので、弁護士費用についても相手方に賠償請求できる。

ただ裁判実務では、賃金請求が認められれば慰謝料の請求は認められないことが一般的です。

また、裁判で認められる弁護士費用は、実際に弁護士に支払った費用の全額ではなく、判決で会社が支払うべきとされた金額の1割程度となることが通常です。

試用期間の解雇で職場復帰を望まないのであれば弁護士は金銭解決を目指す

反対に、職場復帰を望まない場合、損害賠償請求がメインとなります(金銭解決)。

こちらのパターンでは慰謝料と弁護士費用のほか、さらに「解雇がなければ得られたであろう経済的利益の賠償」も請求することが一般的です。

解雇がなければ得られたであろう経済的利益というのは、主に「不当に解雇されていなければ得られていた賃金相当額」であり、賃金請求の代わりともいえるものです。
そのため、こちらのパターンでも経済的利益の賠償が認められれば、慰謝料が認められないことがあります。

金額計算のベースは賃金請求と同様です。

請求する賃金の計算式

在職中の賃金月額×本採用拒否(解雇)からトラブル解決までの期間

ですが、すでに再就職していたり再就職が決まっていたりする場合は注意が必要です。
そのようなケースでは、再就職するまでの期間に賠償が限定されたり、そもそも賠償が認められないこともあるためです。

職場復帰を望まない場合には特に、就職活動の状況等を正確に弁護士に伝える必要性が高いといえるでしょう。

試用期間に関する解雇を弁護士に相談する際のポイント

以上のように、試用期間に関する解雇の解決にどのような手段をとるかは、自身の要望や状況によって変わってきます。

最後に、その点を踏まえ、弁護士に相談する際のポイントについて解説します。

弁護士には試用期間の解雇を裁判以外で解決することも検討してもらう

先に挙げた復職や損害賠償の請求を実現するため、弁護士は以下のような手段を使います。

労働問題における弁護士の解決手段

  • 会社と直接交渉する
  • 労働審判
  • 労働裁判

会社と直接交渉する場合、交渉がまとまれば、会社と職場復帰や金銭の支払いを約束する形でトラブルを解決します。
これが和解と呼ばれるもので、当事者が話し合って譲歩し争いを解決する契約のことです。

和解は労働審判や労働裁判の手続きの中でも行うことができます。

特に、労働審判では、労働審判委員会という中立な立場の組織が当事者の和解を促します。このような手法は調停と呼ばれ、実際、労働審判のおよそ7割が調停によって解決しています。

また、裁判になっても和解をすることは可能で、労働裁判では全体の6割程度で和解が成立しています。

このように、和解による解決は労働トラブルにおいてメジャーな方法です。
試用期間に関する解雇でも、金銭解決を求める場合には有効な方法といえるでしょう。

弁護士には、裁判で判決を得ることだけでなく、和解も含めて解決方法を検討してもらうことが必要です。

試用期間の解雇で職場復帰を望む場合は弁護士に早めに相談すべき

ただ、金銭解決ではなく職場復帰を求める場合、和解での解決は難しいといえます。
会社は、たとえ不当だとしても、いったん解雇した従業員を再度受け入れることに強い抵抗感をもつことが多いためです。

そのため、復職を目指す場合には裁判によって職場復帰を命じる判決を得ることが主な解決方法となります。

裁判では解決までに1年以上の期間がかかることも多く、時間のかかる解決方法です。
さらに、職場復帰を命じる判決が出たとしても、その判決に会社が従わない可能性があり判決後に復帰をめぐり会社との話し合いが必要となるケースもままあります。
このように、職場復帰を求める場合、解決までの期間が長くなる傾向にあります。

そのため、試用期間中や試用期間満了後の解雇については、できるだけ早く弁護士に相談すべきです。
初動について助言を受けるとともに、解雇から時間が経っていない方が選べる解決方法も多いため、迅速な相談のメリットは大きいといえるでしょう。

日弁連の弁護士検索やGoogle検索などで、不当解雇の相談に対応する弁護士事務所を探してみてください。

この記事をシェアする

岡野武志

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士

岡野武志

詳しく見る

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

関連記事

よく読まれる記事

最新の記事