交通事故の示談で争いになる5大原因!予防策と解決法も解説
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
交通事故の示談では、加害者側の任意保険会社と意見が合わず、争いになることも多いです。一度争いになってしまったら、被害者側が不利になることが多いのも実情です。
そこでこの記事では、交通事故の示談で争いになる原因として多いものを5つ解説します。なぜ争うと被害者側が不利になるのか、争わないためにはどう対策すれば良いのかも見ていきましょう。
また、示談で争いになってしまった場合は事態がそれ以上悪化する前に、迅速に対応する必要があります。主な対処法も3つ紹介するので、確認しておくと安心です。
目次
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交通事故の示談で争いになる原因5つ
示談交渉中に争いになる原因はさまざまありますが、ここでは代表的なものを5つ紹介します。
(1)過失割合で争う
過失割合とは、交通事故が起きた責任が加害者と被害者それぞれにどれくらいあるのかを、割合で示したものです。
過失割合は、以下の点で示談交渉にて非常に争いやすい項目のひとつです。
- 正しい事故発生状況を示す証拠がないことも多いから
- 示談金額に大きく影響するから
- 駐車場事故など過去の事例が少なく過失を判別しにくい場合も多いから
どういうことなのか、もう少し深堀りしていきましょう。
正しい事故発生状況を示す証拠がないから
過失割合は、事故発生時の状況をもとに算出します。しかし、事故発生時の状況は事故の当事者や目撃者でないと知りえないことです。
ドライブレコーダーや防犯カメラに映像が残っていたり、ブレーキ痕などから事故時の状況を推測できたりすれば良いのですが、事故当事者や目撃者の証言しかない場合もあります。
事故当事者や目撃者の証言しかない状態では、記憶のあいまいさや、「自分の過失割合を少しでも少なくしたい」という気持ちから、「信号無視をしていた」「していない」、「速度違反をしていた」「していない」などの水掛け論になりやすく、争いになってしまうことが多いのです。
慰謝料・賠償額に大きく影響するから
被害者側に過失割合がつくと、その割合分、受け取れる示談金が減額されます。これを「過失相殺」と言います。
例えば被害者側の過失割合が1割なら1割示談金が少なくなるのです。
このように過失割合は示談金額に影響するため、被害者側にとっても加害者側にとっても妥協できない重要な項目です。
- 被害者側にとっては、少しでも過失割合が増えると受け取れる示談金が少なくなってしまう
- 加害者にとっては、少しでも譲歩すると加害者側が支払う慰謝料や賠償金額が増えてしまう
とくに示談金額が大きい場合は、過失割合が1割違うだけでも受け取れる金額が大幅に変わってしまいます。
だからこそ、被害者側も加害者側も妥協できず、争いになる傾向にあるのです。
駐車場事故など過去の事例が少なく過失を判別しにくい場合も多いから
過失割合は通常、過去の事例を参考にして決めていきます。
そのため、過去の事例が少ない交通事故では過失を判別しにくく、争いになりやすいのです。過去の事例が少なく争いになりやすい交通事故の代表例としては、駐車場事故があげられます。
他にも、例えば以下のような場合は事故発生時の状況がはっきりわかっていても、どちらが悪いのか判別しにくい傾向にあります。
- 信号がなく、道幅も同じ交差点の出会い頭で衝突した
- 一方は信号無視、一方は速度違反をしていた
- お互いにわき見運転をしていた
明らかにどちらが悪いとは言い難いケースでは、どれくらいの過失割合がつくのかについて、争いになる可能性が高いのです。
(2)示談金額で争う
示談金額も、交通事故の示談でよく争いになる項目です。
一般的に加害者側の任意保険会社は法的正当性の高い金額よりも低い金額を提示してきます。適正な金額を得るためには増額交渉が必要なのですが、加害者側の任意保険会社は簡単には増額に応じません。
よって、加害者側と被害者側の主張が平行線となり、示談が進まなくなることが多いのです。
示談金の中でも特に争いやすい費目は?
