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バイトテロとは?-悪ふざけをSNS投稿して迷惑かけるのは違法です

2023.10.26

質問きてた

質問

バイト先での悪ふざけをSNS投稿して迷惑かけるのは違法?

結論

犯罪・不法行為です

この不正の具体例

バイトが商品で悪戯する様子をツイートする
バイトが職場で悪ふざけしてインスタ投稿する
バイトが食品を毀損する様子をYouTubeに流す

かんたん解説

アルバイトが職場内で悪ふざけしてSNS投稿する、いわゆるバイトテロは、社内不正の典型例の一つです。ネット炎上で職場に損害を与えれば不法行為、業務妨害罪となる場合があります。

「友人に見せるつもりだった」という言い訳は通用せず、損害賠償を請求されて大事件に発展するケースもあります。

有名事件3選

バンズ寝そべりバーガーキング炎上事件

バーガーキングの男性アルバイトが、2013年6月、店舗の床に大量のバンズを積み、その上に寝そべった写真をTwitterに投稿。写真の制服等から店名が即座に特定され、苦情が多数寄せられた。会社はその後、HPにて「該当店舗及び従業員に厳重処分を下した」と謝罪をした。

バイトテロ厨房悪戯ステーキ屋閉店事件

ブロンコビリーの男性アルバイトが、2013年8月、食材が入っている冷蔵庫に足から頭まで入り、その画像をTwitterに投稿。写真の制服等から店名が即座に特定され炎上。該当店舗は翌日休業し、その後営業再開を予定していたが、批判が収まらずに1週間で閉店が決定された。

ピザ屋シェーク舐めInsta炎上事件

ドミノピザの男性店員が、2021年6月、厨房内でシェイクをヘラですくって舐める動画をInstagramに投稿。動画の情報提供を受けたユーチューバーが生配信中に取り上げ、即座に拡散。コロナ禍であったことから不衛生と炎上。その後、ドミノピザが公式サイトとTwitterで謝罪した。

やった人の責任

一般論として、社内不正を行った人には、刑事責任・民事責任・懲戒責任という三つの責任が生じる可能性があります。

バイトテロ
刑事責任 民事責任 懲戒責任
懲戒や罰金を受ける責任 損害賠償金を払う責任 解雇や減給の処分を受ける責任
刑法233条など 民法709条 各社の就業規則

刑事責任

刑事責任は、罪を犯したときに、国に対して負う責任です。

警察に逮捕・検挙された後、検察に起訴されて、裁判所に有罪と判断されれば、懲役や罰金といった刑を受けることとなります。

被害が大きければ、懲役実刑となることもあります。

刑事責任に関する法律やルール

偽計業務妨害罪(刑法233条)など

偽計業務妨害罪(刑法233条)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

威力業務妨害罪(刑法234条)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

器物損壊罪(刑法261条)
…他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。

民事責任

民事責任は、被害者である会社・または個人に対して負う責任です。最も重要なのは損害賠償責任です。

賠償すべき範囲はバイトテロにより発生した金銭的被害についての直接損害だけでなく、対応時間のロスや信用低下による損失などの間接損害も含まれ、想像以上に多額に渡る場合もあります。

民事責任に関する法律やルール

不法行為(民法709条)

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

懲戒責任

懲戒責任は、会社に対して負う責任です。その内容は、会社ごとの就業規則で定められています。不正行為の結果の重大性に応じて、懲戒解雇、降格、出勤停止、減給、戒告などの処分が下されます。

会社に大損をさせる不正、犯罪になる不正をはたらいたときは、最も重い解雇になるケースが多いです。

懲戒責任に関する法律やルール

懲戒の事由(厚労省モデル就業規則64条2項)

労働者が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。
⑤ 故意又は重大な過失により会社に重大な損害を与えたとき
⑥ 会社内において刑法その他刑罰法規の各規定に違反する行為を行い、その犯罪事実が明らかとなったとき

※会社ごと異なる

処分の実例

アパート受水槽で泳ぎ2000万円の賠償請求される
そば屋洗浄機寝そべり200万円の賠償支払い確定
イエローハットで商品に放火、放火未遂で逮捕

アトム法律事務所からのメッセージ

社長や法務部の方へ

バイトテロでネット炎上すれば、会社としての情報管理や衛生管理の能力を疑われ、顧客の信頼を大きく損ないます。未然に防ぐために、アトム法律事務所の【コンプラチェッカー】の導入をご検討ください。

社内不正を目撃した方へ

バイトテロを目撃した方は、職場の信頼できる人に相談しましょう。アトム法律事務所の【コンプラチェッカー】導入済みの会社なら、同ツールも活用してください。

社内不正をしてしまった方へ

すぐ職場の信頼できる人や警察に打ち明けることが、職場だけでなく、あなたにとっても有益です。自首の方法などでお悩みなら、アトム法律事務所の弁護士にご相談ください。