給料未払いを警察に相談する意味はある?逮捕の可能性も解説 | 残業代請求弁護士ナビ

24時間365日無料問合せ受付中

フリーダイヤル
0120-215-911

給料未払いを警察に相談する意味はある?逮捕の可能性も解説

更新日:

岡野武志

監修者

アトム法律事務所 代表弁護士法律監修

岡野武志

給料未払いを警察に相談|逮捕の可能性も解説

給料未払いを警察に相談できる?」
「警察は給料を払わない経営者を逮捕してくれる?」

労働に対して給料が支払われるのは当然のこと。

真剣に労働しているのに、その分の給与を出さない会社は到底容認できませんよね。
そんな会社を懲らしめたくなる気持ちはよく分かります。

しかし、警察は原則として民事不介入なので、給料未払いの相談や経営者の逮捕は出来ません。

では、理不尽な会社に対してどのように対処すればいいのでしょうか?

この記事では、

  • 給料未払いを警察に相談する有効性
  • 労働基準監督署が刑事手続きを行う可能性
  • 給料未払いの最適な相談先

について解説します。

給料未払いで警察は動く?労働基準監督署への相談は有効?

給料未払いを警察に相談すれば動いてもらえる?

給料の未払いの違法性を警察に相談しても基本的には相手にされない場合が多いです。会社と話し合いをするか、労働基準監督署へ相談するように案内されるのが通常です。

給料の未払いは違法です。しかし、警察は基本的に重大な刑事事件を対象とすることが多く、労働法上刑事罰が定められていたとしても、民事に近い性質の事件だと原則介入しません。

会社には、労働者へ給料を支払う義務があります(労働基準法24条)。あらかじめ決められた給料日に支払わない会社は、労働基準法違反です(労働基準法第11条、第24条)。給料を支払っていない会社には、労働基準法違反として、30万円以下の罰金が科されます(労働基準法120条)。

このように給料未払いは厳密にいえば刑事罰の科される可能性のある事件ではあります。ただ、本質的には会社と労働者の争い、つまり私人同士の争いという側面が強い事件でもあるのです。

警察は民事不介入の原則を守ります。

警察は民事事件としての側面が強い事件には介入しないので、給料の未払いを警察に相談しても相手にされない可能性が高いというわけです。

警察に相談に行く場合は、各都道府県の被害相談窓口で相談するか、警察の相談窓口につながる全国共通の電話番号「#9110」番を利用しましょう。各都道府県の被害相談窓口は、警察庁の各都道府県警察の被害相談窓口のページで確認できます。

労働基準監督署も給料の未払いを理由に逮捕・送検できる

労働基準監督署は、給料の未払いを理由に逮捕送検(法的には「送致」と言います)ができます。ただし、実際に逮捕・送致するのはよほど悪質な事案の場合だけです。

労働基準監督官は、労働関係法令違反に関しては刑事訴訟法に規定する司法警察員として職務を行う権限があると定められています(労働基準法102条)。
つまり、労働関係の違反に関しては、警察と同じような権限を持つという事です。

労働基準監督署に給料の未払いを相談した後の流れ

労働基準監督署は労働関係の違反に関しては、警察と同じような権限を持つとはいえ、実務上、そう簡単には逮捕や送致などは行いません

労働基準監督署に給料の未払いを相談した後の流れは以下の通りです。

労働基準監督署の対応の流れ

  1. 代表者の呼び出し
  2. 立ち入り調査
  3. 是正勧告
  4. 強制捜査

労働基準監督署は、まず会社の代表者を呼び出して給料の未払いなどの違法行為をおこなっているかどうかの事実確認を行います。労働基準監督署から呼び出された代表者は、以下のような書類を準備するように指示され、労働基準監督署へ出頭します。