示談金の中でも特に争いになりやすいのは、慰謝料と休業損害です。
慰謝料や休業損害を計算する際、加害者側の任意保険会社は独自の基準(任意保険基準)に従います。
しかし、この基準に沿った金額は、過去の判例に沿った法的正当性の高い基準(弁護士基準/裁判基準)の半分~3分の1程度であることが多いのです。

※自賠責基準とは、交通事故被害者に最低限補償される金額基準のこと。任意保険基準とほぼ同等。
加害者側の提示額には2倍~3倍もの増額の余地があるとわかれば、被害者側としても十分に増額させたいと思うでしょう。
しかし、加害者側の任意保険会社は被害者への支払額を少なくしたいと考えています。こうしたことからなかなか決着がつかず、示談金額について争いになることが多くなるのです。
任意保険基準と弁護士基準とでどれくらい金額が違うのかは、関連記事『交通事故慰謝料の「任意保険基準」とは?慰謝料3つの基準と計算方法を解説』で比較しています。
弁護士基準の金額の目安は以下の計算機からもわかるので、参考にしてみてください。
(3)治療費の打ち切りや請求可否で争う
交通事故の治療費やリハビリ費用は、基本的には治療と並行して加害者側の任意保険会社が病院に直接支払います。つまり、示談交渉時には治療費・リハビリ費用はすでに全額補償済みとなっており、そもそも示談交渉で治療費について深く話し合わないことも多いです。
しかし、次の場合には、示談交渉で治療費・リハビリ費用について争いになる可能性があります。
- 治療途中で治療費が打ち切られた場合
- 症状固定後でもリハビリが必要な場合
- 整骨院に通院していた場合
それぞれの場合について、もう少し詳しく見ていきましょう。
治療途中で治療費が打ち切られた場合
交通事故の治療費は基本的に、治癒または症状固定まで、加害者側の任意保険会社に支払ってもらえます。
用語解説
- 治癒:けがが完治すること
- 症状固定:これ以上治療を続けても大幅な回復は見込めないと判断されること
しかし、次のような場合には、治療途中でも治療費の支払いを打ち切られることがあります。
- 一般的な治療期間を超える場合
- 通院頻度が非常に低い場合
- 湿布をもらうだけ、マッサージしてもらうだけなどの漫然治療が続く場合
たとえ治療費を打ち切られても、必要性があれば治療は続けられます。また、理論上は、治療費打ち切りから治癒・症状固定までの治療費は、示談交渉時に加害者側の任意保険会社に請求できます。
ただし、本当に打ち切り後の治療費を加害者側の任意保険会社に支払ってもらえるかは、交渉次第です。多くの場合は、「一度支払いを打ち切ったのだから」「本当に必要な治療だったとは言えないから」などの理由で治療費の支払いを拒否され、争いに発展してしまいます。
症状固定後でもリハビリが必要な場合
症状固定後にリハビリが必要な場合は、加害者側の任意保険会社からリハビリ費用を支払ってもらえます。
しかし、症状固定後にリハビリ費用が認められることは例外的な対応になるため、争いになる可能性が高いです。
整骨院に通院していた場合
交通事故で加害者側の任意保険会社から補償される治療費は、基本的に「病院での治療」により生じたものです。
整骨院は正確には病院ではないため、整骨院通院で生じた費用は、加害者側の任意保険会社に支払ってもらえない可能性があります。
同様に、入通院期間に応じて金額が決まる「入通院慰謝料」も、整骨院への入通院期間については対象外となる場合があります。
(4)示談成立後に後遺症が判明して争う
交通事故の示談が成立した後に、新たな損害が発覚することもあるでしょう。特に、後遺障害については時間が経ってから判明するケースも見られます。
しかし、基本的に一度示談が成立し示談書に署名・捺印してしまうと、合意内容の撤回や追加の損害賠償請求はできません。
例外的に再交渉が可能な場合もありますが、加害者側の任意保険会社が再交渉に応じてくれない可能性は非常に高いです。
そのため、新たな損害について再交渉したい被害者側と、一度成立した示談について再度交渉をしたくない加害者側でトラブルが生じる可能性があります。
例外的に再交渉が可能なケースについては、関連記事『示談成立後、撤回や追加請求は可能?後遺障害があとから発覚したら?』で詳しく解説しています。
(5)保険会社の対応に不満を感じて争う
交通事故の示談交渉を行う中で、加害者側の任意保険会社の対応や言動に不満を感じてしまうこともあるでしょう。
具体的には以下のような理由で保険会社の対応に不満を感じ、争いになってしまうことがあります。
- 加害者が謝罪してこない理由を説明してくれない
- 保険会社が強引に示談を推し進めてきて不満
それぞれのケースについて、もう少し詳しく解説します。
加害者が謝罪してこない理由を説明してくれない
交通事故の被害者になったとき、加害者から謝罪やお詫びが欲しくなるのは当たり前の感情です。また、加害者から謝罪やお詫びがないと、「不誠実な態度をとられて腹立たしい」と怒りを感じる方も多いでしょう。
しかし、加害者側の任意保険会社が加害者の様子もろくに説明しないまま、当然のように示談交渉を始めようとすることは珍しくありません。
被害者の方にとって、このような状況ではそもそも示談すらはじめる気にならないこともあるかもしれません。
もっとも、任意保険会社は、被害者と直接連絡しないよう加害者に伝えていることもあります。
示談交渉を行う任意保険会社の立場としては、被害者と加害者が直接話をすることで無用なトラブルに発展するのを危惧しているからです。
謝罪やお詫びがないと、どうしても感情的になってしまいかねませんが、任意保険会社との交渉においては冷静に対処していくのが良いでしょう。
保険会社が強引に示談を推し進めてきて不満
任意保険会社の担当者によっては強引に示談を推し進めてこようとして、被害者の不満がつのることもあるでしょう。
高圧的な言動を繰り返されたり、むやみに専門用語をつかって話をむずかしくされたりすると、被害者としてはどのように対応していいかわからず、納得していないのに示談を押し切られてしまいかねません。
被害者の言い分を聞かず、強引に話を進めてくるような場合は、示談に合意しないようにしてください。
示談で争った時に被害者が不利になる理由
示談交渉で加害者側と争いになった場合、被害者は不利になることが多いです。それは一体なぜなのでしょうか。
3つの理由を紹介します。
自分の保険会社は示談で助けてくれない
交通事故では、加害者側は加害者の加入する任意保険担当者、つまりプロが交渉にあたります。
それに対して被害者側は、過失が0だと自身の任意保険会社に交渉を代理してもらえないため、どうしても示談で不利になってしまいます。
被害者側にも過失がある場合は自身の保険担当者に示談を代理してもらえます。しかし、その場合でも以下の点から十分に助けてもらえるとは言えません。
- 保険会社同士、これまで・今後の付き合いなどを考えて交渉が甘くなることがある
- 自身の保険会社はあくまで自社の「任意保険基準」に沿った金額を主張するため、加害者側の任意保険会社の提示額とあまり変わらないことがある
よって、示談で争いになっても自分の保険会社に十分に助けてもらえるとは限らないのです。
保険会社は業績をかけて示談交渉してくる
「たとえ相手がプロでもこちらは被害者だし、きちんと根拠を示して話をすればわかってくれるのでは…?」とお思いかもしれません。
しかし、加害者側の任意保険会社は、被害者に対してシビアな態度で接し、被害者側の主張を十分には聞き入れようとしないことが多いです。
その理由は次の通りです。
- 示談交渉の結果は、加害者側の任意保険会社の損益に関わるから
- 示談で成立した内容は、担当者個人の成績にも影響するから
加害者側の任意保険会社は、利益を出して経営していく会社です。交渉によって示談金額を抑えられれば、その分会社の支出は少なく済みます。
また、1ヶ月で何件の交渉をどのような内容で成立させられたのかは担当者個人の成績にも関わってきます。
つまり、加害者側の任意保険会社はビジネスとして極めてシビアに交渉を行うため、交渉中に争いになっても、態度を軟化させる可能性は低いのです。
保険会社は被害者を示談の素人だと認識している
加害者側の任意保険会社は、被害者のことを「示談交渉の経験も知識も浅い素人」だと認識しています。そのため、たとえ交渉中に被害者側と争いになっても、高圧的な態度をとれば交渉の主導権を握れると考えていることも多いのです。
また、被害者があまり知識を持っていないことを利用し、あえて専門用語を多用することで強引に合意にこぎつけようとする場合もあります。