労基が準備するよう指示する書類の例

  • 就業規則
  • 時間外労働・休日労働・労使協定に関する書類
  • 労働時間が確認できる書類
  • 健康診断表
  • 衛生委員会の議事録など

代表者の呼び出しで給料の未払いの疑いがあった場合には、会社に立ち入り調査を行います。予告なしに立ち入り調査を行う場合もあります。

立ち入り調査の拒否や妨害には刑事罰の規定があり、会社側は原則として立ち入り調査に応じざるを得なくなります(労働基準法120条)。
立ち入り調査では、会社の設備や帳簿、書類などの確認が行われたり、従業員への尋問が行われたりします(労働基準法101条)。

立ち入り調査の結果、給料の未払いが確認された場合は、問題を是正するように代表者へ指導が行われ、是正勧告書が交付されます。是正勧告書に書かれている内容は、指導内容や違法内容、是正期限などです。

代表者は、期限までに給料の未払いを改善し、是正報告書を提出する必要があります。代表者が是正勧告書を提出し、監督官によって給料の未払いが改善されたことが確認されれば調査は終了です。しかし、十分に改善されていない、あるいは改善されていないと判断された場合には、再度調査が行われます。

是正勧告を繰り返し受けても給料の未払いが是正されない場合には、悪質・重大な事案として、労働基準監督官による捜査が行われることがあります。

捜査によって悪質・重大な事案と判断されれば、捜索・差押え・逮捕などの強制捜査を行い、検察庁に送致することもあります。

このように労働基準監督署が警察と同じように逮捕・送致等の刑事手続きを行うまでには非常に多くの工程があり、その数も多くはないのです。

給料未払いの最適な相談先は警察署ではなく弁護士

相談の前に|集めておくべき証拠

未払い給料の請求が成功するかどうかは客観的な証拠の有無にかかってきます。

相談をする前に以下の証拠を集めておきましょう。

集めるべき証拠

  • タイムカード(仕事をしていた時間がわかるもの)
  • 給与明細、源泉徴収票
  • 雇用契約書、労働条件通知書
  • 就業規則

タイムカードが入手できない場合は、「事業所の入退館記録」「メールの送信記録」「日報」「シフト表」「スケジュール表」「手書きの業務時間記録メモ」などの書類も有効です。

各書類の原本の入手が難しい場合、写真やコピーで証拠取りを行いましょう。

まずは労働基準監督署に相談

給料の未払いを警察署に駆け込んで相談しても、取り合ってもらえないことがほとんどです。
給料の未払いには時効があるので、できるだけ早く解決できる実行力のあるところに相談しましょう。
最初は労働基準監督署に相談するのがおすすめです。

労働基準監督署は全国47都道府県に所在があり、対応時間は平日の8:30~17:15に設定されています。

自宅の最寄りではなく、勤務先の事業所(工場、支店)を管轄する労働基準監督署に相談する点に注意が必要です。

また、労働基準監督署が主に行うのは勧告や指導です。
未来に向けて職場環境の改善を図る、という点では有用かもしれませんが、未払いの給料を満額請求したいというようなときには目的を達成できないかもしれません。

また、逮捕や送致など刑事手続きについて期待できないという点については先述の通りです。

未払い給料の請求を検討している場合には弁護士に相談を!

給料未払いの交渉は自分でも行うことができます。
しかし、ただでさえ給料未払いという重大な法令違反をしている会社ですから、話が通じる可能性というのは低いと言わざるを得ません。

弁護士なら相手方の会社に対し法的な根拠を持って給料未払いの請求をすることができます。

また弁護士が介入したという事実は、相手方の会社にとっては相当なプレッシャーとなります。
仮に交渉が決裂した場合、労働審判裁判などの手続きに移行する可能性があるからです。

給料未払いについてお悩みなら、正式に依頼するかどうかは別にしても、まずは一度弁護士の無料相談を利用するのがおすすめです。

弁護士へ相談したときのメリットや費用等について詳しく知りたい方は「未払い給料の請求を弁護士に依頼するメリットと費用|請求手順も解説」の記事もご覧ください。

この記事をシェアする

岡野武志

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士

岡野武志

詳しく見る

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点

関連記事

よく読まれる記事

最新の記事