加害者側の任意保険会社から高圧的な態度をとられ、難しい話ばかりをされ、譲歩せざるを得なくなってしてしまう被害者も少なくありません。
被害者側にとって示談が長引くのは不都合だから粘りきれない
「被害者側からするといつまでも示談を長引かせられない」という点も、示談で争いになったときに被害者が不利になる理由のひとつです。
以下の点から、被害者側にとって示談が長引くのは不都合なのです。
- 示談金の受け取りが遅くなるため、金銭的に困る
- 損害賠償請求をする権利には時効があるため、それまでに示談を成立させなければならない
実は、交通事故の被害者が加害者に損害賠償請求する権利には、時効があります。
傷害分 (治療費、入通院慰謝料、休業損害など) | 事故翌日から5年 |
後遺障害分 (後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益など) | 症状固定翌日から5年 |
死亡分 (死亡慰謝料、死亡逸失利益など) | 死亡翌日から5年 |
物損分 (車の修理費、ペットの治療費など) | 事故翌日から3年 |
加害者側の自賠責保険会社に対して損害賠償請求をおこなう場合は「3年」
示談金の受け取りや時効の問題から、やむなく妥協して示談を成立させざるを得ない状況に追い込まれる可能性もあるのです。
加害者側の任意保険会社が意図的に示談を長引かせる作戦を取ってきた場合は特に、こうした事情で被害者側が不利になることが考えられます。
なお、示談金の一部を示談成立前に受け取ったり、損害賠償請求権の消滅時効の成立を延長したりする方法もあります。
詳しくは以下の記事で解説していますが、実際に手続きを望む場合は一度弁護士に相談することをおすすめします。
示談で争わないために自分でできる予防策は?
示談交渉では、重要な項目に関して争いになりやすく、被害者は不利になりやすいことがわかりました。
「それなら最初から争いになりたくない!」と思った方も多いでしょう。
そこで、ここからは示談交渉で争わないための予防策を紹介していきます。
できる限り事故発生時の状況を記録しておく
交通事故にあったら、まず直後の状況を記録しておきましょう。
たとえ頭の中で覚えているつもりでも、時間が経つと記憶があいまいになることがあります。記憶が新しいうちにメモを残したり、事故発生時の現場を写真に残したりしましょう。
こうした記録が、示談交渉時にどれだけ有効な証拠になるかは定かではありません。しかし、過失割合について争ったときの助けになる可能性があります。
治療の内容・頻度・通院先に気を付ける
けがの治療で通院する場合には、次の点に気を付けることで、交渉時に争いごとになることを防げます。
- 通院頻度は最低でも月1回以上、できれば月10日以上にする
- 漫然治療は避ける
- 整骨院に通いたい場合には病院の医師の許可を得る
整骨院通院は、病院の医師の許可を得たうえであれば必要性が認められ、治療費を支払ってもらいやすくなります。しかし、それでも争いごとになる可能性はゼロにはなりませんので、医師だけでなく弁護士にも予め相談しておいた方が安心です。
整骨院を利用する際の問題点については『交通事故で整骨院に通院する際の注意点|整形外科との違いは?』の記事をご覧ください。
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示談書の記載内容を工夫する
示談成立後に新たな損害が生じそうな場合には、示談書に次の文言を記載しておきましょう。
示談成立後に新たな損害が生じた場合には、再交渉をする。
上記の内容を記載しておけば、示談書上では示談成立後の再交渉が可能です。
しかし、新たな損害の種類によっては再交渉できない場合もありますし、いざ再交渉が必要になると、加害者側が拒否して争いになる可能性もあります。
新たな損害が発生して再交渉したい場合には一度弁護士に相談し、できれば再交渉の申し入れは弁護士に任せる方が良いでしょう。
示談書の記載内容は非常に重要です。交通事故における示談書について基本からおさえておきたい方は、関連記事『交通事故の示談書の書き方|テンプレート有り!記載すべき7項目や注意点を徹底解説』もあわせてご確認ください。
被害者と加害者が同じ保険会社でも対策は必要?
加害者が加入している任意保険会社と同じ任意保険会社に加入している場合でも、対策をすべきか迷う方もいます。
同じ任意保険会社同士で示談交渉を行うため、話がスムーズに進み、争う可能性が低そうにも思えるでしょう。
しかし、任意保険基準にもとづいて示談金を算出し、相場よりも低い金額で示談を行おうとする危険性は変わらず存在します。
そのため、同じ保険会社に加入している場合であっても、対策は必要といえるでしょう。
示談で争わないためには事前の弁護士相談が効果的
示談で争わないためにできる対策を紹介しましたが、上記の対策をすべておこなったとしても加害者側の任意保険会社と争ってしまう可能性は十分にあります。
よって、より効果的な対策をしたい場合は事前に弁護士に相談することをおすすめします。
なぜ事前に弁護士に相談すると良いのか、3つの理由を見ていきましょう。
理由(1)根拠ある示談金額や過失割合を主張できる
事前に弁護士に相談しておけば、示談の際に「弁護士が算定した説得力と根拠のある示談金・過失割合」を主張できるようになります。
示談金や過失割合は事故の細かい状況まで考慮し、過去の判例も参考にしながら柔軟に決めていくものです。
よって、示談金・過失割合の算定に慣れていない被害者が自分で計算した結果を主張しても、加害者側の任意保険会社は受け入れないでしょう。
示談金・過失割合については加害者側の任意保険会社のほうが遥かに詳しいです。たとえ被害者自身で根拠を用意していても、豊富な知識を駆使して簡単に退けられてしまうでしょう。
これでは被害者側の主張がほとんど通らず、争いごとになって示談が進まなくなることが考えられます。
だからこそ、被害者側も知識が豊富な専門家である弁護士に問い合わせ、示談金額・過失割合を確認しておくことが重要です。
理由(2)示談で弁護士が出てくると保険会社の態度が変わる
事前に弁護士に相談し示談交渉を依頼すれば、示談で被害者側の主張が通りやすくなります。これにより示談で争いになるリスクを下げられます。
弁護士を立てることで、争いにくくなる理由は以下のとおりです。
- 弁護士が出てくると、加害者側の任意保険会社は裁判への発展をおそれ、態度を軟化させる
- 「弁護士が出てくれば被害者側の主張を受け入れる」という方針を取っている保険会社もある
- 弁護士には知識と交渉スキルがあるため、効果的・効率的に加害者側の任意保険会社を説得できる
こうした点は、弁護士を立てるからこそ得られる効果でしょう。
理由(3)示談で争ってから弁護士を探すのは大変
弁護士への相談・依頼は、示談成立前であれば可能です。初めは自分で示談してみて、争いごとになってから弁護士に相談することもできます。
しかし、争いごとになってから弁護士を探すのは以下の点から大変です。
- 加害者側の任意保険会社との交渉は進行中なので、じっくり時間をかけて弁護士を探せない
- 示談金・過失割合の算定、根拠の用意といった準備のために、交渉進行中に弁護士と打ち合わせの時間を取る必要がある
- すでに示談交渉が始まっていること、争って不利な状況にあることから、被害者ご自身が精神的に焦りを感じている可能性がある
時間的・精神的に余裕がない中で、自分に合った弁護士をじっくり探すのは難しいでしょう。
初めは自分で示談してみるつもりであっても、いざというときすぐに信頼できる弁護士に頼れるよう、事前に弁護士の目星をつけてコンタクトをとっておくことがおすすめです。
示談で争いたくないない場合、どのような弁護士を選ぶべき?
示談で争いごとを避けるために弁護士に相談したいと思った方に向けて、弁護士選びのポイントを2つ紹介します。
- 交通事故に強い弁護士か
- 口コミ評価は良いか
それぞれ解説します。
交通事故に強い弁護士か
弁護士といっても、専門分野はさまざまです。
交通事故分野の実績に乏しい弁護士、示談交渉に慣れていない弁護士の場合は、思ったように被害者側の主張を通せなかったり、加害者側の任意保険会社に交渉の主導権を握られてしまったりする可能性があります。
そのため、交通事故事故案件の実績がある弁護士を選びましょう。保険会社側の弁護士として働いた経験がある弁護士なら、なお良しです。保険会社側の戦略や弱点についてよく知っているからです。
口コミ評価は良いか
弁護士を選ぶときには、その弁護士自身やその弁護士が所属する法律事務所の口コミもチェックしましょう。主に、「弁護士や事務員の人柄・対応」や「示談金増額実績、解決までの期間」のチェックがおすすめです。
特に弁護士や事務員の人柄・対応は、口コミからでしか知ることができません。
実際に相談してみてご自分で判断することもできますが、まずは口コミも確認してみましょう。
本記事の最後「示談で争いたくない、争いになってしまったらアトムの弁護士に相談ください」ではアトム法律事務所の実績や口コミを紹介しているので、参考にしてみてください。
交通事故の示談で争いになった場合の対処法
示談で争いになってしまった場合は、これ以上不利な状況になる前に早く手を打つ必要があります。詳しく見ていきましょう。
示談で争いごとになった場合の対処法は主に3つ
示談で争いになって自分ではどうにもできなくなった場合の対処法は、主に3つあります。
- 裁判を起こす
- ADR機関を利用
- 弁護士相談
(1)裁判を起こす|難易度高め
加害者側との交渉で決着がつかない場合には、裁判にて裁判所の判断を仰ぐことができます。この場合に起こす裁判は、刑事裁判ではなく民事裁判です。
裁判を起こすにはメリットがある一方、被害者お一人で対応するには難易度が高いといわざるを得ないデメリットもあることを認識しておきましょう。
まずメリットは次のとおりです。(勝訴した場合)
- 過去の判例に基づく「弁護士基準(裁判基準)」の金額が受け取れる可能性が高い
- 裁判で決まった賠償金の支払いが遅れた場合には「遅延損害金」というお金を受け取れる
- 示談とは違い、裁判なら加害者側の合意がなくても問題を解決できる
一方、デメリットには以下のものがあります。
- 民事裁判を起こすためには費用が必要になる
- 訴状を用意したり主張の正当性を立証する証拠資料を集めたりする手間も必要
- 判決がすぐに出るとは限らず、長い時間が必要なケースもある
- 裁判所はあくまでも第三者として判決を下すため、敗訴の可能性もある
- 敗訴すれば、訴訟費用はすべて被害者側の負担となる
ここでは交通事故の裁判に関する情報を簡単に紹介しました。さらに裁判について詳しく知りたい方は『交通事故の裁判の起こし方や流れ』の記事をご確認ください。
裁判の難易度の高さにつながるデメリットに関しては、弁護士に一任してしまうことで解決します。弁護士に相談しておけば、そもそも裁判を起こすべきケースなのか、裁判以外で解決できるケースなのかアドバイスを聞けるでしょう。
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(2)ADR機関を利用|裁判よりは簡易
民事裁判の提起に不安がある場合には、ADR機関を利用することもできます。
ADR機関
交通事故の被害者側と加害者側の間に立ち、紛争解決の手助けをしてくれる機関。
交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターなどが該当する。
ADR機関は、裁判と比べると簡易に利用することができます。ADR機関を利用するメリット・デメリットは次の通りです。
- メリット
- 無料で利用できる
- 裁判より早く解決できる可能性がある
- ADRの示す解決策に納得できない場合は拒否できる
- 加害者側の任意保険会社はADR機関の決定に従わなければならない
- デメリット
- ADR機関は中立的な立場をとるため被害者に不利な解決策を提示する可能性がある
被害者に対してADR機関が提示した解決策に拘束力はないので、納得できなければ裁判などその他の解決方法に移行してもよいでしょう。
(3)弁護士相談|最も手軽で簡単
示談交渉で加害者側と争いになった際、弁護士に依頼して示談交渉への介入を受けると、裁判やADR機関を利用することなく問題を解決できる可能性が高いです。
弁護士依頼というと大げさに思えるかもしれませんが、まずは弁護士相談から気軽にはじめてみましょう。
弁護士相談は、裁判やADRと比べると最も手軽で簡単です。
適切な示談金額や過失割合は、その事故固有の事情まで考慮し導き出されるものです。そのため、被害者自身でも、加害者側の任意保険会社でも、本当に正しい示談金額・過失割合の算出は困難といえます。
しかし、弁護士なら被害者から細かく事情を聞き取り、警察の資料などを確認することで、本当に正確な示談金額・過失割合を算出して主張できるのです。
弁護士に相談・依頼をする場合、通常は弁護士費用がかかります。相場は次の通りです。
- 相談料:5000円/30分
- 着手金:20万円
- 成功報酬:獲得示談金の約10%
交通事故の弁護士費用相場や計算方法など、弁護士費用についてより詳細に知りたい方は、関連記事『交通事故の弁護士費用相場はいくら?』をお読みください。
弁護士相談のメリット・デメリットまとめ
メリット | 法律の専門家・交渉のプロなので加害者側の任意保険会社と対等に交渉できる 交渉のテクニックにより、早く・被害者側に有利な内容で示談を成立させられる可能性がある 本当に適切な示談金額・過失割合を主張してもらえる |
デメリット | 弁護士費用がかかる |
弁護士相談のデメリットである弁護士費用に関しては、「弁護士費用特約」が使えれば心配無用です。特約があれば、上限はあるものの被害者が弁護士費用を負担することはありません。詳しくは、『交通事故の弁護士費用特約を解説|使い方は?メリットや使ってみた感想も紹介』の記事をご確認ください。
また、弁護士費用特約がなくても、無料の法律相談を活用したり、着手金が無料の弁護士を選んだりすれば弁護士費用に関するデメリットは回避可能です。
示談で争いたくない、争いになってしまったらアトムの弁護士に相談ください
弁護士に相談してみたいという場合は、アトム法律事務所もぜひご検討ください。電話・LINEでの無料相談も受け付けています。
無料相談の受付は、24時間365日いつでも対応中です。
ここからは、アトム法律事務所がどのような事務所なのか、実績や口コミを紹介させてください。

アトム法律事務所の実績と口コミ
アトムの実績|交通事故を豊富に扱う弁護士が対応
アトム法律事務所には、交通事故案件に強い弁護士が多数在籍しています。中には過去に保険会社側の弁護士だった弁護士もおります。
ここで、アトム法律事務所の弁護士による、示談金増額実績を紹介します。
2.7倍の増額実績
傷病名 | 左鎖骨骨折 |
後遺障害等級 | なし(非該当) |
示談金増額 | 110万円→300万円 |
出典:https://atomfirm.com/media/jisseki/jisseki_478
4.3倍の増額実績
後遺障害 | 左肩の可動域制限 |
後遺障害等級 | 12級7号 |
示談金増額 | 254万円→1100万円 |
出典:https://atomfirm.com/media/jisseki/jisseki_465
初めから示談交渉を代理した実績
後遺障害 | 外貌醜状(傷痕) |
後遺障害等級 | 7級12号 |
獲得示談金 | 1318万円 |
出典:https://atomfirm.com/media/jisseki/jisseki_221
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さらに、アトム法律事務所の弁護士が実際に解決した事例を知りたい場合は「交通事故の解決事例」ページが参考になります。あわせてご確認ください。
アトムの口コミ|ご依頼者様の満足度90%超え
アトム法律事務所では、90%以上のご依頼者様から、満足のお声をいただいております。これまでにいただいたお手紙の中から、一部を紹介します。
私個人ではここまでの事は出来なかったと思います。早く解決して頂き、とても感謝しております。
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その他のお手紙を読みたい方は「ご依頼者からのお手紙」のページをご確認ください。
アトム法律事務所では、今後とも弁護士・事務員一同、ご依頼者様に寄り添ったサポートを心がけてまいります。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了